自作ロボットでも市販のキットを使ったロボットでも、ロボットならなんでもOK!
ロボレーブ大会は懐の深い、誰でもウェルカムなロボットコンテストなのです。本記事ではたくさんの写真と共に、ロボレーブ神戸大会2023の様子をお届けします。「次の大会には自分も出たい」「ロボットをやってみたい」きっとそんな気持ちになるレポートをぜひご覧ください!
ロボレーブ神戸大会2023とは
ロボレーブとは、Robots Are Very Educationalの頭文字をとったもの。コンピュータを使ったプログラミング学習やロボット制御の体験を通じて科学とモノづくりへの関心を高め、柔軟な想像力、論理的思考力を育むことを目的とした、米国で始まった教育プログラムです。
世界20ヶ国で行われ、日本では毎年11月に石川県加賀市で国際大会を開催、これまで東京や大阪などでも大会が開かれています。
そして2023年10月8日、神戸市立中央区文化センターにおいて、ロボレーブ神戸大会2023が開催されました。
さっそくロボレーブ神戸大会2023の様子をレポートします!
ロボレーブ神戸大会2023の大会内容とルールについて
ロボレーブ神戸大会2023で行われた3競技
【国際大会競技種目】
(1)a-MAZE-ing Challenge(アメイジングチャレンジ)
(2)SumoBot Challenge (スモウボットチャレンジ)
【神戸大会特別種目】
(3)Showcasing(ショーケイシング)
競技用ロボットの基本的なルール
練習会及び競技会に使用するロボットや電池、その他ロボットの修理に必要な工具、プログラミングに使用するパソコンは持参。有名な大会だと使えるロボットキットが決まっていることも多いですが、ロボレーブはキットが限定されていないのが大きな特徴です。
ロボットは自作・市販品を問いません。
※市販品の例:α-Xplorer、TJ3B、LEGO EV3、SPIKE、KOOVなど自由。ただし、大きさや重さや形など各競技のルールに従ってください。
そのため、会場にはレゴ系、KOOV、ダイセン電子工業系のロボットキットなどさまざまなロボットが大集合。ただし大きさや重さ、形には一定の決まりがあり、「車検」を受けてOKをもらい、シールを貼ってもらわないといけません。
大会の冒頭では、ロボレーブ神戸 推進委員会 野々宮英二さんから開会の挨拶がありました。
ロボレーブ大会では、ロボットを楽しもう!が合言葉です。ロボレーブの大会は「誰でもウェルカム、みんなで楽しむ」ロボットへの愛があふれる温かな大会なのですね!
楽しければ楽しいほど学びにつながります。そして今日はたくさんのチームが集まっていますが、みんながチーム、仲間です。
他のチームがいい動きをしているなと思ったら、どんなことを工夫しているのか聞いてみましょう。誰かに質問されたら、ぜひチームで教えてあげてください。
今日、参加してくれているみんながレベルアップすることが大会の目的でもあるのです。
a-MAZE-ing Challenge(アメイジングチャレンジ)
最初に、a-MAZE-ing Challenge(アメイジングチャレンジ)から見ていきましょう。記事の最後には笑顔はじける表彰式の様子もありますから、楽しみにしてくださいね。
a-MAZE-ing Challenge(アメイジングチャレンジ)では、木の板を組み合わせたコースを落ちることなく、どこまで走りぬけるかを競います。ゴールまで走破した時の残り時間がボーナスポイントとして加算されるので、当日の朝に発表されるコースをいかに早く走り抜けるかがポイントです。
競技は4セットのトライ、それぞれの一番良かった点数を合計して競います。
これがなかなか難しくて、曲がり角で落ちてしまったり途中で止まってしまったり……。ため息が漏れることもあれば、思わず頭を抱える仕草をする子もいますが、あきらめずロボットを調整してはトライを繰り返していました。
個性的なロボットの参加が多く、みんな他チームのロボットにも興味津々。野々宮さんのお話どおり、あちこちで「これはどうなっているの?」「あれってすごくない?近くで見ようよ」なんていう声が飛び交っていました!
SumoBot Challenge (スモウボットチャレンジ)
SumoBot Challenge (スモウボットチャレンジ)は、丸い板の上で2台のロボットが押し合いをする、相撲に見立てた競技です。土俵から押し出す、土俵上でひっくり返るなど走行不能になった場合に勝敗が決まるのですが、これがなかなかエキサイティング!
こちらはピンクの棒が注目を浴びていたロボット。marlin & Kの選手で、「この棒で相手をガードする作戦」と話してくれました。
ロボットの前部分に段差をつけて、相手のタイヤが乗り上げたら、そのまま端まで押し切る作戦にした(段差にはおもりを隠してある)のは、UFOチームです。
おじいちゃんが研究者だそうで、憧れのおじいちゃんと同じように研究者になるのが夢だそうです。素敵なエピソードありがとう!
この競技はさまざまなギミックの工夫が見られました。強いチームの仕掛けや構造をじーっと見つめている子どもたち、競技を通じて技術や知識、アイデアを吸収していく姿が印象に残りました。
Showcasing(ショーケイシング)
Showcasing(ショーケイシング/神戸大会独自種目)は、自作ロボット作品と説明用のポスターを展示、参加者全員の投票によって「スーパーロボット」を決定します。投票は3つのポイントで採点・評価を行います。
- 発想
- 表現
- 技術
どんなロボットを使ってもOKなのですが、今回の大会ではKOOVが多かったです。
Showcasingでは、メンターの先生がKOOVで作った作品(車のハンドル)や、大阪工業大学 情報科学部情報メディア学科 宮脇健三郎准教授の研究室による作品も並べられていて、子どもたちの視線を釘付けにしていました!
RoboRAVE KOBEに情報科学部で製作したロボットを出展しました
10月8日、神戸市で小中学生向けのロボット競技会「RoboRAVE(ロボレーブ) KOBE」が開催されました。RoboRAVEとは、「Robots Are Very Educational」の頭文字をとったもので、ロボットを通じて科学やものづくりへの関心を高める、米国発の教育プログラムです。 神戸市での開催は今回が初めてとなり、a-MAZE-ing ...
この記事をwww.oit.ac.jp で読む >作品を展示されていたメンターの先生からは、「パソコン上に結果が出るだけだと、最初のうちは面白みを感じにくいんです。ロボットプログラミングは、プログラムした成果を実際に自分が触って楽しめるので、そこが子どもたちのやる気につながっているんじゃないかと思います」といったお話がありました。
「ロボットって面白いよ、ロボット好きになってここまでおいで!」
そんな声が聞こえてくるようなお手本となるロボットを見ながら、きっと子どもたちも(今度はもっとすごいのを作るぞ)と気持ちを新たにしたのではないでしょうか。
では、いよいよ表彰式の模様をお伝えしましょう!
ドキドキわくわくの表彰式
a-MAZE-ing Challenge(アメイジングチャレンジ)受賞者は!
優勝したのは、WRO世界大会にも出場していた2人のチーム「pensar」です。2人はプログラミング教室「ロボ団」に通っていて、日頃からロボットが大好き。WRO世界大会にはロボ団の一員として参戦していましたが、「ほかのロボコン(ロボットコンテスト)にも出てみたい」と自分たちで調べてこの大会を見つけ、今回は個人で参戦したそうです。
(現地取材)WRO2022@ドイツに密着!日本選手の活躍を写真でレポート
2022年11月17日〜19日、WRO(ワールド・ロボット・オリンピアード)の国際大会がドイツで開催されました。大会には73の国と地域から365チームが参加。前回、密着取材を実施した「ロボ団」からは小中合わせて3チームが出場しました。この記事では、選手団とともにドイツへ赴いた「コエテコ」取材班による詳細なレポートをお届けします!
この記事をcoeteco.jp で読む >それぞれが1台ずつロボットを作って、前日に「どっちにする?」と話し合い、より良かったほうを採用。さすがの実力で他を圧倒していました。
点数的には「W.mountain」の2人が次に続くのですが、ひとりが中学生で「ロボットが好きだから個人的な趣味で出場した」という経緯があるため、受賞とはなりませんでした。(※「a-MAZE-ing Challenge(アメイジングチャレンジ)」の参加対象者は小学3年生~小学6年生)
しかし、「W.mountain」はロボットの調整が細かく、pensarの2人も「負けるかと思った」そう。賞の対象外ではありましたが、ライバル同士でお互いに学び合っていた姿が印象的でした。
というわけで、準優勝は「天才ロボット」です!
天才ロボットチームのロボットは4枚のプロペラのような個性的なスタイルです。じっくりと作戦を練り、しっかりとロボットを調整してきたのが結果に結びつきました。
みなさん、おめでとう!
SumoBot Challenge (スモーボットチャレンジ)の受賞者!
SumoBot Challenge (スモーボットチャレンジ)で優勝したのは元気な「UFO」のふたりです。
とにかく楽しそうな選手ふたりで、ひとりは運動会だったため終わった後に大急ぎで駆けつけての参戦。ロボット大会への高い意欲と全力で楽しんでいる姿がとても良かったです。
そして準優勝は「カーリーへー」の二人。
スモーボットチャレンジは対戦競技なので、勝敗がすぐにわかる分、小学生の子どもたちにとっても面白いロボット競技だったようです。みなさん、おめでとう!
Showcasing(ショーケーシング)の受賞
3競技すべてに出場し、ショーケーシング+スモウで2つも優勝トロフィーをもらった「なつめくん」の表情が最高です!
ショーケイシングの準優勝は「れんくん」でしたが、当日は来場できず、また中学生の部は優勝した選手も来場できなかったのが残念でした。中学生の部・準優勝は「W. mountain」の選手ふたりです。
この種目は神戸大会独自のものですが、さまざまなロボットが展示されている様子は壮観でした。
受賞したみなさん、おめでとうございます!
特別編「印象に残ったロボット」
惜しくも受賞は逃したけれども、編集部も注目したのが、こちら「モカT」のロボットです。
「モカT」の選手は、去年強かったライバルの作戦を取り入れたロボットを制作。こだわりは前部につけた硬いプレートで、先端を滑らかにしたそうです。
昨年の失敗を踏まえ、ライバルの良いところを取り入れて、試行錯誤をしながらロボットを改良していく。そのプロセスを見せてくれた「モカT」の選手です。
自分たちでゲームを考え遊びだした子どもたち
こうしてロボレーブ神戸大会2023は終了しました。
そんな時に、編集部が見たのはとても素敵な風景。
余った時間、子どもたちが自然と集まり、自分たちで新たなルールを作ってロボットで遊びだしたのです。大会は大会、勝敗や順位はつきますが、みんなに共通しているのが「ロボット大好き!」なこと。
だから、こんな和やかなで楽しい雰囲気なのですね。
ロボットって楽しいね!
ロボット大会やコンテストはいろいろありますが、初心者にとっては参加しづらかったり、「勝てそうにない」「みんなすごくて圧倒されそう」とためらってしまったりすることもあるでしょう。ロボレーブ神戸大会2023は、純粋にロボットが大好きな子どもたちが集まる大会で、和やかな雰囲気です。選手も、各プログラミング教室の生徒さんたちはもちろん、個人で運営している街の教室や、全国規模ではない小さなスクール、独学での参加者も多くいました。
いろいろな面で、ロボレーブ大会の合言葉「ロボットを楽しもう!」をまさに実現した大会でした。次回の大会も楽しみですね!
2023年10月8日(日)終了いたしました。参加された小中学生・保護者の皆様、協賛企業・団体の皆様、ありがとうございました。以下のWEBサイトで当大会のレポート、紹介を掲載していただきました。GMOメディア「コエテコ」「ロボット好きが大集合
この記事をroborave-kobe.org で読む >