レッジョ•エミリア教育とは？メリットや効果も解説

レッジョ・エミリア教育とはどんな教育メソッド？

レッジョ・エミリア教育を知るためには、誕生した背景や教育メソッドの柱となる教育理念を理解することが重要です。ここでは、レッジョ・エミリア教育の内容について深堀りします。

レッジョ・エミリア教育が生まれた背景

レッジョ・エミリア教育とは、教育家であるローリス・マラグッツィが提唱した「100のことば」をもとに考えられた教育メソッドです。北イタリアのロマーニャ州のレッジョ・エミリアと呼ばれる地方都市から広まったことから、名づけられています。

「100のことば」では、子どもは100の言葉を持っていても、99は奪われているとし、学校や文化が頭と体を切り離す教育を行っているとしています。このような幼児教育の現状に疑問を抱き、子どもの無限の可能性を育むことを理念とし、子どもの権利を尊重することを目指して活動を広げていきました。

意欲的に教育活動に従事したローリス・マラグッツィは、1963年に公立では初となる幼児教育施設をオープンさせます。その後も教育活動が広まったことにより、公立の保育施設や幼児教育施設が続々と建設されました。

レッジョ・エミリア教育における教育理念

レッジョ・エミリア教育には、以下の3つの教育理念が掲げられています。

• 権利
• 時間
• 社会性

まず、1つめの教育理念である「権利」では、子どもが黙っている権利や質問をする権利、迷う権利など子どもの特性を全面的に受け入れることを指します。2つめの「時間」では、プロジェクトを採用することで時間割を必要としないゆとりのある教育を目指しています。

プロジェクトでは、4～5人ほどの小グループで長い期間に渡って1つのテーマについて話し合い、調査や工作などを行います。プロジェクトを行うことで、子ども達の協同性や自律性を育めるメリットがあるそう。また、ドキュメンテーションと呼ばれる活動を提示する取り組みも行われることが、レッジョ・エミリア教育の特徴です。

さらに、3つめの「社会性」は、子ども達がお互いの意見を尊重しあうことを意味します。プロジェクトやドキュメンテーションなどの活動を行うことで、多様性や社会性が身に付けられるとしています。

レッジョ・エミリア教育の教育環境

レッジョ・エミリア教育で特徴的なのは、専門的な教師が配置される点にあります。アトリエリスタと呼ばれる美術専門の教師は、アート活動を行う際に子ども達をサポートします。アート活動が行われるのは、芸術活動のための材料などが豊富に置かれているアトリエと呼ばれる部屋です。

なかには、小石や落ち葉、どんぐりなどの自然物が保管されるミニアトリエがあるスクールもあります。さらに、複数のスクールを担当するペダゴジスタと呼ばれる教育学専門家も配属されます。ペダゴジスタは週に1回ほどスクールを訪問し、アトリエスタと保護者と共に子ども達の成長や教育に関して話し合う機会を設けます。

園庭にはピアッツァと呼ばれる広場があり、スクールによっては、噴水や劇場などのコーナーもあるそう。子ども達がのびのびと遊び、好奇心を育める教育環境が整っていることも、レッジョ・エミリア教育が世界に広まった要因の1つだといえるでしょう。

レッジョ・エミリア教育のメリット

レッジョ・エミリア教育はプロジェクト活用によって子ども達の「なぜ？」「どうして？」を育んでいくので、好奇心を育てていけるメリットがあります。また、レッジョエミリア教育のプロジェクト活動は4～5人のグループでおこなうため、グループ活動を通じて子ども達の協調性や自主性が身につきます。また、他の子どもの工夫や話し方を観察して学ぶこともできます。

さらにグループ活動において、仲間を説得するシーンなどからビジネスで役立つ「交渉力」も育てることができます。

レッジョ・エミリア教育の導入例

レッジョ・エミリア教育が導入されているスクールは、日本国内ではまだ数が少ないことが現状です。都内を中心にいくつかのスクールがレッジョ・エミリア教育を導入しているため、気になる場合にはチェックしておきたいですね。

Kodomo Edu International School

世界トップクラスのクリエイティブに触れられる機会が得られるのは、東京都目黒区にあるKodomo Edu International Schoolです。同スクールでは、現役で活躍するクリエイターを招き、ワークショップなども盛んに開催されていることが特徴です。

サマースクールでは、宇宙を多角的に学んだりSDGsに触れ工作をしたりすることで、子ども達の知的好奇心や探求心を育みます。

Daizawa International School-DIS-

1歳から入園できるのは、東京都世田谷区にあるDaizawa International School-DIS-です。Center Timeに重きを置く教育方針であり、複数のアクティビティを子ども達が体験することで、対応力や柔軟性を身に付けられます。少人数で行われるプロジェクトもCenter Timeのなかで行い、互いの意見を尊重し合うことの大切さを学びます。

毎月行われる課外授業では、遠足やイベントなども保護者同伴で催されます。美術館でアートに触れる機会もあることから、「早期に子どもの芸術性を育みたい」と考えている保護者から選ばれています。

レッジョ・エミリア教育を実践！おすすめの幼児教育 

レッジョ・エミリア教育では、子ども主体の活動で個性を伸ばすことを重視します。これを家庭で実践するには、幼児教育を活用するのがおすすめです。子どもが主体となって取り組める幼児教育をチェックしましょう。
参考：おすすめの幼児教育

キッズデュオ

キッズデュオは3歳～小学校6年生がまでが通える学童保育です。教室では日本語を使わず、コミュニケーションは全て英語で行われます。最大で1週間に5日間、英語のみで過ごす時間を持つことで、自然と英語で話せるようになっていく環境です。

学童保育の活動時間で行われるプログラムには、運動、クラフト、音楽、パターンブロックがあり、子どもが自由に選べます。子どもが自分の興味関心に合わせ自主的に活動できる点は、レッジョ・エミリア教育の考え方と合致しているでしょう。

年齢や学年を超えた無学年集団で過ごすことも、コミュニケーション能力や社会性の獲得に役立ちます。

ベビーパーク

「叱らずに子どもの個性を育てる育児法を伝えたい」という思いから始まったベビーパークは、IQ140以上に育てるカリキュラムで子どもの可能性を引き出す幼児教育です。親子で一緒に参加することで、親が育児を学ぶ場でもあります。

クラスは月齢ごとにA～Eまでに分けられており、それぞれの発達段階に必要な学びに取り組める内容です。子どもの成長に合わせ、親も効果的な接し方を身につけられます。

加えて英語学習のコンテンツも豊富に用意されており、親子で取り組むことで英語力も身につけられる教室です。

こどもちゃれんじ

こどもちゃれんじでは、これからの時代には「自分で考え行動していく力」が大切になると考え、学ぶ楽しさを体験できる教材を提供しています。テーマも豊富で、ことば、数、自然科学、表現、リズムなどを学べる内容です。

発達段階に合った学べるおもちゃエデュトイで、遊びをとおして自然と「こうしたらどうなるんだろう？」「なぜこうなったんだろう？」という思考が生まれ、考えることを楽しむ姿勢が身につきます。

オリジナルキャラクターのしまじろうの声掛けで、子どもが自分で取り組む姿勢を引き出せるのも特徴です。

世界で認められるレッジョ・エミリア教育は今後、日本で広まる可能性も

世界でも高い評価を得るレッジョ・エミリア教育は、子どもの多様性を尊重する日本でも広まりをみせることが予想されます。近隣にレッジョ・エミリア教育を導入しているスクールがある場合には、見学や説明会に足を運んでも良いですね。スクールでのびのびと学ぶ子ども達の姿をみることで、レッジョ・エミリア教育の有用性を実感するでしょう。