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そのくらい大切な「経済」や「金融」ですが、いざどんなものか説明しろと言われると、ちょっぴり難しい……。わが子から「なんで経済が大切なの?」と聞かれても、なんとなく濁してしまう保護者も多いことでしょう。
が、経済も金融も、知れば知るほど面白いんです!
たとえば、「キャンプ場の情報を見ていたら、テントや寝袋の広告が出てきて、ついクリックしてしまった」なんて経験はありませんか?今、あなたが見ているスマホの情報がデータとなり、大きな経済を動かしているかもしれないことを知っていますか?
この記事ではコエテコライターが、中学生向け金融経済講座「1DAY金融経済アカデミー」(東京きらぼしファイナンシャルグループ/フューチャーイノベーションフォーラム共催)に参加し、特に面白い!と感じた内容にフォーカス。ぜひご覧ください。
わたし達のデータが利益を生み出している!? 知るほど面白い経済の仕組み
1DAY金融経済アカデミーは、
- 経済
- 銀行
- 証券
わたしが受けたのは、日本銀行やIMF(国際通貨基金)での経験豊富な山岡浩巳先生(フューチャー株式会社取締役)による「経済」のオンライン講座です。
ぎゅっと圧縮して経済全般をカバーした内容の濃い講座でしたが、この記事ではズバリ興味をもった「世界経済の変化」をピックアップしてお届けします。
世界経済の変化
講座の前半ではお金の歴史や、なぜお金が必要なのかについて学びました。
続いて「世界経済の変化」というお話に入る前に、「皆さんはデジタルネイティブ世代。実は、iPhoneが登場したのは2007年なんです」と、今回の受講対象である中学生が生まれたころからデジタル化が急速に進んだことそ紹介する山岡先生。
視聴している中学生にとっては当たり前のネット通販やスマホ決済ですが……。
物々交換から通貨の誕生、人間のみがお金を扱うことなど、お金の歴史をなぞった上でデジタル化を改めて見ることで「通貨と経済の変化」が実感できた様子です。そして、ここからデジタル化による世界経済の変化について、興味深い話が始まりました。
スマホの爆発的普及|経済のビックリ発見①
講座は続き、ライターにとっては「公民の授業で、はるか昔に聞いたような……」という内容についてのわかりやすい解説が続きます。中でも、わたしが「ん?」と身を乗り出したのは次の先生のことばでした。
「世界銀行によれば、世界中で銀行口座を持たない約17億人のうち、3分の2は携帯電話やスマートフォンを持っているんです」
銀行口座を持っていなくても、スマホを持っている人は多い。ちょっとビックリしましたね。
スマホは連絡手段であり、同時にインターネットを介した「情報の宝庫」です。お金を管理することのない状況でも、人々は情報を得る手段としてスマホが必要不可欠になっています。
しかし、授業が進むにつれて「便利でありがたい情報の宝庫」に別の側面があることがわかってきたのです。
データ社会|経済のビックリ発見②
スマホ(ネット)でわたし達は情報を得ていますが、どんな情報を見たのか、そのデータは同時に蓄積されていきます。
※情報とデータは厳密には違うそうです。客観的な数字や文字の資料がデータであり、そのデータを集め、分析したり加工したりしたものが情報とされています。
授業では「人類が歴史上生み出したデータの9割以上は、最近2年間だけで生産されているとの試算もある」と先生が解説していました。
これまたビックリです。
試算とはいえ、世界中のデータ量のほとんどが、何千年という歴史のなかで、ほんのここ数年の間に集められている。私たちの生活にインターネットが当たり前になり、飛び交う情報量は劇的に増えたということでしょうか。
スマホひとつで買い物もできるし、何を買うべきかの情報も得られるし、どれが一番安いのかも検索できる。そうした行動ひとつひとつもデータとして今もどんどん収集されている。
どれだけ莫大な量のデータであるか、容易に想像できます。「今はデータ社会」という山岡先生のことばに視聴している中学生の皆さんも大きくうなずいていました。
世界の大企業と凄まじいデータ収集力|経済のビックリ発見③
「データは21世紀の石油とも呼ばれている」と先生の解説が続きます。石油はこれまで大きな利益を生む宝の山でした。石油産出国に桁違いの大金持ちがいることはニュースなどでも見たことがあるでしょう。しかし、今や石油以上に宝の山なのがデータなのです。
データが石油と違う点とは
- 使っても減らないこと
- 保管に大きな場所を必要としないこと
- たくさん集めるほど役に立つこと
ビッグテック企業って?と思ったところで、先生が次のような資料を見せてくれました。
なるほど、日本がバブルと言われた頃には世界の大企業として、日本の金融機関などが軒並みランクインしていました。今はどうでしょうか。
アップル、Amazon、Google、フェイスブック、わたし達がよく耳にする、実際に持っている、使用したことがあるものばかりではありませんか。ビッグテック企業とは世界的に影響力をもつIT大企業の通称です。
これらのビッグテック企業は、石油産業を中心とした、いわゆるエネルギー系の大企業に取って代わってきたわけです。
ビックテック企業に共通しているのは、凄まじいデータ収集力です。データは特定の企業に集まり、さらに企業は拡大する。わたし達は「インターネットという情報を宝の山」と思っていますが、実はネットを通じて「データという宝の山」を得ている企業がむくむくと成長しているのです。
データとお金の接近
スキニージーンズとスマホ保険
ここで先生は「スキニージーンズとスマホ保険」の話をしました。まず、「ピタっとした細身のジーンズを、多くの人が購入した」というデータがあったとしましょう。このデータは、「スキニージーンズを着用する人が増えた」と解釈することができます。(厳密には購入=着用ではありませんが、まあ、だいたいの方は購入したら着ると仮定します。)
他方、「スキニージーンズの小さなポケットにつっこんだスマホが落下し、壊れたケースが多数ある」というデータも集まったとしましょう。
一見、何のつながりもないような「スキニージーンズ」と「スマホ保険」が、ここで結びつきます。データ分析で見抜き、スキニージーンズを購入した人に、次にスマホ保険をおすすめする。スキニージーンズを購入した人には、「あ、この前もスマホ落としたな」と思い、スマホ保険の広告に関心を持つ可能性が高いわけです。
データを活用することで、ビジネスの可能性がグッと高まるわけですね。
ちょっと話はそれますが、今、データサイエンティストが注目されています。コエテコでも何度か取り上げてきた話題です。ものすごくざっくり言うと、データサイエンティストの仕事は大量のデータを分析し、解析し、たとえばビジネスに活用すること。スキニージーンズとスマホ保険の関連性も、データサイエンティストが膨大な量のデータから分析した結果です。
ビックデータや機械学習を用いたビジネスが普及しており、大規模なデータを扱えるデータサイエンティストの需要が高まっています。どんな職業か、必要な知識・スキルから気になる年収まで、特徴や概要を解説していきます。
2025/01/13 00:44
データは宝の山なのだ
先生は「Amazonなどで洋服を購入したことがある人は多いでしょう?」と話を進めました。わたし達はネットショッピングで会員登録をし、会員割引を利用してちょっぴりお得にショッピングをして、「よしよし」と思います。
ところが、先生は「確かに服を購入しているのはわたし達ですが、同時に企業もあなたの情報を買っているんです」と言うではありませんか。つまり、企業はその人の情報を買っていて、その代金を「割引」として還元している。そのように考えることもできると言うのです。
繰り返しになりますが、現代において、集めたデータは宝の山です。年齢や好きなスポーツ、関心のある分野。この人は何が好きで、どんなことに関心があり、どのようなものにお金を払うのか……データはどんどん積み上げられていきます。
そのデータを分析していけば、ひとりひとりが好みそうな商品をおすすめすることができ、効率よく販売実績を伸ばせる。「割引」の裏には、こういう仕組みがあるのかも?という視点を教えてもらいました。
企業のビジネスにはプラス、だけど私たちの気持ちは……?
と、このようにビジネスを効率化する「データ収集」ですが、「データ収集によって最適化された広告」や「リコメンド機能」は、ときに人を困惑させます。たとえばわたしは仕事で「婚活」についてのサイトをいくつか見ていました。すると次にスマホを見ると、「出会いはここにある!」みたいな広告がいくつも出てきて、興味もないのにうざったいなぁと思います。
また、自分の行動を見張られているような、プライベートな部分をどこかの誰かにすべて把握されているような微妙な気持ちにもなりました。
お金持ちの友人が多いと信用スコアが高くなる!?|経済のビックリ発見④
さて、すでに何度も「ビックリ」させられたこの講座ですが、さらにビックリしたものをご紹介しましょう。その名も、「信用スコア」なるものです。
なんでも、キャッシュレスが浸透している中国では、アリババ(Amazonのようなサービス)による決済情報にさまざまなデータをプラスした、個人の信用スコアがあるのだそうです。簡単に言えば、個人の信用を採点しているのです。
- 年齢
- 学歴
- 職業
- 過去の支払い状況
- 資産
- 嗜好
- 交友関係
「たとえば、SNSの交友関係などのデータも含まれています。それで、お金持ちの友人がたくさんいる人は信用スコアが高くなるんです」と先生。
ええええ!そんなことまで!
むろん、日本にも導入されるかどうかは別というお話でしたが、なんだかすごくありませんか。
普段の行動が数値になり、「信用がきわめてよろしい」「ちょっと信用できないね」と格付けされてしまうのです。日本にもクレジットカードなどの「信用情報」は当然ありますが、ここまで踏み込んだ信用スコアの出し方には少々違和感を覚えます。
でも、そうしたさまざまなデータを積み上げれば、どれくらい信用できて「この人にはこれくらいのお金を貸してあげても大丈夫」の計算もより正確に行えるのかもしれません。
賛否両論あるでしょうが、事実として、これが「データエコノミー」の世界なんですよ。
実際に日本でも、「○○ペイ」のような名前のキャッシュレス決済が増えていますよね。日本は現金主義が根強いものの、キャッシュレスも進みつつはあります。この○○ペイによる決済データも、日々、蓄積され分析され加工されているのか?と思うと、自分の生活を振り返らされます。
データを活用すれば、社会貢献や福祉の分野などでも大きな助けとなります。つまり、データ社会は世界をより良くするものなはずです。いっぽうで「プライバシーや個人情報など、データ収集においてはさまざまな問題も提起されている」と先生はおっしゃっていました。
金融や経済の「いままで」と「これから」。今現在デジタル化され、もはや日常生活すべてにおいてデータ分析が活用され、経済全体に及ぼす影響も非常に多くなっている。こうしたことが、ざっくりであっても「なんか、わかってきたぞ」そう思えたことが、大きな収穫でした。
1DAY金融経済アカデミーを受けてみて
経済や金融はわたし達の生活そのもので、とても大切であると再認識できた今回の講座。だからこそ、子どもへのマネー教育がいかに重要かも理解することができました。正直なところ、日本の金融教育は欧米諸国と比較しても遅れています。
しかし、それでも高校では金融教育が拡大されましたし、中学の公民等の教科書でも、スマホ決済や仮想通貨について言及しているものもあります。小学校でも地域で連携し、マネー教育を推進しているところも増えています。
金融のプロや経済の動きを知っている専門家が、もっともっと学校教育にもグイグイと踏み込んできてほしいなと思いました。
引用:消費者教育の推進について/文部科学省
今日の講座では、いくつかのポイントで「ハッとする発見」がありました。
こうした「ハッとする発見」「ビックリした!」からほんの少しでも掘り下げていくと、経済の面白さを感じるはず。「公民の授業はニガテ」「社会科の『消費なんたら』とか、正直よくわからない」を脱出して、自分ごととして「金融/経済」を捉えることができるスタート地点になりそうだと感じました。これからのマネー教育にも、大いに期待したいと思います。