小1で音読がうまくできない・遅い・つっかえるのは大丈夫?読み書きが苦手な子への支援
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「小1の音読、いつまでたってもちゃんと読めない」
「すぐつっかえるし、ことばは間違えるし」
「行を飛ばしても気づかない、すごい適当に読んでいる」
「漢字もなかなか覚えないし……」
こうした姿を目にすると、「うちの子だけ?」「ちゃんと文章を読めないなんて、勉強についていけていないのでは」と心配になりますよね。
今回の教育トピックでは、小1で音読がたどたどしい子どもに見られる特徴や、その背景、家庭や学校でできるサポートについて、順を追ってお伝えします。
小1で音読ができない・たどたどしいのは大丈夫?

小学1年生の時点で音読がたどたどしいこと自体は、珍しいことではありません。焦って「問題」と決めつける前に、まずは状況を落ち着いて見てみましょう。
音読で悩んでいるのは、うちの子だけじゃない!?
先日、息子が通っていた小学校のエリアで、自治体主催の低学年向けイベントがあり、少し顔を出してみました。そのとき、1〜2年生のお子さんを持つママたちと立ち話になったのですが、こんな話題が出ました。「音読ってほんと面倒なのよね、意外と時間がかかるしさ」
「うちの子は普段は学童でやってくるの。学童の先生が音読のチェックもしてくれるから、ありがたいなーと思ってたんだけど……」
そう話し始めたお母さんは、こう続けました。
「休みだから、うちでやらせてみたらさ、もう、たどたどしくって聞いてられないの!」
「おむすびころりん、すっとんとん」のような、本来はリズムの良いフレーズも、お子さんは「お・むす・び」「えーと、えーと……す? すっ」「とと、とん」というように、区切りながら読んでしまうのだそうです。
「それくらい、よくあることよ〜」と別のお母さん。
ところがその人も、「うちはなんか、平気で1〜2行すっとばして読んじゃうのよ。文字をきちんと追えていないのかなって、心配になっちゃって」と続け、そこから何人かが「わかるー!」と盛り上がっていました。
このやりとりを聞いて、今も昔も音読は国語の基本として重視されている一方で、意外と多くの子が苦労しているのだな、と感じました(もしかすると、子ども自身は苦手だと思っていなくて、聞いている親のほうが、つっかえたり止まったりする様子にやきもきしているだけ、ということもあるかもしれません)。
つまり、小1くらいの子どもの音読を聞いて、「これで大丈夫なのかな」とひっかかっている保護者は、案外多いということです。
小学1年生の音読には個人差がある
小学1年生の時点で音読に個人差があるのはごく自然なことです。- 入学直後から1学期は、特に読む力に差が出やすい時期
- ひらがなの文字をひとつずつ覚える段階と、文章をなめらかに読む段階は、別の力
- 「たどたどしい=すぐに問題」というわけではない
保育園・幼稚園での文字への触れ方は家庭によって差があります。小学校に入ってから初めて本格的に文字を習う子どもも多く、スタート時点で差があるのは自然なことです。
学ぶスピードも一人ひとり違います。のんびりペースの子もいますから、4〜5月はもちろんですが、小1の終わりくらいでも焦る必要はありません。それよりも、子どもの状況・変化を親は関心を持って見守っていきましょう。
次では、音読が苦手な子どもに具体的にどのような特徴が見られるのか、くわしく見ていきます。
小1で音読が苦手な子に見られる特徴

音読が苦手な子どもには、いくつかの共通した特徴が見られます。
音読で何度も同じところを読み間違える
特定の文字や言葉(文字の組み合わせ)を、何度も同じように読み間違えてしまうことがあります。一文字ずつ読む・読むスピードが極端に遅い
文章を意味のかたまりとしてではなく、一文字ずつ拾うように読むため、時間がかかります。周りの子と比べて、読み終わるまでの時間が大きく違うと感じることもあるでしょう。文字を飛ばしたり、行を飛ばしたりする
文中の文字を読み飛ばしてしまったり、次の行に移るときに元の行へ戻ってしまったり、逆に一行飛ばしてしまったりすることがあります。これも非常に多いパターンです。似た文字や言葉を間違える
「木」と「未」、「シ」と「ツ」のように、形の似た文字を混同しやすい傾向があります。ひらがな・カタカナを覚えるのに時間がかかる
繰り返し練習しても、ひらがな・カタカナがなかなか定着しないケースがあります。漢字をなかなか覚えられない
覚えたはずの漢字を、翌日にはすっかり忘れてしまう。書いて覚える方法を繰り返しても、定着しにくいことがあります。読めても、文章の意味をつかむのが難しい
一文字ずつなら読めても、文章全体としての意味を理解するのが難しい場合があります。音読はできているのに、内容を聞かれると答えられない、というケースです。「読む」だけで疲れてしまう・音読を嫌がる
音読自体に大きなエネルギーを使うため、宿題の音読を極端に嫌がったり、読むことそのものに疲れてしまったりする子どももいます。ここまでの特徴は、あくまで「音読が苦手な子によく見られる姿」であり、多くの子どもが成長の過程で通る道でもあります。大切なのは、当てはまる項目の有無ではなく、その状態がどれくらい続いているか、日常生活にどれだけ影響しているかを見ていくことです。
小学生の読み書きが苦手なのは「練習不足」だけではない?

読み書きが苦手な背景は、ひとつではありません。練習量だけでなく、文字と音を結びつける力や、視覚的に文字を捉える力など、さまざまな要素が関わっています。
読み書きが苦手になる理由
- 習得のペースの個人差
→ 覚えるスピードの個人差
文字が定着するまでの時間は子どもによって違う - 文字と音を結びつけることの難しさ
→ 「あ」という文字を見て、とっさに「あ」と読む変換に時間がかかる
文字と音がすぐに一致しない - 視覚的に文字を捉えることの難しさ
→ 形の似た文字を見分けにくい
「わ」と「ね」、「シ」と「ツ」などが混ざりやすい - 語彙や言葉の理解の程度
→ 知っている言葉の少なさ
言葉の意味を知らないと読み進めにくい - 集中を向け続けることの難しさ
→ 文章の間、集中が続きにくい
集中を最後まで保つのが難しい - 読み書きそのものに特有の困難
→ 読み書きだけに、特有の苦手さがある
会話や理解は問題ないのに、読み書きだけが難しいケース
これらが単独で、あるいは組み合わさって影響していることがあります。「練習していないから読めない」と決めつけず、複数の可能性を視野に入れることが大切です。
「読むこと」と「理解すること」は別の力
音読はたどたどしいけれど、読み聞かせなら内容をよく理解できる、というケースは珍しくありません。これは、文字を音に変換する力と、言葉の意味を理解する力が、それぞれ別の力であることを示しています。音読でつまずいているからといって、理解力そのものが低いとは限りません。この視点は、保護者にとってかなり重要です。
「うちの子は理解力がないのでは」「勉強ができないのでは」と一足飛びに不安にならず、「読む」段階でつまずいているだけかもしれない、と考えてみてください。
音読が苦手な小1の子どもに、家庭でできること

ここまで見てきたように、音読のつまずきにはさまざまな背景があります。家庭でできることは、練習量を増やすことだけではありません。子どもが「読むこと」への苦手意識を強めないよう、関わり方を工夫することが大切です。
「もっと大きな声で」「ちゃんと読んで」と責めない
たどたどしい読み方を指摘されるほど、子どもは音読そのものを嫌いになっていきます。当たり前に文章を読んでいる大人としては、つっかえつっかえの状況にだんだんとイライラもしてきます。
とはいえ、「ちゃんと読みなさいよ!」「なんで同じところばかり間違えるの!」と詰め寄ってしまっては、子どもは余計に緊張したり、落胆したりして集中できずに「うまく読めなく」なってしまいます。怒られるのが嫌で音読が嫌い、と、なりがちです。
まずは読もうとしている姿勢を認めてあげましょう。
短い文章から読む
長い文章を一度に読ませるのではなく、短い文・短い文章から始めることで、成功体験を積みやすくなります。大人が先に読んで聞かせる
先に大人が読んで聞かせることで、内容や読み方のイメージがつかみやすくなります。一緒に読む・交互に読む
一文ずつ交互に読む、一緒に声を揃えて読むといった方法は、子どもの負担を減らしながら読む経験を積める方法です。指で文字を追いながら読む
読んでいる場所を指で追うことで、行を飛ばしたり、同じ場所を繰り返し読んだりすることを防ぎやすくなります。読む量より「できた」を大切にする
「今日はここまで読めたね」と、できたことに目を向けた声かけを心がけましょう。読む量を追い求めるより、子どもの自信を育てることを優先してください。読み上げアプリやデジタル教材も気軽に取り入れる
文部科学省の審議まとめでは、家庭学習でデジタル教科書を活用していた児童生徒は、音読課題の得点や定期テストの成績が高かったという報告や、デジタル教材を使った音読練習によって発声・音読の機会が増えたという報告が紹介されています。音声を繰り返し聞きながら自分のペースで練習できるというデジタル教材の特性は、音読が苦手な子どもにとっても取り入れやすい工夫のひとつです。
出典:文部科学省 デジタル教科書推進ワーキンググループ「審議まとめ〜学びの可能性を広げる教科書を〜」(令和7年9月)
音読が苦手だと「発達障害」の可能性がある?

家庭での工夫を続けても大きな変化が見られないと、「もしかして発達障害では」と不安になる保護者も少なくありません。音読が苦手だからといって、それだけで発達障害と結びつけることはできません。
音読はおぼつかない、話し方もへたで、漢字を覚えるのも苦手となると、「もしかして……」と心配する親心はよくわかります。
確かに読み書きに特有の困難がある場合もありますが、判断には専門的な視点が必要です。
音読が苦手だからといって、発達障害とは限らない
これは、この記事の中でも特に伝えたいポイントです。音読のたどたどしさや読み間違いは、成長のペースの範囲内であることも多く、それだけで診断名につながるものではありません。すらすら読めないから「もしかしたら発達障害か」と早々に自分で決めつけないでください。
そもそも発達障害かどうかは、素人が簡単に判断できるものではありません。
「ディスレクシア(発達性読み書き障害)」とは?
ディスレクシア(発達性読み書き障害)は、知的発達に遅れがないにもかかわらず、文字を読む・書くことに強い苦手さが生じる学習障害(限局性学習症)のひとつで、読み間違いが多い、読むのが極端に遅い、文字を書くことが難しいなどの特徴があります。- 読み書きの習得に特有の困難がある状態
- 知的能力の高さ・低さとは別の問題
- 学習障害(LD)に含まれる、読み書きに特有の困難の一種
- 「本人の努力不足」が原因ではない
- 読み書きの困難の程度には個人差がある
実際、読み書きが苦手な子はどれくらいいる?
文部科学省の令和4年の調査では、小・中学校の通常学級に在籍する児童生徒のうち、「読む」又は「書く」に著しい困難を示すとされた割合は3.5%でした。単純計算すると、30人学級であれば1人程度にあたります。ただしこれは「発達障害のある子どもの割合」ではなく、特別な教育的支援を必要とする可能性のある子どもの割合です。数字だけを見て一喜一憂するのではなく、「珍しいことではない」というひとつの目安として捉えてみてください。
出典:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について」
ディスレクシアではどんな困難が見られる?
ディスレクシアでは、いくつか「特に難しいこと」があります。- 文字と音を結びつけること
- 文字を正確に読むこと
- 読む速度
- 漢字の読み書き
- 文字を書くこと(書字)
こうした困難が見られることがありますが、「これらの症状があればディスレクシアである」と断定できるものではありません。判断には専門機関での評価が必要です。
診断はどうやって受ける?
保護者だけで判断せず、まずは担任の先生に相談することから始めましょう。必要に応じて、教育センターや医療機関などの専門機関につなげてもらい、学校での支援に結びつけていく流れが一般的です。読み書きが苦手なとき、学校にはどう相談すればいい?

「音読がちょっと苦手かも」くらいの段階なら、個人面談などの既存の機会に軽く伝えるだけで十分です。多くの小学校では年に1〜2回、個人面談があります。
「音読がちょっと苦手みたいで……」と一言添えるだけでよく、「一文字ずつ読む」「同じ箇所を読み間違える」「ひらがなを覚えるのに時間がかかる」など、具体的に伝えると先生も状況を把握しやすくなります。
発達障害の可能性を意識したときも、まず頼りになるのは学校です。音読への不安をどう学校に伝えるかは、状態によって変わります。わざわざ相談の場を設けるべきか迷ったときは、次の目安で考えてみてください。
次のような状態が続く場合は、あらためて時間を取って学校に相談しましょう。
- 学習を重ねても困難が強く残っている
- 同年代と比べて読むのがかなり遅い
- 文字の読み間違いが非常に多い
- 読むことを極端に嫌がる
- 学校生活にも影響が出ている
学校では、読む量の調整、読み上げサポート、ICT機器の活用、個別の指導、通級による指導、特別支援教育といった支援を受けられることがあります。相談の際は、「できないこと」を伝えるだけでなく、「どうすればこの子は力を発揮できるか」という視点で話してみてください。
音読がうまくできない心配・不安が続く場合の相談先
学校の対応だけでは十分でないと感じる場合や、より専門的な評価が必要だと感じる場合には、次のような相談先も視野に入れてみましょう。| 相談先 | 特徴 | 相談経路 |
| 特別支援教育コーディネーター | 学校内の支援体制について 専門的な立場から相談できる |
学校側が特別支援教育コーディネーターにつないでくれる あるいは「紹介してほしい」とお願いすることも可能 |
| 教育センター | 発達や学習に関する 専門的な相談ができる公的機関 教育委員会などが設置 |
自治体ごとの設置が多いがないところも 「教育センター」とは異なる名称の場合もあるので自治体等に確認する |
| 発達相談窓口 | 自治体が設置する 発達に関する相談窓口 |
自治体ごとに設置されていることが多い 保険センター・子ども家庭センターなど名称が違うので自治体の窓口へ |
| 医療機関 | 専門的な評価や診断が 必要な場合の相談先 |
かかりつけの小児科医に相談 必要に応じて発達障害を専門にする医療機関へ |
小1の「音読できない」を、子どもの努力不足で終わらせない
- 小1の音読には、もともと個人差がある
- たどたどしいだけで、すぐに問題ではない
- ただし、読み書きの困難が続く場合には、その背景を考えることが大切
- ディスレクシアなど、読み書きに特有の困難がある子どももいる
- 「発達障害かどうか」だけを考えるのではなく、「何につまずいているか」に目を向ける
- 家庭と学校で、子どもに合った方法を一緒に探していく
「読めない」ことを直すことだけを目標にする必要はありません。音読でのつまずきをきっかけに、「この子は、どんな方法なら学びやすいのか」を見つけていくことも大切です。
たとえば、毎日コツコツ取り組んだ分だけカレンダーにシールを貼ることで、自分から音読に向かうようになる子もいます。誰かと一緒なら、やる気を保ちやすい子もいるでしょう。タブレットを使うと、楽しそうに取り組める場合もあります。
こうして見つかる「わが子に合った学び方」は、音読に限ったものではありません。小3、小4と学年が上がり、勉強の内容や量が変わっても、その子の性格や個性、特性に合わせて「どうすれば取り組みやすいか」を考えることは、その後の学習にも生かせます。
「できないから頑張らせる」のではなく、「どうすればできるか」を一緒に探していく。そんな視点を持つことが、子ども自身が「これならできそう」と思える学び方につながっていくのではないでしょうか。
小1の音読についてよくある質問
Q. 小1で音読ができないのは遅いですか?
A. 小学1年生の時点では、読む力には個人差があります。すぐに「遅れている」と判断する必要はありません。Q. 小1で音読がたどたどしいのは大丈夫ですか?
A. 多くの場合、成長とともに読み方は変化していきます。ただし、強い苦手意識や困難が続く場合は、様子を見守りながら状況を整理してみましょう。Q. 音読が苦手なのは発達障害ですか?
A. 音読が苦手なことだけで、発達障害と判断することはできません。判断には専門的な評価が必要です。Q. 音読が苦手な子にはどんな特徴がありますか?
A. 一文字ずつ読む、読み間違いが多い、行を飛ばす、音読を嫌がるなどの特徴が見られることがあります。Q. 音読が苦手な小1に家庭でできる練習は?
A. 短い文章から始める、一緒に読む、指で文字を追いながら読むといった方法があります。Q. 漢字をなかなか覚えられないのも読み書きの困難ですか?
A. 読み書きの困難のひとつとして見られることがありますが、それだけで判断はできません。Q. ディスレクシアは何歳くらいで分かりますか?
A. 明確な年齢の基準はありません。読み書きの学習が本格的に始まる小学校低学年以降に、気づかれることが多いとされています。Q. 読み書きが苦手な場合、どこに相談すればいいですか?
A. まずは担任の先生に相談し、必要に応じて教育センターや医療機関につなげてもらうとよいでしょう。Amazonギフトカードプレゼント中!
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