2020年から小学校でプログラミング教育が必修化される予定となっています。そのためプログラミング教育に関しての話題を耳にすることが増えたという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、中には
「プログラミングを習わせないといけないの?」
「子どもに何をさせたらいいんだろう?」
「プログラミングができるようになると何がいいの?」
など少し不安に感じる気持ちもあるのではと思います。
プログラミング必修化の中身をよく知った上で、本当に何が必要か考えてみることも重要ではないでしょうか。
そこで、そういった親御さんのために、プログラミング必修化の中身、プログラミングで何が身につくかについて紹介します。
1. どうしてプログラミングは必修化されたの?
2020年から実施される 「次期学習指導要領」 で小学校でプログラミング教育が必修となることが明記されました。
「プログラミング教育」 は閣議決定された 「世界最先端IT国家創造宣言」 や 「日本再興戦略 -Japan is BACK-」 内閣府が主導のもと開催された 「産業力競争会議」 といった中で掲げられていた内容が具体化されました。
「産業力競争会議」 の中で、「第四次産業革命 (人工知能などがもたらす大きな産業的な変革のこと) を生き抜くため」 にプログラミング教育を必修化すると述べられています。
要約すると 「日本がこれから国際競争力を身につけていくためにプログラミング教育は重要ですよ」 とされているわけです。
2. これからの時代に求められる能力って?
「プログラミング教育の必修化」とはなにか?
正しく説明できる方ってなかなかいませんよね。
その前に文部科学省が主体となって開催された「小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議」において定義された「これからの時代に求められる能力・資質」を見ていきましょう。
ちょっとむずかしいので、少し要約してお伝えします。
・情報を読み解く
みなさんが「Google」や「Yahoo」といったウェブを利用すると、様々な情報がすぐに検索できますよね?また、Twitter、facebook、InstagramなどといったSNSを利用する方は多くの情報を受け取っていると思います。
すぐに情報を検索できることで便利になった一方、非常に多くの情報があふれることで、一つ一つの情報を吟味し色々な側面から見ることが少なくなってきています。
そのため、情報と情報を結びつけたり、結びつけたりすることに必要な「読解力」が求められています。
・情報技術(IT)を手段として使いながら論理的・思考的に考え、課題の発見・解決し、新たな価値を想像する
少しむずかしいですが、ITは自動車や金融などこれからさらに身近な物やサービスに使われていきます。ですので、今後ますますITを「手段」として使うことが求められていきます。
今、みなさんがITを利用する際「コンピュータ」の働きを理解するしなくても十分便利に利用されているかもしれません。ですが、今後はとても重要になってきます。
それを理解した上で「プログラミング的思考」と呼ばれる
① 自分が考えたこと・やりたいことをどうコンピュータに伝えたらいいのか
② 自分が考えたことをするためにはどういったことが必要なのか、どのように改善したらいいのかといった能力が必要になってくると定義されています。
例えば、「冷蔵庫で残っているキャベツを使って料理をしたいけど、あまり時間はない」といった場合を想定しましょう。
普通に検索するのであれば「キャベツ 料理」などといったワードで検索すると思いますが、「キャベツ 料理 時短」といったキーワードで検索すると、より自分が求めていた検索結果にたどり着くことが想像できますよね?
こうした、「自分が求めていた結果」になるにはどうしたらいいのだろう?と考えて解決する能力を育むことが求められているのです。
さらに、その能力は時代を超えて必要な能力であるとも言われています。
・感性を働かせて、学んだことをよりよい社会や人生の在り方に生かす
私たちは、「想像を膨らませる」「相手の感情に思いを馳せる」「未来の社会や人生について考える」「存在しないものを作り出すために創造する」とったことを可能にする「感性」を持っています。
みなさんも、「将来の自分について考えたり」「目の前の相手が考えていることを想像したり」といった経験はありますよね?
「感性」はある特定の人だけにある能力ではなく、みんな持ち合わせています。
IT化が進むと、今後10年で今ある仕事の半分がなくなるとの調査結果もあり(※)みなさんのお子さんが大人になる時には、いま存在している仕事がなくなっている可能性が高いのです。
そうした中、「感性」を活かして想像したり創造したりする仕事は、今後重要になってくると考えられているのです。
※ 『雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか』
3. 小学校でのプログラミング必修化って?
前述したように、ITが今後ますます生活において必須となってくる中、ITの裏側である「コンピュータ」 がどのような仕組みで動いているかを知ることも重要になります。そこで、コンピュータに自分の考えた指示をさせることができるプログラミングの基礎を学ぶのです。
一方で、小学校での教育に関しては、「どの職業にも求められる資質・能力」を育むことも求められており、「プログラミングスキル」を学ぶだけでは不十分です。
そのため、「身近なコンピュータを動かしているプログラミングの仕組みを知り、問題解決の手順を知る」という 【知識・技能】 、プログラミング思考という 【思考力・判断力・表現力等】 を育て、よりより人生や社会を作るためにプログラミングを活用する 【学びに向かう力・人間性等】 といったこれからの時代に必要な能力を、プログラミング教育を通して学んでいきます。
小学校での「プログラミング教育」というのは、「コンピュータへのプログラミングスキル」と「これからの時代に対しての普遍的な資質・能力」の2つを育むことを指しているのです。
ですので、必ずしもコーディング(コンピュータに自分で考えた指示をさせるために、コンピュータが理解できる言葉で記述すること)をすることが目的ではないということがポイントです。
4. プログラミング教育で何が身につく?
プログラミング教育で身につくことは、「コンピュータプログラミングスキル」と同時に「時代を超えて必要な能力」です。
特に、お子さんが大人になる時には、私達が考えるよりももっとITが身近になってきます。また、前述したように、半数以上のしごとが今とまったく違うといった状況も考えられます。
そうした中、プログラミング思考を身につけることで、今後必要な能力を育むと同時に、お子さんの可能性を広げることにつながります。
また、プログラミングに触れる中で、お子さんが「プログラミング」自体に興味を持っている場合、一歩進んだスキルを学ぶことができる「プログラミングスクール」をオススメします。
ロボットを使ったプログラミングなど、楽しみながら学ぶことができるスクールがたくさんあります。また、自身で作品を作ることで、やり抜く力が身につきます。
さらに、最近では様々な「プログラミングコンテスト」が開催されています。スクールで身につけたスキルをコンテストで発揮できるため、とても刺激になります。
まとめ
プログラミング必修化は、時代を超えて必要な能力を身につけることが主な目的だということがわかりました。
同時に、「プログラミングスキル」を習得することで、これからのITが身近になる中で共通して必要な能力も身につき、お子さんの可能性を広めることができます。
最初に述べたように、2020年からプログラミング教育必修化がはじまります。この機会にプログラミングを学んでみてはいかがでしょうか?