今回はフィンガーペインティングが子どもに与える効果や自宅で気軽に試せる方法、事前に確認しておきたい注意点について詳しく解説しています。子どもが夢中になる遊びを探している人やおうち遊びのレパートリーを増やしたい人はぜひ最後までご覧ください。
フィンガーペインティングとは?
フィンガーペインティングは手や指に絵の具をつけて絵を描く技法です。1930年頃にイタリアのルース・フェゾン・ショウが試みた幼児教育の一つで、幼児画研究の第一人者である宮武辰夫氏が「芸術的基礎教育」として日本に紹介しました。フィンガーペインティングの大きな魅力は自分の手指や腕、身体全体の筋肉運動によって自由に感性を表現することができる点です。元来、泥遊びや粘土工作のような感覚的な制作活動に近い遊びと考えられています。
日本では幼稚園・保育施設・小学校でのカリキュラムに取り入れられることが多く、大きな紙に集団で絵を描いたりプール開きのレクリエーションとして行われることもあるようです。紙やビニール、布などさまざまな素材を利用したフィンガーペインティングも実践されています。
参考:幼児教育おすすめ
フィンガーペインティングの方法
フィンガーペインティングの方法は多種多様ですが、ここでは家庭でも試せる方法を2つご紹介します。ビニール製のシートをつかう方法
大きなサイズのビニール製シートを用意して絵の具を塗り広げる方法では、絵の具のぬるぬるした感覚やビニールのツルツルした触り心地を楽しむことができます。紙のサイズが大きければ大きいほど身体全体を使った動作が必要になり、よりダイナミックな作品になります。レジャーシート並みのビニールシートを用意して足の裏で絵の具の感触を味わうのも新鮮です。プールやお風呂場で行う場合は、最後にシャワーをかけたりブラシや雑巾で絵の具を落としたりすることで幻想的な色落ちを楽しめます。
ファスナー付きの袋をつかう方法
家庭にあるファスナー付きの袋を用意します。次に袋にピッタリ合うサイズの画用紙に好きな絵の具を点置きし、絵の具を乗せた画用紙をそのまま袋に入れてファスナーを閉じておきます。遊ぶ際には袋の上から絵の具の塊を潰したり広げたりこねたりして、絵の具の感触や色が混ざる様子や指先の運動を楽しむことができるでしょう。袋の上から絵の具を触ることで手の平が汚れないので、まだ子どもが小さい家庭や気軽に試してみたい人におすすめです。
フィンガーペインティングでも利用できる!お手製絵の具作り方
フィンガーペインティングで利用する絵の具の材料は、簡単に作ることができます。まずは、フィンガーペインティングで利用する絵の具にとろみをつけるために、水と小麦粉を4:1の割合で混ぜ合わせて弱火にかけます。もし子どもが小麦アレルギーを持っている場合は、小麦粉のかわりに水のりなどで代用しましょう。のりを代わりに使用する場合は、火で温めずに水とのりを6:1の目安で混ぜて使用します。小麦粉が溶けた状態になったら火を消して、一度冷まします。次に、紙コップや紙皿にとろとろになった小麦粉と、フィンガーペインティングで利用したい色の水性絵の具を混ぜたら完了です。
フィンガーペインティングの効果
最近ではフィンガーペインティングのアートセラピーとしての効果が広く認知されています。ここでは特に注目しておきたい子どもへの効果をご紹介します。ストレス発散になる
フィンガーペインティングは汚れの制限が無いので、全身をダイナミックに使って絵を描くことでストレス発散になります。普段はあり得ない「手指や服を汚しても良い」という意外な環境設定は子どもの興味をそそり、心が解放的になったり五感を使って表現活動をしたりするきっかけになるでしょう。難しい道具を使わないことで小さな子どもの思考の流れを阻むことがない点も清々しい遊びになる理由の一つといえます。自己肯定感が高まる
描くことそのものが目的のフィンガーペインティングでは、自分なりの自己表現を大人に褒めてもらうことで子どもの自己肯定感が高まります。小さな子どもや絵が苦手な子どもでも立派な作品をつくることができる点は「自分でもできた」という充実感に繋がるでしょう。見守る大人は子どもの色の選択や配置はもちろん、手のひらや腕の動きといった身体表現といったあらゆる感性への理解を深めましょう。他者理解につながる
フィンガーペインティングは保育施設や小学校、ワークショップといった環境で集団で行われることが多い活動のため、他者理解を体感するきっかけになります。友達同士で絵を見比べたり大きな紙に共同で作品をつくったりする過程では自分のどんな表現も受容されるため、自然と他者の作品や感性を受け止めることができるようになります。他者とアートを楽しむ活動においては社会性や協調性の育成も期待されるでしょう。
フィンガーペインティングの注意点
汚れ対策や声かけ方法などにまつわる注意点を事前にチェックしておくことで、さらに絵画活動を親子で楽しむことができます。子どもの興味を引き出すためにも以下の点に注意しておきましょう。汚れ対策をしておく
服や家具、床や電化製品などの汚れ対策を徹底しておきましょう。大きなブルーシートを床に敷いたりビニールシートやタオルを家具に被せておくことで飛び散った絵の具が付着するのを防ぎます。子どもや見守る大人は汚れても良い服や防水エプロンを着用しておくと良いでしょう。はじめて絵の具を素手で触る子どもの場合は汚れることを嫌がる可能性もあります。子どものいろいろな要求に対応できるように、あらかじめ手拭きタオルを用意しておくのがおすすめです。
フィンガーペインティング用の絵の具を用意する
子どもが誤って舐めてしまっても問題ないフィンガーペインティング用絵の具を用意しておくことで、大人が心に余裕をもって見守ることができるでしょう。フィンガーペインティングを始める時期の目安は3歳頃で、4~5歳を過ぎるとなんでも口に入れる時期を終えている子どもが多いといわれています。子どもの発達に合わせて方法や画材を工夫しましょう。自宅にある絵の具を使う場合はそのまま使用することもできますが、水のりを足してとろみを付けてから使うことで色の混ざり方がスムーズになります。
心身ともに解放的になるような声かけを
子どもが手先や服を汚しながら解放的になって遊べるような声かけを意識しましょう。描いたものが何か面白い形になったりすることもありますが、大人が無理に絵に意味をつける必要はありません。「気持ちいいね」「色が混ざったね」など、描いている行為や事実そのものに寄り添う声掛けだけでも子どもの思いを受け止めることができます。どうしても汚れが気になってしまう場合は野外で試したりワークショップを利用したりすることで、親子共に余裕をもってフィンガーペインティング体験ができるでしょう。
子どもが楽しめる方法を選ぶ
手に絵の具を付けるという意外な行為を嫌がる子どもの場合は、無理して手に絵の具を付けることはありません。まずは袋の上から絵の具を触ってみたり野菜の断面やスポンジをスタンプ代わりにしてみたりして、アートの楽しさを体感する活動を取り入れてみましょう。誕生日に手形・足形スタンプをしたり、指先に絵の具を付けて画用紙や紙皿に点置きするといった簡易的なフィンガーペインティングもおすすめです。心身の解放を意識した取り組みで、子どものペースで絵画に触れることができます。
フィンガーペインティング関連!イラストが学べるオンライン教室
子どもにイラストを学ばせてみたい場合、気軽に学べるオンライン教室もおすすめです。ここではイラストが学べるオンライン教室をご紹介します。ATAM ACADEMY(アタムアカデミー)
スクール名 | ATAM ACADEMY(アタムアカデミー) |
コース |
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受講料 |
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学べる内容 | iPadを使ったデジタルイラスト
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サポート | iPad・Apple Pencilレンタルあり、体験レッスンは紙と鉛筆可、親も同伴OK |
運営会社 | 株式会社アタム |
小学生向けの絵画・イラスト教室を行うATAM ACADEMY。発想力を軸に子どもの社会的自立を促すことを目的としており、iPadとお絵かきアプリを使ったデジタルイラストやデザイン、キャラクター制作技術が学べます。
オンライン授業の際は講師とビデオ通話を行い、課題や作品はチャットやメールでやり取り。講師陣はプロのイラストレーターや漫画家、美術大学出身など一流のクリエイターばかりで、プロの技術を直接学ぶことができます。グループレッスンやパーソナルレッスンといった授業形式も選べるので、子どもに合った環境を用意できるでしょう。