やる気を引き出すIoT文具「しゅくだいやる気ペン」
勉強しなさい!なんて言いたくないけれど、まったく鉛筆を持つ様子のないわが子をみると、ついつい……小さいお子さんをお持ちの保護者なら、誰でも一度はそんな経験があるのではないでしょうか。そんな親子にぴったりなのが、今回のワークショップで使う「しゅくだいやる気ペン」。このペンには、子どもがどんどん「書きたくなる」仕組みと、お父さん・お母さんが子どものがんばりを「ほめたくなる」仕組みがたくさんあります。宿題を通じて親子のコミュニケーションを生み、子どものやる気を引き出すアイテムです。
土曜日のお昼に開催された今回のワークショップには、小学校1年生から6年生まで、元気な子どもたち13人が参加しました。
それぞれの机には、しゅくだいやる気ペンとタブレット、それになにやら不思議な装置(?)が。
「みなさんこんにちは!」
ワークショップの先生が元気に挨拶して、いよいよスタートです。
「今日はいろいろなことを学びますが、まずは、この『しゅくだいやる気ペン』を実際に体験してもらいます。そうして仕組みがわかったら、みなさんに『しゅくだいやる気ペン』の仕組みをプログラミングで再現してもらいますね!」
まずは、しゅくだいやる気ペンで宿題をやってみよう!
「プログラミングで再現」?まだよくわからないけれど、楽しそう!そんな心の声が聞こえてきそうな子ども達ですが、講師の声かけどおり、まずはみんなで宿題にチャレンジです。きょうは小さなお子さんもいるので、「みんな1年生になったつもりで、1から0まできれいにたくさん数字を書いてみよう」という宿題が出されました。
そんなの、簡単簡単。子どもたちは、あっという間にどんどん数字を書いていきます。
と、ここで子ども達がざわつきはじめます。というのも、みんなが手にしているしゅくだいやる気ペンは、書けば書くほどランプの色が変わっていく仕組みなのです。
「あ!青になった!!!」
「おー!!!」
がんばって書いて、みんなのペンの色が変わってきました。
もちろん、色が変わるだけではありません。他にも、どんどん書きたくなる仕組みが満載です。
「この『しゅくだいやる気ペン』はね、ただ色が変わるだけじゃなくて、スマホのアプリにパワーを注入できるんです」
そう言いながら、スマホのアプリにペンを近づける講師。ペンを逆さにして、ちょうど花に水をやるようにパワーを注ぐと……アプリ内の木に、りんごが実りました!
「アプリを使えば、お父さん・お母さんのスマホからも、『きょうはリンゴが2つできた!』ってわかるよね。みんながどれくらいがんばったか、お父さん・お母さんにもわかる仕組みなんですね」
他にも、たまったパワーに応じてすごろく形式のステージをすすんだり、ステージのゴールにご褒美を設定したり、子どもがどんどん書いてパワーをためたくなる仕組みが盛りだくさん。
たとえば親子で相談して「遊園地に行く」というご褒美を設定し、達成したら家族で遊園地へ!なんていう使い方もできるそう。これなら、日々の宿題も前向きに取り組んでくれそうです。
書くとパワーがたまる…いったいどうして?
さて、しゅくだいやる気ペンのすごさがわかったところで、次はしゅくだいやる気ペンの仕組みを学んで、プログラミングにチャレンジ。しゅくだいやる気ペンをみんなで作ります。「このしゅくだいやる気ペン、何もしないとパワーはたまらないのに、書けば書くほどパワーがたまって色が変わるよね。いったいなんでだろう?」
「………。」
子ども達は真剣に考えています。
「それはね、ここにコンピューターが入っているからなんです。じゃあ、コンピューターが勝手に書いている時間を計算して、パワーをためてくれるのかな?……いいえ、実はちょっと違います。」
ちょっと違う??
「コンピューターは、実はそこまで賢くないんです。コンピューターを入れたからといって、勝手に何かをしてくれることはないんですね。つまり、人間の誰かがコンピューターに『計算しなさい』『こうやってパワーをためなさい』って覚えさせているんです」
「このように、コンピューターに命令することをプログラミングっていいます。今日はやる気ペンのプログラムを、みんなに作ってもらおうと思います。つまり、みんな自身でしゅくだいやる気ペンを作ってもらうんです!」
KOOVの「実験装置」で、やる気ペンを作ってみよう!
難しそうなチャレンジに、まだちょっぴり「???」な様子の子ども達。だけど、考えるよりも、まずはやってみよう!ここで、最初に机にあった不思議な装置の登場です。今回のワークショップで使うのは、SONYのプログラミング学習キットKOOV。今日はこの「実験装置」で、やる気ペンを動かすプログラムを作ります。
まずはKOOVに慣れるため、実験装置のモーターを動かすことからスタート。
- オレンジ色の「へんすう」でpowerを100にする
- 青色の「かんすう」で1:move_motorをじっこうする
ウィーン……
モーターが動いて、回転台が回りました!!!
「すごい!動いた!」
実験装置が動くと、会場のあちこちから子ども達の声が聞こえます。やっぱり、子どもはロボットが大好きなんですね。
要領がわかったところで、次は「かんすう」を変えてみます。
- 青色の「かんすう」で2:make_treeをじっこうする
「へんすう」、「かんすう」は他にもたくさんあります。モーターを回して、木を育てた子ども達は、ライトの色を変えてみることに。
- オレンジ色の「へんすう」でcolorを0にする
- 青色の「かんすう」で3:change_colorをじっこうする
そういうことか!とコツをつかんだ子どもたちは、白以外にもいろいろな色を点灯させたり、回転台をぐるぐるたくさん回したり、プログラムの「へんすう」と「かんすう」を使って自由にいろいろな動きを作り始めました。
中には色を指定せずにランダムに点灯させるプログラムを作る子や、回転台に自宅から持ってきた大好きなミニカーを載せて、ぐるぐると回る様子を楽しむ子も。
子ども達がプログラミングに慣れてきた頃合いを見計らって、次はいよいよ、本物のしゅくだいやる気ペンと同じように、パワーに応じて、書けば書くほど光る色が変わる仕組みを作ります。
用意されたのは、何やら白い装置がくっつけられた鉛筆。実はこの装置、「加速度センサー」といい、ものの動きを感知する働きがあります。
この「加速度センサー」で鉛筆の動きをキャッチし、たまったパワーに応じてロボットが動く(光ったり、台が回ったりする)ようにプログラミングすれば……
そう、しゅくだいやる気ペンの完成です!
本物の「しゅくだいやる気ペン」と同じように、逆さまにしてパワーを注ぎます
こうしてオリジナルのやる気ペンを作った子ども達は、パワーをためるために、難しい漢字や計算式などをどんどん書きはじめます。
「もっと紙下さい!」
どうやら、配られた紙だけだと書く場所がなくなってしまったみたいです。
子ども達の猛烈な勢いに、保護者も驚いた様子で見守っています。
参加した4年生の男の子のお母様は、「子どもがプログラミングに興味を持っているので、今回のワークショップのことをSNSで知って、申し込みました。家でもScratchなどを楽しんでいますが、こうやって実際にものを動かせるのは、見ていても面白いですね。子どももすごく楽しそうに取り組んでいました」と話していました。
KOOVのブロックで好きなものを作り、自由に動かそう!
最後は、KOOVのブロックを使って、回転台の上に載せるものを自由に組み立てます。これは、アプリで見たリンゴの木かな?赤と緑でとってもキレイ。
この子はどんどん横にながーくブロックをつなげます。回るととっても迫力が!
それぞれの子どもたちの個性あふれる、素敵な創作がたくさん誕生しました。
まだやりたいー!という声も出る中、楽しかった2時間のワークショップは、あっと言う間に終了しました。
ワークショップを終え、本イベントを主催したコクヨ株式会社のやる気ペングループリーダー・中井信彦氏はこう話します。
「これまでにもやる気ペンを使ってもらう体験会は実施してきましたが、今回のようにプログラミングと掛け合わせたワークショップは初めての試みでした。やる気ペンは、書けば書くほどパワーがたまって、子どもたちのやる気を引き出すという文具ですが、たまったパワーをどう表現すると子どもたちが嬉しいのか、子どもによって面白いと感じるものが違って、見ていてこちらもワクワクしました。こうしたワークショップで、子どもたちがものを作る楽しさを体験し、なにか素敵な将来につなげてくれると嬉しいです」
そんな、子ども達が夢中になるコクヨの「しゅくだいやる気ペン」は絶賛発売中。詳細は以下の公式サイトからご覧ください。
いつもの鉛筆に付けるだけ。勉強が終わったらスマホと接続。子どもの可能性をグングン引き出す新しいコンセプトのデジタル文具です。
この記事をwww.kokuyo-st.co.jp で読む >講師のみなさん、ありがとうございました!