体験に参加すれば、実際に教室の様子がわかり、先生ともお話できます。とはいえ、習い事の体験について、細々とした疑問や迷いもあることでしょう。
今回の教育トピックでは、習い事の体験・見学に関する「よくある質問」に回答。「体験に参加してみたいけど、◯◯がわからない……」とためらっている皆さん、チェックしてみませんか?
習い事の体験・見学でよくある質問/よくある悩み
- 「入会するつもりはない」けど習い事の体験してもいい?
- 習い事の体験参加後の「断り方」
- 同じ教室の体験に何回も参加するのはあり?
- 体験や見学がない教室へ見学希望のメールの書き方
- 兄弟姉妹を連れていくには
- スポーツ系/芸術・音楽系の習い事「親の負担について」どう聞けばいい?
- プログラミングスクールはわからない!そもそも体験する教室選びができない
- 子どもが体験会に行くのを嫌がる
①「入会するつもりはない」けど習い事の体験してもいい?
結論から言えば、そもそも入会の意思がなかったとしても、体験してはいけない「理由」はありません。教室によっては「入会を前提としての体験会」もあるので、明記されている場合には避けましょう。一般的には「まずは体験してもらうこと」を目的としているので、体験だけのつもりでも参加は可能です。
次のように、わけて考えるとよいでしょう。
(1)入会させるつもりは全くないのなら行かない
経済的な事情などもあって、入会は絶対にしないと親が決めているのなら、体験会への参加はおすすめできません。なぜなら、子どもが体験して「すごく楽しかった、どうしても行きたい!」となっても、諦めさせるしかないからです。
(2)その習い事に行かせる予定ではないが習い事じたいは検討している
誘われた習い事に行かせるつもりはないとしても、何かしらの習い事を検討しているのであれば、ひとつの経験として体験会に参加してみてもいいのではないでしょうか。
子どもの興味がどこにあるかは、やってみるまでわかりません。ただ、お子さまには「今日はとりあえず体験だけで、他の習い事もいろいろ見てみようね」ときちんと話しておきましょう。
②習い事を体験した後の「断り方」が知りたい
習い事の体験会に参加したいのですが、断る可能性もあります。
断ることを考えると気まずい思いもあるし、どう断ったらいいのかもわからず、体験会に参加するのをためらってしまいます。
体験会は、言葉通り「体験すること」が目的です。もちろん教室側は入会を勧めるために行ってはいるのですが、体験して断るのもよくあることですから気にしていません。
具体的な場面をいくつか想定してお答えしましょう。
体験会のその場で入会をすすめられた場合には「すみません、他にもいくつか体験をする予定なので」と断りましょう。入会を決めた人たちが手続きなどで忙しくしているかもしれませんが、ご挨拶をすませたら、そのまま退室してもまったく問題ありません。
また、いったん自宅に戻って、お子さまや家族でよく検討してから「入会を決める」のもしごく当然のこと。ですから、その場で入会を決めなくても大丈夫です。
体験会では連絡先などを記入します。後から入会の意思について電話がきた場合には、はっきりと「うちの子とは合わないと思ったので、申し訳ありません」と明言しても構いません。
とはいえ、ちょっと言いづらいなと感じる方は、「他の習い事もあって日程が合わない」と無難な理由をつけて断る方法もあります。
いちばんよくないのは、「まだ迷っているので」「検討中です」とあいまいに答えてしまうこと。教室側はまだ勧誘の余地はあると考え、一定の期間を置いて再び連絡をしてきます。断る場合は理由を言うにしろ、言わないにしろ、「すみません、家族とも話し合ったのですが今回は見送りたいと思います」と意思を示すことが大切です。
③同じ教室の体験・レッスンに何回も参加してもいいの?
体験会は何度か参加してよいと公式サイトにも書かれています。本当に何回も参加していいのでしょうか?実際に何度も同じ教室の体験会に参加する方はいるのでしょうか?
たとえば教室側で「体験は3回まで行えます」となっていれば、もちろん3回参加することは可能です。
多くの体験会は、子どもが楽しめる工夫をしています。ですから初回は子どもも興奮してしまい、いきおいで「行きたい!行きたい!」となるのもよくあること。
その逆で、親としては良かったと思ったけど、初めての場所で緊張したり他の子が気になったりして、子どもの反応が今ひとつということもあるでしょう。そんな時にもう一度参加してみると、違う先生だったり、前の体験から緊張もほぐれたりして、「楽しかった」となることも、よくあります。
子どもの気持ちはけっこう簡単に変わるので、そうした意味では複数回、体験会に参加してみるのは悪くない方法です。
たまに「何度でもどうぞ」というのも見かけますが、たとえ回数に制限がなかったとしても、2回から3回で入会するかどうかの決断をしたいところです。複数回の体験可能なケースでは、「体験会には2回参加して決めた」パターンが多いです。
④習い事の見学・体験希望のメールの書き方
子どもが希望している教室は、体験会などは特に開催していないようです。問い合わせ先としてメールアドレスがあるのですが、見学希望のメールの書き方を教えてください。
問い合わせ先に、名前、子どもの年齢と、教室の見学または体験を希望している旨を書きましょう。
メールの場合、件名も大切です。他のメールに埋もれてしまわないように「◯◯教室の体験希望」「◯◯の見学を希望しています」など、わかりやすい件名をつけましょう。
(文例)電話での問い合わせも、基本的に上記の内容を伝えるようにしましょう。ほとんどの教室・スクールは、何らかの形で実際に教室やレッスンを見られるようにしてくれます。
はじめまして、◯◯と申します。小3の息子が教室に興味があるようなので、見学や体験をさせていただければと思い、ご連絡いたしました。もし見学や体験が可能でしたら、日時等も含めてご案内いただけると助かります。お手数おかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
ちらしや、教室の公式サイトなどに特に体験や見学のことが書かれていないから「無理」と決めつけずに、まずは連絡をしてみましょう。
⑤兄弟姉妹を連れていってもいい?
小2の長男がロボット教室の体験をしたいと言うのですが、下に4歳、1歳の子がいます。日中に子どもを預けられないので連れていきたいのですが、大丈夫でしょうか?
事前の問い合わせで、兄弟姉妹を連れていってもいいか聞いてみましょう。年齢によっては、まだ対象でなくても一緒に体験させてくれることもあります。
兄弟姉妹の年齢や、ベビーカーで行くなども伝えておくと安心です。
体験をするお子さまが集中できるよう、小さな玩具や折り紙、塗り絵、絵本、状況によってはスマホを利用するなど、下のお子さまがおとなしく過ごせるように準備していくといいですね。
外で行うスポーツ系の習い事では、場所によっては飲料など購入できない場合もあります。体験に参加する際に持ち物の指定があると思いますが、兄弟姉妹の暑さ/寒さ対策や飲料等も忘れずに用意していきましょう。
⑥体験会で「お手伝いや係」親の負担について聞きたい
長男はサッカー、下の娘はバレエを始めたいと言っています。スポーツは親の当番が多いと聞いているし、バレエの発表会では保護者全員がお手伝いと聞いたことがあり、気になっています。体験や見学時に、親の負担についてはどう聞いたらいいでしょうか?
習い事によっては親に負担がかかるケースも確かにあります。
スポーツ系習い事の体験や見学では、説明などをする担当者や指導者とお話をする時に、「親のお手伝いはどのようなことがありますか?」「お当番や、担当の係について教えていただけますか?」と具体的に聞いてみましょう。
発表会やイベント参加がある、ダンスや音楽系の習い事では、先生にストレートに聞きづらい場合もあるかもしれません。
できれば、すでに通っている先輩ママから情報を聞くのがベスト。希望している教室に知り合いがいなくても、「◯◯ってどうなのかしら?良さそうだけど、どれくらい親の出番があるのか知りたくて」と聞いてみると、誰かしらの知り合いにたどりつくのもよくあります。
最近は習い事に関する「親の負担」が注目されているので、すべてお任せでお手伝いがないことをメリットとしてアピールしている教室もあります。こうした教室は公式サイトで明記しているか、見学時に「発表会は年に1度だけで、衣裳費用などはかかりますが保護者の方のお手伝いはありません」と説明してくれるところがほとんどです。
逆に言えば、芸術や音楽関連をはじめ発表会があるような習い事で、特に説明がない場合には保護者のお手伝いを前提としているところが多いとも言えます。
⑦プログラミングスクールはわからない!?体験会選びに困惑
プログラミングやロボット教室に通わせたいのですが、STEM教育とか非認知能力とか、ちらしを見てもどんな力がつくのかよくわかりません。
水泳や塾のようになんとなく知っていることと違って、プログラミングスクールがどんなものかもわからないので、そもそも、どのスクールの体験会に行くべきかも判断できません。
確かに親世代が経験したことがない、身近ではない習い事に関しては、カリキュラムや内容を読んでもよくわからないことがありますね。
どの教室の体験会に行くべきか見当がつかない時は次のポイントで絞り込んでみましょう。
- 家から通いやすい範囲
- 予算内であるか
- 公式サイトやちらしの内容
プログラミングスクールに限りませんが、小学生であれば特別な理由がない限り、「通いやすさ」が「続けやすさ」につながります。徒歩圏内、親が送迎しやすい範囲内に絞って、まずは実際に通えるプログラミングスクールを見つけましょう。
次に受講費を確認し、予算から大幅に超えているものは外していきます。
残った教室の公式サイトを子どもと一緒に見て、興味を示すところがあれば候補にします。
プログラミングやロボット教室も多種多様です。親もわからない状態だと、最初に行ったところで「すごい!」と入会を決めがちですが、知らないからこそ「複数の教室を比較する」のがポイントです。
春休みや夏休み、土日祝日には、スクールはもちろん、自治体や大学などがプログラミングやロボットのワークショップを開催していることもあります。「プログラミングって、ロボットってどんな感じか」をまず親子で体験してみるのもおすすめです。
⑧子どもが習い事の体験会に行くのを嫌がる
何か習い事をさせたいと思って、いろいろ提案をしているのですが体験会に誘っても子どもが嫌がります。どうしたらいいでしょうか?
お子さまが「その習い事に興味がないから嫌なのか」それとも「知らない人ばかりの初めての場所に行くのが嫌なのか」、嫌な理由がわかると対処しやすくなります。
「なんで嫌なの?」と聞いても、子どもは口ごもるばかりです。
「テニスってかっこいいよね、あれ?あんまり興味ないのか〜、◯◯ちゃんは工作とか絵を描くことの方が好き?」と具体的に、二択のような問いかけをすると、子どもも答えやすくなります。好きなことがわかれば、好きなことに関連する習い事について、パンフレットを見せたり、公式サイトを一緒に見たりしてもいいですね。
特に低学年だと親から離れて体験するのを嫌がるケースも少なくありません。体験が嫌なら「ママ(パパ)と一緒に見てみる?」と見学をする方法もあります。体験会を開催している教室に「見学だけでもよいか」相談してみてください。
行く前から泣いて嫌がっているのなら、無理はしないことです。
まだ習い事のタイミングではないのかもしれません。子どもは学校で友だちがいろいろな習い事をしている話を聞いてきます。そのうちに自分から「やりたい」と言い出すのを待つスタンスでもいいのではないでしょうか。
習い事の無料体験/見学で見るべきポイントまとめ
体験や見学で見るべきポイント- わが子の様子
- 先生の指導
- 教室にいる他の子ども達の様子
- 教室の環境/スポーツ系では練習する場所
- アクセス
体験会もいろいろありますが、見るべきポイントは基本的に一緒です。
わが子の様子は言われるまでもなく、親なら見ていますね。子どもの性格や年齢によっては、初めての場所でなじめなかったり、緊張してしまったりするかもしれません。楽しそうな様子には見えなかった場合でも、自宅に戻って落ち着いてから子どもの気持ちを聞いてみてあげましょう。
体験会では、先生の指導法や声がけなども要チェック。ただし、体験会での先生が実際のレッスンや指導を行うとは限りません。特に子どもが先生が好きになって習い事をやりたいと思っているようなら、担当の先生かどうかも入会前に確認しておきましょう。
体験会に参加している子ども以外、教室全体の様子も観察してみましょう。教室はきちんと整頓されているか、清潔に保たれているかも見ておきたいポイントのひとつ。
そして実際に体験会の行き帰りに、自宅からのルートをしっかり確認しましょう。
体験や見学で聞くべきポイント
- カリキュラムやレッスン内容
- 指導方針
- お休みと振替などの制度について
- 受講費・初期費用や入会金など詳細な料金
- 交通手段(自転車通学はOKかなど)
体験会で保護者への説明や資料を見て、わからなかった点について、その場で聞くようにしましょう。振替の制度についても、しっかり聞いておきましょう。
スポーツ系なら揃える道具や親の手伝いの確認、芸術・音楽やダンスなど発表会や展覧会などがある場合は、その頻度やかかる費用、親のお手伝いについても聞けるようなら確認しておきたいところです。
英語やプログラミングなど教育系の習い事では、カリキュラムとステップアップのシステムについて不明点があれば遠慮なく質問してください。
習い事に通い始めてから、「思っていたのと違った」と後悔しないように、小さなことでも疑問を残さないようにしましょう。
質問に対する担当者・指導者の返答や対応が今ひとつなら、焦ってその場で決めずに、いったん帰宅して家族で話し合ったり、さらに教室の情報を収集したりしてから決めるほうが安心です。
いずれにしても、サイトやパンフレットを見ているだけではわからない、リアルな教室の様子がわかるのが体験会です。どのような習い事にせよ、どんどん体験会や見学会に参加してみることをおすすめします。
お友だちに習い事の体験会に誘われて、子どもが行きたがっています。でも、正直なところ入会させるつもりはないのですが、とりあえず体験だけさせるのはダメですか?