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一足先にリュウグウへ?ロボ団×JAXA「はやぶさ2」イベントレポート

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2018年9月23日(日・祝)、関西大学梅田キャンパス(KANDAI MeRISE)にてロボ団×JAXAイベント「ロボットプログラミングではやぶさ2ミッション!—軌道にのって小惑星リュウグウをめざそう—」が行われました。

プロジェクトのテーマは「本物に触れ、将来への”きっかけ”を掴む」。はやぶさ2を模したロボットを動かし、小惑星リュウグウにタッチダウン(着陸)するのが本日のミッションです。

ちょうどイベントの2日前には、実際のはやぶさ2から2台のローバ(はやぶさ2本体に先行して着陸する、小型探査車)がリュウグウへ着陸したところでした。臨場感あふれるタイミングに子ども達の盛り上がりは最高潮。今回はそのイベントレポートをお届けします。

ロボ団とJAXA共同開発のロボットミッション


今回のプロジェクトを開発したのは、全国に約100教室を展開するロボットプログラミング教室「ロボ団」とJAXA。午前・午後ともに定員を超えたため、16時から18時の回が追加されたほどの人気です。追加回では「お父さんチーム」「お母さんチーム」も作られ、笑いや歓声が絶えませんでした。

会場にはリュウグウを表したフィールド、はやぶさ2を模したロボットが用意されています。JAXAからは、職員の坂本 咲愛子(さかもと・さえこ)氏が参加されました。


「今日は皆さんが、はやぶさ2タッチダウン(着陸)のミッションにチャレンジしてくださるということですが、実際のはやぶさ2も、まさにタッチダウンする準備を進めているところです。皆さんにはそれに先がけて、このプロジェクトにチャレンジしていただこうと思います。」

続いて、ロボ団代表の重見 彰則(しげみ・あきのり)氏からも挨拶があります。


「みなさんこんにちは。団長をやっています、重見です。今回はJAXAさんと一緒に話し合って、このミッションを作りました。チームの協力がないと絶対に成功できない内容になっています。今回はみんな、初めましてのチームだと思うんだけど、(午前・午後と開催してみて)協力できているところはやっぱり成功しています。だからぜひ、協力して取り組んでくださいね。」



イオンエンジン開発・運用担当、細田さんからのメッセージも!


イベントの司会はロボ団CTO(最高技術責任者)の「しんちゃん」こと清水 亮佑(しみず・りょうすけ)氏。さっそく、はやぶさ2とリュウグウ、本日のミッションに関する説明が始まります。子ども達の中からは「予習してきた!」の声も。宇宙に対する関心の高さがうかがえます。


「はやぶさ2の、今までの動きを説明します。はやぶさ2は、2014年11月3日に種子島を出発しました。そして、2018年6月27日にリュウグウへ到着。4年もかけてたどり着いたんだね。そして一昨日、はやぶさ2から探査ロボットが着陸成功したんです。」

「探査ロボットが着陸した後は、はやぶさ2本体がリュウグウにタッチダウンします。土とか、砂とか、サンプルを採取して持って帰ってくるんですね。はやぶさ2は、オリンピックの年(2020年)までに帰ってくる予定です。」

これまでの説明があると、スクリーンにはなんと、はやぶさ2のイオンエンジン開発・運用担当者である細田 聡史(ほそだ・さとし)氏からのメッセージが映し出されました。


「皆さん、こんにちは。私の仕事は、はやぶさ2が星に向かって飛んでいくためのエンジンを作って動かすこと。動いているときに、はやぶさ2を運転することです。」

「皆さんは、人間は一体、どこから来たと思いますか? JAXAでは、地球や太陽系がどうやって生まれたかを研究しているんです。はやぶさ2の目的は、リュウグウの土や砂を調べることによって、どこから命がやってきたのかを調べることなんです。」

本物の技術者からのメッセージに、子ども達も真剣な表情で聞き入ります。生命の起源を探るという、壮大なミッションに挑むJAXA。「本物に触れ、将来への”きっかけ”を掴む」という本日のテーマが、着実に子ども達へと伝わっていきます。

司令官とプログラマに分かれて挑戦。カギを握るのはコミュニケーション


子ども達が実際に取り組むミッションは、以下の2つです。

①リュウグウの20km圏内(テープで示された範囲内)に到着しよう!
②リュウグウにタッチダウンしよう!


さらに、これらのミッションをクリアするためには、いくつかの条件が決められています。

①スタートするときの向きは固定。
②ロボットは、リュウグウの軌道の向きにしか動けない。
(軌道とは違う方向に行ってしまったら、スタート地点からやり直し)


チームは4人一組で、2人ずつ司令官・プログラマに分かれます。司令官はフィールドとロボットを観察し、どのくらいの距離をどう動けばいいのか、動きを考えて伝える役。プログラマは、司令官が持ってきた情報をもとに実際のプログラムを組む役です。


プログラマはコースを見ることはできず、司令官の持ってくる情報だけが頼りになります。司令官・プログラマは、イベントの前半と後半で交代制。イベントを通し、観察・開発のどちらも体験することになるわけです。

ミッションの次は、ロボットに関する説明です。今回、はやぶさ2を模したロボットは教育版レゴ®︎マインドストーム®︎EV3で作られています。以下の3つの動きを組み合わせ、ミッションをクリアしていきます。

・ロボットの進む向き(角度)
・ロボットの進む速度
・タイヤの回転数(目的地まで、タイヤが何回転すれば良いか)

理論上では正しいプログラムでも、たとえばロボットの速度が速すぎると、思うように曲がれず行き過ぎてしまうことがあります。司令官とプログラマでコミュニケーションを取り合い、実際の動きとプログラムを微調整していく必要があるのです。




大人チームも熱中!?まずはチャレンジミッションから


本番のミッションの前に、簡単なチャレンジミッションが始まりました。リュウグウの20km圏内に入る、もしくはタッチダウンすればクリアです。

「リュウグウまで行こうと思ったらタイヤが何回転くらい必要かな?」「チーム全員で共有しておいてね」と先生からもアドバイス。



お父さんチームはすでに子どもそっちのけで自分たちの世界に入っています。表情はさながら、本物の技術者です。




お母さんチームも負けてはいません。子ども達と一緒にロボットの動きを考えます。



プログラムしたロボットが、「3、2、1、ゴー!」の掛け声で一斉にスタートしました。チャレンジミッションの結果は見事、全チームクリア! 追加として、「円に沿ってロボットを動かす」ミッションが課されました。のちのちの本番ミッションに生かされる、重要な課題です。



トライ&エラーを繰り返し、タッチダウンを目指せ


2回のチャレンジミッションを経て、ついに本番ミッションが開始されました。司令官がコースを観察し、プログラマへ伝達。そして実際に動かし、プログラムとの差を調整していくトライ&エラーが繰り返されます。

「いい感じで出来ています!」
「ぐるぐる回ってしまってるチームは、数字(角度)が大きすぎるんだね。」
「置くときも重要です! 置くときに位置が曲がってしまっていたら、変な方向に進んでしまいます!」


熱中する各チームに、先生達からも声かけがあります。3回目までのトライが終わり、司令官とプログラマが交代することに。ここでも、JAXAの技術者・細田さんからのメッセージが流れます。

「みなさん、うまく行っていますか? 我々も実際の現場に行くと、一発ではうまくいかないことがあります。その場合は何をするかというと、みんなで一度集まって、持っている情報を出し合って、どうすればうまくいくか考えます。」

ここで改めて、コミュニケーションの大切さを確認する参加者たち。役割を交代し、同じく3回ずつのトライが終わりました。最後は各チーム全員でコースを見ながら、完成版のプログラムを作っていきます。

最後は全員でプログラミング。無事タッチダウン!


そして7回目、最終トライが行われました。コースにロボットを置いたあと、両手を合わせて祈っているチームも。たいへん難しいミッションでしたが、最後には無事、タッチダウンするチームが現れました!




全トライが終わった後は、ロボ団によるサンプルプログラムを全員で見ます。速度はのんびりしていますが、確実にタッチダウンし、スタート地点まで帰ってくるプログラムでした。


細田さんからも最後のメッセージがありました。

「できなかった人も、落ち込むことはないです。それは、失敗ではなくて成果です。次に活かしてください。」

失敗ではなく成果。プログラミングは「◯か×か」の2択ではありません。残念ながらタッチダウンまではできないチームもありましたが、全員が大切なことを学び、笑顔で終わることができました。


「今日はステアリングしか使わなかったので、曲がるところが難しかったです。」


「いろんなことも学べたし、タッチダウンできて楽しかった!」


「今日は、大人だけでやりましたが、非常に熱い打ち合わせをしながら試行錯誤を重ねての成功、嬉しかったです。途中、背伸びをしすぎた面もありましたが、力を合わせて取り組めて楽しかったです。盛り上がりました!」

参加者には、はやぶさ2のステッカー、ポストカード、特別な冊子が特典として配られました。ときにはスクリーンやロボットに釘付けになり、ときには初対面のメンバーと活発に話し合う子ども達(大人達も!)の姿が印象的なイベントでした。


最後は全員で挨拶をして終了した

参加されたご家族にインタビュー

イベント終了後、参加されたご家族にインタビューをさせていただきました。イベントに参加されたのは、弟くんとお父さんです。



「お父さんチーム」として参加されたお父さん


僕はもともと、全然理系とかじゃなくて、ただゲームが好きなだけ。
プログラミングがどんなものかな? っていうのも、概念ではわかっていたんですけど、実際にしたことはありませんでした。

イベントに参加してみた感想としては、次はこれをやる、次はこれ、という風に順々に計画を立てて遊べるのが面白かったですね。
ロボットも、動かす前に「こうかな?」と考えていたルートとは全然違う動きをするので、実際のプログラムとの差を埋めていくのが楽しかったです。

普段はロボ団に通っているお子さん


(ロボ団の授業と比べて)難しかったです。チームの人数が増えると大変だった。司令官とプログラマでは、プログラミングする方が楽しかった。

ロボ団に通うきっかけを作ったお母さん


パパと違い、私はプログラミングをあまり知らなかったのですが、お友達の紹介でロボ団のことを聞いて、うちの子はレゴも好きだし、2020年にはプログラミングも必修化するし、ということで通わせ始めました。お姉ちゃんの方は今のところ、あんまり興味がないということだったので、弟のほうだけで。

正直なところ、はじめはやや無理やり行かせていたかも(笑)。でも、今は自分から楽しく通っています。他の習い事と違って、初対面の子たちと協力しあってできるのが魅力だと感じています。

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この記事を書いた人


夏野かおる

博士課程の大学院生。ライターとしての専門は教育分野です。「愛を感じる」と言っていただくことが多いです。ご指名お待ちしております。

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