Kids VALLEY 未来の学びプロジェクトとは?
渋谷に拠点を置く東急株式会社、株式会社サイバーエージェント、株式会社ディー・エヌ・エー、GMOインターネットグループ株式会社、株式会社MIXIの5社により「Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト」がスタートしました。これまでも、渋谷区内の小中学生向けにさまざまな授業や支援を行っています。「Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト」サマーキャンプ2023の一環として、コエテコジュニアプログラミングフェスにて、GMOデジキッズのワークショップが開催されました。本記事では、GMOデジキッズサマーキャンプ2023に注目し、その一部始終を詳細にレポートします。
コエテコジュニアプログラミングフェスについては、こちらでレポートしています。
(イベントレポート)Kids VALLEY プログラミングサマーキャンプ2022 渋谷のITキッズが語る!プログラミングの魅力とは!?
2022年8月、東急と渋谷に拠点のあるIT企業5社によるKids VALLEYのプログラミングイベントが開催されました。オフライン・オンラインイベントに加えて「渋谷区プログラミングコンテスト」2021年度受賞者による特別動画「Kids VALLEY プログラミングサマーキャンプ2022」も期間限定で公開!当記事では特別動画を詳しくレポートし、魅力をたっぷり伝えていきます。
この記事をcoeteco.jp で読む >(イベントレポート)Kids VALLEY 2020|今年はオンライン活用で全国の小・中学生向けのプログラミングイベントに
2020年8月、東急、サイバーエージェント、DeNA、GMOインターネット、ミクシィの5社は「Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト presents プログラミングサマーキャンプ2020」を開催しました。 例年とは異なり、今年はオンラインを活用し、自宅からも参加が可能になりました。コエテコでは各社のイベントレポートをお届けします!
この記事をcoeteco.jp で読む >現役エンジニアだからこそ「未来を支える子どもたちに伝えたいこと」がある
「GMOデジキッズ サマーキャンプ2023 アクションゲームを作ろう! スクラッチでゲームプログラミング」を統括したGMOインターネットグループ デベロッパーエキスパート 成瀬 允宣さんは、これまでも多くのワークショップを小学校などで行ってきました。
「渋谷区において成長してきた会社として、渋谷区に恩返しをしたい思いがあり、『Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト』に取り組んできました」
こう話す成瀬さんは、もともとの発端に「渋谷区への恩返し」があり、その上で今はさらなる課題を感じていると言います。
「ITの人材不足が叫ばれ始めてから、すでに長い時間が過ぎてしまっています。わたし達はIT業界に携わる者として、次世代に必要な資質・能力を持った人材育成に寄与しなくてはならないのです」
成瀬さんは、プログラミングの基本である順次・分岐・繰り返し、さらに分解し組み合わせて自分たちの作りたい動きを実現することが、プログラミング的思考のベースであると言います。そして今回のワークショップでは「自分たちの発想で、順次・分岐・繰り返しをどう使えばいいのか」を考えて実行する、プログラミング的思考を「鍛える」趣旨があるのだと話してくれました。
「現役のエンジニアだからこそ、子どもたちのこれからにどんなスキルや思考が必要かがわかる。それをきちんと伝えたいという思いがあります」
そう語る成瀬さんは日頃から、子どもたちへの支援に力を注いでいます。
成瀬さんは、小学生のみならず、中高生、大学生を含め、これからの時代を担う人に、自身が培ってきたスキル・経験・思いを、言葉や行動などすべての方法を使って伝えようとしている熱意あふれるエンジニア。
そんなスーパーエンジニアから子どもたちが直にプログラミングの世界を教えてもらえるチャンスが、今回のワークショップなのです。
(レポート)「未来の笹塚小学校をつくろう 最終成果発表会」GMOインターネットグループと渋谷区による問題解決学習・教育版マインクラフトを使っ
2023年3月10日、渋谷フクラスには大勢の小学生が集いました。「未来の笹塚小学校をつくろう~より多くの人が幸せな社会を目指して~」をテーマに、教育版マインクラフトによるプログラミングを活用したチームでの探求学習に取り組んできた、渋谷区立笹塚小学校6年生の子どもたちです。この記事ではその素晴らしい取り組みについてレポートします。
この記事をcoeteco.jp で読む >GMOデジキッズ サマーキャンプ2023 アクションゲームを作ろう! スクラッチでゲームプログラミング
GMOデジキッズ サマーキャンプ2023 アクションゲームを作ろう!は、渋谷フクラスのGMOインターネットグループイベントスペースにて開催された「コエテコジュニアプログラミングフェス」で行われました。
成瀬さんをはじめ、GMOインターネットグループのエンジニアの皆さんによって、モニターやパソコンがセッティングされ、いよいよワークショップが始まります。
集合・オープニング
今回のワークショップでは、まず事前にプログラミングの基本をYouTube動画で視聴し、予習してくることがお約束。動画は、スクラッチで学ぶプログラミングのキホンで3つのパート「順次・分岐・繰り返し」に分かれています。
まさにプログラミングにおける基本中の基本です。
プログラミングに挑戦!
いよいよ、プログラミングに挑戦です。
最初にキャラクターが飛んだりはねたりできるように「重力」を作ります。次にキャラクターを動かす「移動」をプログラムします。
「キャラクターが動くようになったら、目的地につくとゴールになるようにプログラムを行います。そうすることで、ゲームになります」と成瀬さんの説明にうなずく子ども達。
子どもたちは真剣な表情でモニターに向かっています。もちろん途中で迷ったり悩んだりもしますが、そこで成瀬さんや他のエンジニアの方々にヒントをもらって、修正しては試してみるトライ・アンド・エラーを繰り返しながら、着々と進めていきます。
そして「ゴール」「あたり判定」「ジャンプ」と、アクションゲーム制作のステップをひとつずつクリアしていきます。
ゴールまでできたら、「ゲームをよりゲームらしくするための」ギミック(仕掛け)を作ります。
たとえば敵のキャラクターに当たるとゲームオーバーになる「当たり判定」もギミックのひとつです。
ここでひとつ問題が出てきました。
当たり判定を作ると、キャラクターが敵キャラに遭遇しただけで当たり判定されてしまい、ゲームオーバーになってしまうのです。そこで敵キャラを避けられるよう、ジャンプするプログラムを加えていきます。
「重力」で学んだ移動のプログラムを活用し、ジャンプのキーが押されたらキャラクターが飛び上がるようにプログラムを行っていきます。
なかなか盛りだくさんの内容ですが、ひとつずつ行っていけばゲーム制作の基本がひと通り体験できるよう緻密に設計されたカリキュラムです。
時間に余裕がある子どもたちは、今度は自分たちが考えた「ゲームの面白い仕掛け」をプログラムしたり、背景を変えてみたり、自由に作業を行いました。自分なりのギミック(仕掛け)をプラスして、オリジナルのゲームにするのがもっとも楽しいところですね!
発表会
短い時間でしたが、それぞれのゲームが完成しました!広いラウンジスペースを利用して「発表会」が開かれます。
コミュニケーション能力やプレゼンテーション力は、エンジニアに限らず、これからの時代に必須とされるスキルです。お友達の発表から刺激を受け、また自身もマイクを持って話すことで、貴重な体験となったことでしょう。
ギミックの発表すべてには時間が足りなかったのですが、成瀬さんは時折笑いをまじえながら、発表されたゲームひとつひとつに感想を述べていました。スーパーエンジニアからのメッセージは子どもたちの心に響いたことでしょう。
成瀬さんのコメント
今回のワークショップでアクションゲームを選んだのは、さまざまなギミックを加えて自由にアレンジしやすいからです。
ゲーム制作で「こんなことをしたい」「あんなことをやってみよう」と考えるのは楽しいですし、その考えをプログラムの基本を使って実現していく経験をしてもらいたくてワークショップのカリキュラムを組み立てました。
今日のワークショップでも感じたのですが、日本のプログラミング教育のレベルは確実に上がっています。これまでだと、ギミックもひとつふたつ考えるくらいだったのが、今日見ていたら5つも6つも作っている子どもがいて本当に嬉しくなりました。
レベルが上がってきているからこそ、できるようになった子どもたちに「こんなこともやれるんだ」というプログラムの奥深さを感じてほしい。きちんとプログラムを組めばいろいろなことができるのだということを今日、実践し感じてもらえたのが1番良かったと思っています。
プログラミングのワークショップやイベントに行ってみよう!
「プログラムを生業にしている者が、こういうことを子どもたちは学ぶべきだと伝えていかなくてはならない」と話していた成瀬さん。子どもたちへのIT教育支援を惜しまぬ成瀬さんは、IT人材不足という危機感を抱くと同時に子どもたちに対する大きな期待と希望があるのです。小さな体験から好奇心がわき、新しい学びへと結びついていきます。ぜひ、お子さまにテクノロジーやプログラミングに振れる機会をたくさん作ってあげてください。
サマーキャンプの次回開催も楽しみです。その他にもいろいろなプログラミングのワークショップがあるので、見つけたら親子で挑戦してみてくださいね!