小学校に入ったばかりの1年生の頃は、どの科目も新鮮で学ぶことに興味津々なお子さんが多いですが、学年が上がるにつれ少しずつ好きな科目と嫌いな科目に分かれてきます。
これには一人一人の性格や考え方の個人差が関係してきますが、親としてはなるべく好き嫌いがないのが望ましいと思っているはず。
では、小学生の教科の好き嫌いにはどのようなものがあるのでしょうか?
そこで今回は小学生の好きな科目について考えていきます。
教科の得意・不得意は誰にでもある!
まず、教科の「得意・不得意」があるのは自然なことで、不得意の教科があるからどこかおかしいというわけではありません。ただ、親や兄弟の影響など、育った環境が教科の「得意・不得意」に関係していることもあるので、一概に本人だけの問題とは言えないケースも見られます。
そして「得意・不得意」をどこかで直さなければ、「好き・嫌い」になって、その教科の勉強のやる気に関わってきます。
好きな教科だと自ら進んで勉強するので、テストの成績も良い結果になることが多いです。すると嬉しくなってさらに勉強するといった好循環になるので、本人は特に努力している感じがなくても、周囲の人から見れば「頑張っているな」という印象を与えることになります。
最新の小学生の好きな教科ランキング1位は?
学研教育総合研究所「小学生白書web版」によると、小学生の好きな教科ランキング1位は全体の21.7%を占める「体育」でした。この調査は2023年10月に、インターネットで全国の小学1~6年生の児童の保護者から抽出して実施し、各学年男女100人ずつ、計1200人の児童とその保護者が回答したものです。
2位は17.7%の「算数・図画工作」、4位は8.8%の「音楽」になっています。
また、将来社会に出て役に立つと思う教科は「小学生の好きな教科ランキング」で2位になった「算数」が1位で、小学生の好みが現れた結果になっています。また算数を選んだ理由としては「日常生活に役に立つ」が一番多く選ばれています。
最新の小学生の苦手な教科ランキング1位は?
好きな教科がわかったところで、反対に小学生が苦手に思っている教科は何なのでしょうか?学研教育総合研究所の「小学生白書web版」によると、小学生の苦手な教科ランキング1位は好きな教科ランキングで2位だった「算数」で、全体の22.8%を占めることが分かりました。続いて2位は17.6%で「国語」、3位は9.8%の「体育」となっています。
男女別で見ると、算数は女子の方が苦手意識が強く、国語は男子の方が苦手意識が強い傾向があります。小学生の苦手な教科は算数、国語、体育が上位を占めていますが、男女間で差が見られるなど、様々な要因が影響しているようです。
過去のランキングは?傾向に変化はある?
2010年に行われた「小学生白書web版」の結果を見ると、好きな教科1位は「算数」で20.9%、2位は「体育」で19.4%、3位が「図工」で15.6%となっています。2023年の好きな教科では1位が「体育」2位が「算数」なので、最新のデータとは1位と2位が入れ替わる結果になっています。
では2023年で4位の「音楽」は何位かというと、11.3%で5位となり、少しではありますが低いランキングになっています。
また、2010年の好きな教科で特徴的なのは「図工」です。
「図工」が好きだと回答する児童は、高学年になるにつれ少なくなっています。
低学年で「図工」好きが多いのは、純粋に作ることに楽しさを感じているためで、高学年になると、作品としての完成度を上げることが求められるようになっていきます。
そのため「図工」の時間を純粋に楽しめなくなり、「好き」という感覚がなくなっていくのだと考えられます。
この結果になった理由は?
2010年のデータによりますと小学生全体では、「ものを覚えること」は、7割近くの児童が得意だと答えています。また「わからないことや知らないことを調べること」や「他の人が思いつかないアイデアを出すこと」は約半分の児童が得意であると答えています。
つまり「算数」に必要な「ものを覚えること」に関しては、大半の子どもにとって小さい頃から慣れた学び方であるため、苦に思わないのではないかと考えられます。
そして授業中だけではなく、普段友だち同士でもどれだけ覚えたかをゲーム感覚で競い合いながら行われる学びでもあるので、小学生は暗記する学びである「算数」に楽しさを感じているのだと思われます。
「好き」を「得意」に変えるには?
2023年のデータを見ると「算数」が好きな児童が多いことがわかりましたが、その教科が好きだと授業が楽しみになり、授業内容を真剣に覚えようとすると思います。また前述の通り「算数」の場合、計算方法などが「ものを覚えること」にあたるので、特に意識しなくても自然に興味が湧いていくのでしょう。
そうすると成績に反映されるため、得意分野の教科になっていくことが予想されます。
なのでまず好きになることが重要なポイントになります。
そして保護者はお子さんが良い成績をとったら必ず褒めてあげること。これが「好き」を「得意」に変えるコツだと思います。
周囲の対応次第でただ好きなだけで終わるのか「得意教科」になるのかが決まります。
教室へ通うことも選択肢の一つ
一般的な塾の他に、国語教室や算数教室など、一つの科目に特化した教室が全国各地にあります。苦手な科目を克服するために、あるいは得意な科目をさらに伸ばすために、これらの教室にお子さんを通わせてみるのも良いでしょう。小学校の先生は教育のプロですが、複数の科目を多くの児童に教えなければならないため、どうしても手の届かないところが出てきます。そのため、極端に理解が遅れていたり、あるいは極端に理解が進んでいたりすると、対応できない場合があるのです。
特定の科目に特化した教室では、当然その科目に特化したカリキュラムが作られています。理解の進度に合わせて勉強を進めることができますので、小学校での学びを補完するような形で通学を検討することをおすすめします。
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「算数」が小学生の好きな科目上位なのは、児童にとっては覚えることが楽しさにつながっているからだと思います。「算数」の場合答えは一つですから、当たりかハズレのような要素があり、そこがゲームをしているように思えるのでしょう。
「社会に出て役立つ」と思われている点もこの結果につながっていると思われます。