国語力とは?勉強の基礎スキルとして重視される理由
文科省資料「これからの時代に求められる国語力について」では、国語は、学校教育のあらゆる教科や様々な学問の基盤であり、各人の知的活動の基盤として、あらゆる「知識の獲得」と「能力の形成」にかかわるといわれています。深く思考するためには豊かな語彙が不可欠であるため、思考と国語は密接に結びついており、各人の論理的思考力の基盤であり、日常生活で必要となる論理を身につけるためにも、国語の運用能力が重要な役割を果たしていると述べられています。
加えて、状況に即応した局面的な判断は、理性や論理等により対応できますが、長期的な展望に立った大局的な判断には、理性や論理だけでなく、広く深い教養が必要とされています。
この教養を身につけるためには、日ごろから活字文化に親しんでいることが大切であり、国語力は、その基盤を担っていると考えられています。
国語力=理解力・比較力・表現力
国語指導をベースにした現代の寺子屋「考学舎」の坂本聰代表は、朝日新聞EduA(エデュア)のインタビューで、国語力が「理解力」「比較力」「表現力」の3つを指していると話しています。国語力が磨かれることで、与えられた条件・状況を正確に把握して判断できる「理解力」、経験・知識に照らして目の前のものを比較検討する「比較力」、得た知識や考えを必要に応じて、説明したり言語化できる「表現力」が身につくという考えです。
あらゆる科目に繋がる「一生モノのスキル」
坂本代表は、文章題を解くには、これらの力が必要になるため、小学生の頃からトレーニングを積んで力を磨くことを推奨しており、その総合的な力である国語力を、「みずから考える力」とも表現。さらに、小学校中学年くらいになると、いろいろな科目で文章題が出始め、何が問われているのかを文章から読み取り、解への道すじを考え、適切に表現して解答する国語力が必要とされるため、国語力は、国語以外のあらゆる教科を理解する力となり、社会に出てからも求められ続ける「一生モノのスキル」だと続けて強調しています。
参考:子どもが読解力を鍛えるには?
国語力を構成する要素
文科省は、国語力を構成する要素を、2つの領域に分けて解説しています。①考える力,感じる力,想像する力,表す力から成る,言語を中心とした情報を処理・操作する領域
②考える力や,表す力などを支え,その基盤となる「国語の知識」や「教養・価値観・感性等」の領域
①は、言語を中心とした情報を「処理・操作する能力」であり、「考える力,感じる力,想像する力,表す力」の4つが具体的な言語活動として現れたものが、「聞く」「話す」「読む」「書く」という行為だといわれています。
「考える力,感じる力,想像する力,表す力」は下記のように説明されています。
「考える力」
分析力、論理構築力などを含む論理的思考力
「感じる力」
相手の気持ちや文学作品の内容・表現、自然や人間に関する事実などを感じ取ったり感動できる情緒力、美的感性、言語感覚
「想像する力」
経験していない事柄や現実には存在していない事柄などを推し量り、頭の中でそのイメージを自由に思い描ける力、言外の思いを察する力
「表す力」
考え、感じ、想像したことを表すために必要な表現力
これら4つの力は、「理解する力」とまとめることもできるといわれています。
そして、②の領域にある「教養・価値観・感性等」は、「人間として,あるいは日本人としての根幹にかかわる部分」とされ、それが国語の知識、国語力によって形成され、「考える力,感じる力,想像する力,表す力」が働くときの基盤の役割を果たすといわれています。
つまり、「教養・価値観・感性等」が、国語の知識や言語情報の処理操作力である国語力によって「理解する力(考える、感じる、想像する、表す、4つの力)」となり、「聞く・話す・読む・書く」という行為として現れるというわけです。
そして、この中で説明されている「国語の知識」は、学校教育の果たす役割が極めて大きいとされ、具体的には以下のようなものと定義されています。
- 語彙(個人が身につけている言葉の総体)
- 表記に関する知識(漢字や仮名遣い、句読点の使い方など)
- 文法に関する知識(言葉の決まりや働きなど)
- 内容構成に関する知識(文章の組立て方など)
- 表現に関する知識(言葉遣いや文体・修辞法など)
- その他の国語にかかわる知識(ことわざや慣用句の意味など)
これらをふまえ、読書は「理解する力」のすべてに関連しており、国語の知識等の領域とも密接に関連しているため、国語力を高める上で極めて重要とされています。
子どもにもできる国語力を伸ばすトレーニング方法
では、上手に国語力を磨くためには、どのような方法が考えられるでしょうか。ここでは、子ども向けの国語力を高めるトレーニングを3つ紹介します。①音読する
子ども速読&学習法指導による自律学習支援教室「ことのば」のサイトによると、国語の教科書の音読を行うことで、国語の成績が上がりやすくなるといわれています。何度も声に出して読むことで読解力アップにつながるのだとか。音読の回数の目安は、一度も間違えず、スムーズに読めるようになるまで。文章が数ページを超える場合、3~4ページ程度ずつ区切って練習すると良いそうです。②朗読を聞く
声に出して読んだり、本を読むのが苦手な場合、文学作品などの朗読を聞かせる方法もあります。下記のサイトでは、無料で朗読を聞くことができます。・「福娘童話集」
http://hukumusume.com/douwa/index.html
・「青空朗読」
http://aozoraroudoku.jp
子どもだけで聞くもよし、親子で聞いて楽しみながら国語力を磨くのも良いでしょう。
③映画を鑑賞してストーリーを要約する
読売新聞オンラインで公開されている、エム・アクセス講師 水島醉さんの記事「春休みにこそ取り組みたい国語力トレーニング<10>」では、映画を鑑賞することで、完結したストーリーの面白さを知る学習法を紹介されています。優れた作品には、場面ごとの山があり、伏線が敷かれてあり、全編通して話を追うことで「起承転結」の「結」にある感動に出会える素晴らしさを体感することができ、ひいては、完結した文章を読み抜く力となるといわれています。
文章で映画のストーリーを要約するのが難しい場合、映画の内容を「起承転結」の「4コママンガ」で描くことで、ストーリーを再現する国語力の訓練ができるとも。洋画の名作を字幕で見ることも、文字を読む訓練になるそうです。
子どもの国語力を伸ばしたい時におすすめの通信教育
ここでは、子どもの論理的思考能力や言語感覚を高めたいときにおすすめの通信教育を紹介します。参考:小学生向け通信教育
参考:中学生向け通信教育
東進オンライン学校
東進オンライン学校(小学部・中学部)は、「東進ハイスクール」と「四谷大塚」の授業をオンラインで受けられる通信教育サービスです。小学部は算数・国語・理科・社会、中学部では英語・数学・国語・理科・社会の授業に対応しており、日常の学習習慣を身につけられるとともに、定期テスト対策や受験対策としても役立ちます。
小学部の国語は2ヶ月サイクルの月4回で、毎回2500~4000時の長文を読み、実践的な問題を解いていくことにより、正しい読み方と解き方を習得していきます。また中学部の国語は実戦問題と解説授業がセットになっており、文章に対する正しい読み方とポイントを押さえられます。
質の高い授業で国語力のテクニックを習得することにより、お子さまの国語に対する苦手意識を払拭し、成績アップへ繋げられるでしょう。
進研ゼミ小学講座
進研ゼミ小学講座が提供するチャレンジタッチは、小学生一人ひとりの「自ら学ぶ力」を育む通信教育講座です。
小学生タブレット教材利用者数NO,1を誇り、家庭学習だけではなく、塾や学校などの教育機関にも取り入れられている教材です。
専用タブレットには、4教科・英語・プログラミング・実力診断テスト・赤ペン先生の指導・電子書籍など、多様性に富んだコンテンツが盛り込まれています。特に電子書籍は、追加受講費なしで小説・伝記・図鑑など、お子さまの好奇心を満たす本が約1000種から選べるようになっています。
電子書籍だけでなく、映画や動画も楽しめるため、多角的にお子さまの国語力を伸ばしていくことができるでしょう。
すらら
すららは、小学生から高校生までの国・数・理・社・英の5教科を無学年式で学習できるICT教材です。
レクチャー機能・ドリル機能・テスト機能の3つのステップをベースに、一人一人の習熟度に応じて「理解→定着→活用」のサイクルを繰り返し、学習定着をワンストップで実現します。
初めて学習する分野でも一人で学習を進めることができるため、家庭学習のみならず、学習塾や放課後等デイサービス等においても活用が広がっています。
特にすららの国語は、『正確に文や文章の内容を理解できるようになる』 ことにポイントを絞りカリキュラムが構成されています。
最初は一文の正確な読み取りからスタートし、一文の中での重要な部分を的確に押さえられるようになるトレーニングを行います。
一文レベルをマスターすると、次は1〜2段落程度のまとまった文章を読み取れるようになるための学習に取り組みます。
最終的には文脈的要素をおさえた読解、筆者の主張理解など、どんな文章でも読み解くことのできる理論的読解力を身につけることができるでしょう。
LITALICOワンダーオンライン
LITALICOワンダーオンラインは、ゲームやロボット、3Dプリンタを使った立体作品など「ものづくり」をする力を育むプログラミング教室です。2020年からオンライン受講も始まり、自宅で学習したい方や遠方で教室に通えない方、海外在住の方も受講可能に。
LITALICOワンダーオンラインでは、自分のアイデアを形にしながらプログラミングのおもしろさを学びます。「次はどうやってゲームのキャラクターを動かそうかな」と楽しみながら組み立てるので、探求心や論理的思考力、創造力が身につきます。
年に1度、全国のLITALICOワンダーに通う子どもたちが作品を発表しあう「ワンダーメイクフェス」も開催されています。
プログラミングキッズ
プリやウェブ開発を行うIT企業「ナンバーワンソリューションズ」が運営するプログラミング教室で、プログラミングをあくまでも手法の一つとしてとらえ、「テクノロジーを使って自分は何をしたいのか」を考えさせるようなレッスンになっています。「Tech Time」という「未来体験映像」を見て創造性を養ったり、生徒がのびのび発想し、自由に発言できる環境で自分で発見したことや成果を発表する時間も。複数の言語に触れられるのも特徴の一つで、ゲームを作ったりロボットを動かしたり、複数のツールや言語を体感することで「プログラミング思考」の土台が身につき、汎用的な考え方を養っていきます。
子ども向けオンラインプログラミングスクールおすすめ16選【2024年最新版】
2020年度、ついに小学校でプログラミング教育が必修化しました。コロナ禍の影響もあいまって、自宅からプログラミングが学べるオンラインスクールへの注目が集まっています。 この記事では子どもにおすすめのオンラインプログラミングスクールをまとめました。
この記事をcoeteco.jp で読む >GLOBAL CROWN 子どものためのオンライン英会話
選り抜きのバイリンガル講師と一緒に英語を学べる教室で、講師陣は、英語・日本語共にネイティブレベルかつ、指導力の高さに定評があり、講師は変動制です。多様な講師と出会うことでコミュニケーション力も身につき、英語のクセもつきにくくなるのがメリット。相性マッチング制度もあるので安心です。レッスンは時間固定制で、オリジナルアプリを使って進めます。AIを活用した精度の高い発音チェックツールが導入されており、発音練習も何度でもできるのもポイントです。
オンラインレッスンでは「聞く」「話す」を中心とした内容で、レベルUPしていくと「読む」学習が加わります。アプリを使った自習教材では、単語を並び替えて文章を作るなど「書く」力も身につき、バランスよく4技能が習得できます。
人との距離が気になるコロナ禍でも安心して学べるオンライン英会話は、子供の英会話レッスンの中でも人気。今や多くのオンライン英会話教室が開講されています。 この記事では、子供・キッズ向けオンライン英会話はどこがいいのかおすすめについてわかりやすく解説。
この記事をcoeteco.jp で読む >KEEʼSこどもスピーチスクール オンライン
スピーチ力と論理的な思考が身につくスクールで、現役アナウンサーから発声や腹式呼吸などの基礎やわかりやすい話し方、思考法を学べるのが大きな魅力。子どもたちがワクワク楽しめるよう、時には、ニュース原稿を時間通りに読み上げる、本物のアナウンサーさながらの体験も。学校での音読や発表に抵抗がなくなり、話すことがどんどん楽しくなりコミュニケーション力や、やり抜く力も育まれるでしょう。
ひなたアクターズスクール
3歳から高校生までを対象とした、プロが指導する本格的な演劇スクールで、アクション、演技、コミュニケーション、英語、ダンス、モデル、ボーカルなどの多彩なカリキュラムに取り組みます。技術の習得のほか、日本語・英語の表現力や他者の感情を読み取る力、コミュニケーション力が身につきます。毎回レッスンの終わりに、自分が何を学び、何を感じたか、何が課題かを記録する振り返りの時間が設けられています。自分の考えを言語化する習慣を持つことで、内省力が備わり、作文もスムーズに書けるようになるでしょう。
未来こども教室 かきかた書道教室
きれいに字を書けるよう練習することはもちろん、あいさつなどの礼儀作法や「正しい姿勢で丁寧に書く」ことを重視している書道教室です。「かきかた書道教室」では、教室独自で検定も年2回実施。鉛筆を使う「かきかた」と、毛筆を使う「書道」に分かれており、ともに月ごとに決められたお題に取り組み、技術を高めていきます。
姿勢を正して文字を丹念に練習することで少しずつ難しい文字に挑戦する意欲やねばり強くやり抜く力、先生から修正点を指導されることで、「次はどうすれば上手く書けるか」を考える課題発見・解決力も身につきます。
書道教室 ウィズダムアカデミー
隔週で「毛筆」と「硬筆」を実施し、書き順をはじめ、「とめ、はね、はらい」など文字をきれいに書くための基礎を学び、「正しく美しく日本語を書く力」を子どものうちから習得します。その日のベスト作品を3枚書き上げるまで、何十枚も練習し、コツコツやり抜く力を育てます。慣れてくると「ここをこうしたらもっときれいに書けるかな」と自分なりに工夫するようになり、クリエイティブな表現力も養われます。文字を書く時の集中力、昇級・昇段試験を突破した時の達成感も子どもの成長を後押しすることでしょう。
キッズアカデミー
「頭の良さ」を測る指標としてよく知られる「知能指数=IQ」の向上に注力し、最優秀層といわれるIQ 140の実現を目指す、3~7歳対象の教室です。知能を構成する24の知能因子をバランスよく刺激するプログラムに取り組み、自ら考える力や記憶力を養います。少人数で深くじっくりと学ぶレッスンが主体で、論理的思考能力、やり抜く力も育まれます。
記憶カードを使ったウォーミングアップの後は、知能を働かせると言われている3つの領域、「概念(主に言葉)」「記号(数字や数学記号・音符など)」「図形(位置・方向・大きさで表されるもの自体の形)」について、さまざまな教材を使ってじっくり学びます
富士通オープンカレッジ F@IT Kids Club
IT大手の富士通のグループ会社が展開するプログラミング教室です。2020年からオンライン校もスタートし、自宅で学習したい方や遠方で教室に通えない方も受講できるようになりました。
F@IT Kids Club(ファイトキッズクラブ)では、プログラミングを通して論理的に考える力や課題発見・解決する力はもちろん、自分で組んだプログラミングについて人前で発表するなど、クリエイティブな力やプレゼンスキルが身につくのもうれしいポイントです。一緒に学ぶ友だちと同じ課題に取り組んで意見交換することで社会性も育まれるでしょう。
ラボ・パーティ
創業50年以上の指導実績がある英語スクールで、英語での表現活動に主眼が置かれ、世界の物語を英語でじっくり味わう活動を通して、英語で自己表現できるようになることを目指しています。絵本教材で英日の朗読CDを聞いて英語の音を身につけたり、異年齢の子どもたちと力を合わせて一緒に英語劇をつくって発表することで他者と協力して自ら考え、英語で表現する力やクリエイティブな力が育まれます。
シェーン英会話
「シェーン英会話」は、創業40年以上、ネイティブ講師が指導する英会話スクールです。レッスンはすべて英語のみ。ネイティブの先生たちは自然と英語が身につくオリジナル教材でレッスンを盛り上げてくれます。小学生は5段階のレベル分けがなされ、「聴く・話す・読む・書く」の4技能を伸ばします。繰り返し学ぶスパイラル学習で着実に英語のコミュニケーション力を養うことができます。子どもの頃に身につけた英語力は一生物。外国の先生たちと触れ合うことで異文化への関心がわき、グローバルな視点も育まれるでしょう。
読解力を高めたい大人におすすめの習い事
ここでは、読解力を高めたい大人におすすめの習い事についてもご紹介します。コミュトレ
コミュトレは、最短3ヶ月で一生モノのビジネススキルを身につけられる実践型のビジネススキルスクールです。10万人のビジネスパーソンのデータ分析により、ビジネスの現場で発生する課題や改善が必要なシチュエーションを特定し、リアルな仕事を想定した実践形式のトレーニングができます。コミュトレで身につけられるスキルには、以下のようなものがあります。
- ディスカッションスキル:会議で論理的な発言ができるようになる
- スピーチ・プレゼンスキル:人前で自身を持って話せるようになる
- セールススキル:顧客に魅力的な提案ができるようになる
- マネジメントスキル:部下をマネジメントできるようになる
- メンバーシップ:正しく指示を理解できるようになる
- フォロワーシップ:上司との信頼関係を構築できるようになる
- リレーションシップ:職場の人間関係を良好にできるようになる
日常生活やビジネスにおいて、読解力や言語化能力は必要不可欠なもの。相手の糸を理解するのが苦手、伝えるのが苦手という人は、将来につながる自己投資として利用してみてはいかがでしょうか。