中学受験の塾は小3の3月スタートが一般的です。しかし、今では前倒しでもっと早くからスタートするお子さんも多いですし、少なくとも低学年のうちに学習習慣と基礎学習を積み上げておきたいところです。
とはいえ小学校低学年の子どもたちがしっかり計画的に勉強をするのは難しいことです。公立学童では学習面の支援はあくまで宿題レベルですが、民間学童は独自のカリキュラムや有名進学塾と連携し、受験対応をしてくれるところも!そんな民間学童5つを一覧表で掲載、さらに詳しい解説もあるので参考にしてくださいね。
中学受験対応している民間学童5選!一覧表
中学受験に対応している学童、受験を見据えて基礎学力を蓄える「学習支援に力を入れている」民間学童5つをピックアップしました。民間学童 | 中学受験対応 | 対象学年 | 通学範囲 送迎範囲 |
料金 |
ピグマキッズ |
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1年〜4年 | 荻窪・白金・市ヶ谷 その他、提携教室あり |
入会金 33,000円 週5日(6時間/日) 75,900円 ※教材費等あり |
伸芽’sクラブ |
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1年〜3年 | 首都圏に18校 | 週5日 63,800円 ※維持費等あり |
アフタースクールワイズ |
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年少〜3年 | 首都圏に10校 静岡 |
入会金 ¥25,000 週5日 ¥42,800 |
キミライト |
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1年〜6年 | 文京区内小学校 公共交通手段で通学できればその他エリアからも可能 |
週5日 68,000円 ※教材費等あり |
えすこーと |
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3歳〜6年 | 首都圏11校 兵庫県1校 |
入会金 ¥25,000 *月極利用料金は校舎により異なる |
ピグマキッズ
- SAPIX「ピグマキッズくらぶ」教材を毎日の学習に使用
- シーダー(指導者)が見守り必要に応じて声がけ・指導を行う
- 塾(SAPIX系列)への中抜けが可能
また、預かり時間中や夏休みなども、ピグマキッズからSAPIXをはじめとした系列の塾に行き、また戻る「中抜け」も可能です。
伸芽’sクラブ(しんがーずくらぶ)
- 小学校受験でも有名な伸芽会による「中学受験対応」学童
- 毎日Gタイムで「国語算数理科社会」の先取り学習/受験対応学習を行う
- 統一模試や算数オリンピック、各種検定も開催
情操教育やイベントも多く、人気が高い教室ではキャンセル待ちもあるので早めに検討するのがおすすめです。首都圏に広く展開しているので最寄りの教室へ問い合わせをしましょう。
アフタースクールワイズ
- さまざまな学習コンテンツ
- Z会通信教育と学習サポート
- 習い事の中抜け送迎・自宅へお子さまを送るサービスあり
さらに、音読・暗唱・書写・数字パズルを使う「読み書き計算」教室や、中学受験を見据えZ会通信教材を使用しチューターの指導を受けるスタディサポート教室なども行なっています。
キミライト
- 四谷大塚NETを使用した中学受験に特化した学童
- 宿題・復習サポートも充実
- 東大式そろばん Evrikaで3桁×3桁の暗算を習得
小1〜小3まではジュニア予習シリーズを行います。高学年では指導経験豊富なプロ講師による授業や自習サポートを実施。年2回四谷大塚から提供される資料をもとに、保護者会で入試情報等の説明もあります。
また、合不合判定テストをはじめとした公開テストや、自習室も完備されており、完全な中学受験対応型学童となっています。
えすこーと
- 各自に応じた中学受験対策支援を行なってくれる
- 個別学習指導もあり
- 中学受験塾サポートコースあり
通常でも生徒5人に1人のチューターがつき宿題など予習復習を指導してくれるので、しっかりと学習習慣が身につきます。
さらに中学受験対策支援として、お子さまの志望校や進学塾に合わせた個別のカリキュラムに応じてくれるのでぜひ相談してみましょう。
中学受験に民間学童がおすすめの理由とは
まず前提として、公立学童や自宅で過ごす場合でも、中学受験はもちろん可能であることは明言しておきます。
その上で受験対応をしている民間学童をおすすめする理由は3つあります。
- 忙しい親に代わって勉強をしっかり見守ってもらえる
- 塾や習い事までカバーできる
- 読解力や思考力を伸ばせるカリキュラムが豊富
民間学童なら「学習面をしっかり指導」してもらえる
小学校低学年では、ご家庭でひとりで留守番させるのも心配です。そこで学童を検討するわけですが、公立学童(放課後児童クラブ)はそもそも「健全な育成」を掲げており、管轄も厚生労働省です。放課後児童クラブでは、「遊び等の活動拠点」としての 機能と「生活の場」としての機能を適切に備え、子どもが安全に安心して過ごすことができ、子ど も一人ひとりの状況や発達段階を踏まえた育成支援を展開することが求められます。いっぽう、放課後子供教室は文部科学省の管轄であり、より学習面の支援に注力している印象があります。とはいえ、あくまで学校の勉強に関してであり、義務教育である中学へ不安なく進学できることがベースにあります。
引用:放課後児童クラブ運営指針解説書/厚生労働省
このように公立でもいろいろな選択肢があるものの、中学受験はこれら2つとはまったくの別物です。中学受験を塾なしや学習支援なしで行える家庭はごくわずかなのが現実です。
一般的には小3の3月が受験勉強の本格スタートですが、現在はどんどん前倒しになっており、小1から受験を見据えた塾に通う子もいます。また、低学年のうちに基礎的な学力を積み上げ、学習習慣をしっかりつけることも重要とされていますが、これは保護者や大人が日々、放課後にそばにいないとなかなかできません。
家庭で親が子どもの学習を継続して見守れる環境にあれば良いですが、共働きでは難しい面もあります。そこで学習支援のサポートも手厚い民間学童が選択肢のひとつになってくるのです。
進学塾に通える・進学塾に併設されているなど受験対策が充実
公立学童もいろいろありますが、中抜け(学童時間中に、塾など習い事に行き、再び戻ってきて親の帰宅時間まで過ごす)はできないところが多いようです。いっぽうで民間学童は、次のようなサービスを提供している場合があります。- 塾や習い事のために、途中で抜け出せる(終わったら戻ってこられる)
- 送迎も行ってくれる
- 学童内で塾に準じた学習や受験用の指導を行ってくれる
学習支援が手厚いのは民間学童の特徴とも言えます。
読解力や思考力を伸ばせるカリキュラムが豊富
中学受験のための専門的な勉強は小学3~4年生からスタートするとして、低学年のうちにはとりあえず「子どもの能力を幅広く伸ばしたい」とお考えの方も多いことでしょう。そんなニーズに応えるべく、以下のようなカリキュラムや習い事ができる民間学童も多くあります。
- プログラミングや理科実験といった体験型の授業がある
- パズルや暗算、読解力などのプログラムがある
- 芸術系の習い事
- 長期休暇などには博物館や美術館見学、キャンプや合宿なども開催
特に夏休みや春休みなどは、学童で長時間過ごすことになるだけに、子どもの知的好奇心を満たすようなカリキュラムが用意されているのはありがたいですね。
本格的な中学受験勉強がスタートすると、たとえば科学実験教室に行くとか、自然観察をするといった時間はとれなくなります。
成績に直結するようなことではないけれど、子どもの思考力・観察力・推察力、さらにはコミュニケーション能力などを伸ばす機会をふんだんに与えることができるのも、民間学童のメリットと言えます。
参考:民間学童おすすめ一覧!夏休みだけでもいい?公立学童との違いも解説
中学受験対応の民間学童「1日のスケジュール」
実際に中学受験対応の民間学童で子どもたちがどのように過ごしているのか、受験対応型学童として人気の高い「しんがーずくらぶ(伸芽’sクラブ)」のスケジュールを見てみましょう。
15:00 | 検温・入室 |
15:10 | おやつ |
15:30 |
集中力タイム 学習タイムの集中力を高めるため、合唱や縄跳びなどに全員で取り組む |
16:00 |
宿題・勉強/プラスワン教育 宿題のほか、曜日ごとに国語や算数といった学習、ピアノやバイオリンなどが受講できる |
17:00 |
Gタイム フラッシュ計算や四字熟語から学ぶ漢字など、中学受験の基礎力を育てる |
18:00 |
夕食 延長保育の場合、夕飯も用意 |
19:00 |
読書・知育ゲーム 教室に揃えられたさまざまな本を読んだり、囲碁など知育ゲームで遊んだり、楽しく過ごしながら思考力を育てる (延長保育は21時まで) |
中学受験対応型学童が近くにない場合
一般的に中学受験は首都圏・大都市圏に集中するため、こうした民間学童もエリアが限定されるところがあります。しかし、地域に密着した学習型学童は探すとけっこうあります。
大都市圏では、地域の比較的大きめの進学塾が「学童施設」を併設しているケースも増えています。たとえば次のような中学受験対応の民間学童があります。
- SHOSHINPlus(神奈川県藤沢市近郊)
- 日能研まなびわらべクラブ(東京都荒川区西日暮里)
- RAINBOWKIDS/名進研アフタースクール(愛知県/名古屋市を中心に展開)
- MOCOPLA(東京都・四谷/荻窪)
- ヘッズアップセミナー(大阪府池田市/兵庫県宝塚市)
特に中学受験対応をしていなくても、進学塾への送迎はしてくれたり、塾の課題や親が選んだドリル等をコーチやチューターが見守ってくれる中で学べる民間学童は多いので、あきらめずに相談してみましょう。
学童で「学習習慣・基礎学力」を身につけて中学受験をめざす
小1の壁とよく言われるように、共働き夫婦にとっては、時短も使えず、放課後に子どもがどう過ごすかは悩みどころです。さらに中学受験を見据えた場合には、できれば低学年のうちからしっかり学習習慣を身につけ、本格的な受験態勢に入る前に子供の知的好奇心や思考力を充分に伸ばし、加えて読解力や計算力など基礎的な力も蓄えておきたいところ……。
小学校低学年であれば下校後から親が帰宅するまで、少なくとも3~4時間あり、この時間帯を有効に使うことは重要なポイントです。
小学校低学年ではまだ中学受験をすると決断していないかもしれません。しかし、受験をしなくても小学校で学習習慣をつけておくことはプラスにはなってもマイナスになることはありません。民間学童の費用は決して安くありませんが、将来的に受験を検討しているのであれば、民間学童の利用も検討の価値はあるのではないでしょうか。