5歳児(年長)の男の子はどんな年齢?
2〜3歳のイヤイヤ期と呼ばれる第1次反抗期をすぎて、食事や身の回りのことは自分でできるようになった5歳児。手のかかる「お世話」は減ったものの、しつけや習い事、小学校の入学準備などの新たな悩みが出てきたり、「中間反抗期」に差し掛かる子も。ここでは、この時期の男児の一般的な特徴を紹介します。5歳児の男の子の身長・体重
2020年の文部科学省・学校保健統計によあると、5歳男児の平均身長は111.6 cm、体重は19.4kg。5歳女児の平均身長は110.6cm、体重が19.0kgです。男子の方が、身長は1.0.cm、体重は0.4kgほど平均値が高くなっています。生まれ月や環境による個人差もあるため、目安として知っておきましょう。中間反抗期とは?
子どもが5歳くらいになると、中間反抗期という言葉をよく目にするようになるでしょう。「ママなんて嫌い!」「パパうるさい!」などと親を拒否するような言動をしてきたかと思ったら、逆にひどく甘えてきたり、やつあたりしてきたり。そんな毎日の子どもとのやりとりに苦労する保護者の間で、「中間反抗期」という言葉がよく使われています。中間反抗期とは、2〜3歳ごろの第1次反抗期(イヤイヤ期)と思春期ごろの第2次反抗期の中間にある反抗期を意味しており、親に対しての口答えが激しくなったなど、言葉を使う能力が発達してきた子どもとの問題に対してよく使われる特徴があります。
山梨日日新聞電子版に掲載された、信州大医学部子どものこころの発達医学教室本田秀夫教授のコメントによると、「中間反抗期」とは1980年代に小児科医の平井信義先生が使い始めた言葉であり、第一次反抗期と第二次反抗期の中間期を示すために使われたもので、専門書などではあまり見られなかった言葉だといわれています。しかし、第一次反抗期以降のおおよそ5歳〜10歳ごろの反抗期を示す言葉としてよく使われており、現在は多くの人に知られるようになりました。
子どもは、親の世話からの自立と、集団生活の中でのストレスや葛藤など、新しい環境へ踏み出す中での様々なモヤモヤを抱えます。そのイライラの矛先が保護者になることもありうるほか、親が支配的になってしまったときに子どもが反抗的な態度を言葉で明確に示すようになった時期であるとも考えられます。
5歳の子育ては、子どもの成長を感じられる一方で、様々な問題への対処にもより多くのエネルギーが必要になる時期といえるでしょう。
子どもが5歳になったときに習い事を始める家庭は多数
そんな中間反抗期のモヤモヤやストレスを発散する一つの方法が、習い事を活用すること。5歳の子どもは、保育園や幼稚園にも慣れてきている上に体力もついています。3歳、4歳のころと同じ過ごし方をしていると元気を持て余すこともあり、ママやパパが家庭だけで対処するのはなかなか大変です。そんなとき、親から離れて新しい環境に飛び込むことは、子どもにとっても新鮮に感じられるでしょう。アクトインディ株式会社が2019年に行った調査では、5歳になると何らかの習い事をしている家庭が急速に増え、その割合は8割近くに上ることがわかりました。すでに習い事をしている3−5歳の子の中では、2つ以上の習い事をしている子が約4割となり、年齢を重ねるごとにその割外は増えています。
また、5歳は翌年に控えた小学校へ入学に向けて意識が高まる年齢。入学準備を意識して「習い事」に通わせるママ・パパもいるでしょう。
参考:幼児教室おすすめ
5歳児の男の子に習い事は必要?
5歳児の約8割がなんらかの習い事をしており、それが中間反抗期のモヤモヤの発散にも役立つことを紹介しました。習い事の必要性はどの程度あるでしょうか。もし通うとしたら、どんな基準でどんな教室で選べばいいのでしょうか。この時期に習い事を選ぶときに、大切にしたい要素を解説します。「行動観察」でポイントとされる能力を高める
小学校への入学準備という観点から注目したいのは、小学校受験で課題とされている「行動観察」という課題です。「行動観察」とは5〜6歳の子どものコミュニケーション力や振る舞いなどを探るもので、入学後の子どもの姿を見極めるものともいわれており、国立・私立共に重要視されています。小学校受験対策に詳しいこぐま会の室長コラムでは、行動観察は家庭教育の結果や遊ぶ力を測り、ペーパーテストでは測れない子どもの姿を観察する目的があるといわれています。「挨拶や返事がしっかりできるか」「きちんと座って静かに人の話が聞けるか」「周りとの協調性や思いやり、コミュニケーションが取れるか」など具体的なポイントが様々なサイトで紹介されますが、大切なのは「学校生活を営んでいく際に最低限必要なことや、集団活動のルールをしっかりと身につけること」にあると考えられています。
つまり、挨拶や返事、人の話が聞けるなどの「社会性」と、周りとの協調性や思いやりなどのコミュニケーション能力を育むことが、小学校での生活のベースとして役立ちます。小学校受験をするしないに関わらず身につけたいことでもあります。
友だちと一緒に何かに取り組む経験ができる
行動観察のポイントの中で特に、家庭では教えるのが難しいのが家族以外の他者とのコミュニケーションです。近しい年代のさまざまな子どもが集まる習い事を新しく始めることは、コミュニケーション能力を身につけられる良い環境といえるでしょう。小学校入学後を考えると、勉強と同じく、新しい友だち関係への不安も保護者にとっては無視できません。小学校の友だち関係は、休み時間や放課後の遊びから始まることが多く、「鬼ごっこをしよう!」などと誘われたときにすぐ反応できたり、逆に自分から「ドッヂボールをしよう!」と提案できるような、関係作りをスムーズに行う経験も積んでほしいところ。
習い事を通じてある程度体力に自信がついたり、保育園や幼稚園などの友だち以外のコミュニティで、友だちと一緒に何かに取り組む経験をしていると、新しい環境でも物怖じせずに遊びに加わることができたり、心に余裕が持てるであろうことは、期待しても良い点でしょう。
5歳児の男の子におすすめの習い事例9選
5歳児の習い事の選び方のポイントとして、行動観察のポイントとなる「社会性」「コミュニケーション能力」を身につけること、そしてその方法として「友だちと一緒になにかに取り組む」という点を挙げました。それらをふまえたおすすめの習い事には、幼児教育や総合スポーツスクール、サッカー、空手、英語、プログラミングなどがあります。ここでは5歳におすすめの習い事を紹介します。参考:幼児教育おすすめ
こどもちゃれんじ
「こどもちゃれんじ」は、小学校入学前に必要な力を身につけるためのベネッセの人気教材です。自立学習を促す教材で、基礎学力や学習習慣、生活習慣が自然と身につきます。タブレットを使って自ら学べる「じゃんぷタッチ」と、エディトイやワーク、絵本、映像でバランスよく学べる「こどもちゃれんじじゃんぷ」から目的に合わせて選択可能。それぞれのコースから、成長に合った学習体験が得られます。また小学校で必修となったプログラミング教育にも対応しており、コントローラーを使って指示を出すことで、論理的思考の基礎を楽しみながら身につけられます。
小学校の学年を超えて6年生までの漢字や計算もスモールステップで学べる教材が用意されており、得意分野を先取りして伸ばすことが可能です。園で学んだことを小学校生活に生かし、入学後も自信を持って学習を進められるようサポートしてくれるでしょう。
幼児ポピー
小学校入学に向けた準備をするなら、幼児教育の習い事がおすすめです。例えば、家庭学習教材の「幼児ポピー」では、年齢に合わせた教材を通して小学校の勉強で必要な「もじ・かず・ことば」を楽しく学べます。毎月届く教材では、シール張りやアニメーション、ゲームといった、飽きずに学ぶための工夫がされており、5歳の子どもでも楽しみながら続けられるでしょう。勉強以外にも、体の使い方や好奇心、考える力を育むプログラムによって、頭・心・体の総合的な成長が期待できます。
また、入学準備のための内容も充実しており、小学校生活で役立つ箸と鉛筆の持ち方や身支度の仕方、学校生活でのマナーなどを身に付けられます。おもちゃのような付録は付いていないシンプルな教材なので、「お手頃価格で幼児教育を始めたいという」ご家庭にぴったりです。
キッズ・デュオ
キッズ・デュオは、楽しみながら英語を学び、習得できる学童保育・プリスクールです。長時間にわたって英語環境で過ごすことにより、社会性や協調性、コミュニケーション力を磨きながら、自然に英語が身につきます。キッズ・デュオの対象年齢は以下になっています。
- 幼児コース:3~6歳
- 小学生コース:1年生~6年制
英語指導はネイティブと日本語バイリンガルによるW体制を取っており、本場の英語に触れながら、活発な子どもたちの状況をしっかりと確認してもらえるので安心です。
各スクールに定員が設けられているため、興味のある人は近くのスクールで無料体験を受けてみるとよいでしょう。
スマイルゼミ
スマイルゼミは、学習コンテンツの入った専用タブレットによって、小学校入学までの学びをお子さん一人で習得できる通信教育です。通信環境などが不要な専用タブレットなので、スマートフォンのように動画などで集中を遮られることなくしっかり学べます。また外出先でも使えるので、ちょっとした空き時間も学習に活用できます。「いつもとりあえずスマホを渡しちゃうけど、いいのかな・・・?」と不安に感じている保護者の方でも、安心して利用できる教材です。
幼児コースは新年少~新年長まで対応しており、ひらがな・カタカナはもちろん、「かず・かたち・とけい」「えいご」「せいかつ」「ちえ」「しぜん」など、幅広い学びをタブレット1台で実現できます。
タブレット学習が我が子に合っているか確認したいという人は、約2週間のお試しを利用してみるとよいでしょう。
biima sports
飛んだり跳ねたり、走り回ったり、とにかく体全体を動かすことが好き!という子には、様々なスポーツを総合的に習える、総合・多種目スポーツの習い事がおすすめです。代表的な教室としては「biima sports」があります。「biima sports」は、「基礎運動能力」「非認知能力」「自己肯定力」を科学的に高める21世紀型の総合キッズスポーツスクールとして、早稲田大学の教授陣とプログラムを共同開発。サービス開始5年をまたず、全国に約100教室を展開しています。
特定のスポーツではなく、サッカー、野球、バスケット、体操、ダンスなど、複数のスポーツ組み合わせ、最新のスポーツ科学に基づいて総合的に習うことで運動能力を高めることができるのが特徴です。
さまざまなスポーツを習う中で、子どもが夢中になれるもの、打ち込めるスポーツを探すのも良いでしょう。
リズミックカラテ クオレ
礼儀作法なども含めた社会性を身につけたいなら、空手や剣道などの武道がおすすめです。例えば、空手教室の「リズミックカラテ クオレ」では、音楽を流しながら練習するという独自のスタイルが注目を集めています。空手はかっこいい!というあこがれがあっても、いざ本格的な道場に足を踏み入れるとなると5歳の幼児では、「怖い」「痛い」というイメージで緊張したり萎縮してしまうこともあります。
その点「リズミックカラテ クオレ」では、子どもたちに気軽に親しんでもらおうと、子どもたちの間で流行っている曲をかけながら基本練習に取り組んでおり、リラックスした環境で空手を習うことができます。
また、練習の中での挨拶や黙想を通して、礼儀作法や協調性など小学校生活で必要になるスキルも身につきます。
リベルタサッカースクール
ボール遊びが好き、など球技に興味がある子であれば、サッカーが有力な選択肢。代表的な教室として「リベルタサッカースクール」があります。「一人ひとりに光を当てる」「認めて、褒めて、励まして、勇気づける」指導をモットーにしているので、まだうまくボールが蹴れない初めての子からでも、楽しみながら着実に成長することができます。
また、リベルタの各スクールには、サッカー指導に加え子どもの教育に関する研修を受けた専門の指導員がおり、異なる年齢の子どもたちが一緒にサッカーを楽しむ中で、協調性や社会性も身につきます。
ラボ・パーティ
2020年から小学校で英語が必修化されたこともあり、就学前から子どもの英語教育を考えるママ・パパは少なくありません。学童型の施設や、英語リトミック、キッズ英会話など様々な形態がありますが、音と絵、身体を使って、自己表現できる英語を育むコミュニケーション型の英語教室が「ラボ・パーティ」です。「ラボ・パーティ」は、発足から50年以上の歴史をもち、全国各地に教室がある人気のスクール。特徴は、英語を「語学」として机上だけで学ぶのではなく、音と絵、英語劇、国際交流などを通して複合的に学べる点です。
週に1回の教室は「パーティ」と呼ばれ、自宅で聞いてきたCDをベースに、仲間といっしょに劇活動を楽しみます。歌やダンスをはじめ,物語をみんなでごっこ遊び、時には工作やキャンプなどもあり、楽しみながら英語でのコミュニケーション力を身につけることができます。
プログラボ
小学生から必修化されたプログラミング教育。親世代にはなかった科目のため、不安に思うママ・パパも多いのでは?そんなプログラミングの中でも、子どもたちが興味を持ちやすいロボットブログラミングから触れられるのが「プログラボ」です。「プログラボ」は、ロボットプログラミングを中心に据えたSTEAM教育で「学ぶ喜び、探究心、やり抜く力を育む」ことを目指し、子どもたちの主体性を重視している教室で、全国に約50の教室を展開しています。
年長から参加できる「ビギナーコース」(秋入塾の場合はプレビギナーコース)では、橋やシーソーから、車などからロボットの基本を学びながら、タブレットでプログラミングを行います。
通っている生徒からは「ロボットが自分で考えたように動くのが面白い」「レゴや工作とかで作るのが好きなので、それが動くのがうれしい」などの声が上がっており、楽しんでいる様子が伝わってきます。
またプログラミングを学ぶ中で、タブレットやパソコンにの技術も自然と身につきます。
5歳児の男の子は「言うことを聞かない」?接し方のコツ
香川県健康福祉部子ども政策推進局の資料にある4歳児・5歳時の発達の目安によると、5歳は、集団の中で互いの主張をぶつけながら妥協したり、折り合いをつけられるようになる年齢だといわれています。家庭でも自分なりの考えや意思を持って、拒否や主張をしていると考えられます。そのため、親の言うことを守らせるよりも、子どもの話を聞いて「一緒にルールを作る」ほうが効果的になるだろうという意見があります。
東京都港区が公開している、小学校入学前教育カリキュラムの「第5章 家庭との連携」では、物の使い方や片付け方など、各家庭のルールを子どもと一緒に決め、自分で整理整頓ができるように促すことが自律心を育てるうえでも大切なことだと考えられています。
一緒にルールを作り、作ったルールを守れた時にはしっかり褒めることで、ルールを守ると家族の一員として役に立てたり、みんなが気持ちよく過ごせる、といったポジティブな印象が持てるよう声がけをしていくことが重要視されています。
5歳児の男の子の育児についてよくある質問
5歳の男の子の育児についての悩みは、先ほど紹介した「言うことを聞かない」ということに付随して「わがままに耐えきれず怒鳴ってしまう」「育児にイライラしてしまう」など、親の精神的なストレスと、その対処に関することが多いようです。わがままに耐えきれず怒鳴ってしまった。フォローはどうすればいい?
口は大人顔負けに達者になってきてはいても、要求や言い分はママ・パパから見ると理不尽だったりわがままに感じることがある5歳。親もストレスに耐えきれず、怒鳴ったり声を荒げてしまうこともあります。子育て中多くの保護者が向き合う問題でもあるため必要以上に落ち込むことはないものの、つい怒鳴ってしまった後などの対応には注意したいところです。香川県健康福祉部子ども政策推進局の資料では、5歳は相手の感情や気持ちを想像したり受け止めることが少しずつできるようになっていく段階にあるといわれています。東京都港区の小学校入学前教育カリキュラムには、5歳児中期頃の子育てで大切なことの一つとして、幼児同士の意見の相違やいざこざ等の体験が相手の気持ちに気付いたり相手を思いやったりする機会となるよう預け先の先生と家庭で連携していくことの大切さが紹介されています。親子ともに、落ち着いてコミュニケーションするよう意識することが大切でしょう。
そんなときは、「〇〇ちゃんが約束を守ってくれなくてママは悲しかった」「パパは〇〇ちゃん心配でつい怒鳴ってしまった」など、親自身の気持ちを主語にした「アイメッセージ」でフォローをすることが良いという意見があります。アイメッセージは、相手に求める言葉(ユーメッセージ:〇〇してほしい)ではなく自分の気持ちを表す言い方を指しており、自分の意志が相手にやわらかく伝わる方法としてよく知られています。
育児に疲れてイライラしてしまう。どうすればいい?
先輩ママたちに良い対策はないかを聞くと、「思い通りに行かないのが普通。聞いてくれたらラッキーぐらいに思っておく」や、「子どもの良い所を毎日書き出して伝える」、「昔の子どもの写真やビデオを見て成長を見返す」などの対応が効果的だったという意見がありました。とはいえ、それではどうにもならないくらい精神的に煮詰まる場合もあるでしょう。パパや親戚、友人、シッターさんなどを頼って、子どもと距離を置いてリフレッシュする時間を必要に応じて設けることをより強く意識することも大切でしょう。