【中学受験の世界】ささやきに翻弄されまくる編|塾の先生、ライバルの親…私を悩ませる「ささやき」たち
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さて今回のお題は「ささやき」です。中学受験で「ささやき」ってなに?と思ったかもしれません。実はこの「ささやき」が受験生活を左右することもあるのです。
この記事のポイントはズバリ3つ!
・さまざまな「ささやき」に惑わされるな!
・中学受験は異次元の世界と割り切ろう
では、実際に見ていきましょう!
魔法の言葉「やればできる」に隠された真実とは

ささやきの前に、中学受験を通じて多くの親が翻弄される魔法の言葉についてお話しましょう。
「やればできる!」
“やればできる”は簡潔な言葉ですが、中学受験生にとっては深い意味を持ちます。たとえば、塾の先生は、こんな風にやればできるを多用します。
「コザル君は、やればできるタイプですね」
「やればできるんですから、コザル君は演習問題の量を増やしていきましょう」
やればできる。
こう言われると親としては悪い気はしません。親は「できない子ではなく、本来はできるお子さんなんですよ!」と子どもの資質を褒められている錯覚に陥るからです。
「おお、ウチの子がやる気だしたらもっと上をめざせるわねっ」
「やればできる」は、そんな風に夢広がる魔法のささやきなのです。しかし、ここは冷静に現実を見ましょう。
やらないとできるようにはなりませんよ」と言われているに等しいのです。中学受験でやればできると言われたら「やらせないと、できないままですよ!」と暗に示唆されていることなのです。
中学受験の面談で「先生のささやき」が親を悩ませる

では本題の「ささやき」のテーマについてお話しましょう。
塾に入ると、定期的な面談があります。
一般的に塾は、最初は保護者の話を聞く側に回ります。なるべく保護者の不安を解消するように、話すだけ話させてからおもむろに解決策について、とてつもなく具体的に解説し始めます。
私はコザルの国語が伸び悩んでいることに頭を抱えていました。
「やはり長文読解が足をひっぱっているところはありますね」
先生はハキハキと明確に子どもの弱点を指摘します。次の瞬間、ぽろっと
「う~ん、長文読解の特訓コースがあるんですよねぇ」
と、ささやきます。「え?」と思う親が問いかける前に、先生はまたよく通る声でおっしゃいます。
「それでですね、漢字や熟語、慣用句なんかは頑張ってますよ。小テストでも毎回満点に近いですから」
お、おお、それはよかった!と思ったところで、ふたたび
「もったいないなぁ、長文読解が苦手なんですよね。点数配分的にはとっておきたいところですねぇ」
塾の先生はひとりごとのようにささやきます。
このささやきは、喉に刺さった魚の骨以上に、ずっと母を悩ませます。

もし思いっきり営業風を吹かされ、先生に「この特訓コースをとらないと不合格になりますよ」「たった2万円です。はい申込書はこちら」と言われたら、親も身構えますよね。
一部、スパルタ系の塾や難関校向けでは、特訓コースのような通常授業にプラスする追加オプションを「取りなさい」と言われることもあるようです。
でも、そもそもこの手の塾に入れている親は、無条件に受け入れるか、あるいは親のポリシーもはっきりしているため、それほど悩まないのです。
しかし、一般的に多いのは「先生のささやき程度」のおすすめです。結果、とりあえず考えてみますと返答し、私は塾を後にしました。
塾の帰り、ついでにスーパーに寄って買い物をしている最中も、ささやきは頭の中でリフレインします。
キャベツを手にしたまま、ぼんやりしている人がいたら、もしかしたら「中学受験真っ只中」の方かもしれません……。
ささやかれた言葉は脳裏から離れない

こうした「追加オプションとったら?」のささやきに対して、聞かされた親は帰宅し、まずは家族と相談するでしょう。
家族は「塾の言われるままに講座をとっていたらキリがないよ。今も十分に頑張っているし、このままで受からないとすれば、そもそも志望校のレベルが高すぎるのでは?」と冷静な反応をすることもあるでしょう。
しかし。
ささやかれた本人は、ここで悩むのです。
私はお布団にもぐりこんでから、眠れぬ時間をよく過ごしました。
(もし、この特訓をとらなかったためにあと5点届かずに落ちたら……)
(子どももやると言ってるのに、やらせないというのもどうなのか)
(塾は営業のつもりかもしれないけど、でも○○先生はコザルのことをよくわかっている。コザルの弱点を知っているからこそすすめたのだと思う)
そして、最終的に私はわたし自身にささやくのです。
「出せないこともない……」
「出せないこともない」自分にささやいてしまう罠

お布団に入った「ささやかれた母」は目を閉じても眠れません。
(せっかくここまで頑張ったのだから)
(なんとか苦手科目をつぶしたい)
そしてパチっと目がさめるんです。
「出せないこともない」

さあココです!ココが中学受験で塾とお付き合いする上で、実は親が「自らにささやいてしまう」キーワードです。
「出せないこともない」
おすすめされた特訓コースや講座が「50万円です」と言われたら、最初からあきらめますよ。ところが、こうしたオプション「どうでしょう」の授業は、2万だとか3万といった辺りで、
「まぁちょっと家計をひきしめれば、出せないこともない」
わけです。
塾の費用というのは後半になればなるほど、うなぎのぼりになっていきます。金銭感覚が麻痺してくるんですね。
「そうよ、出せない金額でもない」
あまり乗り気でない夫の顔が私の胸の内を横切りました。同時にもうひとりの私がささやきます。
(家計から出せないこともないわけだし)
(聞いてこないなら、夫にあえて言わなければいいか)
(明日、塾に行ってもう一度先生と話してみよう)
ふと見れば時計は12時を過ぎている。それくらい、考え込んでしまうことも実際に私にはありました。
まさかの「ささやき戦法」で母大いに焦る

そして、翌日、勇んで塾へ向かいます。すると同じレベルの集団授業クラスをとっているAくんのママと鉢合わせになり、話しかけられました。
「コザル君は特訓コースどうするの?面談で言われなかった?」
「え、えーと、悩んでるの」
うちは取るわ!と堂々と言えないのが不思議なのですが、塾だけの関係であるママ友とは微妙な距離感があって、曖昧な返答をすることも多いのです。
うやむやな私に向かって彼女は
「ウチはやめたわ~、だって今だって演習問題だけで手一杯なのに無理無理」
「通常クラスの勉強をしっかりさせるほうが大事だって夫も言うし」
などと、こそこそっとささやきました。
そうだよなぁ、今とっているクラスの宿題だって夜に終わらず、朝あわててやっていることもあるのに。加えて特訓クラスもなんて無理かも、と、昨晩の決意はどこへやら、私の気持ちが変化していきます。
結果、すごすごと私は家に戻ります。
そしてしばらくして塾に行ってビックリするんですよ!だって、A君はしっかり特訓コースに在籍しているんですから!
な、な、なんで!!!
そう、ささやき戦法にしてやられてしまった私です。
中学受験は異次元の世界「ささやき」に翻弄されても落ち込むな!
ここで私が猛烈な焦りを感じたのは事実です。早速、帰宅すると同時に、私は親しいママに連絡をしてことの次第を話しました。すると、彼女は
「出し抜かれたわね」
とひと言、きっぱりと言うではありませんか。

「甘いわね。他のママ、特に同じレベルの志望校狙いのママたちの話を真に受けてはダメなのよッ。ライバルはひとりでも少ないほうがいいに決まってるじゃないの!」
うなだれる私。あわてて塾へ飛び込みました。
そして再び、先生から「まだ間に合いますよ」「このコースでカバーしていきましょう」と言われます。「コザル君、がんばってますもんね。やればきっとできますよ」ああ、魔法の言葉が、母の背中を押すわけです。
(そうだ!がんばってるコザルに今さらケチケチしていられるか!)
(あの子も、この子も、個別をとったり特訓とったりしてるもん。うちの子にもやらせなくては)
(だって、これは戦いだもの!母親がやらねば誰がやる!)
……いえ、母親ではなく、子供がやることなんですけどね。そんな当たり前のこともどこかに吹き飛んでしまうような何かが、小6の中学受験にはあるのです。
しっかりした親なら周囲に踊らされず、ブレずに我が子と共に受験を乗り越えていくでしょう。
だいたい、前述のママ友だって、その時は実際に特訓コースを取るつもりはなく、後から決断したのかもしれないのです。少なくとも彼女は「しめしめ、出し抜いてやったわ」なんて考えていたわけがないと、今なら私もそう思います。
でも、こんな風に頭に血が上り、カッカしながら先生やらママ友やらの「ささやき」に右往左往する親……いるんです。いますよ、ここに。私がそうだったのですから。
中学受験は実際にやってみると、それまで知らなかった異次元の世界。
渦中にいる時は、誰でも時には「後から思うと、なぜあそこまで?」と思うようなことがあるものです。だからどうか、今がんばっている方、これから受験に突入しようとする方、
「わたし、どうかしてる!」
そんな風に思うことがあっても、それはあなただけではない、ということを思い出して下さい。落ち込んだり、エキサイトしたりしながら、それでも乗り越えていくのが中学受験の世界。
「さまざまな“ささやき”」に翻弄されつつ、もがきながらも、親子で走り抜けていくのが中学受験をする小6の1年間です。
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