【コエテコEXPO 2026】プレミアムセミナー「プログラミング教育の最前線が語るAI時代の本質」レポート

【コエテコEXPO 2026】プレミアムセミナー「プログラミング教育の最前線が語るAI時代の本質」レポート

第6回目を迎える「コエテコEXPO byGMO 2026」。6月15日・16日のオンラインセミナーに続き、6月17日にはGMO Yours・フクラス(渋谷フクラス)にてプレミアムセミナーが開催されました。

コエテコEXPO 2026|民間プログラミング教育フェス 〜教室が動けば、教育が変わる。── AI時代を勝ち抜くプログラミングスクールの新常識〜

業界を牽引するリーダーたちが「AI時代における教室経営と学びの未来」を熱く語り合い、満員となった会場を最後まで惹きつけた今回のセミナー。

第一部では、プログラミング教育HALLO 山下誠氏(株式会社YPスイッチ 取締役社長 兼 事業本部 本部長)とヒューマンアカデミージュニア・長谷川直之氏(ヒューマンアカデミー株式会社児童教育事業部 事業部長 一般社団法人未来創生STREAM教育総合研究所 理事長)が登壇し、「なぜAI時代にプログラミングを学ぶのか」という保護者からの根本的な問いに正面から向き合いました。

第二部では、スタディサプリ「情報Ⅰ」講師の安藤昇氏(青山学院大学講師)が登壇し、AIを使って会場その場でRPGゲームを制作するライブデモを披露。バイブコーディングが切り拓く新しい教育のかたちと、AI時代に教師が担うべき本当の役割について、圧巻の実演とともに深い洞察を示しました。

本記事では、議論の要点と共に、セミナー全体の熱量をお届けします。


第一部 トークセッション:AI時代の教室経営と、プログラミング教育が変えないもの

コエテコEXPOプレミアムセミナー会場

第一部のセッションは、まず両社の事業紹介から始まりました。

実績が語る、両社の現在地

コエテコEXPOプレミアムセミナー第一部に登壇した長谷川氏・山下氏

右から、長谷川氏、山下氏、進行を務めたコエテコ沼田


プログラミング教育 HALLOの山下氏は、970教室を展開し、現在も増えている状況について紹介。

「AI時代だからこそプログラミングが大切」というメッセージを掲げながら、コーディングそのものではなく、プログラミング的思考・クリエイティビティ・プレゼンテーション能力の3つを育てることを軸に据えていると語りました。

続いて長谷川氏が、2009年のロボット教室開講から17年の歩みと、現在の全国2,000教室以上・47都道府県・在籍生徒数2万7,000名という規模を紹介しました。

「1回目の授業でロボットを組み立て完成させるプロセスで、子どもたちは達成感を覚えます。2回目はロボットを改造して友達と競い合うレースで最も盛り上がる授業。こうした授業を通じて、たくさん褒めてあげることで、子どもたちの自己肯定感が育まれます」と話す長谷川氏の言葉に、会場のあちこちでうなずく参加者の姿が見られました。

「コードの価値は変わっても、育てたい力は変わらない」

コエテコEXPOプレミアムセミナーで語る山下氏

パネルディスカッションの最初のテーマは「AI時代にプログラミング・ロボット教育の価値はどう変わるか」

司会・沼田の問いに対し、山下氏は「コードを書くことの価値は変わったかもしれません。でも、プログラミングを通じて育てたい力は変わっていない、というのが私の答えです」と明確に言い切りました。

試行錯誤のプロセスで養われる思考力、ゼロから発想するクリエイティビティ、自分の作品を人に伝えるプレゼン力。教育の本質はそこにあるという考えです。

長谷川氏も「プログラミングもAIも、あくまで手段のひとつ」という共通の認識を示しながら、「形あるものを手で動かすという体験の価値は、AI時代だからこそむしろ高まっている」と語りました。17年間の現場経験が滲む言葉に、会場は静かに耳を傾けていました。

「AIがあるのになぜ学ぶのか」保護者からの問いに正面から向き合う

コエテコEXPOプレミアムセミナーで語る長谷川氏

続くテーマは「AIがあるのになぜプログラミングを学ぶのか、という保護者の声にどう答えるか」

会場のメモを取る手が一段と活発になり、まさに現場の課題として受け止めている参加者の多さが伝わってきます。

山下氏はこうした声がここ1年で急増していると認めたうえで、「AIに何をさせるかを決めるのも、その答えを判断するのも最終的には人間。責任は人間にある」と語りました。

さらに、保護者が「本当に自分で作ったの?」と驚き、子どもが誇らしそうに「自分で考えたんだよ」と答えるという実際の場面を例に挙げながら、「AIが普及するほど、自分で考えて作り上げた体験の価値はむしろ上がっている」と続けます。

長谷川氏はより現場に近い視点から、保護者の多くが「よくわかりません」というのが本音だと率直に明かしたうえで、「考える力や好きなことを見つけてほしいという声は、昔より確実に増えています」と述べました。

非認知能力への関心が高まる一方、それをどう見える形で伝えるかが共通の課題であることが、両氏の言葉から浮かび上がりました。

保護者ニーズの変化と、公教育への参入

教室経営の現状と展望についての議論でも、二人の語り口は歯切れよく続きます。

長谷川氏は保護者ニーズの変化について、以前の「学力向上のために」あるいは「必修化されたから」という動機から「チャレンジする力」「自己肯定感」を求める声へのシフトを実感していると話しました。

DXハイスクールを通じた公教育への参入にも触れ、「新科目対応に苦労する学校の先生方に、民間がパッケージ化されたコンテンツを届けることが私たちの役割だと感じています」と語りました。

山下氏も同様に、保護者の関心が「とりあえず習わせよう」から「将来の土台にどう役立つか」という本質的な問いへと変化していると指摘。「思考力や想像力が身につくという認識が広まっていないことが課題。コードを書く習い事というイメージを、業界全体で変えていく必要がある」と語気を強めました。

人が人を育てる!AI時代でも揺るがない信念

コエテコEXPOプレミアムセミナー2026会場内の様子

セッションの締めくくりに、両氏はそれぞれのメッセージを会場に届けました。

山下氏は「テクノロジーは世の中を便利にするもの、教育は子どもに適切な負荷をかけるもの、本来この二つは相性が悪いはずです。人が人を育てる、それは教育にしかできないことだと思います」と力を込めました。

長谷川氏は「子ども一人ひとりと目と目を合わせて向き合えることこそ民間スクールの強み。大人に見てもらっているという安心感は、AIには代替できません」と語りました。

テクノロジーが急速に進化する時代にあっても、子どもたちの可能性を育てる現場の信念は揺るがない。そのことが、登壇者二人のやり取りを通じて確かに伝わってくるセッションでした。

第二部 実演・デモンストレーション:コードを書かずにゲームを作る!バイブコーディングが変える教育の現場

コエテコEXPOプレミアムセミナーで登壇した安藤昇氏

安藤昇氏


第二部はスタディサプリ「情報Ⅰ」講師であり、青山学院大学でもAI教育を手がける安藤昇氏が壇上に立ちました。

スライドも動画もカラオケも、AIが「一瞬で」仕上げる

安藤氏がAIで生成したゲームのデモ

安藤氏がAIで生成したゲーム。その場でもゲーム制作デモを行い会場にはどよめきが広がった


驚いたことに、安藤氏は会場でプログラミング環境を画面に映し出し、その場でAIにゲームを作らせ始めたのです。

「コードを書く」から「AIと創る」へ。そのメッセージをそのまま体現するような、驚きに満ちた60分でした。

安藤氏はまず、AIがすでにどこまでできるかをデモで示しました。

デザインが苦手だという安藤氏ですが、「こんな感じで」と大まかに伝えるだけでGoogleスライドを丸ごと作らせてしまいます。しかも毎回、セミナー直前に「今日の観客の様子を見て」AIにデザインを調整させているといいます。

続けて見せたのが動画生成です。

自分の写真を1枚渡し、「渋谷の駅でバトルするシーンを作って」と伝えると、AIが映像を生成します。さらには自分の声を10秒ほど学習させ、歌詞を入力するだけで出来上がるカラオケ動画を紹介。昭和歌謡の雰囲気ただよう、安藤氏ご本人が登場するカラオケ動画が流れると、笑い声が響きます。

「これ、一瞬でできるんですよ。こんなのを一瞬で作れる人間はなかなかいないですよね。」

安藤氏はそう言いながら、BGMも主題歌もキャラクターもすべてAI生成という恋愛シミュレーションゲームのオープニングムービーを投影し、会場には驚きが広がりました。

ライブでRPGを制作「自然言語だけでゲームが動き出す」

デモのクライマックスは、中世を舞台にしたロールプレイングゲームをその場で制作するデモでした。

安藤氏がAIに与えた命令はシンプルです。

「中世を舞台にしたRPGを、ウェブブラウザで動くように作ってください」。それだけです。

AIがコードを生成している間、安藤氏は別のAIツールでBGMも同時に生成しました。「中世のRPGのオープニングBGMを作って」。数十秒後、荘厳な弦楽のBGMが会場に流れ出しました。

コエテコEXPOプレミアムセミナーでデモを行う安藤氏

デモストレーションをモニターに映し出してその場で実行する安藤氏


さらにChatGPTでオープニング画像も生成。

「かっこいい感じで、ゲームがやりたくなるような中世の風景を、アスペクト比16:9で」と入力すると、鎧をまとった騎士と古城が広がる画像が現れ、AIが生成したコードをブラウザで開くと、中世RPGが実際に動き始めたのです。

コードを1行も書かず、自然言語だけでゲームが形になっていく様子は、参加者にとっても十分に驚異的だったはずです。

AIへの命令は「指示」より「相談」——子どもたちへの実践的な教え方

ライブデモの合間、安藤氏は重要な気づきを語りました。AIへの命令は「指示する」より「相談する」ほうがいい、というものです。

「命令口調だと、AIの性能が下がるんですよ。でも相談すると、AIが乗ってきます」と安藤氏は話します。

安藤氏は「授業ではコーディングの前に、誰のためか・何が変わるのか・使うとどう楽しくなるか、を先に考えさせます」と語ります。

アイデアを言葉にして、AIに渡す。その繰り返しの中で、子どもたちは自然にプログラムを「作る」体験を積んでいくという話に、会場では多くの参加者がうなずく様子が見られました。

「成果物」から「プロセス」へ 教育評価のパラダイムシフト

コエテコEXPOプレミアムセミナーで安藤氏が提示した資料

安藤氏の資料より


ライブデモが終わりに近づいたころ、安藤氏はより本質的な問いを会場に投げかけました。

AIが完璧な成果物を作れる今、教育はどう「評価」すればいいのかという問いです。水面の上には完璧な成果物がある、しかし水面下には何もない。そういう状態が学校現場で広がっているといいます。

そこで安藤氏が提案するのが、思考の「プロセス」を評価に取り込む方法です。生徒がAIにどんな命令をして、どう修正したか。制作の過程やAIへの指示内容など「学びの履歴」を記録して評価に活用することで、成果物だけでは見えない思考過程を見られるのです。

「今、命令をしたよね、それをIssueに書いておいて」とAIに指示すれば、制作の記録が自動的に蓄積されていきます。

「1時間に何回、作って→試して→改善するループを回したか。その回数が評価の軸になってくると思います」という言葉は、教育評価の根本的な転換を示唆するものでした。

「作りたい」という気持ちを育てることが、AI時代の教育の核心

安藤氏がAIで作成したコエテコEXPOプレミアムセミナーの資料

安藤氏の資料より


セッションの終盤、安藤氏の話は教育の根本へと向かっていきました。AIをいくら与えても、「何をやっていいかわからない」子どもが増えているという現実です。

受験教育の中で“好奇心”や“やりたいこと”を抑えてきた子どもたちは、自由度を与えられたとき、往々にして立ち止まってしまうといいます。

だとすれば、教育者が育てるべきは何か。

安藤氏は自身の経験を振り返りながら、こう語りました。

「文部科学省の学習指導要領でも非常に良いことを言っています。まず子どもが実際に体験し、『なぜだろう』という好奇心を持つこと。次に、よく観察し、自分の言葉で考えを整理する。要するに、体験させ、問いを立てて試し、会話・検証のループを回す必要があります」

コードの書き方を教えるのはAIと動画教材に任せればいい。「作りたい」「見せたい」「もっとやりたい」という気持ちを小さい頃から育てること。それこそがAI時代のプログラミング教育にしかできないことだと安藤氏は言います。

「作った、動いた、終わり」ではなく、「動いた」からが始まり。そこから改善や工夫を重ねることで、一人ひとりの個性が育ち、学びはより深まっていきます。安藤氏の力強い言葉が、会場に響きわたりました。

コエテコEXPO2026 プレミアムセミナーを通じて届いたメッセージとは

コエテコEXPOプレミアムセミナー2026の様子

第一部・第二部を通じて印象的だったのは、登壇者全員が口をそろえて「AIは手段であり、育てるべきは人間の力だ」と語ったことです。

プログラミング教育 HALLOの山下氏が言った「テクノロジーと教育は本来相性が悪い」という逆説的な言葉、ヒューマンアカデミーの長谷川氏が語った「目と目を合わせて向き合えることこそ民間スクールの強み」という確信、そして安藤氏が繰り返し強調した「作りたいという気持ちを育てることが核心」というメッセージ。

三者の言葉はそれぞれ異なるアプローチをとりながらも、同じ本質を指し示していました。

第二部の安藤氏によるライブデモは、AIがすでに「使えるレベル」に達していることを会場全体に実感させる圧巻の内容でした。コードを1行も書かずにRPGゲームが完成する場面は、「プログラミング教育とは何か」という問いを根本から問い直す体験でもありました。

その一方で安藤氏が強調したのは、AIをいくら与えても「何をやりたいか」がなければ何も生まれないという現実です。それは第一部の二人が語った「非認知能力の育成」とも深く響き合います。

AI時代のプログラミング教育は、コーディングスキルの指導から、創造性・好奇心・試行錯誤を根付かせる営みへとシフトしつつあります。そのシフトの先頭を走るのが、今回登壇した3名を含む民間教育の現場です。

変化の中で教育の本質を問い続けるこのセミナーの姿勢は、コエテコEXPO byGMOが単なるイベントを超え、業界全体で「これからの教育」を共に考える場として機能していることを示しています。

AIが教室に入り込み、学びの前提が問い直されている今だからこそ、現場の声を持ち寄り、議論を深めるこうした場の意義は大きいのではないでしょうか。

登壇者たちが示した確信と問いは、この日会場にいた一人ひとりの教育者が、それぞれの現場へ持ち帰るものになったはずです。AI時代のプログラミング教育がどこへ向かうのか、その答えはこれからの実践の中で少しずつ形になっていくでしょう。
今から対策しませんか?新・大学入試
お近くの教室を探す
コエテコ経由で体験申し込みされた方全員にAmazonギフトカードプレゼント中!
体験レッスン+口コミ投稿された方全員に
Amazonギフトカードプレゼント中!

あわせて読みたいガイド

プログラミング教育がスッキリわかる!
よく分かるプログラミング教室ガイドを読む

RECOMMENDこの記事を読んだ方へおすすめ

運営者情報

コエテコ byGMO 」は、東証プライム上場企業である GMOインターネットグループ株式会社 の連結グループ会社、GMOメディア株式会社によって運営されています。 編集は、同社の教育サービス事業部「コエテコマガジン」制作チームが担当しています。

商号 GMOメディア株式会社 (GMO Media, Inc.)
設立年月日 2000年10月13日
GMOメディア株式会社の事業内容 メディア事業、ソリューション事業
所在地 東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー 12F
資本金 7億6197万円(2024年12月31日現在)
上場市場 東京証券取引所 グロース市場(証券コード : 6180)
主要株主 GMOインターネットグループ株式会社
東京証券取引所 プライム市場(証券コード : 9449)
許可 厚生労働大臣許可番号
有料職業紹介事業(13-ユ-316281)
運営者情報の詳細はこちら