【中学受験の世界】ボリュームゾーンは椅子取りゲーム編|中受ランクは日本酒と同じ!?
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中学受験というと、頭の良い、一部の子どもが挑戦するものだと思っていませんか?
巷では、いわゆる「御三家」と呼ばれるような難関校をめざすイメージが強い中学受験ですが、実はもっとも多いのは難関校「以外」の中学受験。それが今回のお題「ボリュームゾーン」です。
この記事のポイントはズバリ3つ!
・難関校を受ける子は少なく「真ん中レベル」の受験生は多い
・ボリュームゾーンの競争は想像以上に大変
では、実際に見ていきましょう!
それは「椅子取りゲームの悪夢」から始まった

私がボリュームゾーンという言葉を初めて聞いたのは、実はまだ中学受験に関して決定的な決断をしていない、コザルが5年生になったばかりの頃でした。「子どもが小6、受験組」という先輩ママたち3人組と話していた時です。ひとりのママが、
「ウチの子はボリュームゾーンで、気に入った学校は倍率が軒並み高くて、もうヤバい!」
とひときわ高い声で言ったあと、いきなり声をひそめてこうつぶやきました。
「椅子取りゲームなのよね」
このママは娘のAちゃんを、中堅校に強いと言われる進学塾に通わせていました。
「ボリュームゾーンの戦いは熾烈だよ!女子校も含めれば候補となる学校は山ほどあるのよ。だけど受ける子たちも山ほどいるのよ!」
「この頃、たくさんの椅子が丸い輪になって置いてある夢を見るの。その周りに子どもが二重、三重になって音楽にあわせて歩いている。そして音楽が止まると、子どもたちは一斉に椅子を取りにいくわけ。結局、そこにいる子どもたちの半分も椅子に座れないの」
Aちゃんママは、これは中学受験を現しているのだと思う、と低い声で言うのです。
「それで、娘は結局、椅子に座れないのよ。椅子に座った子たちにはじかれて、娘は泣いているの。もう3回くらい見てるんだけど、これって予知夢だと思う?」
シュールすぎる夢に固唾をのむ私。正直なところ、大丈夫か、Aちゃんママ……と、少々引いていたのは事実です。
小6スタートで中学受験できますか?

それから1年、コザルが受験したいと言い出し、初めて塾に「ご相談」に行った時のことです。
まず聞かずにはいられなかったのは、
「小学校でもそこそこの成績です。小6直前の今からスタートして、合格できますか?」
それに対して、塾長である先生は
「塾では受験に合格できるような指導を行います。ですから学校の学習とは違います。コザル君もしっかり学習をすれば、ボリュームゾーンまでは必ずいけます」
と答えました。
「ボリュームゾーン?」
首をかしげた私に塾長は、受験する子のうち、難関校を受ける子は実はそう多くはないのだと告げました。またいっぽうで、定員割れしている=ほぼ合格が保証されているような学校を受ける子も少ない。
「いわゆる中位校、中堅校といわれるレベルがもっとも受験生が集中するゾーンです。一生懸命がんばれば、きっとボリュームゾーンには食い込めるはずです」
まったく中学受験に対する知識がなかった当時の私は、正直、先生の話もちんぷんかんぷんでした。
中学のランク付けとボリュームゾーン

そして私は「子ども3人を中受させた」師匠とも呼ぶべき先輩ママにこの話をしました。彼女は「え、今から受験させるの?それはもう、ハッキリ言って『そこそこのレベルに入れたらありがたい』くらいの気持ちでやらせるしかないわね」と言い放ちました。
(むん)とちょっぴり思ったものの、なにしろこちらは初心者。頭を垂れて解説をお願いしました。すると、彼女はまず学校のランクについて話しだしたのです。
受験校のレベル分け
最難関校 | |
難関校 | |
上位校 |
ボリュームゾーン上位
ボリュームゾーン ボリュームゾーン下位 |
中堅校 | |
中位校 | |
一般校 | |
下位校 |
最難関校は、偏差値でいえば70台クラスです。
ところが先輩ママによると、「偏差値で単純に分けられないのが難しいところ」だそうで……。ここから、本気の解説がスタートしました。
- そもそも、偏差値は毎年変化する。
- (関東圏で言えば)首都圏模試とSAPIXでは対象者の力量が違う。すると、偏差値の数字もまったく異なる。
- 一定レベル以上になってくると、ランク分けが微妙になる。とくに、上位校/難関校の区別は難しい。
- 多くの学校が複数回受験を行っている。後半(つまり1回目より2回目、2回目より3回目)のほうが難しいので、同じ学校でも、3回目の受験日は上位校ながら「難関校なみ」になる。
あいづちさえも小声になっていく私に対して、彼女は、このレベル分けもいろいろな意見があって、難関校を上位校と呼ぶ塾もあるし、最難関校の上に超難関校を位置づける呼び方もあるのよ、と丁寧に教えてくれました。
(ランク分けって、そんな大事なことなのだろうか)
首をひねった私ですが、それから中学受験が終わるまで、思えば首をひねりっぱなしだった気もします。
「要するに塾の先生は、コザル君が頑張れば、まあ一般校を抑えにして、中位校か、うまくすれば中堅校レベルまではいける可能性があるって話をしてるわけ。ただし、中間層はものすごく数が多いから、それほどレベルが高くない=ラクに受かるってわけじゃないからね。ライバルが多いってことだからね!」
ね!の語尾が異常に甲高かったので、けっこうビビった記憶があります。
「つまり、日本酒のランクと同じ?」
腑に落ちないところもあるものの、聞いたからには、誰かに知識を自慢したくなった私。同じく「中学受験初心者」の夫に、彼女の話を繰り返しました。すると夫は、「ごめん、何言ってんのかわからん」
ぽかんとした顔をこちらに向けました。
「だから~!ランクよ、ランク。受験する学校のランク!」
ヒートアップするも夫は、
「なんでそんないっぱいランクがわかれてるのかねぇ」
そう言うと、ちょうど手にしていた江戸切子の器をひょいと掲げました。
「ようするに、大吟醸、吟醸、純米、本醸造、カップ酒みたいな感じ?」
当時、まったく本気で受験モードに入っていなかった私たち夫婦。真剣勝負中の中受組(中学受験を略して中受と言う)が聞いたら「ふざけるな!」と怒られそうな会話です。
ともかく、この日わかったのは、学校はレベル別にランクがあり、「真ん中レベル」が一番受験生が多く、対象となる学校も多いことです。そして、「受験生の母・父」とは口が裂けても名乗れない、「無知レベル」の親。それこそが、私たち夫婦の置かれた状況でした。
中学受験の「やる気スイッチ(ただし親)」入りました!

本格的な受験勉強が始まり、コザルは週に3日の集団授業をスタートしました。すぐに塾の先生からハッキリと告知されました。
「今から4教科は無理です。2科目に絞りましょう」
中学受験は小3の終わりから始めるのがスタンダード、少なくとも小5には始めている子がほとんどです。しかし、小6直前から中受を決める子もいないわけではありません。そこで提案されたのが、「足りない部分は、個別指導でカバー」という方法でした。
こうして、怒涛の受験勉強がいきなり始まりました。思い返すと、最初のうちは、何度も塾に呼ばれました(よく面倒を見てもらいました……)。
どこか他人事のようだった私もネットで情報を調べまくり、中学受験の書籍を読みまくり、にわか仕込みながらも知識を得ていきました。
数ヶ月すぎてようやく、私はそれまでぼんやりとしかわからなかった「中学受験の世界」とはこれなんだ、とハッキリと目に見えてきたのです。ちょうどそれは、ずっと目の前にかかっていた薄いレースのカーテンを両手でぱーっと開き、窓の向こうの光景を初めて見たときのように、くっきりと中学受験の世界が浮かび上がってきたのです。
中学受験は、中途半端な気持ちでチャレンジできるものではないんだ。
と、同時に、椅子取りゲームの光景がまざまざと脳裏をよぎりました。
絶対にわが子が椅子をとれず、取り残され、立ち尽くすようなことはさせまい。
たぶん、この時から私の中学受験のスイッチが入ったといえるでしょう。
そして「お得校」へと続く

本気になった私は再び師匠にレクチャーを頼みました。
「いい?ボリュームゾーンこそ情報が大事よ。今回の受験の傾向っていうのをちゃんと調べないとダメ。例えば、去年は特に目立ってなかったのに、いきなり爆上げしてくる学校っていうのがある」
偏差値は横においておき、その学校の志願者数がいきなり大幅に増える学校は毎年出てくるものだと言うのです。こうした「爆上げ」は、ボリュームゾーンの学校群に特に多く見られると師匠は強調します。
「もし実質倍率(受験者数に対し合格者数の比率)が去年は2.1倍だったのに、今年はどうやら大人気になって4倍になったとする。ふたりにひとりは受かっていたのに、似たような実力の子が集まって4人にひとりしか受からなくなったとすれば、そりゃ激戦よね」
おおおおお。それは大変だ。そんな学校は選べない。
「中堅校へ人が流れる年もある。安全策をとる流れができると、より難しくなっている難関校を避けて、難関校も受けられるだろう力のある子が、特進クラス(成績の良い子専用のクラス)の実績が強いところとか六大学の附属だとか、そういう中堅上位校を第一志望に持ってくることが増えてくる」
「となると、ボリュームゾーンの上位校は軒並みきつくなってくるから、ひとつずつランクを落として考えなくてはならないかもしれない」
ひええええ。そんな「流れ」がこないことを祈るばかりです。ちなみに、新型コロナウイルス感染症の影響が出た2021年受験などは、たとえば遠方の学校を避ける傾向があったとか、内部進学で大学まで行ける学校の人気が高くなったとか、そういう影響があったそうです。
ところで、と師匠はひと息ついてこう言いました。
「まぁ私が思うに、コザル君はお得校を狙うのがいいんじゃない?」
なにその、セール品みたいな学校は!と思った私ですが、実はこの「お得校」はボリュームゾーンにとっては実はとても重要なキーワードだと知ったのです。
というわけで、次回のお題は「お得校」にいたしましょう。ぜひお楽しみに。
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