サドベリースクールとは?教育の中身やおすすめを解説
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授業も時間割も存在しない、サドベリースクールという学びの場をご存じでしょうか?
「うちの子は、周りと同じことをするのが少し苦手かもしれない」「もっと個性を伸ばせる環境はないだろうか」と考えている保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
子ども一人ひとりの主体性を尊重するサドベリー教育は、お悩みへの新しい選択肢となる可能性があります。
この記事では、サドベリー教育とは何か、その特徴やメリット・デメリット、費用について分かりやすく解説します。
お子さんに合った教育の形を探すヒントとして、ぜひ参考にしてください。
サドベリー教育とは?子どもが主役の学びの形

サドベリー教育は、1968年にアメリカの「サドベリー・バレー・スクール」で始まった教育理念です。
根底には、「子どもは生まれながらに好奇心を持ち、自ら学ぶ力がある」という考え方があります。
幼稚園から高校卒業の年齢の子どもたちが対象で、自発的に学ぼうとする気持ちを何よりも大切にするのが大きな特徴です。
決まったカリキュラムや時間割はなく、子どもたちは自分の興味や関心にしたがって、一日を自由に過ごします。
サドベリー教育の3つの大きな特徴

サドベリー教育を理解する上で、特に重要な3つの特徴を紹介します。
特徴1:時間割もテストもない「自己主導の学び」
サドベリースクールには、一般的な学校にあるような時間割、科目、テスト、成績表は存在しません。子どもたちは読書、ゲーム、おしゃべり、探求活動など、そのときに「やりたい」と思ったことに取り組みます。
何を、いつ、どのように学ぶかをすべて自分で決めることで、真の探求心と自己決定能力を育めます。
特徴2:学校のルールは全員で決める「民主的な運営」
サドベリースクールには「先生」はおらず、代わりに「スタッフ・メンバー」と呼ばれる大人がいます。スタッフは子どもたちに何かを教えるのではなく、対等な立場で学校生活をともに過ごすパートナーです。
学校の予算やルール、スタッフの採用などの重要な事柄は、「スクールミーティング」と呼ばれる会議で、子どもとスタッフが一人一票の権利を持って話し合い、決定します。
これにより、子どもたちは社会の一員としての責任感や、他者と合意形成を行う力を実践的に学んでいきます。
特徴3:異年齢が交流する「年齢ミックスの環境」
学年やクラスの区別がないのも、サドベリースクールの特徴です。4歳から19歳までの幅広い年齢の子どもたちが、同じ空間でともに過ごします。
年上の子は自然に年下の子の面倒を見たり、遊びを教えたりします。
年齢の垣根を越えた関わり合いの中で、思いやりや社会性、コミュニケーション能力が育まれます。
サドベリー教育のメリットとデメリット

子どもにとって自由度の高いサドベリー教育ですが、よい面だけでなく、事前に理解しておくべき点もあります。
ここでは、メリットとデメリットの両方を見ていきましょう。
サドベリー教育のメリット
サドベリー教育で得られるとされる主なメリットは以下の通りです。子どもが「自分のやりたいことを、自分のペースで探求したい!」と考えている場合は、サドベリースクールが適しているでしょう。
自分で考え、他者と対話し、決定を下す経験を日常的に積むと、将来に役立つさまざまな力が身につく可能性があります。
サドベリー教育のデメリットと注意点
一方で、サドベリー教育を検討する際には、以下のような点も考慮に入れる必要があります。学力の伸びは、全面的に子ども自身の主体性に委ねられるため、一般的な学力レベルに達するかどうかを不安に感じる保護者の方もいるようです。
また、スクールの数が少ないため、通学のために家族で引越しをしたり、親子で下宿をしたりするケースも見受けられます。
サドベリースクールの卒業後の進路は?

「サドベリースクールを卒業した後はどうなるの?」と多くの方が気になるところでしょう。
デメリットで触れたように、進学や就職に不安を感じるかもしれません。
しかし、卒業生の進路は多様です。
大学進学を目指す場合は、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)を取得するのが一般的です。
自分の興味をとことん追求した経験を活かして、専門学校に進んだり、海外に留学したり、あるいは起業したりする人もいます。
サドベリー教育で培われた自己決定能力や問題解決能力は、学力とは別の形で社会を生き抜く力になると考えられるでしょう。
サドベリースクールは不登校の選択肢になる?

サドベリースクールは、建築基準法や消防法に基づき設置されていますが、学校教育法第一条で定められた「一条校」ではありません。
そのため、サドベリースクールに通う場合、法的には元の学校に在籍したまま「不登校」として扱われることになります。
しかし、画一的な学校のシステムに馴染めず、心身に不調をきたしてしまう子どもにとっては、サドベリースクールが安心できる大切な「居場所」になるケースもあります。
在籍している小中学校の校長の判断によっては、サドベリースクールへの通学が「出席扱い」となる場合もあるため、関係機関に相談してみるとよいでしょう。
サドベリースクールにかかる費用

サドベリースクールに通う場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
ここでは費用の一例と、負担を軽減できる可能性のある制度を紹介します。
学費の目安
一例として、東京サドベリースクールの学費を見てみましょう。- 入学金:550,000円(1人目)、275,000円(2人目から)
- 学費:年間884,400円(1人目)、年間660,000円(2人目から)
地方のスクールでは、都心の半額程度の学費になるケースもあります。
公立の学校に比べると学費が高額となるため、通える範囲にあるスクールの費用を事前にしっかり確認しておきましょう。
費用を抑えやすい「ビジター制度」とは?
スクールによっては、経済的な事情などで毎日通うのが難しい家庭のために、週に1回や月に数回だけ通える「ビジター制度」を設けている場合があります。従来の学校に通いながら、併用して利用できるケースもあります。
ビジター制度を利用すれば、月額5,000円程度から通えるスクールも多く、費用を抑えながらサドベリー教育に触れることが可能です。
「まずはスクールの雰囲気を知りたい」「子どもに合うか試してみたい」と気になる方は、活用を検討してみてはいかがでしょうか。
日本国内にあるサドベリースクールを紹介

日本国内にも、サドベリー教育を実践するスクールが複数存在します。
ここでは、その中からいくつかのスクールをご紹介します。
札幌サドベリースクール
一般社団法人札幌サドベリースクールは北海道札幌市にあるスクールで、公立の学校が合わない、または事情があって通うことが叶わない子どもにとってよい居場所であることをモットーとしています。基礎学力や社会性を育み、子ども自身のやりたい気持ちを大切にして自主性が育つよう見守ることを尊重しています。
日本の社会でも溶け込めるように、基礎学力や社会性の育成にも目線を向けているのが特徴のスクールです。
スクール:札幌サドベリースクール
東京サドベリースクール
東京サドベリースクールは、アメリカのマサチューセッツ州フラミンガムの私立校サドベリー・バレー・スクール(1968年設立)をモデルとして2009年4月に開校した全日制の学校です。スクールは幼保小中学校の卒園卒業のタイミングからでも、小中高校の途中からでも入学可能としており、さらに生徒自身のタイミングで卒業できます。
スクール:東京サドベリースクール
三河サドベリースクール・シードーム
三河サドベリースクール・シードームは、愛知県岡崎市にあるスクールです。子どもたちが自ら感じた「知りたい」「学びたい」「身につけたい」気持ちや、自由な行動を重視しており、評価制度もなく、子どもたちを含めた話し合いにより学校づくりを実践しています。
スクール:三河サドベリースクール・シードーム
まとめ:まずはスクールの雰囲気を見学・体験してみよう

この記事では、サドベリー教育の基本的な考え方や特徴、メリット・デメリットを解説しました。
サドベリー教育は、子どもが本来持っている「学ぶ力」を信じ、その成長をじっくりと見守る教育スタイルです。
教育方針がお子さんに合うかどうかを判断するためには、保護者と子ども自身がその理念を十分に理解するのが重要です。
多くのサドベリースクールでは、見学会や体験入学を実施しています。
もし従来の学校生活がお子さんにとって大きなストレスになっているなら、選択肢の一つとして、まずは気軽にスクールの雰囲気をのぞいてみてはいかがでしょうか。
実際の環境に触れてみることで、お子さんに合った道を見つけるきっかけになるかもしれません。
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