結論からいえば、AIが効くのは「応募する前」の工程です。
自己分析・ES・企業研究・面接練習・情報整理のどこで使うかを決めないまま触ると、どこかで見たような文章が出てくるだけで終わってしまいます。
この記事では、就活でAIを活用できる5つの場面と、そのまま使えるプロンプト例、そして「AIで書いたESはバレるのか」という不安への答えをまとめました。
あわせて、文系から新卒でIT企業のWebデザイナー職に内定したDさんへの取材も、本人の言葉のまま掲載しています。
手探りだった26卒の時期は約20社にエントリーして内定ゼロ。
戦略を絞った27卒では、4社のエントリーで3社から内定を得た方です。
ChatGPTを「壁打ち相手」に変えた具体的なやり方まで、実際に就活を終えた本人が語っています。
- 1. 就活でAIを活用できる5つの場面|自己分析からES・面接練習まで
- 2. 就活で使うAIの選び方|汎用AIと就活特化型AIの違い
- 3. そのまま使える就活AIのプロンプト例|自己分析・ES添削・模擬面接
- 4. 就活でAIを使うときの注意点|「バレる」のかと入力してはいけない情報
- 5. 【体験談】文系から新卒でWebデザイナーへ|就活を始めたきっかけ
- 6. 文系・未経験でIT就活する不安
- 7. 就活でのAI活用術|ChatGPTでの自己分析とサービスの取捨選択
- 8. 内定と、新卒Webデザイナーとして入社を決めた理由
- 9. これから就活でAIを活用したい後輩へ
- 10. 文系・未経験から新卒でWebデザイナーになるには?
- 11. よくある質問
就活でAIを活用できる5つの場面|自己分析からES・面接練習まで

「うまく進まないな」と感じる部分をサポートしてもらう感覚で取り入れてみてください。
| 工程 | AIにやらせること | 効果が出やすい使い方 | 任せすぎると起きること |
|---|---|---|---|
| 自己分析 | 経験に対する深掘り質問の生成 | モチベーショングラフと併用し言語化する | 表面的な強みだけが抽出され個性が消える |
| ES・志望動機 | 自分で書いた文章の論理破綻や誤字のチェック | 構成や表現の添削・ブラッシュアップを依頼する | どこかで見たようなありきたりな文章になる |
| 企業研究 | 企業HPからの「求める人物像」の抽出 | 一次情報を読み込ませて要約させる | 古い情報や不正確なデータをもとに判断してしまう |
| 面接練習 | 志望企業に合わせた想定質問集の作成と壁打ち | 納得いくまで何度も回答を繰り返す | 臨機応変なコミュニケーション能力が育たない |
| 情報整理 | 膨大な就活情報からの条件の絞り込み | 自分に不要な情報やサービスを削る判断基準にする | 偶然の出会いや想定外の優良企業を見落とす |
自己分析|経験の棚卸しと言語化を手伝わせる
就活の自己分析にAIを活用する際は、AIに直接答えを出させるのではなく、自分の経験に対して質問を投げ続けさせる使い方が効果的です。AIからの客観的な問いかけに答えることで、自分では気づけなかった潜在的な価値観や強みを言語化できるでしょう。
株式会社i-plugの前本貴生氏が推奨する、人生のモチベーションの変化をグラフにする「モチベーショングラフ」と組み合わせるのがおすすめです。
過去の出来事に対して「なぜその時モチベーションが上がったのか?」と生成AIに深掘りさせることで、単なる出来事の羅列で終わらない深い自己分析が可能になります。
ES・志望動機|書いた文章を添削させる
就活のESや志望動機にAIを活用する基本は、ゼロから書かせるのではなく、自分の言葉で書いたものを添削させることです。最初からAIに任せてしまうと、無難でありきたりな文章になり、採用担当者に就活でAIを使ったことがバレるリスクが高まってしまいます。
まずは自分自身の原体験をもとに文章を作成し、その後に「論理的な飛躍はないか」「より伝わりやすい表現はないか」と就活の添削をAIに依頼してみてください。
Webデザイナーを新卒未経験から目指すような場合でも、自分の熱意を損なうことなく、客観的で説得力のある文章へとブラッシュアップできます。
企業研究|企業HPの読み込みを加速させる
企業研究では、企業HPという一次情報をAIに読み込ませて、この企業が求める人物像を抽出させる使い方が有効です。膨大なテキストデータから企業の理念や事業内容の要点を素早く把握し、自分の強みとどう結びつくかを効率的に分析できるからです。
実際に文系学部からIT企業のWebデザイナー職に新卒で内定したDさんは、この手順を踏んでいました。
企業HPの情報をChatGPTなどのAIに読み込ませて求める人物像を明確にし、そこに自身の強みをどうアピールするかを練り上げたことが、内定につながりました。
面接練習|AIを何度でも付き合う壁打ち相手にする
就活の面接練習でAIを活用する最大の利点は、志望企業に合わせた想定質問集を作らせて、何度でも付き合ってくれる壁打ち相手にできることです。人間相手の模擬面接では頼みにくい回数や深夜の時間帯でも、AI面接の練習相手としてであれば気兼ねなく回答を練り直せますよね。
Dさんは2次面接で4社連続見送りになり、精神的に最も落ち込んだ時期がありました。
しかし、就活AIのプロンプトを工夫して壁打ち相手として活用し、納得がいくまで練習を繰り返したことで、一貫性のある論理的なアピールができるようになったそうです。
Dさん自身も「もしAIがなかったら、自己分析も面接対策も浅いレベルで終わっていたはず」と実感しています。
情報整理|就活情報から自分に不要なものを削る
情報整理の工程では、大量の就活情報の中から自分の条件に合わないものを切るための判断にAIを使います。現代の就活は情報過多になりがちですが、自分に不要な情報を削ることで、本当に必要な対策に時間を割けるようになるでしょう。
Dさんは、希望条件を無視したスカウトや的外れな求人提案を「ノイズ」と呼んで切り捨てていました。
どのサービスを切るかを決めたのはDさん自身ですが、集めた情報を並べて突き合わせる作業はAIに任せられます。
求人票の条件と自分の希望を照らし合わせる、企業HPの記述から気になる点を洗い出す、といった作業です。
結果としてDさんは27卒の選考で4社にエントリーし、3社から内定を獲得しています。
コエテコが取材した2人の「応募数」と「結果」
コエテコキャリアが取材した2人の数字を並べると、応募数と結果の関係が見えてきます。| 事例 | そのときの状況 | 応募・エントリー数 | 結果 |
|---|---|---|---|
| Dさん(26卒の時期) | 志望も使うサービスも絞れていなかった | 約20社 | 内定0社 |
| Dさん(27卒) | 情報源を3つに絞り、企業HPを読み込んでAIと模擬面接を繰り返した | 4社 | 内定3社 |
| Jさん(第二新卒・未経験からWebデザイナー) | 退職して6ヶ月・毎日7時間学習し、応募企業に合わせてポートフォリオを作り込んだ | 2社 | 書類2社通過・内定1社 |
同じDさんでも、絞り込む前は約20社で内定ゼロ、絞り込んだ後は4社で内定3社です。
Jさんに至っては、エージェントから「未経験は50社応募して面接に進めるのは2割程度」と伝えられていた市場で、応募を2社にとどめています。
3例に共通しているのは、応募数を増やしたことではなく、応募する前の情報の絞り込みに時間を使った点でした。
AIが効くのはまさにこの「応募する前」の工程です。
就活で使うAIの選び方|汎用AIと就活特化型AIの違い

| 種類 | 得意なこと | 手間・弱点 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 汎用AI(ChatGPTなど) | プロンプト次第で自己分析から面接対策まで柔軟に対応できる | 就活の文脈や評価基準を自分で設定する手間がかかる | 志望職種が明確で、自分用にカスタマイズしたい人 |
| 就活特化型のAIサービス | 自己分析やES添削など、就活の型に沿った対策が手軽にできる | 専門性の高い職種だと一般的な助言に寄りやすい | 就活を始めたばかりで、まずは基本的な型を知りたい人 |
汎用AI(ChatGPTなどの生成AI)が得意なこと
汎用の生成AIは、指示(プロンプト)次第で就活の自己分析からESの添削、面接練習まであらゆる場面に活用できる柔軟性が強みです。ただし、AI自体は就活の前提知識を持っていないため、企業が求める人物像などの文脈や評価基準を自分で与える必要があります。
新卒でWebデザイナー職に内定したDさんの場合、デザイナー志望という特殊性から、総合型エージェントでは事務職などを提案され、逆求人サイトでも希望と異なるスカウトが多いため利用を中止しました。
代わりにReDesigner for StudentやONE CAREER、OpenWorkの3つに情報源を絞り込んでいます。
そして、企業HPを徹底的に読み込んで求める人物像を抽出し、ChatGPTを自分専用の壁打ち相手としてカスタマイズすることで、専門的な面接対策を実現しました。
ChatGPT以外にも、文章の作成や要約が得意な生成AIは複数あります。
使えるツールの選択肢は「生成aiアプリおすすめ17選!無料で使える文章作成ツールも」で比較しているので、自分に合うものを探してみてください。
就活特化型のAIサービスが得意なこと
就活特化型のAIサービスは、最初から就活の工程に合わせた型が組み込まれているため、設定の手間が少ない点が魅力です。自己分析や志望動機の作成など、画面の指示に従うだけでスムーズに進められます。
一方で、あらかじめ設定された一般的な評価基準に基づいて回答するため、専門的なスキルが求められる職種や、特殊な選考フローには対応しきれない場合があります。
新卒や未経験からWebデザイナーを目指すようなケースでは、汎用的な助言に寄りやすく、物足りなさを感じるかもしれません。
どちらを選ぶかは「就活の準備がどこまで進んでいるか」で決まる
就活でおすすめのAIを選ぶ際の判断基準は、就活の準備がどこまで進んでいるかという点にあります。新卒オファー型就活サービス「OfferBox」を運営する株式会社i-plugの前本氏は、サービスの使い分けについて「準備が整い志望が明確ならナビ系、絞り込めていないならオファー型」と述べています。
実は、この考え方は就活におけるAIツールの選択にもそのまま当てはまるのです。
前本氏への取材の全文は「就活のやり方がわからない!OfferBox責任者に直接取材」にまとめています。
就活を始めたばかりで志望業界が絞り込めていない段階では、手軽に自己分析やES作成の基本を学べる就活特化型AIが役立ちます。
一方で、志望企業が明確になり、より深い企業研究や専門的な面接対策が必要な段階になれば、細かな条件設定ができる汎用AIが適しているといえるでしょう。
また、これらはどちらか一方に絞る必要はありません。
初期段階では特化型サービスで基礎を固め、選考が進むにつれて汎用AIで対策を深掘りするなど、状況に応じて併用することで、より効果的に就活を進められます。
そのまま使える就活AIのプロンプト例|自己分析・ES添削・模擬面接

この条件を揃えることで、AIが文脈を正確に理解し、あなたの状況に合わせた具体的な回答を引き出せるようになります。
ここでは、ChatGPTなどの生成AIを就活ツールとして使いこなすための具体的なプロンプト例を紹介しましょう。
自己分析を深掘りさせるプロンプト
就活の自己分析でAIを使う際は、AIに結論を急がせず、あなた自身の思考を引き出すための質問者として機能させることがポイントです。AIに直接「私の強みは何ですか」と聞いても、一般的な回答しか返ってきません。
プロンプトの例としては、「あなたはプロのキャリアアドバイザーです。
私のこれまでの経験を箇条書きで伝えますので、私の強みや価値観を深掘りするための質問を10個出してください」と指示してみてください。
AIから提示された質問に対してあなたが答えを返し、その回答に対してさらに「なぜそう考えたのですか」「その時に苦労したことは何ですか」と質問を重ねさせることで、一人では気づけなかった深い自己理解に到達できるはずです。
ES・志望動機を添削させるプロンプト
就活のESや志望動機をAIに添削してもらう際は、AIに文章を丸ごと書き直させるのではなく、企業が求める要素との「ズレ」を指摘させることが重要です。AIが作成した文章をそのまま提出すると、あなた自身の個性や熱意が失われ、面接で深掘りされた際にAIの利用がバレるリスクも高まります。
プロンプトの例としては、「あなたは企業の採用担当者です。
以下の『私が書いた志望動機』と『企業HPに記載されている求める人物像』を読み比べてください。
求める人物像とずれている箇所や、論理が飛躍している部分を3点指摘してください」と指示します。
このように自分で書いた文章と企業の一次情報の両方を材料として渡すことで、客観的かつ精度の高いフィードバックを得られます。
指摘を受けた箇所を自分の言葉で修正することで、説得力のあるESに仕上がるでしょう。
模擬面接を繰り返すプロンプト
就活の面接練習にAIを用いる場合は、AIを面接官として設定し、一問一答の対話形式で進行させるのが効果的です。一度に複数の質問を投げられると、実際の面接のような緊張感や思考の瞬発力を養えません。
プロンプトの例としては、「あなたはWebデザイナーを新卒採用する企業の面接官です。
企業の事業内容と私の希望職種を提示しますので、面接官として1問ずつ質問してください。
私の回答に対して良かった点と改善点のフィードバックを行ってから、次の質問に進んでください」と役割と手順を固定して指示します。
実際に、文系未経験からWebデザイナー職で新卒入社を果たしたDさんは、汎用的な面接のTipsを基にAIに想定質問集を作らせて壁打ち相手にするという独自の方法を実践しました。
企業HPから求める人物像を抽出したうえでAIと模擬面接を繰り返したことで、一貫性のある論理的なアピールができるようになり、内定獲得につなげています。
AIの回答精度を上げる3つのコツ
就活AIのプロンプトをさらに効果的に活用し、回答の精度を高めるためには、以下の3つのコツを押さえることが重要です。- 企業HPなどの一次情報を材料として渡す
- 一度で完成させようとせずAIとの対話を往復する
- 出力された文章はそのまま使わず自分の言葉に戻す
Dさんも情報収集の原則として実践していたように、企業HPなどを読み込んで得た正確な情報をAIに読み込ませることで、企業ごとのカルチャーフィットを踏まえた精度の高い回答が得られます。
2つ目は、AIとの対話を重ねることです。
最初から完璧な回答を求めるのではなく、出力結果に対して「もう少し具体的に」「別の視点から」と指示を足していくことで、より深い分析や質の高いフィードバックに近づきます。
3つ目は、自分の言葉で表現し直すことです。
AIが生成した整いすぎた文章をそのまま使うと、未経験からWebデザイナーを目指す熱意やあなたらしい人柄が伝わりにくくなってしまいます。
AIはあくまで思考を整理し、客観的な視点を得るための補助ツールとして活用し、最終的なアウトプットは必ず自身の言葉で紡ぐことが大切です。
就活でAIを使うときの注意点|「バレる」のかと入力してはいけない情報

注意点として、以下のポイントをしっかり押さえておきましょう。
AIで書いたESはバレるのか
AIで書いたエントリーシート(ES)は、文章そのもので機械的に判定されるのではなく、面接で深掘りされた際に自分の言葉で説明できないことで露見してしまいます。面接官はESの内容をもとに質問を重ねていきます。
就活でESをAIに作成させ、生成された模範的で綺麗な文章をそのまま提出してしまうと、自分の実際の経験や感情と結びついていないため、具体的なエピソードを問われた際に言葉に詰まってしまうからです。
また、OfferBoxを運営する株式会社i-plugの前本氏によると、新卒採用ではスキルフィットよりもカルチャーフィット(企業との相性)が重視される傾向があります。
AIで整えすぎた回答は、あなたの本来の個性や価値観を隠してしまい、企業との本当の相性の見極めを妨げる原因になりかねません。
AIが出力した文章はそのまま提出せず、必ず自分の経験と接続して自分の言葉で書き直す工程を挟むことが重要です。
AIに入力してはいけない情報
生成AIを利用する際は、情報漏洩を防ぐために特定の機密情報を絶対に入力してはいけません。具体的には、以下のような情報は入力しないよう注意してください。
- 氏名・住所・電話番号・学籍番号などの個人情報
- まだ公開されていない選考情報
- 企業から受け取った守秘性のある資料
あなたが入力した企業の機密情報が、他のユーザーへの回答として出力されてしまう危険性があるのです。
就活でAIを活用する際は、必ず事前に設定を確認し、入力データが学習に使われない設定に変更してから使うようにしてください。
AI面接・Webテストでの利用は規約違反になることがある
就活のAI面接やWebテストを受検している最中に、AIを使って回答を得る行為は企業の規約違反にあたる場合があるため絶対に避けてください。就活でのAI活用はあくまで事前の対策や面接練習にとどめ、本番の選考では自らの実力で誠実に取り組むことが不可欠です。
AIに任せてはいけないのは「決める」工程
AIはアイデアを広げたり情報を整理したりするのには向いていますが、「どの企業を選ぶか」という最終的な決断の工程を任せてはいけません。| AIに任せてよい工程 | 広げる・整理する・指摘させる(自己分析の深掘り、ESの添削) |
| 自分で決める工程 | どの企業を選ぶか、最終的な方向性を決める |
AIは世の中の一般的な傾向やデータに基づいて回答を出力するため、あなた個人の人生の価値観や、仕事に対する熱量までは考慮できないからです。
就活の自己分析やESの添削でAIを利用し、客観的な指摘をさせる使い方は有効ですが、最終的な方向性を決めるのは自分自身であるべきです。
未経験からWebデザイナーとして新卒入社を果たしたDさんは、「就活中は、つい企業に自分を寄せて自分を偽ってしまいがち。それでは入社後に自分らしく働くことが難しくなる」と指摘しています。
AIの意見に流されて自分を偽るのではなく、AIは思考を深めるための道具として割り切って使うことが、入社後のミスマッチを防ぎ、後悔のない就活につながります。
とはいえ、決める工程をひとりで抱え込むのもつらいものです。
無料で使える相談先は「就活相談の無料窓口おすすめ5選」にまとめているので、AIと人の使い分けの参考にしてみてください。
ここからは、実際に就活でAIを使い、文系・未経験から新卒でIT企業のWebデザイナー職に内定したDさんの話です。
上で挙げた5つの場面を、ひとりの就活生がどう組み合わせたのかが分かります。
【体験談】文系から新卒でWebデザイナーへ|就活を始めたきっかけ

大学3年生の9月頃です。
周囲が就活を意識し始めた時期でしたが、私自身はまだ「自分のやりたいこと」を明確に言語化できていませんでした。
そこで、まずは媒体を問わず、デザインに関われる企業の説明会に片っ端から参加し、自分の適性や志向を探る時間にあてました。
まずは幅広く行動し、ご自身の「軸」を探求されたのですね。
数ある業界の中から、最終的にIT企業へフォーカスした理由を教えてください。
メーカーのプロダクトデザイナーにも惹かれていましたが、調べていくうちに「AIなど、1日単位で進化する最先端の技術に触れ続けられること」が、これからのモノづくりにおいて最大の魅力だと気づきました。
最先端を追い続ける環境に身を置くことが、将来的な自身の市場価値の向上に直結すると考え、IT業界に絞りました。
「市場価値の向上」を見据えた戦略的な選択ですね。
とはいえ、スタート時点でIT業界に関する知識はどの程度お持ちでしたか?
実は、最初は全くと言っていいほど深く理解していませんでした。
お恥ずかしながら、「デザインとエンジニアリングは別のもの」という程度の認識からのスタートでした。
文系・未経験でIT就活する不安

手探り状態からのスタートだったからこそ、業界を絞った後には大きな壁を感じたのではないでしょうか。
文系・未経験からIT企業を目指すうえで、最も不安だったことは何ですか?
やはり「専門知識の壁」です。
デザインの知識だけでは、エンジニアなど他職種と円滑に協業できないのではないかと危惧していました。
実際に調べてみると、「デザイナー採用」と謳っていても、業務実態はエンジニアリングに近い企業も少なくありません。
自分のやりたいことと企業の求める役割にミスマッチが起きないか、慎重に見極める必要性を感じていました。
実態を冷静に分析し、ミスマッチを防ごうとされたのですね。
その専門知識に対する不安には、どのように対処しましたか?
情報収集はしつつも、「調べすぎて身動きが取れなくなること」は避けようと意識しました。
新卒採用においては、即戦力となるプロフェッショナルな知識よりも、ポテンシャルや基礎的なスキル、学ぶ姿勢が重視されるはずです。
そのため、今の自分にない知識について深刻に悩みすぎず、バランスを取るように心がけました。
就活中、精神的に一番追い込まれたのはどんな瞬間でしたか?
2次面接での見送りが、同じ時期に4社連続で続いたときです。
「自分の人柄やソフトスキルそのものを否定されているのではないか」と感じてしまい、あの時期は本当に落ち込みました。
就活でのAI活用術|ChatGPTでの自己分析とサービスの取捨選択

連続するお見送りは、自己肯定感を削られますよね。
そこから状況を打開するために、就活サービスはどのように活用されましたか?
一人で抱え込まず、エージェントや就活サイト、逆求人サイトなど様々なツールを試しました。
ただ、総合型のエージェントでは、デザイナー志望と伝えても総合職や事務職の求人ばかり提案され、途中で利用を辞めました。
また、逆求人サイトでも希望条件を無視したスカウトが多く、自分に合わないサービスはかえってストレスや「ノイズ」になると気づき、取捨選択するようになりました。
ご自身にとって有益な情報源だけを厳選されたのですね。
具体的に、どのサービスが役に立ちましたか?
主に『ReDesigner for Student』『ONE CAREER』『OpenWork』の3つです。
ONE CAREERで通過ESや内定者エピソードを分析して選考対策を練り、OpenWorkでリアルな残業時間や風通しの良さなど「情報の透明性」を確保していました。
24万件以上の通過ESを閲覧可能
デザイナー特有のポートフォリオ作成や、専門的な面接対策について、誰かにサポートを依頼しましたか?

生成AI(ChatGPT)を活用した就活のやり方①
それが一番の課題でした。
エージェントやキャリアセンターでは、一般的なガクチカの添削はできても、ポートフォリオの見せ方や企業ごとの専門的な対策までは相談できませんでした。
そこで、汎用的な面接のTipsを基に、ChatGPTなどのAIに想定質問集を作らせて「壁打ち相手」にするという独自の方法に行き着きました。
AIを相手に回答を何度もブラッシュアップすることで、一貫性のある論理的なアピールができるようになりました。
既存のサポート不足を、AIという最新技術を使って主体的に補われたのは見事です。
ツールを厳選し、AIを活用するようになってから、就活の進め方はどう変わりましたか?
「使えるものは何でも活用するが、ノイズは徹底的に遮断する」というスタンスが確立しました。
ReDesigner for Studentのような特化型サービスで良質な企業と出会い、そこで得た情報を他サイトで深掘りする。
一方で、自分に合わないスカウトや求人は見ない。
このメリハリが精神的な安定にも繋がりました。
自力での情報収集や選考対策において、最も核心となったアクションは何ですか?

生成AI(ChatGPT)を活用した就活のやり方②
情報収集においては、齟齬のない一次情報である「企業HP」を徹底的に読み込むことです。
そして選考対策においては、やはり「AIとの壁打ち」ですね。
企業が求める人物像をHPから抽出し、それに合わせてAIと模擬面接を繰り返す。
もしAIがなかったら、自己分析も面接対策も浅いレベルで終わっていたはずです。
AI台頭の時代に就活を経験できたことは、私にとって大きなアドバンテージでした。
内定と、新卒Webデザイナーとして入社を決めた理由

確実な一次情報とAIを掛け合わせた戦略は、まさに「最先端を追うデザイナー」にふさわしいアプローチですね。
最終的なエントリー数と内定獲得数を教えてください。
実は、手探りだった26卒の時期を含めると約20社にエントリーして「内定ゼロ」でした。
しかし、戦略を明確にした27卒の選考では、4社にエントリーして3社から内定をいただくことができました。
戦略の転換が、圧倒的な内定率の向上に直結したのですね。
厳選したサービスは、内定獲得にどう寄与しましたか?
特にReDesigner for Studentは、ポートフォリオを直接企業に見てもらえるため、私のスキルや志向性と、企業が求める要件とをすり合わせる「精度の高い橋渡し」をしてくれました。
企業と直接、かつ密なコミュニケーションが取れたことが勝因の一つです。
最終的に、数ある内定先の中から現在のIT企業を選んだ決め手は何でしたか?
最後は「自分のキャリアビジョンとの完全な一致」です。
面接を通じて社員の方々の温かさや、私の成長を本気でサポートしてくれる環境だと確信できたことがベースにあります。
その上で、「企業としてAI技術に圧倒的な強みを持ち、日本のビジネスを牽引する力があるか」を重視しました。
AIの活用が当たり前になるこれからの時代において、その「黎明期」の最前線を走る企業に新卒で飛び込めるのは、非常に幸運なことだと感じています。
これから就活でAIを活用したい後輩へ

人の温かさと最先端の技術力、その両方を兼ね備えた最高の環境を勝ち取られたのですね。
文系・未経験からIT業界のデザイナーを目指す後輩へ、最も伝えたいアドバイスは何ですか?
「AIを使いこなせる人材になること」に尽きます。
今後のデザイナーにとって、個人のデザインスキルはもちろん重要ですが、それを最大化させるためにはAIの活用が不可欠です。
世の中に溢れる膨大な情報の中から、「自分にとって本当に有効な情報をAIを駆使して洗い出すスキル」を持っている人が、これからの時代、圧倒的に強くなると実感しています。
AIを単なるツールとしてではなく、自分の可能性を広げる武器として使いこなすことが立派なキャリア形成に繋がるのですね。
最後に、就活サービスの利用に迷っている後輩へメッセージをお願いします。
就活中は、つい企業に自分を寄せて「自分を偽って」しまいがちです。
しかし、それでは入社後に「自分らしく働くこと」が難しくなってしまいます。
だからこそ、ツール選びから「自分軸」を貫いてください。使いやすさ、信頼性、使っていて前向きになれるか。
自分に合わない「ノイズ」になるサービスは思い切って捨てて構いません。
プロセス全体を通して「自分らしさを担保できる就活」を実現するために、自分に本当にフィットするサービスだけを厳選してほしいと思います。
文系・未経験から新卒でWebデザイナーになるには?

文系・未経験でも新卒枠なら狙える理由
新卒でWebデザイナーを目指す場合、即戦力となる専門知識よりもポテンシャルや学ぶ姿勢が評価されるため、文系・未経験からでも十分に内定を狙えます。OfferBoxを運営する株式会社i-plugの前本氏によると、現在の新卒市場は有効求人倍率が1.75倍程度まで回復しており、超売り手市場の追い風が吹いています。
新卒採用ではスキルフィット以上に、企業との相性であるカルチャーフィットが重視される傾向があります。
実際に文系学部から新卒でWebデザイナーになったDさんも、当初は「専門知識の壁」に強い不安を抱いていました。
しかし、新卒枠であれば入社後の成長可能性で勝負できると判断し、就活でAIを活用して抽出した求める人物像をもとに面接対策を行い、自らの熱意を伝えることに注力したそうです。
同じ文系出身でも、エンジニア職を検討する場合は求められるスキルの中身が変わります。
その違いは「文系出身者がITエンジニアになるのはきつい?」で解説しています。
新卒Webデザイナーの求人はどこで探すか
新卒でWebデザイナーの求人を探す際は、総合ナビサイトだけでなく、デザイナー職に特化したサービスを併用することでマッチングの精度が格段に上がります。Dさんは就活初期に総合型エージェントを利用しましたが、総合職や事務職ばかり提案されたため利用を中止しました。
希望条件に合わないスカウトも「ノイズ」と判断して切り捨て、最終的にReDesigner for Studentなどの特化型サービスを活用しています。
決め手となったのは、自分のポートフォリオを直接企業に見てもらえる仕組みがあり、精度の高い橋渡しを受けられたことです。
また、求人票に「デザイナー採用」と書かれていても、業務実態がエンジニアリングに近い企業が存在します。
Dさんもこの点を強く警戒していました。
ミスマッチを防ぐためには、企業HPなどの一次情報を徹底的に読み込み、業務の実態を正しく見極める必要があります。
選考の中心はポートフォリオになる
Webデザイナーの選考において最も重要な評価基準となるのが、スキルと熱意を視覚的に証明するポートフォリオです。コエテコキャリアが取材した、未経験からWebデザイナーになったJさんの例を見ると、その重要性がよくわかります。
Jさんは会社を退職後、6ヶ月間にわたり毎日7時間の学習を重ね、ポートフォリオ制作を含めた準備に2〜3ヶ月を費やしました。
取材の全文は「物流・倉庫管理から転職できない?転職先は?未経験Webデザイナーになった体験談」で読めます。
転職エージェントからは「未経験の場合は50社応募して、面接に進めるのは2割程度」という厳しい相場観を伝えられていたそうです。
しかし、Jさんは応募企業に合わせてポートフォリオを徹底的に作り込んだ結果、わずか2社の応募で2社とも書類選考を通過し、1社から内定を獲得しています。
応募数を増やすことより、応募する企業に合わせてポートフォリオを作り込むほうが書類通過につながった一例です。
ポートフォリオの作り込みを独学で進めるのが不安なら、就職支援つきのスクールを使う手もあります。
支援内容の違いは「就職支援充実のWebデザインスクール11選」で比較しています。
新卒で決まらなかったときは第二新卒という選択肢もある
もし新卒の就職活動で希望通りに決まらなかったとしても、卒業後に第二新卒枠を利用して未経験からWebデザイナーを目指す道が残されています。前述のJさんも、物流・倉庫管理の仕事から未経験でWebデザイナーへとキャリアチェンジを果たしました。
第二新卒として採用されたJさんは、年収を前職と同程度に維持したまま、裁量が大きくチームでのコミュニケーションも活発な環境で働いています。
新卒就活の段階でAIを自己分析やES作成の壁打ち相手として活用し、徹底的に企業研究を行った経験は決して無駄になりません。
一度社会に出てからでも、計画的な学習とポートフォリオの準備を行えば、第二新卒枠でWebデザイナーへの扉を開くことができるでしょう。
よくある質問

就活でおすすめのAIはどれですか?
就活で活用するAIは、ご自身の準備状況に合わせて「汎用AI」と「就活特化型のAIサービス」から選ぶのがおすすめです。まだ志望業界が絞り込めていない段階であれば、自己分析をガイドしてくれる就活特化型のAIが役立ちます。
一方、志望企業や職種が明確な場合は、ChatGPTなどの汎用AIを活用しましょう。
企業HPの情報を読み込ませて自分用に調整することで、精度の高い選考対策が可能になります。
AIで志望動機は作れますか?
AIに就活の志望動機をゼロから作らせるのはおすすめしません。面接で深掘りされた際、自分の言葉で説明できずに行き詰まるリスクがあるからです。
AIを活用する場合は、自分で書いたESの添削や、客観的なアドバイスをもらうために使いましょう。
たとえば、企業HPから抽出した「求める人物像」と、自身の志望動機にズレがないかをAIに指摘させる方法は有効です。
あくまで作成を補助するサポート役として活用してください。
AI面接でAIを使うとバレますか?
AI面接やWebテストの受検中にAIを使用する行為は、多くの場合で利用規約違反にあたります。不正が発覚すれば、選考の通過が見送られたり、内定取り消しになったりするリスクがあるため絶対にやめましょう。
就活におけるAIの正しい活用法は、事前の対策に限定することです。
本番で実力を発揮できるよう、AIを模擬面接の壁打ち相手として活用し、想定質問への回答練習を繰り返すようにしてください。
AIに入力してはいけない情報は何ですか?
氏名・住所・電話番号・学籍番号などの個人情報は、AIに入力してはいけません。また、企業から受け取った守秘義務のある資料や、未公開の選考情報を入力するのも厳禁です。
情報漏洩のトラブルを防ぐためにも、入力したデータがAIの学習に利用されない設定になっているか必ず確認しましょう。
安全な環境を整えた上で、就活のES添削や自己分析の深掘りにAIを活用することが大切です。
文系・未経験でも新卒でWebデザイナーになれますか?
文系や未経験からでも、新卒でWebデザイナーになることは十分に可能です。新卒採用では、即戦力となる専門知識よりも、ポテンシャルや入社後に学ぶ姿勢が重視される傾向があります。
ただし、選考ではポートフォリオ(作品集)の提出が求められることがほとんどです。
応募先企業に合わせて作品を作り込む必要があるため、2〜3ヶ月程度の準備期間をしっかりと見込んで就活を進めるようにしましょう。
就活を本格的にスタートされたのはいつ頃ですか?
また、どのようなアクションから始めましたか?