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そんな学びの機会を提供するため、2024年6月に設立された一般社団法人未来創生STREAM教育総合研究所(以下、RISE)。同法人が展開する新しいロボットプログラミング検定「創ロボ検定」を記念して、2024年12月18日、宇宙とロボティクスの最前線で活躍する研究者を招いたトークセッションが開催されました。
JAXAの村上氏、ユカイ工学の青木氏を迎え、STREAM教育の重要性や、子どもたちの好奇心を育む環境づくりについて語り合いました。新しい発見や気づきの多いセッションの様子をレポートします。
宇宙とロボティクスのエキスパートが語る現在地
RISE代表理事・須藤さんの挨拶、進行で始まったスペシャルトークセッション。その冒頭、JAXAの村上氏は水星探査機「みお」のプロジェクトについて紹介しました。
村上氏は、月周回衛星「かぐや」や国際宇宙ステーション、惑星分光観測衛星「ひさき」の搭載装置を開発。現在は、国際水星探査計画ベピコロンボのプロジェクトサイエンティストを務めています。まさに宇宙のスペシャリスト!
1997年から検討が始まり、2018年に打ち上げられた日欧共同ミッション(水星探査機「みお」)は、現在も水星に向かって航行中。途中、9回もの惑星フライバイ(惑星へのアプローチ)を行いながら、2026年11月の到着をめざしています。
「打ち上げから到着まで8年もかかるのですが、決して暇なわけではありません」と村上氏。
金星には26回も接近する機会があり、その度に観測データを収集・解析するなど、探査機が水星に到着するまでの道のりも貴重な研究期間となっているそうです。なんともスケールの大きな、夢のあるお話ですね。
一方、ユカイ工学の青木氏からは「ロボティクスで、世界をユカイに」という理念のもと開発している家庭向けロボット製品について紹介がありました。
高齢者の見守り機能を持つロボットは、毎日なぞなぞや早口言葉で脳トレを促したり、季節の俳句を読み聞かせたりとAIを活用。
出典:ユカイ工学公式サイト
また、撫でると反応する尻尾付きクッション型ロボットや、指を優しく噛んでくれる「甘噛みハムハム」など、ユニークな発想の製品を次々と生み出しています。
見ているだけでもほのぼのしてくる、人に寄り添う素敵なロボット開発が得意なユカイ工学。公式サイトを見ているだけでも、思わず笑みがこぼれてきます。人生を愉快に、そして豊かにしてくれるロボットたちへの愛情あふれる青木氏です。
さらに小学生向けのロボット制作キットでは、自分で作ったロボットをプログラミングできる教育用ツールも展開しているとのことです。
好きなもの・熱中するもので「僕らはできている」
今回のセッションでとても楽しかったのが、お二方の子ども時代、そして学生時代を振り返ったお話でした。
村上氏が宇宙に興味を持ったのは、SF映画「トータル・リコール」の影響だったそう。「映画の嘘を暴いてやる!」と当時思った村上少年、火星のことを調べたのがきっかけで、惑星の世界に惹かれていきます。
なんと小学校卒業アルバムには「いつか火星の石を持って帰る」と書いていたそうですよ!
その話を聞いていた青木氏も思わずエキサイトした様子で「僕はターミネーターを見て衝撃を受けた」と告白。エンジニアがパチパチとパソコンで開発しているシーンを見て、自分もやってみたいと思ったそうです。
ご両親は青木氏が興味を持つ習い事はなんでもやらせてくれたそうで、サイエンスやアートの世界に飛び込んでいきます。
「タミヤのキットを買ってもらい、組み立てたり、自分で色を塗ったりするのに夢中だった」青木少年も、小さな頃から「ものづくり」への興味が尽きなかったのですね。
村上氏は「熱中するものを見つけ、それを伸ばしていくことが大事」と語り、青木氏は「思春期に好きになったもので、自分はできている」と語っています。
教室の先生方、あるいは保護者に向けて、「得意なものを見つける教え方をしてほしい」と村上氏。青木氏は「興味を広げる、きっかけを作ってあげてください」とメッセージを送りました。
業界のトップランナーであるお二人だからこその説得力のある言葉は、多くの人に響いたことでしょう。
技術革新時代における人材育成の重要性
AIやテクノロジーの進化は、宇宙開発やロボット開発の現場にも大きな変化をもたらしています。
村上氏によれば、JAXAでは天体観測データの解析にAIを活用するなど、研究現場でのデジタル化が着実に進んでいるとのこと。しかし「探査機の開発現場は、意外なほどアナログです」と村上氏は微笑みます。
最先端の技術を結集した探査機も、結局は人が作り上げていくもの。技術だけでなく、さまざまな調整事項について多くの人とコミュニケーションを取りながら、ようやく1つのミッションが実現するのだそうです。
ユカイ工学では高齢者向けロボットにAIを搭載し、日々の会話を楽しむ機能を実装。「普段からAIと会話するサービスが少ない高齢者の方々に、とても好評です」と青木氏は手応えを語ります。
そのロボットを開発するチームは実に多彩。エンジニアはもちろん、経理や人事のスタッフまでが企画会議でアイデアを出し合い、全員で製品開発に関わっているといいます。「ロボット好きで、自分の趣味に熱中できる人が多いですね」と青木氏。
技術が進歩しても、その根底にあるのは「人」の創造性や熱意なのかもしれません。
お二人の話からは、テクノロジーの進化と人間の営みが、むしろ密接に結びついていく未来が見えてきました。そして、その未来を担う人材には、専門的な知識や技術だけでなく、好奇心や探究心、そしてコミュニケーション能力が求められているようです。
村上氏は「学生を見ていると、博士をめざす人が減っているようです。これからはプログラミングができて当たり前、でも、ものづくりへの情熱を持っている人材こそ増えてほしい」と語りました。
創ロボ検定がめざす新しい教育の形
最後に、2024年1月からスタートした創ロボ検定(クリエイティブロボティクス検定)について、開発担当のユカイ工学・花守氏が詳しく解説しました。「ロボットは総合格闘技です」という印象的な表現で説明が始まりました。
創ロボ検定は、一見ロボットとは関係ないような問題も多く含まれているのが特徴だといいます。
「実はこの世の中にロボットに関係ない事象は存在しないんです。たとえば、街中で見かける電動スクーターの中にも、ロボットづくりのヒントが隠れています」と花守氏。
問題文の中には、実際のロボット開発者たちの苦労話や工夫なども織り込まれているそう。「検定を通して、ものづくりの現場のリアルな雰囲気も感じてほしい」という思いが込められています。
また、検定の結果は独自のスコア表で可視化。単なる点数だけでなく、「この分野が得意な人はこんな職業に向いているかも」「ここを伸ばすともっと面白くなるはず」といった具体的なアドバイスも含まれています。
「今の子どもたちは膨大な情報の中で生きています。その中で『好きなこと』を見つけるのは、私たちの世代より難しいかもしれません」と花守氏。
だからこそ、ロボットという多面的な題材を通じて、子どもたち一人一人の興味や才能に火をつけるきっかけになれば、という願いが込められているようです。検定は2024年1月15日から開始。合格者には認定証とオリジナルピンバッジが贈られます。
創ロボ検定(クリエイティブロボティクス検定)とは?
正式名称 | クリエイティブロボティクス検定 通称:創ロボ検定 |
運営団体 | 一般社団法人 未来創生STREAM教育総合研究所(RISE) |
目的 | "ロボットに特化しない"創造性教育の実現 子どもたちの創造力と好奇心を育む 身近な事象からロボティクスの原理を学ぶ ものづくりの楽しさを体験する |
特長 | 生活とロボティクスを結びつける問題構成 学習達成度を可視化するスコア表 気づきやアイデアを引き出す解説 実践的なロボット開発の視点を含む |
対象年齢 | シルバーランク:小学1〜3年生(推奨) ゴールドランク:小学4年生以上(推奨) |
検定料 | 6,600円(税込) |
受験会場 | RISE認定校(ロボット教室等)で実施 |
合格特典 | 認定証 オリジナルピンバッジ |
公式サイト | https://kentei.rise.or.jp/ |
※内容は変更する場合があります。かならず公式サイトでご確認ください。
創ロボ検定に関連して、年に1回クリエイティブロボティクスコンテストが開催されています。華やかな舞台の大イベント、このコンテストについてはぜひコエテコの取材記事もご覧ください!
2024年6月16日、ヒューマンアカデミージュニアと一般社団法人未来創生STREAM教育総合研究所の共催で開かれた『クリエイティブロボティクスコンテスト2024』が開催されました。審査員や大勢の観客がうなり、笑い、驚き、感嘆した大会の様子をたくさんの写真とともに紹介します。
2024/11/06 10:16
なお、創ロボ検定を行うには、RISE認定校となる必要があります。詳細は一般社団法人未来創生STREAM教育総合研究所(RISE)にお問い合わせください。
まとめ
「好きなものを見つけて、それに熱中できる」。
宇宙開発もロボット開発も、そして教育も同じ方向を向いていることが、このトークセッションで明らかになりました。今回リリースされる創ロボ検定は、そんな子どもたちの可能性を広げる新しい挑戦といえるでしょう。
情報があふれる現代だからこそ、子どもたちが自分の「好き」を見つけ、それを追求していける環境づくりがより一層重要になっています。
宇宙×ロボット×教育。今回のセミナーは、さまざまな角度から子どもたちの未来に結びつくお話がたくさんあり、たいへん興味深いものでした。
創ロボ検定については、ぜひこちらまでお問い合わせください。