国際バカロレアの教育は学習能力を育むばかりではなく、コミュニケーション能力や探求心などを伸ばせるプログラムとしても話題を集めています。この記事では、国際バカロレアの特徴やプログラム内容をわかりやすく紹介します。
国際バカロレアとは?
国際バカロレアはIB(International Baccalaureate)の略称で、国際バカロレア機構(IBO)が認定した教育プログラムを指します。国際バカロレア機構は、1968年にスイスのジュネーブに設立した非営利組織です。国際バカロレアは大学進学の際に有利な資格を取得できることから、世界の教育現場からも注目を集めています。2021年6月30日時点で、日本国内のIB認定校は167校です。
我が国では、「成長戦略2021」(令和3年6月閣議決定)において、国内における国際バカロレア認定校等を2022年度までに200校以上にすることを目標としています。引用:文部科学省IB教育推進コンソーシアム
国際バカロレアは、英語・フランス語・スペイン語で行われていますが、日本においてはディプロマ課程の一部科目の授業や試験などを日本語で実施する「デュアルランゲージ・ディプロマ」が採用されています。
国際バカロレアのプログラムを受けるためには、認定校に入学する必要があります。世界で通用する論理的思考力やコミュニケーション能力が身に付けられるプログラムとして、日本の文部科学省は普及を推進させています。
国際バカロレアのプログラム内容
国際バカロレアのプログラム内容は、以下の4段階です。- PYP(Primary Years Programme):3~12歳
- MYP(Middle Years Programme):11~16歳
- DP(Diploma Programme):16~19歳
- IBCP(Career-related Programme):16~19歳
国際バカロレア資格は「世界共通のパスポート」とも呼ばれ、世界に通用する資格としても有名です。合格率は7割ほどといわれており、45点満点中24点以上をとることが合格条件となっています。
国際バカロレア認定校の種類
国際バカロレア認定校には、以下の2種類があります。- 一条校
- インターナショナルスクール
一条校のプログラムを受ければ、日本の高校卒業資格も得られることがメリットだといえます。
国際バカロレアにおけるメリットとデメリット
国際バカロレアのプログラムを受けることは、進学において有利になるポイントがあります。国際バカロレアのプログラムを用意した認定校を目指すなら、まずはメリットとデメリットを理解しておきたいですね。国際バカロレアにおけるメリット
国際バカロレア資格試験においてハイスコアを収めれば、世界的に有名なハーバード大学などの難関大学への入学に有利だといわれています。難関大学へ入学できれば、将来への選択肢はより自由度が大きくなるでしょう。「海外の大学へ進学したい!」という明確な目標があるなら、国際バカロレア資格を取得しておくことで進学しやすくなります。取得しているスコアによっては、基礎科目の受講が免除されるケースもあります。
国際バカロレアにおけるデメリット
保護者にとって最も現実的なデメリットともいえるのは、金銭面の負担が大きくなることです。公立高校と比較すれば、国際バカロレアの認定校の学費は2倍以上かかる場合も少なくありません。また、国際バカロレアの認定校は国内でまだ数が限られているため、遠方に学校があれば通学が困難な場合もあるでしょう。また、難易度が非常に高いプログラムであるため、授業についていけずストレスをためてしまう生徒が多いこともデメリットだといえます。このようなデメリットが、日本で国際バカロレアが広く浸透しない原因ともいえます。