※ 本コンテンツにはプロモーション(PR)が含まれています。また、詳しい最新情報については公式サイトをご確認ください。
学校選択制は各自治体によって異なります。この記事では主に東京23区の情報をまとめています。該当しないエリアの方も、公立中学の学校選択制について、詳しく解説しますので参考にしてください。
学校選択制とは
学校選択制とは、保護者や生徒が希望する学校を選んで通うことができる制度です。従来のように住所によって通う学校が決まるのではなく、複数の学校から選択できるため、教育内容や環境に応じた学校選びが可能になります。ただし、希望者が多い場合は抽選になることもあります。
文部科学省では、学校選択制を次のように定義しています。
区市町村教育委員会は、就学校を指定する場合に、就学すべき学校について、あらかじめ保護者の意見を聴取することができる(学校教育法施行規則第32条第1項)。この保護者の意見を踏まえて、区市町村教育委員会が就学校を指定する場合を学校選択制という。
引用:学校選択制の実施状況(令和6年度)/東京都教育委員会
学校選択制の種類
-
自由選択制
区市町村内すべての学校から選べる -
ブロック選択制
エリアをいくつかのブロックに分け、ブロック内の学校から選べる -
隣接区域選択制
従来の通学区域と共に、隣接する区域内の学校から選べる -
特認校制
従来の通学区域と共に、特定の学校を指定し、区域に関係なく選ぶことができる -
特定地域選択制
従来の通学区域と共に、特定の地域に居住する対象者は学校選択を認める
東京23区と一部の市における学校選択制の導入【一覧表】
自由選択制を導入している区市町村 | 中央区 港区 新宿区 文京区 台東区 墨田区 江東区 品川区 渋谷区 荒川区 板橋区 足立区 江戸川区 江戸川区 八王子市 調布市 町田市 |
隣接区域選択制を導入 | 目黒区 豊島区 品川区 立川市(通学区域の学校よりも距離が近い場合) 清瀬市 西東京市 |
特認校制を導入 | 青梅市 |
ブロック選択制を導入 | 日野市 |
特定地域選択制を導入 | 国分寺市 |
学校選択制が導入されていない・就学校の指定変更で対応
2024年3月において、学校選択制が導入されていない、または廃止された区は次のとおりです。これらの区では「就学校の指定変更」「指定校変更」などが行われています。条件はありますが、「絶対に指定された中学に行かなくてはならない」わけではありません。条件や規定をよく確認する必要があります。
- 杉並区(就学校の指定変更あり)
- 葛飾区(指定校変更あり)
- 世田谷区(就学校の指定変更あり)
- 北区(就学校の指定変更あり)
- 大田区(就学校の指定変更あり)
- 中野区(就学校の指定変更あり)
就学校の指定変更あるいは指定校変更の場合、各自治体により条件があります。
たとえば、いじめや不登校に関連して別の学校への進学を希望する、区域外ではあるが別の学校の方が実質的に通学距離が短いといった理由や、希望する部活動の有無などの理由でも「定められた学校ではない、別の学校へ変更する」ことができる場合もあります。
※なお、学校選択制は年度更新に伴い変わる可能性があります。また、自由選択制でも細かな規定や手続きは自治体により異なります。居住する区域の自治体や教育委員会公式サイト等でご確認ください。
公立中学校を「選ぶ」こと
義務教育である小学校・中学校では、私立や国立など受験校を別にして、住む地域で指定された「学校」へ進むのが当然と考えられてきました。
東京都を例に挙げると、「より良いと思われる公立小学校や公立中学校のある学区域内」にわざわざ引っ越しをするケースも少なからず見られます。住宅選びにおいて「どの学区域に属するか」は、子育て世帯にとって重要なポイントのひとつです。
小学校から中学校へ。思春期に入る子どもの環境に対する保護者の関心は高い。
しかし、かなり以前から特に公立中学校において「学校選択制」が導入されています。
制度がなかった時期や、現在制度がない地域でも、子どもを取り巻く環境などに配慮して別地域の中学校への入学を認めることが行われてきました。ただし、以前は条件が明確ではなかったため、曖昧な部分があったのも事実です。
全国的に見ると、学校選択制はそれほど多くの学校で導入されていません。地域や子どもの人数なども影響しているためです。
いずれにしても、東京都では、多くの区市町村が何らかの形で「公立中学校を保護者と生徒が選択、希望できる」措置をとっています。
つまり「公立中学校といえども、選ぶ時代」になったわけです。選択肢が増えることは良いことであると同時に、小学校高学年になったら従来通りの学区域の中学校に進むか、別の学校を選ぶかを検討する必要が出てきたということです。
学校選択制のメリットとデメリット
学校選択制を導入してよかったことこちらは文部科学省が行った調査で「学校側」が感じているメリットです。
「特色のある学校づくりが推進できた」は、たとえば「サッカー部の強い中学に進めた」「ICT教育に力を入れていると聞いて選んだ」といったように、保護者や生徒の視点で考えると、各学校の特徴と自分の希望を合わせて中学校選びができるメリットにつながります。
「児童生徒が自分の個性に合った学校で学ぶことができるようになった」も、いろいろと含まれますが、一例としては集団行動になじめない生徒が、そうした生徒への環境が整った中学に進めます。お子さまの性質や資質に理解ある学校を選べたら、保護者としては安心ですね。
デメリットについては、地域との連携が薄くなるといった点がよく指摘されています。
でも、実はいちばんのデメリットというか問題点は、「保護者の口コミに左右されやすい」ところらしい……。
学校選択制の注意点①「保護者の噂や口コミを鵜呑みにしない」
小学校高学年になると、親同士で「うちはA中学だけど、あんまり良い噂を聞かないんだよね」「やっぱりB校が人気なんだってね、先生が高校と太いパイプがあって受験でもかなり面倒見がいいらしいよ」なんていう話が飛び交います。「確かにB校は勉強できる子が集まってきているらしいけど、だから逆に成績上位に入るのが大変らしいよ。C校はちょっといろいろな子がいるみたいだけど、B校なら真ん中よりちょっと上くらいの成績でも、C校ならトップクラスになれるから、結果的に高校受験で有利なんじゃない」
と、こんな話も出てきます。
ただし、口コミや噂はあくまで「〜らしい」という推測です。噂話に右往左往して子どもの意見も取り合わずに、「みんなA校にするみたいだ」といった情報だけで希望する学校を決めるのは避けましょう。
実際に通っている保護者に聞くのが一番ですが、それであっても、保護者によって価値観が違うわけですし、子どもが楽しく通っていれば良い学校で、別の子の親から見ると最悪というケースもありえます。
結局は、自分の目を信じるしかありません。
練馬区の公式サイトでは次のように明記されています。
区では、中学校新入学時に、入学を希望する中学校を選択できる「区立中学校選択制度」を実施しています。このページでは、学校公開の日程および学校説明会、入学説明会の概要を掲載しています。希望校を決める際の参考にしてください。対象となる中学校をいくつか見て回り、学校の方針や力をいれていることを把握し、ご自身の目で施設や環境、通っている生徒の雰囲気を確認しましょう。そして、お子さまも一緒に見学し、どのような印象を持ったかをよく聞いてあげてくださいね。
引用:区立中学校学校公開/練馬区公式サイト
学校選択制の注意点②「校長先生や教師の異動で方針が変わることがある」
公立中学校では、一定の期間ごとに校長先生をはじめ、教師の異動があります。特に校長先生は「学校のトップ」であるため、校長先生が変わると方針や生徒への対応が大きく変わることも珍しくありません。そのため、選択制でわざわざ「選び抜いて」進学したとしても、選んだ当時とは異なる環境に変わることもあります。
もし、現在の教育方針や先生方の対応が好ましいと感じているのであれば、校長先生の在籍期間を調べ、異動の可能性があるかを確認しておいてもいいかもしれません。異動までの期間は、必ずしも一定ではない(一般的には3〜5年と言われている)ので、それだけで判断することはできません。
ただ、もし校長先生の在籍期間が一定上長いようであれば、異動もありえると心得ておきましょう。
公立中学は「選ぶ時代」ですが、「選んでも変わることがある」ことも認識しておく必要があります。柔軟に対応できる心構えが大切です。
「この公立中学にはどうしても行きたくない!」そんな時は
「どうしてもこの公立中学には行きたくない」という場合もあるでしょう。
自由選択制のある区域でも、対象中学の受け入れられる人数を超えた場合には、抽選となるケースもあります。原則、抽選が外れたら学区域の中学へ進むことになります。
単純に「あっちの中学の方が成績の良い子が多いから」「先生が良いと聞いたから」といった理由ではどうにもなりません。
しかし、お子さまが何らかの理由で「絶対にあの中学(多くの場合は、いじめた相手やグループがいる、あるいは先輩たちが在籍している)に行きたくない」という場合は対応してもらえる可能性があります。
義務教育ですから、いずれにしても中学校へ進むことにはなります。
いじめと認められることではなくても、子どもが「あの学校であの子たちと一緒には過ごせない」ことがわかったら、まずはお子さまと何度か話し合いましょう。どこの学校に行っても、相性の悪い子やうまくいかない相手はいるものですから、自分の受け止め方を変えたらやり過ごせるかもしれないことも、話してみてもいいと思います。
子どもの意見に合わせて中学選びをするのを「甘い」と考えるか、「子どもの意思が大事」とするかは、各家庭の判断です。悩ましいところですが、お住まいの自治体や教育委員会に相談をしてみてください。
場合によっては、在籍する小学校の校長先生にも相談してみるとよいでしょう。
区域の公立中学に行きたくない!自治体の教育相談所に相談
自治体には教育相談の窓口があります。公立中学への入学については教育委員会との話し合いも必要になりますが、まず現在の状況や改善策や対処法がないか、教育相談室等で相談してみましょう。区域の公立中学に行きたくない!各地域の教育委員会と話してみる
基本的に公立中学校への入学や転学については、教育委員会に相談しましょう。区域の公立中学に行きたくない!在籍している学校の管理職に相談する
小学校の先生は非常に多忙です。面談の時を利用して「区域内の中学には行かせたくない、選択制度もないのでどうしたらよいかわからない」といった質問をしてもいいのですが、対応してくれるかは状況によります。基本的には自治体の管理・教育委員会が主体となることなので、不安だったり相談窓口での対応では足りないと感じる場合には、小学校の管理職(教頭先生・副校長先生・校長先生など)に話をしてみましょう。
公立中学には行かず私立中学受験を検討する
中学受験は非常に大変で、一定の成績が必要なイメージがあるかもしれません。しかし、東京都内をはじめ大都市圏では学校の数が多いため、比較的、短期間の受験勉強で入学が可能な学校もあります。費用がかかる点が難しいところですが、お子さまの状況を理解してくれる学校を探して、面倒見の良い私立中学への進学を検討するのもひとつの選択肢です。
公立の学校は学区域が決められており、指定された中学に進みます。
学校選択制は、事前に保護者などの意見や希望を聞き取り、状況に応じて希望する公立中学への進学を認める、あるいは受け入れる中学に人数規制があり希望者が多い時は抽選等で決定するといった制度です。
昔はよく、「越境」などと言いましたが、要するに区域外を「越えて」希望する中学を選べる・選べる可能性があるということです。
各自治体によって細かい条件が異なるので、注意してくださいね。