うちの子でもAIがわかる!アルスクールの楽しく学べるAIコースが注目を集める理由
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今回お話を伺った方
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アルスクール株式会社 代表取締役CEO
村野 智浩氏東京大学工学部卒業。チームラボや外資コンサルタント会社を経て、様々な企業で技術責任者を歴任してきたITスペシャリスト & 起業家。 プログラミング教育・探究学習など、子どもの未来をつくる教育を学びつづけ、500名以上の子どもと学んできたアルスクール代表。 息子はオルタナティブスクールやモンテッソーリ幼稚園にかよい、保護者としても先端教育を実践している。
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ChatGPTなど生成AIが身近になった今、「子どもにもAIを学ばせた方がいいの?」と考える家庭が増えています。
そんな中、アルスクールでは“正しく安全に使う、AIスキルを育てよう”をテーマに、小学生から中高生まで、楽しく取り組めるAIコースをスタート。
初回サイクルを終えた今、どんな学びが生まれ、どんな変化が見られたのか。アルスクール代表の村野智浩さんに、AIコース開講の背景や魅力を聞きました。
なぜ今、AIコースを始めたのか?

編集部:なぜこのタイミングでAIコースをスタートされたのでしょうか?
村野さん:AIコースを6月から開設した背景には、大きく2つのきっかけがありました。
1つ目は、生成AIの進化が臨界点を超えたなと感じたことです。
わたしはもともとエンジニアで、プログラミングをしながらAIをずっとウォッチしてきました。そして今年の春ごろから、プログラミング領域でのAIが劇的に進化したと実感しました。
この急速な進化を目の当たりにして、今、わたしたちが教えている子どもたちが社会に出るころには、社会の仕組みそのものが大きく変わっているのではないかと思うようになりました。
AIが子どもたちの教育にどう影響を与えるのか――そのことを真剣に考えなければならないと強く感じたのです。

もうひとつは、中高生や大学生と接する機会も多いのですが、彼らはわたし達が想像する以上にAIを使っている、大人よりも圧倒的に浸透が早い。ところが、AIを使うにあたってのリスクに対する認識が甘いのです。
リスクを知らずにテクノロジーを使うのは、切れ味の良いナイフを何も知らないまま持っているのと同じで、大人目線でいうと「怖い」のです。これはやはり、教育が必要ではないかと思ったのもきっかけのひとつです。
子どもでも「AIがわかる」ってどういうこと?

編集部: AIの教育として、どんなことを一番子どもたちに伝えたいのでしょうか?
村野さん:大きくスキル面と使い方、リテラシーにわかれるかなと思っています。
まずAIとの付き合い方で言うと、AIはこちらの質問にとても綺麗な答えを返してきますが、あくまで主役は自分でなくてはなりません。
AIが考えたことをただそのままコピーしているだけでは、人は何も考えなくなってしまいます。
でもAIと上手に付き合っていく、たとえば勉強にしても、全く手も足も出なかったものをまずAIに聞いてみて、そこから自分で深掘りしていく。そういう使い方をすれば、逆に自分の成長につながると思うんですね。
スキル面では、AIの進化が早すぎて、多分来年の今頃にはツールが全部変わっている可能性は大いにありえます。
ただ、AIに指示を正しく与えるスキルは、どんなAIになっても汎用的だと思うので、そこのスキルがしっかりつくような学びをしていきたいなと思っています。
編集部:アルスクールのAIコースで使用している、「アルスクールAI」について教えていただけますか?
村野さん:アルスクールAIは、ChatGPTを活用しながら、子どもたちが安全に使えるよう独自に開発した仕組みを備えています。
ChatGPTは規約上13歳未満が利用できないため、小学生のレッスンではそのまま使うことができません。

ARSTUDIO(アルスクールAI)の画面
そこでわたしたちは、やりとりの内容を講師がすべて確認できるようにし、利用時間をレッスン中に限定。さらに、暴力的な表現などをより厳しく制御することで、安全性を高めています。
こうした環境づくりにより、子どもたちも安心してAIを学べるようにしています。
編集部:子どもたちには、どのようにAIを理解してもらっているのでしょうか?
村野さん:中学生以上はすでに何かしらAIに触れた経験がある子が多く、リスクや可能性を見せるだけで理解が進みます。
一方で小学生は、名前は知っていても実際にはよくわからないことが多いんです。
そういう場合は、まず安全な環境で実際に使ってみることから始めます。講師がお手本を見せながら一緒に触れていくと、「こういうことができるんだ」「こんなこともできる?」と子どもたちから自然に発想が広がっていく。
そうやって体験を通してAIの概念をつかんでいくようにしています。
「AIで何かを作る」アルスクールのレッスンと子どもたちの創造性

編集部:実際のレッスンでは、どんなことをしていますか?
村野さん:6月からの4ヶ月のコースでは画像生成を行いました。当社のキャラクターを怒らせたり泣かせたりとか、LINEスタンプに使えるようなものを作ってみたり。

子どもに人気が高かったのは、ウェブアプリ、ブラウザで遊べるゲームをAIに作らせるというプログラミングです。
プログラミング経験が全くない子もいましたが、全部AIが作るので、適切な指示を出せば10分程度で、テトリスやブロック崩しができあがります。
席替えのアプリを作っている子もいましたし、卵の育成ゲームみたいなものを作っている子もいました。
ほんの10分ほどで最初の形ができて、そこからAIとやり取りしながら1時間くらいかけてブラッシュアップしていくような流れですね。

AIに仕様を伝えるとコードが生成される
編集部:ということは、要するにプロンプト(AIに指示や質問を出すための言葉)の書き方を教えるのでしょうか?
村野さん:細かく教え込むというより、コツを少し伝える形です。
たとえば「何々という言語で席替えアプリを作りたいです。まず作り方を考えてください」といったテンプレートを使います。
いきなりAIに「◯◯を作ってください」と指示しても、変な結果になることが多い。まずAIに考えさせてから「それを作ってください」と続けると、きちんと動くものができます。

AIが生成したコードをもとに作った縦型シューティングゲーム
編集部:子どもたちはAIを使っていろいろな作品を作っていますが、そうした体験を通して、どんな力を身につけてほしいと考えていますか?
村野さん:まずは、どんなAIが登場しても使いこなせるような“汎用的なAIスキル”です。
AIに誤解されないように日本語で丁寧に指示したり、具体例を挙げて説明したりする力は、人と協働する上でも大切なスキルだと思います。
実際、AIを使うことで子どもたちの可能性は驚くほど広がっています。
今では、たった10分でアプリを作ることだってできるんです。
だからこそ、「君たちにはもっと大きな可能性があるよ」「どんどん挑戦していい、失敗したって誰も責めない」「思いきり創造性を発揮して、前向きに行動できる人になってほしい」――そんな思いを込めて子どもたちに伝えています。
チャレンジする気持ち、つまり挑戦するマインドや力を、伸ばしていってほしいですね。
今こそ、学びのスタートを!
「AIを楽しく学べる」の秘密——授業での工夫と反応

編集部:子どもたちはどんな場面で一番楽しそうですか?
村野さん:やっぱり、自分で作ったゲームがちゃんと動いたときですね。「できた!」と嬉しそうにして、ほかの子を巻き込んで一緒に遊んだりする姿はよく見ます。
もちろんAIがうまく答えてくれないこともあります。
そんな時は「指示を工夫すればもっとできるよ」と伝えると、試行錯誤して少しずつ改善していきます。
そして思い通りに動いた瞬間、ちょっとニヤッとして「できたぜ、俺」みたいな顔をする。本当にいい表情なんですよ。その小さな成功体験が、とても大事だと思います。
編集部:実際にAIがうまく反応してくれないことは多いかと思いますが、ヒントを与える声がけの他に、どんなサポートを行っているのでしょう?
村野さん:他のプログラミング授業に比べて、お手本を多く見せるようにしています。
たとえば「具体的にってどういうこと?」と、言葉に戸惑う子も多いので、まず「今やりたいことは何?」と講師が会話しながら整理します。
そこから「だったら、こういうプロンプトにしてみたら?」と例を見せると、「あ、そういうことか」と理解が進む。講師とのやりとりの中で、子どもたちが少しずつ自分で考え、指示を工夫できるようになっていきます。
編集部:教室全体の雰囲気はどんな感じでしょう?
村野さん:教室は雑談もしやすい雰囲気で、「こんなのができたよ!」と誰かが言うと、講師も含めてみんなで見に行くような感じです。
AIが思いがけない画像を作ったときなどは、「それをもっと膨らませよう」と盛り上がることもよくあります。
一方で、わいわい賑やかな中でも、AIとの対話に夢中になって黙々と取り組む子もいます。
また、「それどうやって作ったの?」と子ども同士で刺激し合い、「じゃあ自分もやってみよう」と学びを深めていく姿も多く見られますね。

アルスクール・オンラインでAIを学ぶ生徒さん
オンラインでも、先生と楽しくAIを学んでいますよ。
編集部:楽しそうな光景が目に浮かぶようです。では、保護者の反応はいかがですか?
村野さん:一番多いのは「え、こんなことまでできるの?」という驚きの声ですね。
アルスクールに通う生徒の保護者はとても前向きで、「AIって面白いですね、もっとやらせてあげてください!」と応援してくださる方が多いです。
子どもが想像以上の成果を出している姿に、みなさんすごく喜ばれます。
また、プログラミング経験のある子がAIを使うと、ハードルが下がって一気に創造性が花開くことがあります。
「こんなに夢中になるとは思わなかった」「時間が足りないくらい楽しんでいる」と驚かれた保護者もいました。AIを学ばせて本当によかったという声をよくいただきます。
AIコース実施後の手応えと今後の展開

編集部:AIコースを新設されて、現在、1サイクルを終えてみたところかと思いますが、どのような手応えを感じていますか?
村野さん:講師の面では、みんな以前よりAIに強く興味を持つようになりました。講師自身がAIの可能性を実感していて、純粋に面白いと感じているのではないでしょうか。
生徒さんについては、想像以上にプロンプトのスキルが上がりました。
最初は「歴史の三択問題を作って」といった単純な指示だけだったのが、今では「幕末をテーマに、小学生でも解けるけど引っかけ要素のある問題を作って」と、具体的で丁寧な言葉を使えるようになっています。
AIを使った学びの中で、言葉で考えを伝える力が確実に伸びていると感じます。
編集部: 今後はどのようにAIコースを広げていく予定ですか?
村野さん:現在は、4カ月の学習を終えた子どもたち向けに「AIクリエイターコース」を新設しています。LINEスタンプや動画を作ってみるといった、プログラミングに限らないデジタル創作に挑戦できる内容です。
AIクリエイターコースは、これまでプログラミングにあまり興味を持てなかった子や女の子たちにも楽しんでもらえるよう意識しています。
AIを学んだうえで、プログラミングを極めたい子はプログラミングコースへ、創作に興味がある子はクリエイターコースへと進めるようにしています。さらにエキスパートコースもあります。
アルスクールAIコースの種類
| AIコース | AIの基礎スキル 安全な利用方を学ぶ |
| AIクリエイターコース | AIの活用 動画編集などのスキル |
| エキスパートコース | AIを使ったプログラミング アプリ・ゲーム開発 |
| イノベーターコース | AIやメタバースなど新しいテクノロジーを学ぶ 起業家や新サービス開発に必要なスキル習得 |
さらに今後は、中学生が実際にアプリを作って販売するような“起業家向けコース”も構想中です。
わたし達は「テクノロジーで価値を生み出せる人を育てる」ことを目標にしており、技術の発展に合わせて学びの形も柔軟に、臆することなく、どんどん進化させていくつもりです。
アルスクールが考える「これからのAI教育」と「保護者へのメッセージ」

編集部:アルスクールが考える「AI教育の理想像」について教えてください。
村野さん:わたし達がAI教育に力を入れているのは、子どもたちの創造性に大人が蓋をしたくないからです。
AIやプログラミングを使えば、子どもでも驚くようなことが実現できる。時には大人よりも柔軟な発想で、はるかに面白いものを生み出すことだってあります。
そんな子どもたちの可能性を制限するのではなく、思いきり発揮できる場をつくることが、わたし達のめざすAI教育です。
そのためにAIというツールを最大限に活用し、創造する喜びを自由に広げられる環境を提供していきたいと考えています。
もちろん、間違った使い方をしないように、リスクがあることも踏まえてAIを安全に使いこなすスキルを教えることが大前提です。
編集部:最後に、保護者に向けたメッセージをお願いします。
村野さん:多くの保護者の方が、「AIは怖い」「子どもがサボるようになるのでは」と不安を感じていると思います。
でも、スマホやLINEと同じように、AIと関わることはもう避けられない時代になっています。
だからこそ、安心できる環境でAIと向き合うことが大切です。AIは正しい使い方を学べば、リスクを減らしながら、子どもの成長や創造力を大きく伸ばせます。
保護者の方ご自身がわからないことへの不安もあると思います。先日も「子どもにAIを使わせるべきか?」というテーマで行ったのですが、子どもを取り巻くAI環境についてのセミナーも定期的に開催する予定です。
まずは体験会や無料セミナーなどで気軽に触れてみてください。オンラインでもAIコースを行っていますし、無料体験もできます。AIと向き合うことは、きっと楽しく前向きな学びになるはずです。
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