サドベリースクールとは?教育の中身やおすすめを解説

サドベリースクールとは?教育の中身やおすすめを解説
授業も時間割も存在しない、サドベリースクールがあることをご存じでしょうか?自由度が高く子どもの主体性を伸ばせるサドベリースクールは、学校に通うことが難しい子どもの受け皿にもなっています。サドベリースクールでは、サドベリー教育を受けられることが特徴です。

この記事では、サドベリー教育やサドベリースクールの特徴、メリット・デメリットについてわかりやすく紹介します。

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サドベリー教育とは?

サドベリー教育は、1960年代にアメリカのサドベリー・バレー・スクールで生まれた教育理念です。サドベリー教育は、K-12と呼ばれる幼稚園から高校卒業までの生徒が対象となります。「学びたいと感じれば自ら学ぶ」を教育理念とし、子どもの興味関心が向くままに学習を進められます。

さらに、学校の自治に生徒が主体的に関わることができます。サドベリースクールに教員はおらず、代わりにスタッフ・メンバーと呼ばれる大人が生徒と共にディスカッションし、学校の運営を担います。スタッフ・メンバーは生徒達が採用し、学校のルールも生徒自身が主体的に決めることが可能です。

学年やクラスも設けられていないため、年代の垣根を超えて生徒同士が共に遊んだり学んだりします。また、校内でのいじめや暴力、ルール違反などの問題を解決できるよう、サドベリースクールでは司法委員会を設けていることが特徴です。

サドベリースクールにかかる費用

東京サドベリースクールの学費を例に、サドベリースクールにかかる費用をみていきましょう。
  • 入学金:550,000円(1人目)、275,000円(2人目から)
  • 学費:年間884,400円(1人目)、年間660,000円(2人目から)
地方のサドベリースクールでは、都心のサドベリースクールの半額ほどの学費になるケースもあります。最も学費が安いとされるのは和歌山県にある「デモクラティックスクールくまのび」で、入会金はなし、学費は年間12,000円です。

公立の学校に通うよりも学費が高額になるケースが多いため、学費と通える範囲にあるスクールかをあらかじめ確認しておきたいですね。

ビジター制度とは?

サドベリースクールでは、経済的な事情などにより月に数回のみ通えるビジター制度を設けているスクールがあります。従来の学校に通っている生徒でも、ビジター制度があるサドベリースクールに通える場合もあります。ただし、ビジター制度を利用して通う生徒は、「ミーティングに参加して意見を出すことができても議決権がない」などのルールが設けられていることもあります。

ビジター制度を利用すれば、月額5,000円ほどで通えるサドベリースクールが多くあることが特徴です。まずは、サドベリースクールの雰囲気を知りたい場合には、ビジター制度を利用してみたいですね。

サドベリー教育のメリットとデメリット

生徒にとって自由度の高いサドベリー教育ですが、入学を決める前にメリットとデメリットについて理解しておきましょう。

サドベリー教育のメリット

サドベリー教育には、以下のようなメリットがあります。
  • 自主性を伸ばせる
  • 好奇心を育める
  • 得意分野をとことん追求できる
  • コミュケーション能力を養える
  • 責任感を育める
子どもが「自分がやりたいことをとことん追求したい!」と願う場合、サドベリースクールは適した環境だといえるでしょう。学校のルールを全て生徒が決定するため、意見を出すことや決定を下すことに対して責任感を持てるようになります。

また、4~19歳までが同じ空間で過ごすため、互いに思いやりを育めるメリットもあります。年長者は自然と年下の子の面倒をみるようになり、互いに良い影響を与えあいながら成長できます。

サドベリー教育のデメリット

サドベリー教育のデメリットは、以下の通りです。
  • 年功序列が身に付きにくい
  • 目上の人から叱られる経験が不足する
  • 一条校ではないため不登校の扱いになる
  • 進学や就職に苦労することがある
  • スクールの数が少なく通える場所にないケースもある
  • 公立校がなく費用が高額になる
サドベリー教育では、学力の伸びは子ども自身の主体性に委ねられます。そのため、学力が身に付くか不安に感じる保護者もいるようです。さらに、年功序列を理解しないまま社会に出ると、組織下で違和感を覚えることもあるでしょう。

また、国内で数が少ないため、近隣に通えるサドベリースクールがない場合も。なかには、サドベリースクールに通っているご家族に子どもだけが下宿する場合や、母親と子どものみがサドベリースクールの近くに引っ越すケースも見受けられます。

おすすめのサドベリースクールを紹介

日本国内では、数多くのサドベリースクールがあります。本項目では、日本国内にあるおすすめのサドベリースクールを紹介します。

札幌サドベリースクール

一般社団法人札幌サドベリースクールは北海道札幌市にあるスクールで、 公立の学校が合わない、又は事情があって通うことが叶わない子どもにとって良い居場所であることをモットーとし、基礎学力や社会性を育むこと、子ども自身のやりたい気持ちを大切にして自主性を育てるように見守ることを尊重しています。

日本の社会でも溶け込めるように基礎学力や社会性を育むことにも目線を向けているのが特徴のスクールです。

スクール:札幌サドベリースクール

東京サドベリースクール

東京サドベリースクールは、アメリカのマサチューセッツ州フラミンガムの私立校サドベリー・バレー・スクール(1968年設立)をモデルとして2009年4月に開校した全日制の学校です。スクールは幼保小中学校の卒園卒業のタイミングからでも、小中高校の途中からでも入学可能としており、さらに生徒自身のタイミングで卒業できるようになっています。

スクール:東京サドベリースクール

三河サドベリースクール・シードーム

三河サドベリースクール・シードームは、愛知県岡崎市にあるスクールです。子どもたちが自ら感じた「知りたい」「学びたい」「身に付けたい」気持ちや、自由な行動を重視しており、評価制度もなく、子どもたちを含めた話し合いにより学校づくりを実践しています。

スクール:三河サドベリースクール・シードーム

子どもが自由に活き活きと過ごせるサドベリー教育

サドベリースクールでは、見学会や体験会を行っている場合もあります。入学を検討しているなら、まずは1日体験などをしてから考えたいですね。サドベリースクールに通うためには、サドベリー教育の理念を保護者と子どもが十分に理解しておくことが重要です。

従来の学校に通うことが子どもにとって大きなストレスとなっている場合は、サドベリースクールという選択肢があることを保護者が提案しても良いでしょう。

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