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(イベントレポート)『プログラミングサマーキャンプ2021 トークセッション』

2021年8月20日(金)、オンライン形式にて、『プログラミングサマーキャンプ2021 トークセッション』が行われました。


このイベントは、2017年度という早い段階から小中学校で1人1台端末の導入を推進してきた渋谷区と、渋谷区に集う大手IT企業が官民連携で取り組む『Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト』の一環です。

セッションでは、発足3年目を迎えた今、実際にプログラミング教育を推進するにあたり苦労したことや成功事例などについて、行政と民間企業、それぞれの目線からのトークが飛び出しました。

登壇者一覧

モデレーター

東急株式会社 沿線生活創造事業部 ウェルネス事業推進グループ 課長
稲葉 弘氏

ゲスト

渋谷区教育委員会事務局 指導主事
大塚 和男氏

登壇者

株式会社サイバーエージェント エデュケーション事業部部長
上野 朝大氏

株式会社ディー・エヌ・エー プログラミングゼミ開発者
末広 章介氏

GMOインターネット株式会社 デベロッパーエバンジェリスト
成瀬 允宣氏

株式会社ミクシィ 開発本部 CTO室
田那辺 輝氏

登壇者/ゲストの自己紹介

渋谷区教育委員会事務局 指導主事 大塚 和男氏

渋谷区では、平成29年9月から児童1人につき1台のタブレット端末の整備を行ってきました。コロナ禍における臨時休校の際にも、子ども達の学びを止めないよう、いち早くMicrosoft Teamsを導入し、オンライン授業の整備に努めました。

また、昨年の9月には新たなタブレット端末「Surface Pro2」を導入し、教育ICT基盤そのものを更新いたしました。


現在は産学官連携でのプロジェクトを立ち上げ、教育委員会・IT企業・学校が力を合わせることで、個別最適・協働的な学びを実現できるよう推進しているところです。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

株式会社サイバーエージェント エデュケーション事業部部長 上野 朝大氏


私どもサイバーエージェントは「Amebaブログ」や「AbemaTV」といったサービスを展開する一方、2013年からは、全国に先駆けて小学生向けのプログラミング教育に取り組んできました。具体的には、プログラミング教室「Tech Kids School」、「QUREOプログラミング教室」を運営しており、フランチャイズも含めて全国およそ2500教室を展開しております。


私たちの教育の特長は、「楽しい → もっとやりたい → 極めたい」の3ステップに分けてスキルを高められることです。はじめの「楽しい」ステップでは、イベントなどを通してできるだけ多くのお子さまに、プログラミングに触れていただく。次の「もっとやりたい」ステップでは、私どもの教室を始め、民間スクール等で学びをより深めていただく。そして最後の「極めたい」では、子ども達の「腕試しをしたい」気持ちを原動力に、コンテストに挑戦してもらったり、検定を受験してもらったりすると、このような流れで学習を応援しています。


また、その一方で、公教育のサポートも行なっており、具体的には授業のサポートを行ったり、先生方への研修プログラムをご提供したり、全国の自治体さまが実施されるプログラミングコンテストのお手伝いをしたりと、さまざまな形で協力させていただいております。今日は主にそちらの内容をご紹介できればと考えております。

株式会社ディー・エヌ・エー プログラミングゼミ開発者 末広 章介氏


私は、プログラミング学習アプリ『プログラミングゼミ』を開発しているエンジニアです。また、講師として、このアプリを使用した授業を実践させていただくこともあります。

(「プログラミングゼミ」公式ページ)

私どもDeNAは、かねてよりインターネット企業としての強みを生かした社会貢献活動を行ってまいりました。かつてはマナー教育等、プログラミングとは違った分野での教育支援を行っていたのですが、現在はやはり、「次世代のIT人材を育成する」ニーズが高まっていることから、プログラミング教育のご支援に力を入れている次第です。

具体的には、2014年に佐賀県の武雄市でプログラミング教育を始めまして、その後は少しずつ拠点を広げてまいりました。累計でいきますと、9000人以上に授業をご提供した実績がございます。


そんな中で生まれたのがこの『プログラミングゼミ』でして、無料でApp Store/Google Playからダウンロードしていただくことができます。


このアプリの特徴は、タブレット端末の「カメラを搭載している」点を生かし、撮った画像をアプリに取り込んで動かせるところにあります。詳しくはのちほどご説明できればと思いますが、本日はこの『プログラミングゼミ』を通した実践についてお話しできれば幸いです。

GMOインターネット株式会社 デベロッパーエバンジェリスト 成瀬 允宣氏


私はGMOインターネットに所属するエンジニアで、渋谷という地域に根ざしたプログラミング教育の支援に携わっております。具体的な内容はのちほどお話しできればと思いますが、大きく分けて、授業支援、イベントの実施、研修のご提供という3つの取り組みを行なっております。


私どもの目指す方向は3つでして、1つは、先生ご自身が楽しめること。2つ目は、私ども自身が蓄積したノウハウをもって指導させていただくこと。そして3つ目が、研修などを通して「教え手」を増やすことです。


イベントに使用する動画等はインターネット上にて公開しておりますので、ご興味のある方はぜひご覧になっていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

(公式チャンネル「GMOデジキッズ」)

株式会社ミクシィ 開発本部 CTO室 田那辺 輝氏


私はこれまで、アプリやゲームの開発に携わってまいりました。現在はその知見を生かし、次世代の育成に取り組んでおります。

『プログラミングサマーキャンプ』に関しては、2019年より毎年イベントを実施するほか、実証授業の支援なども行なっております。具体的には、中学生を対象に、ちょっと高度な内容を扱いながらプログラミングを学んでいただくというようなものです。


私どもの支援が中学校に特化しているのは、これまで、企業訪問などの形で全国の中学生のみなさんと関わってきたところが大きいです。今はコロナ禍で、対面でのイベント実施が難しいところではありますが、今後も同様の取り組みを行なっていきたいと考えております。

具体的な取り組みの紹介

株式会社サイバーエージェント

弊社がご紹介するのは、『Kids VALLEY』プロジェクトにてご提供している出張授業です。

学習指導要領によると、小学校のプログラミング教育は、「さまざまな教科に取り入れて学ぶこと」となっています。しかし、現場の先生からすると、いきなり「教科に取り入れて」というのは難しく感じるそうです。


そこで弊社は、プログラミングの学習を二段階に分けました。一段階目では、あえて“プログラミングそのもの”から学びます。そして二段階目では、学習指導要領に示されるように、教科学習にプログラミングを取り入れます。


具体的には、まず一段階目として、中学年を対象に、Scratchを使ってごくごく簡単なゲームを作る授業を行います。ここでは、小難しいことを教えるというよりも、「プログラミングって楽しいな」と思ってもらえるような構成にいたしました。


こうしてプログラミングを学ぶことで、高学年になった際にも、たとえば理科の実験にプログラミングを取り入れるような授業がスムーズに行えます。


そして、いまお見せしているのが二段回目です。小さなコンピューターを使って豆電球を光らせ、プログラミングで制御する実験ですが、プログラミングは二の次で、「電気を効率よく使うには?」という、理科の学習にフォーカスした内容となっています。

このように、中学年でプログラミングそのものに親しんでおくことで、「教科学習にプログラミングを取り入れる」ことがスムーズにできるのではないか。そういった趣旨の取り組みをしております。

株式会社ディー・エヌ・エー

私どもの取り組みでは、世間でよく言われる「IT人材を増やす」目的自体を主眼に置くのではなく、「プログラミングを学ぶことで、創造力を身につける」「情熱をもって取り組む」「チームで取り組む」といった力を身につけていただこうと考えております。

そのために重視しているのは、子ども達自身がモチベーションを持続できることです。具体的には、「自分の描いた絵が動く」体験ですとか、自学自習できるコンテンツの開発に注力しています。


また、先生方にも負担なく取り組んでいただけるよう、幅広い学年・教科をカバーした教材をアプリ内にご用意するほか、難易度調整など、豊富なメニューを取り揃えております。


タブレット端末の良さは、授業準備や用途の切り替えが非常にスムーズに行えることです。とくに渋谷区の端末は、アップデートの配信が円滑であったり、Teamsを通じた連絡がスムーズにできたりと、渋谷区ならではの良さを感じています。


加えて、渋谷区では、低学年からプログラミングに取り組めることも非常に魅力的と感じています。高学年になってから急にプログラミングに取り組むと、どうしてもハードルの高さを感じてしまう子がいるんです。その点、使いやすい端末で、低学年のうちからプログラミングに触れ合える渋谷区の環境は非常にすばらしいと感じているところです。

GMOインターネット株式会社

私どもの事業支援には、①ツールの使い方ではなく、プログラミング的な考え方を教える ②普段から使える知識にする ③将来にも活かせる力を身につけていただく という3つの柱を設けております。


たとえば今映っているのは、「スイカ割り」をテーマとしたプログラムです。ブロックを回したり動かしたりしてスイカを割るのですが、実際にプログラミングをするにはまず、Scratchというツールに慣れていただく必要があります。そのため最初は、チュートリアルで基本の使い方を覚えながら実践していきます。

次に、2時間(90分)の間に「順次」「分岐」「くり返し」を使いながら作図をします。三角形や五角形のほか、5年生の後期になると内角も習うため、最終的には「星型」を描くための計算方法を学びます。


③の「将来にも活かせる」 とはどういうことか。こちらは、Scratchで三角形を描く際のプログラムです。


小学生の子どもたちは最初こそわからないのですが、数字にだけ着目します。すると、左右が同じことに気づき、「あっ読める!」と言っていただける。これが、将来に繋がるアハ体験となります。

授業づくりで心がけているのは、現場でも再現可能なことです。講師に特別な技能が不要なように、楽しいだけではなく、プログラミングをツールとしてどう使うかを中心にレクチャーさせていただいております。

苦労することが多いのは教材の準備です。教材の質が、授業の成功に繋がってくるためです。


良かったことは、「研修で教えていただいたことを実践しただけで、授業がうまくいきました」という先生からのお声ですね。お時間も少なくなってまいりましたので、私からは以上とさせていただきます。

株式会社ミクシィ

私からは、こちらの写真にもございます、2つのコンテンツをご紹介させていただきます。


ミクシィには、プログラミング体験ソフトがございます。このようなゲーム風の画面で、右側にテキストプログラミングを直接打ち、遊びながらテキストプログラミングに慣れていただく仕様です。


その応用として、クイズ形式のパズルで図を描いたり、二次元の座標を扱ったりして、プログラムとの関係を知り、実際にプログラムを組んで練習していきます。


キャラクターがジャンプするようにカスタマイズするなど、データを編集してオリジナルの作品に変えることにも取り組んでおります。


2つ目は、中学校の技術科・情報Dでプログラミングを扱うにあたっての、Pythonをテーマにした学習です。まだ開発段階ですが、Pythonプログラミングの実践ソフトウェアがございます。こちらがPythonのコードです。


こういったコードを実際に書いていただき、プログラムを組んだ経験を積みます。3Dのグラフィックも活用し、生徒のやる気を引き出せるよう取り組んでおります。


技術科ですので、作品として残していけたらという思いから、生徒さんが独自のアプリケーションを開発できる機能とコンテンツをご用意しております。これらは本年度から、中学校へ順次展開してまいります。

見た瞬間に「おっ、なんだこれ?」と思っていただけるような、驚きと学びをご提供してまいります。

登壇者・ゲストによるセッション

大塚(渋谷区):
皆様のご実践を拝見して、どれも素晴らしいなと感激しているところでございます。とくに印象深いのが、小学校低学年のお子さまが「プログラミングってこういうものなんだ」と目を輝かせている光景ですね。これはもう、未来の社会に向けて、大きな一歩を踏み出したのだ、という象徴的な光景ではないかと思います。

また、先生方に関しましても、はじめは正直なところ、「こういったことは苦手で」とおっしゃる方も多かったのですが、このように民間企業さまの力を借りることで、「プログラミングを楽しむ」方向へ意識が変わっていくのではないかと嬉しく思っております。

稲葉(東急):
私が聞くところによりますと、「授業をしてみて、思ったよりも子ども達が主体的に取り組んでくれた」などの感想もあるようです。企業の皆様はどうでしょう、現場でそのように感じられますか。

成瀬(GMO):
そうですね。実際にご覧になった方から、「これは将来につながる内容だと感じた」というようなご感想をちょうだいしたことがあります。「(実際の開発現場にもよく使われるプログラミング言語の)Pythonでも授業をしていただけないか」などのご意見もありました。全体的に、非常に期待をお寄せいただいている印象です。

大塚(渋谷区):
私個人が感銘を受けているのは、企業の皆様が取り組んでおられる姿勢です。やはり、子ども達にとっても、プロの方から直接教わることで、プログラミングの楽しさであるとか、課題を解決していく姿勢が身につきやすいのではないかと。「憧れの存在」と言うんでしょうか。

稲葉(東急):
確かに、小中学生の間にプロと関わるのは、子ども達にとっても貴重な体験になりそうですよね。

成瀬(GMO):
それで思い出したのが、僕が出張授業に行ったとき、授業の最後にサインをねだられたんですよ(笑)。


稲葉(東急):
サインを!(笑)。子ども達にとっては憧れの存在なんだなあという、興味深いエピソードですね。他の企業の皆様も、事前にサインの練習をなさったほうがよいかもしれません(笑)。

では、ここで話題を変えて、田那辺さん(ミクシィ)にお伺いします。中学校のプログラミング教育は「技術」分野で実施されることになっていますけれども、実際にはどのような内容になると考えられますか。

田那辺(ミクシィ):
そうですね、やはり基本は教科書の内容に準拠しながら、各学校で独自性を加えて実施する形になるかと思います。

というのも、中学生になると、これから先、「基本的なプログラミングはできるのが当たり前」というような時代になってくることが予想されますので、プログラミングの技術そのものではなくて、プログラミングを使った課題解決を志向されるのではないかと予想しております。

稲葉(東急):
なるほど。端的に言えば、小学校でベースを作った上で、さらに高度な内容を、という方向になるのでは、というご意見ですね。

では、逆に、低学年へのプログラミング導入についてはどうでしょうか。上野さん(サイバーエージェント)、どう思われますか。

上野(サイバーエージェント):
私どもが低学年を対象に授業を実施する際に注意しているのは、そもそも、低学年くらいのお子さまは、抽象的な思考が難しい場合もあることですね。そのため、たとえばScratchのブロックを説明するにしても、「このブロックは〇〇っていう動きをしてくれるんだよ」のように、具体的に伝えるようにしています。

また、教え方にしても、一気にあれこれ説明すると子どもの負担になってしまいますから、大きなお子さんであればワンセットで伝えられるような内容でも、2、3ステップくらいに分けて伝えるのがコツです。

稲葉(東急):
ありがとうございます。同じく、参加者様からのご質問として、「どうしても昔のやり方にこだわってしまう先生がおられるのだが、どうすればよいか」というお悩みが寄せられておりますが、末広さん、どうお答えになりますか。

末広(DeNA):
そうですね。私自身も、「プログラミングが楽しい分、子どもがずっと遊んでしまって、なかなか切り替えができないのでは」というご不安をよく伺います。

しかし、渋谷区に関しては、低学年の頃からタブレット端末に触れることが普通になっているのですね。そのため、タブレット自体が物珍しくて、つい遊んでしまうといったトラブルが思ったほどは多くなく、スムーズに切り替えてくれる印象があります。

また、教え方においても、先生が1から10まで教える必要はなくて、子ども達に適切な環境を用意さえすれば、どんどん成長してくれるなあという実感を持っています。

やはり、これからの社会においてITは不可欠ですので、先生方におかれましても、なるべく頭ごなしに拒否するのではなく、子ども達を信じていただけたらなと考えております。

稲葉(東急):
末広さん、皆様、ありがとうございました。

まとめ:コエテコでは今後もプログラミング教育情報を発信します

行政、民間企業それぞれの視点でのトークが弾んだ当セッション。あっという間の1時間でしたが、これからのプログラミング教育のヒントになる内容が盛りだくさんでした。

コエテコでは今後も、プログラミング教育に関する情報を継続的に発信していきますので、ぜひご覧ください。
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