この記事では、世界におけるeSportsを取り巻くゲーム教育や、日本がゲーム教育が遅れている理由について深掘りします。
世界のゲーム教育を理解しよう
この段落では、特にゲーム教育が盛んに行われている韓国・アメリカ・イギリスの現状について紹介します。それぞれの地域によって、ゲーム教育の根付き方や学校の特徴にも違いがあるため、詳しくみていきましょう。韓国におけるゲーム教育
世界でもトップを争うプロeSports選手を輩出している韓国では、大会実況においては数十万規模のスタジアムで行われるほどの盛り上がりをみせています。韓国ではプロゲーマー養成学校が数多く設立していますが、そのなかでも注目を集めるのは2017年に設立された「GameCoachAcademy」です。学費には月50万ウォン(約5万円)ほどかかることで有名ですが、120名のプロゲーマーを抱えており、10代でプロeSports選手として活躍しているChoiMin-Ji氏も在籍しています。多くのプロゲーマーが通う理由として「対面授業」を採用している点が挙げられます。「GameCoachAcademy」の対面授業で得られる主なスキルは以下の通りです。
- ゲームの技術・戦術
- セルフプロデュース力
- メンタルコントロール
- 対戦相手への態度
参考:36KrJapan
アメリカにおけるゲーム教育
日本で英会話や水泳などを保護者が習い事として子どもに勧めるように、アメリカではeSportsの「Fortnite」を習い事として選択する保護者が多くいます。その理由として「Gamer Sensei」と呼ばれる先生と生徒を繋ぐマッチングサービスが広く浸透したことが挙げられます。また、大学ではeSportsのクラブが大学に公認されており、eSportsで高い成績を修めた学生には奨学金が支給されます。高校で目覚ましい活躍をみせたeSports選手は、大学からスカウトされるケースも少なくありません。大規模なeSportsの大会が盛んに開催されるアメリカでは、大手企業がスポンサーとして協賛しており、若くして多額の賞金が獲得できるチャンスがあることでも有名です。
参考:extreme
イギリスにおけるゲーム教育
eSportsを利用したプログラムが開設されたことで注目を集めているのは、イギリスのスタッフォードシャー大学です。eSportsに特化した経営スキルやマーケティングなども幅広く学べるよう、学士過程と修士課程も開設されました。「Degital schoolhouse」と呼ばれる教育機関では、イギリス全土の小学生が参加できるeSportsのワークショップが開かれています。また、1999年には授業でパソコンやタブレットを用いるICT教育が導入されたイギリスでは「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」も授業に取り入れるなど、ゲーム教育が進んでいます。実際にコンピューティングのカリキュラムを受けている生徒は、以下のようなメリットがあると挙げています。
- コミュニケーション能力の向上
- 伝達スキルの向上
- チームワークの向上
- 他のeSportsへの興味関心の向上
- 研究意欲の向上
参考:スタスタ
世界でeSports教育が進む背景
世界でeSports教育が進む背景として、どのような人でも対等にアスリートとして参加できる点が挙げられます。男女の性差や運動能力の差、障がいを持っていたとしても、eSportsをプレーするときには関係ありません。プレーヤーのあらゆる多様性を許容する器を持つのが、eSportsの良さだといえるでしょう。多様性を重視するアメリカをはじめ、世界各国でeSportsが広く認知され教育が進むようになりました。世界中で話題のesportsとは?
eSports とは「エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)」の略称であり、複数人のプレイヤーで対戦するゲームのことです。esportsはオンライン型の対戦型ゲームであり、多くのイベントや大会がオンラインで参加できます。eSportsのジャンルは、主に以下の7つのジャンルに分けられます。
- シューティング(FPS/TPS)
- 格闘
- スポーツ
- DCG(Digital Card Game)
- パズルゲーム
- MOBA(Multiplayer online battle arena)
- RTS(Real Time Strategy)
近年では、eSportsは高額賞金をかけて競う大会が世界中で数多く実施されており、世界中で盛り上がりをみせています。 日本ではまだまだ知名度は低いですが、eSportsのプロゲーマーという仕事は韓国では「子供がなりたい職業の2位」に選ばれるほど人気があります。
日本でeSPorts教育が遅れている理由
「ゲーム大国」ともいわれる日本は、世界よりもeSports教育が大幅に遅れています。その原因として、以下のような理由が挙げられます。- eSportsの認知度が低い
- eSports人口が少ない
- eSports市場が世界と比較して伸び悩んでいる
- eSportsの大口スポンサーが不在
- 法規制による賞金の制限
また、海外のeSportsの大会では1億円を超える賞金が獲得できるケースもありますが、日本では法規制があるためゲームIPを所有する会社が大会を主催するときには、賞金は10万円までとされています。しかし、ゲームIP会社以外の大手企業で、協賛として名乗り出る企業は未だ少ないようです。
参考:DIAMONDonline
まとめ
世界を舞台に成長を続けるeSportsは、多くの企業や教師、保護者の認知と理解の元に広まっていきました。日本では、未だ「eSports」という言葉に馴染みがない人が大半であることが現状です。今後、目覚ましく活躍するプロeSports選手の活躍を耳にする機会が増えることで、日本でも広く浸透していくでしょう。プログラミングが小学生の授業に導入されたことも、日本のゲーム教育を後押しすると考えられています。子ども達がパソコンに触れる時期が早いことで、eSportsに若い世代が多く参入するでしょう。eSports人口が増加することで、ニーズの高まりから日本国内のeSports市場も盛り上がりをみせることが予想されます。