幼児期の子どもにタブレット学習を始めたいと考える保護者の中には、
「何歳から始めるべき?」「子どもにとって良くない影響があるのでは?」
と不安に感じている人もいることでしょう。
この記事では、そんな不安を感じている保護者に向けて、幼児のタブレット学習は何歳から始めるべきか、メリットとデメリット、さらにタブレット学習において意識すべきポイントについて詳しく解説します。
幼児にタブレットを渡す家庭は増加傾向
2021年にAmazonが実施したデジタルデバイスに関する調査によると、小学校高学年までの子どもに対して渡される端末は「タブレット」が32.7%ともっとも高く、次いで「ゲーム機」が31.9%、「スマートフォン」が22.8%でした。2019年の同調査における「タブレット」は20.8%だったことから、2021年には10ポイント以上増加したことになります。
コロナ禍の外出自粛などの影響で、保護者が子どもにデジタルデバイスを渡す機会は増えましたが、特にタブレットは子ども専用端末として渡しやすいことが分かります。
一方で、「デジタルデバイスを子どもに与えると、デジタルデバイスに子守りをさせている気がする」と回答した未就学児の保護者は76.2%、低学年で67.0%、高学年で53.9%となっており、育児をデジタルデバイスに頼りすぎることに抵抗感を感じるという保護者も少なくありません。
タブレットをはじめとするデジタルデバイスは便利ではあるものの、多くの家庭で適度な付き合い方を模索している現状が見て取れます。
参考:全国調査から見えた保護者たちが感じるデジタルデバイスの価値|Amazon Japan
何歳から始めるべき?幼児のタブレット学習
「幼児のタブレット学習、何歳から始めるべき?」と悩む保護者は多いかもしれません。結論から先に言えば、具体的に「何歳から」ということはなく、お子さん本人がタブレット学習に興味を持ったその時が始めるべき時であると言えます。お子さんが興味を持っているなら、ぜひ今からタブレット学習を始めてみましょう。
タブレット学習で利用する教材には、1歳半ごろから使えるおもちゃタイプのものや、市販のタブレットにアプリを入れて利用するタイプのもの、教材提供会社が貸し出しや販売を行うものなど、さまざまな種類があります。
参考:早期英語教育のメリット
幼児期にタブレット学習を行うメリット・デメリット
幼児期にタブレット学習を行うことには保護者と子ども双方にさまざまなメリットがあり、同様にデメリットもあります。具体的に見ていきましょう。参考:タブレット学習デメリット
メリット①|楽しく学べる
タブレット学習のメリット1つ目は、子ども本人が楽しく学べることです。ゲームを遊んでいるような感覚で楽しみながら学習を進められるため、飽きることなく自然と知識が身についていきます。また自分の意志で学習を進めることによって、自主的に学ぶ意欲を養えるほか、新しい分野へ好奇心を抱くきっかけにもなります。
メリット②|一人でも学べる
利用する教材によっては、一人で学習を進められるのもメリットです。保護者が横でずっと見守っている必要がないのは助かりますね。子どもがタブレット学習をしている間、保護者は家事やプライベートの時間を楽しむといった具合に、双方が時間を有効活用できます。
メリット③|就学に向けた準備になる
2019年から始まったGIGAスクール構想によって、小学校・中学校では1人1台のパソコンが渡されるようになりました。いまやパソコンをはじめとするデジタルデバイスを扱えることは、デジタル社会において必須の能力となったのです。幼児期にタブレット学習を始めるということは、子どもが早期からデジタルデバイスに触れる機会を作ることに他なりません。そのため幼児の段階からタブレット学習に慣れておけば、就学に向けた準備にもなるのです。
デメリット①|正しく使用しているか親の見守りが必要
タブレットは当然ながら機械なので、正しく使用しなければ壊れてしまいます。また、子どもの好きなように使わせていると、うっかり有害コンテンツを視聴していたり、知らない間に有料コンテンツに申し込みをして多額の請求が来るかもしれません。このようなことが起こらないよう、幼児期のタブレット学習は、基本的に保護者が目を離さないように見守る必要があります。忙しい保護者にとって、つかず離れず見守るという手間が発生することはデメリットと言えるでしょう。
デメリット②|のめり込みすぎや依存に注意が必要
自主的に楽しく進められるのはタブレット学習の魅力ですが、同時にのめり込みすぎや依存に注意する必要があります。とくに幼児期の場合、時間の感覚が曖昧なため目の前のことに没頭しやすく、他のことが疎かになってしまうかもしれません。デジタルデバイスと同様に、幼児にとってアナログの遊びも大切です。砂遊びやすべり台、木登り、鬼ごっこなど、幼児期にしかできないさまざまな遊びを体験することによって、子どもは心も体も健康に成長していけるのです。
デメリット③|視力の低下やドライアイに繋がる可能性がある
保護者世代の子供時代とは異なり、現代の子どもたちは早いうちからデジタルデバイスに触れる機会が多いものです。そのため、従来大人が感じていた「目の疲れ」を幼少期から感じるようになり、視力が低下したりドライアイに悩んでいる子どもも増えています。学習用タブレットの利用時間を決めてきっちり守る、保護者がチェックするなどの対策を行わない場合、深刻な視力の低下やドライアイに繋がる可能性があり、注意が必要です。
幼児向けタブレット学習のおすすめの選び方
幼児向けタブレット学習を取り入れようと思っている保護者の方は、以下の5つのポイントを比較しながら選びましょう。比較するポイントを明確にしておくことで、サービスを選びやすくなります。- 学べるカリキュラム
- 付属教材の有無
- 月々の受講料
- 制限機能の有無
- 専用タブレットの有無
学べるカリキュラム
サービスにより学べるカリキュラムが異なるため、お子さまに学ばせたいカリキュラムがあるかどうか確認しましょう。タブレット学習をメイン教材にしたい場合は、国語・算数・英語などをバランスよく学べる、総合型のサービスを選ぶのがおすすめです。サブ教材として利用したいのであれば、学びたい教科を選べるサービスや、特化型のサービスを選ぶといいでしょう。付属教材の有無
タブレット学習サービスは、大きく付属教材があるものとないものに分けられます。総合型のサービスには、付属教材がないものが多いようです。付属教材は、紙教材や知育玩具などが挙げられます。付属教材の有無によるメリットデメリットは、以下の通りです。それぞれのメリットデメリットを把握したうえで、ご希望に合うタブレット学習サービスを選ぶといいでしょう。メリット | デメリット | |
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付属教材あり |
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付属教材なし |
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月々の受講料
月々の受講料も、必ず比較して欲しいポイントの1つです。比較する際は、金額だけでなく、金額がサービス内容と見合っているかも確認しましょう。例えば、安くてもサービスが充実していないと、学習の効果を最大化できません。毎月受講料を払う教材と買い切り型の教材の2種類あるため、払い方も確認してください。月々の受講料以外に、タブレット料金が必要となる場合もあります。月払いでなく年間払いにすると安く抑えられることがあるので、年間払いによる割引があるかどうかもチェックしておくといいでしょう。
制限機能の有無
幼児向けなら、制限機能があるタブレット教材がおすすめです。制限機能とは、お子さんがタブレットを一定時間使用したら、オートで電源が切れたりアラームで知らせたりしてくれる機能のこと。幼児だとまだ時計が読めないお子さんも多いと思われるので、制限機能がついていないと、無限に使ってしまう可能性があります。制限機能がついたタブレットなら、保護者が学習の度に時間を測ったり、側で見守ったりする必要もありません。保護者が忙しい時でもお子さんに問題なくタブレットを利用してもらいたいのであれば、制限機能つきのタブレット教材を選びましょう。専用タブレットの有無
お子さまにタブレットで集中して学んでほしいと考えているのなら、専用タブレットを提供しているサービスを選びましょう。専用タブレットでないと勉強以外のアプリもインストールできてしまうため、勉強をやらず遊んでしまうことも。タブレット学習の度に遊んでないか確認するのは大変なので、専用タブレットを選び、学習以外は取り組めないような環境にしておきましょう。専用タブレットを提供しているタブレット学習サービスの中には、タブレットに保証をつけているところも多いようです。保証があれば、万が一お子さまがタブレットを壊してしまった場合に備えられます。
幼児向けタブレット学習おすすめ5選
幼児向けタブレット学習を取り入れたいと考えているときの参考になるよう、おすすめのタブレット学習を紹介します。参考:幼児教育おすすめ
スマイルゼミ 幼児コース
![](https://static.coeteco.jp/coeteco/image/upload/c_limit,f_auto,q_auto,w_1400/v1/cs-product/froala/h4rd7F3lxIy0OQoNWKJMCA.png)
スマイルゼミには、お子さまが一人でもスムーズに学べるよう、サポート機能が満載です。例えば、タブレットを起動すると「きょうのミッション」で取り組むべき学習を教えてもらえます。文字が読めなくても自動読み上げ機能があるので、問題ありません。自動丸つけ機能もあるため、親が丸付けしなくてもどんどん学習を進められるでしょう。学習後にはごほうびタイムがあるため、達成感も得られます。
料金 | 税込 3,278円/月~ タブレットあんしんサポート:税込 3,960円/年 タブレット代:税込 10,978円 |
特徴 |
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受講システム | タブレット教材 |
サポート内容 |
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公式HP | スマイルゼミ 幼児コース |
幼児ポピー
![](https://static.coeteco.jp/coeteco/image/upload/c_limit,f_auto,q_auto,w_1400/v1/cs-product/froala/KY4Kg5FjrRXUX9x40dnc-g.png)
タブレット学習用の教材は、ひらがなの書き順、時計の練習、プログラミング的思考の問題などが用意されています。必要な教材が過不足なくそろっており、不要なおもちゃがなくリーズナブルで、継続しやすい教材です。
料金 | 税込 1,425円/月 |
特徴 |
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受講システム | 紙の教材+デジタル教材 |
サポート内容 |
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公式HP | 幼児ポピー |
こどもちゃれんじ
![](https://static.coeteco.jp/coeteco/image/upload/c_limit,f_auto,q_auto,w_1400/v1/cs-product/froala/t8hgzt3BvdMN55IV81qUlQ.png)
こどもちゃれんじは、0歳児から年長さんまで利用できる教材です。自然とやりたくなるお子さまの時期や発達にあった学びにより、子どもの「できた!」が増え、自信を育めます。エデュトイ、映像、絵本など、タブレット以外にもさまざまな付属教材があるのも、こどもちゃれんじの特徴です。気分や学び方に応じて学ぶ教材を選ぶことができ、教材に触れている間にいつの間にか学びが身につきます。
年間を通じて多様なプログラムに触れられるため、お子さまの好きや得意を伸ばし、可能性を広げたい保護者の方におすすめ。マスコットキャラクターの「しまじろう」は、お子さまにとってかけがえのない友だちになり、学習を後押ししてくれるでしょう。
料金 | 2,460円~/月 オプション教材:838円~/号 チャレンジパッドサポートサービス:3,600円/年 |
特徴 |
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受講システム | 新年少まで:映像、紙教材、エデュトイなど 新年中・年長:テキストまたはデジタル |
サポート内容 |
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公式HP | こどもちゃれんじ |
天神
専用タブレット1台で0~6歳までの学習に利用できる天神は、知識・数量・言葉・記憶・思考の5系統59ジャンルを10,000問以上収録しています。幼児教育で必要な内容を幅広くカバーしており、過不足なく学習できるのが特徴です。兄弟姉妹で使えるのもメリットといえます。3人までは無料のため、コスト面でも魅力のあるタブレット学習です。
またネット接続不要で学習に取り組める仕組みなのも特徴といえます。自宅ではもちろん、外出先や移動中にも使いやすいタブレット学習です。
料金 | 371,580円(税込) ※買い取り型教材 |
特徴 |
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受講システム | タブレット教材 |
サポート内容 |
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Z会 幼児コース
Z会 幼児コースでは、「あと伸び力」をはぐくむ親子の学びを推奨しています。「あと伸び力」とは、子どもたちの後々の成長に大きく影響する成長のかたちのこと。つまり、幼少期に学びに向かう姿勢をしっかりと身につけることで、小学生、中学生、高校生、その先でぐんぐん力を伸ばしていけるようになるということです。お子さまが主体的に学びに向かう姿勢を育むため、挑戦する力・発見する力・創造する力の3つも重視。タブレット教材の他に、五感をフルに使える体験型教材も使われており、実体験+ワーク学習でお子さまの知的好奇心までも育んでいます。実体験を伴う学びは、親子で一緒に楽しむことも可能です。
料金 | 年少:税込 2,465円~/月 年中:税込 2,635円~/月 年少:税込 2,975円~/月 |
特徴 |
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受講システム | タブレット教材+紙教材(ワーク+実体験) |
サポート内容 |
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幼児のタブレット学習で意識すべきポイント
幼児向けのタブレット学習を始める保護者が意識すべきポイントについてまとめておきましょう。タブレット学習の目的をはっきりさせる
学習のためのタブレット端末を選ぶ際には、「なぜ必要か」「何のために利用するのか」を明確にしておく必要があります。子どもを含めた家族でしっかりと話し合い、認識を合わせておくようにしましょう。目的を定めたうえで、具体的にどんな機能が必要かを話し合います。タブレットを利用すれば、動画視聴やゲーム、コミュニケーションなどさまざまなことが出来ますが、何を利用するためにタブレットが必要なのかを念頭に、必要な機能の揃った教材を選ぶことが大切です。
保護者設定ができるものを選ぶ
幼児期のタブレット利用には、まだまだ保護者の監視やチェックが必要です。子どもが不用意に有害・悪質なコンテンツに触れることがないように、保護者がモニタリングや設定の制限などを行える仕組みの導入を検討しましょう。参考:年少の通信教育
保護者設定は、AndroidやiOSといったOS単位でできるもの、アプリを導入することで監視できるものなどさまざまです。タブレット端末の種類やスペックに合ったものを選ぶとよいですね。
時間・場所などのルールを決める
幼児のタブレット学習を始める際には、必ず家庭のルールを決めるとともに、それを守ることの大切さを伝えましょう。保護者が一方的にルールを押し付けるのではなく、「どうしてそうしなければならないのか」という理由も伝え、子どもが納得する形でルール作りをすることが大切です。
家庭で決めるルールには、たとえば以下のようなものがあります。
- タブレットを使っていい時間は、1日1時間
- タブレットを使っていい場所は、家族みんながいるリビングのみ
- タブレットを使う際は、明るいところで、画面から30cm目を離す
- タブレットの近くで食べ物・飲み物は禁止
- タブレットの設定を勝手に変えてはいけない
- 決まったアプリ以外は使わない