附属校の外部生は内部生となじめる?中学・高校入学で違う友だち関係と親ができること
※ 本コンテンツにはプロモーション(PR)が含まれています。
この記事では、わが家の経験と、内部進学生のいる附属校にお子さんが入学した3家庭の声をもとに、入学後に起こりやすいことと、学校選びの際に確認しておきたいポイントを紹介します。
※記事は、わたし自身の体験に加え、保護者3名から電話やLINEで伺った話をもとに構成しています。3名とも、幼稚園や小学校から上がってくる内部進学生のいる附属校に、お子さんが中学受験で入学しています。お名前はすべて仮名です。
- 山田さん:息子さん(現在中学2年生)
- 田中さん:娘さん(現在中学1年生)
- 戸井田さん:娘さん(現在高校生)
外部入学の友だち作りで起こりやすいこと

まずは、外部生が入学後に感じやすい「壁」と、わが家の長男の体験から見ていきます。
「完成されたコミュニティ」に後から加わるということ
内部生の多くは、幼稚園や小学校のころから人間関係を築いています。外部生は、すでにできあがったコミュニティに途中から加わる形になります。周囲が意地悪をするわけではなくても、輪の中心に入りきれない感覚を抱きやすいのが実情です。外部生が感じやすい「壁」には、たとえば次のようなものがあります。
- できあがったグループや人間関係に、後から加わることになる
- 幼いころからの共通の思い出話についていけない
- 勉強や受験に対する温度差、価値観のずれを感じる
わが家の長男の場合「仲間に入れたという感じは一度もしたことがない」

実はわが家でも、2人の息子がそれぞれ違う形で附属校に入学しています。長男は公立の小学校・中学校を卒業したあと、幼稚園から大学まである附属校に高校受験で入学しました。次男は中学受験で、中高一貫の附属校に入学しています。
長男については、振り返るといろいろと苦労したな、というのが本音です。
ほとんどの生徒が内部から進学してくるなかで、クラスの外部生は長男を含めてたった2人でした。周囲は本当によくしてくれて、遊びにも誘ってくれていたようです。それでも後になって本人から、こう言われて驚きました。
「みんなやさしかったけど、仲間に入れたという感じは一度もしたことがない」
特別に大きなトラブルがあったわけではありません。それでも、ずいぶん後になって「別にすごく嫌なことはなかったけど、楽しかったなということもない」と聞かされました。高校時代の友人とは今もほとんど付き合いがないと知ったときは、複雑な気持ちになりました。
もちろん、本人の性格や、なじもうとする積極性・努力が足りなかった部分も大きかったと思います。ただ、周りがやさしくしてくれても、外部生がこうした疎外感を抱えることは実際にあるのです。なぜそうなったのかは、後半でくわしくお話しします。
高校からの外部入学、ハードルが高いのは「少人数募集」の場合

同じ外部入学でも、中学から入るか高校から入るかで状況はかなり違います。特に高校からの入学は、外部生をどれくらい募集しているかによって、なじみやすさが大きく変わります。
高校入学では「外進生クラス」を分ける学校も
附属校の高校入学は、そもそも募集人数がとても少ないことがよくあります。一方で、かなりの人数を募集し、中学・中等部よりも高校ではクラス数も倍近くになるパターンも多いです。ある程度の人数を募集する学校では、高1の時点で高校からの入学者(外進生)と内部生を別々のクラスにすることが少なくありません。
中高一貫で学んできた生徒と、受験を経て入ってきた生徒とでは勉強の進み具合が違うので、いったんここで調整する、という理由が多いようです。外進生が学校の規則や方針を学ぶ時間を取る意味もあると聞きます。
そのうえで、高2でクラスを混合にし、高3では進路別や成績別にクラスを編成する、という流れの学校も多いようです。
中学では、受験で入った生徒と内部進学の生徒を、あえて別のクラスに分ける学校は少ないようです。ただし、クラス編成は学校ごとに違うので、事前に調べておきましょう。
高校からの募集が数名なら「転校生」に近い感覚

戸井田さんは、高校からの入学が少人数の場合について、こう話します。
「附属校で高校から入る、それも学年で数名という場合は、なかなか難しいとは聞きますね」
最近は、中高一貫校でも高校からの募集を停止する学校が増えています。欠員分の5〜10名程度しか募集しない学校もあり、そうなると「転校生みたいな感じかもしれません」と戸井田さん。
戸井田さんの娘さんはすでに高校生ですが、高校になってから受験で入ってきた生徒が1人いたそうです。娘さんたちは声をかけて、一緒のグループで学食に行ったり、遊びに誘ったりしていました。すると娘さんは、ぽろっとこんなことを漏らしていたといいます。
「自分が逆に◯ちゃんの立場だったら大変だな〜って思う。周りに気を遣っている感じがするし。あんまり目立つと浮いちゃうし。遊びに行っても、どうしても『前はさ』とか『あの時さ』みたいな話になっちゃうんだよね。◯ちゃんはにこにこ笑って聞いているけど、たぶんちょっと嫌だろうなぁって思う。でも、みんな、わたしもだけど、それが当たり前だから。◯ちゃんがいるからその手の話を避けるっていうのも変だし」
内部生の側にも悪気はなく、むしろ気にかけているからこそ出てきた言葉です。
ただ、附属校で高校からの募集人数が少ない場合、外部生向けのオリエンテーションなどがないこともよくあります。わが家の長男が入学したのも、まさにこうした環境でした。
外部入学でも友だちの輪に入りやすくなる3つのポイント

では、どうすれば、中学入学にしろ高校入学にしろ「輪に入れない」状況を避けやすくなるのでしょうか。取材した家庭の話から、いくつかの方法が見えてきました。
1. 内部進学生が「大多数」ではない学校を選ぶ
わが家の次男が入学したのは、中学から始まる大学附属校で、幼稚園や小学校はありません。全員が初対面という同じスタートラインから始まり、長男のときのような苦労はありませんでした。小学校のある附属校でも、中学から入る生徒が多ければ状況はかなり違ってきます。山田さんの息子さんが通う学校がそのケースです。
「うちは、小学校からある附属ですが、中学から入る子が3〜4割はいる感じなんです。附属小から中学受験して外へ出る子もけっこういるみたいで。年にもよるらしいけど、30人のクラスなら9〜10人くらいが中受組ですね。もちろん小学校から上がってきた子たちは、それなりにグループができあがっていたんだろうけど、クラスは混合だし、疎外感みたいなのはあまりなかったっぽいです」
一般に、内部進学率が高い学校ほど、小学校からの人間関係が中学・高校まで持ち越されやすくなります。逆に、外部生が一定数いる学校では、新しい人間関係が生まれやすい傾向があります。
2. 部活や委員会で「クラス以外の居場所」をつくる
田中さんの娘さんの学校は、小学校からの内部進学者が7〜8割を占めます。娘さん自身が気に入って選んだ学校でしたが、いざ入学となると「みんなもう友だちがいていいな、大丈夫かな」と気にしていたそうです。クラスには中学受験で入った生徒もそれなりにいましたが、最初のうちはこんな様子でした。
「話したり、通学のときに一緒になったりする子はいたんですけど、なかなか……という感じで」
変化のきっかけは部活でした。

「美術部に入ったんです。それほど人数が多くない部だったし、趣味が同じなのがよかったのか、そこで気の合う友だちができたみたいで」
クラスが違っても、部活が一緒なら帰りも一緒になることが多くなります。先輩との関係もよく、学校のことをいろいろ教えてもらえたそうです。「それで一気に学校になじんだな、という印象です」と、田中さんは振り返ります。
部活に限らず、委員会などでうまく居場所が見つかると、そこから親しい仲間ができて学校生活が広がっていく、というのはよくあるパターンです。
3. 4月の行事やグループ活動を「なじむきっかけ」にする
学校によっては、内部生と外部生が早く打ち解けられるように工夫しています。4月のうちにオリエンテーションや宿泊行事を行ったり、クラスで班活動を取り入れたりする学校もあります。戸井田さんの娘さんの学校でも、最初のうちは中学から入った生徒と内部進学の生徒を混ぜてグループを作るなど、交流しやすい工夫をしていたそうです。戸井田さんは、中学からの入学についてはこう話します。
「あまり気にしすぎなくて大丈夫だと思います。4月の当初はやはり内部進学組と中学入学組になんとなくわかれて行動していたようですが、クラスのグループ活動とか体育祭とかを通して、気づけば『下から上がってきた』『途中から入ってきた』というのはなくなっていくみたいですよ」
入学直後に内部生同士、外部生同士で固まっていても、焦る必要はありません。一緒に過ごす時間が解決してくれるのはよくあること。
行事やグループ活動があって、もしお子さんが「嫌だなぁ」なんて漏らすことがあったら「きっと、一緒にやることで仲良くなれるよ」と一声かけてあげるといいかも、ですね。
わが家の反省「長男がなじめなかった本当の理由」

冒頭でお話しした長男の高校生活。振り返ると、なじめなかった理由は本人の性格だけではありませんでした。
片道1時間半の通学と、入らなかった部活
そもそも、片道1時間半という遠距離通学を「高校生なら問題ないでしょ」くらいに深く考えずにいたことが、失敗のひとつでした。長男は、好きなスポーツの部活に入るつもりでした。ところが、始発に乗っても乗り換えなどで朝練にはギリギリ間に合わない状況でした。顧問の先生は「それは仕方ないことだし、5分、10分程度のことだから、遅れてくる形でも平気ですよ」と言ってくださったのです。
それでも本人は、「周りは朝練に遅刻したら怒られるのに、自分だけ遠いからという理由で遅れる。しかも後から入ってきた外進生なのに」と気にして、入部しませんでした。
もし、そこで好きなスポーツを続けていたら、違う高校生活になっていたかもしれません。
親としてもっとできたこと
本来なら、遠距離通学になる学校を選ぶ時点で「こういうことが起こるかもしれない」と調べて、本人に伝えておくべきでした。入学してからも、「とにかくやるだけやってみたら。朝練は毎日あるわけじゃないし、周りが気になるなら、そのときにまた考えればいい」「別のスポーツをやってみるのはどう?」など、いろいろな提案ができたはずです。わが家の場合は、本人の性格、慣れない遠距離通学、親のサポート不足といった複数の要因が重なり、長男にとって居心地のよくない状況を作ってしまいました。でも、こうした要因は、ひとつずつつぶしていけるものです。
次は、そのために志望校選びの段階で確認しておきたいことを紹介します。
志望校選びで確認したいこと

お子さんの性格によっても、中学入学か高校入学かによっても、状況は変わります。高校からの入学でも、外部生が多い学校なら大きな心配はいらないでしょう。
一方、募集が数名しかない学校では、前述のように「転校生」に近い立場になることを想定しておく必要があります。
志望校選びで確認したい6項目
志望校を検討するときは、特に次の点を確認しておくと安心です。学校説明会や個別相談で質問できる項目も多いので、遠慮せずに聞いてみましょう。- 内部進学生の人数と、中学・高校での外部募集の人数(学年全体に占める外部生の割合)
- 入学後のクラス編成(内部生と外部生を混ぜるか、分けるか、いつ混合になるか)
- 4月の予定(オリエンテーションや宿泊行事などがあるか)
- 部活動の種類や活動時間(朝練の有無など)と、通学時間との兼ね合い
- 内部進学が前提、という空気が強いかどうか
- 学校見学や説明会で受けた印象
学校の「空気感」を知るには
ただ、「内部進学が前提の空気が強いか」といったことは、外からはなかなかわかりません。知り合いの知り合いがその学校に通っていれば、聞いてもらうのもひとつの手です。直接の友人だと、かえって本音を聞き出しにくいこともあります。
たとえば「◯中に通っている人を知っているの? あそこは小学校から上がってくる子も多いっていうけど、中学から入った子でもなじめるのかな、聞いたことある?」といった形で学校の内部の話がわかると理想的ですが、実際にはなかなか難しいかもしれません。
そんなときは、文化祭や学校説明会に足を運ぶだけでも、ある程度の雰囲気はつかめます。
子ども自身の感覚も大切です。「実際に行ってみたけど、何か違う」「すごく行きたい、いい感じだった」といった子どもの直感は、意外と当たるものです。
入学後の環境まで調べておきたいのは、こんなタイプの子
特に次のようなケースでは、「合格できるか」だけでなく「入学後にどんな環境になるか」まで、しっかり調べておくことをおすすめします。- 人見知りで、友だち関係に繊細なタイプ
- 自分から輪に入っていくのが苦手なタイプ
- 高校から、少人数の募集枠で入学を考えている
- 通学時間が長くなり、部活や放課後の付き合いに制約が出そう
たとえば人見知りで繊細なタイプのお子さんなら、中学から入る生徒や高校から入る生徒が多い学校に絞る、という考え方もあります。
入学前・入学後に親ができるサポート

わが家の反省と取材した家庭の話から、親ができるサポートをまとめると次のようになります。
- 志望校選びの段階で、入学後の生活を具体的にシミュレーションする(クラス編成、部活の活動時間、通学時間、行事の予定など)
- 気になる点は、学校説明会や個別相談で遠慮せずに質問する
- 入学後は、子どもの様子に関心を持ち続ける(「大丈夫」という言葉だけで判断しない)
- 部活や委員会など、クラス以外の居場所づくりを後押しする
外部生の友だち作りは、入学前の準備と入学後の見守りがカギ
内部進学生のいる附属校に外部から入学すると、最初は「輪に入れるかな」と不安を感じることがあるかもしれません。ただ、今回取材した家庭の話からは、中学からの入学で外部生が一定数いる学校なら、部活動や行事などをきっかけに、自然となじんでいくケースも多いことがわかりました。一方で、高校から少人数で入る場合や、本人の性格、通学環境などの条件が重なると、思わぬ苦労をすることもあります。
志望校を選ぶときは、合格できるかどうかだけでなく、「入学したらどんな環境で、どのように過ごすことになるのか」まで具体的に調べ、イメージしておくことが大切です。
もちろん、どの学校に進んでも、友だち関係や付き合い方などで、小さな悩みやストレスを感じることはあります。
入学後、子どもが何か悩んでいる様子があれば、「こうしてみたら?」「こんな方法もあるよ」と選択肢を示すだけでなく、「なかなか難しいよね」「ちょっとストレスに感じているのかな」と気持ちを受け止めながら話を聞くことも大切です。
新しい環境に慣れるまでには、誰でも時間がかかります。思うようにいかない経験のなかで、周囲との関わり方を考えたり、自分なりに環境へ適応する方法を見つけたりすることは、中学・高校という多感な時期だからこそ得られる大切な経験にもなります。
だからこそ、親がすべてを解決しようとするのではなく、子どもの気持ちを受け止めながら、まずは見守る。そして、本人だけでは難しいときには、必要なところにそっと手を差し伸べる。そうした関わり方が、子ども自身が新しい環境を乗り越え、自分で道を切り拓いていく力につながっていくのではないでしょうか。
と、いろいろと思うことが多い母でした……。
Amazonギフトカードプレゼント中!
あわせて読みたいガイド
RECOMMENDこの記事を読んだ方へおすすめ
-
私立の中高一貫校の学費は?先輩ママたちの費用一覧表も解説
私立の中高一貫校・大学付属校では、いったいどれくらいお金がかかるのでしょうか?今回の教育トピックでは、現在「私立中高一貫・大学付属校」に通学中、あるいは卒業して数年以内のお子さまがいる...
2025.11.12|大橋礼
-
私立中高一貫校とは?中高一貫には種類がある!メリット・デメリットを解説
中高一貫校は、その名前のとおり「中学と高校」が一体化した学校です。そして、中高一貫校の一種である大学の附属校と、高校までの一貫校では、いろいろと違う点があります。今回の教育トピックでは...
2025.09.10|大橋礼
-
小6の今からできる!先輩ママの「後悔」から学ぶ中学入学前に準備しておくべきこと
今中学生のお子さんがいるママたちに「中学入学前にしておけばよかったと思うことを教えて」と聞いてみました。それをもとに今回の教育トピックでは「小6で中学に入る前にしておくとよいこと」をま...
2025.12.25|大橋礼
-
大学入試・評定アップで「情報Ⅰ」が鍵に!? 高校「情報Ⅰ」はしっかり学んでおけば将来役に立つ!
大学受験に向けて「総合型選抜(旧AO入試)」や「学校推薦型選抜」「指定校推薦」をめざすなら、大きなポイントになるのが評定です。指定校推薦は学習成績概評(評定平均値など)が出願条件となっ...
2025.10.31|大橋礼
-
公立中学校の学校選択制【東京23区/一部市を含む選択制度一覧表あり】|指定の公立中学に行きたくない時の対処法も解説!
公立中学校は公立小学校と同様に「学区域」が決められており、進学する中学も定められています。しかし、最近では学区域外であっても自由に学校を選べる「学校選択制」も広まっています。 学...
2025.05.30|大橋礼