給料は上がらないのに値上げラッシュで育ち盛りの子どもを抱えていれば、「家計をひきしめるのが大変!」ですね。さて、ここで家計を見直そうとして気づくのが「子どもの習い事にかかるお金」です。
習い事は毎月の出費で、年間にすると大きな負担になっていることも……。そんな習い事の費用をどうにかうまく「やりくり」する方法はないのでしょうか?今回の教育トピックでは習い事を節約する方法と先輩ママ・パパの「体験談」をご紹介します。
習い事を節約する方法6選
「そもそも、習い事を始める前に家計を考えなきゃダメ!」と言われてしまいそうですが、実際にはそうスムーズにいかないこともあります。というわけで、すでに習い事をしている場合の「節約例」をご紹介します。習い事を節約する方法6選
- 回数や習い事の種類を減らす
- 親同士のお付き合いはほどほどに
- 雑費を抑える
- 体験会や安価なワークショップに参加する
- ボランティア的な習い事を活用する
- オンラインや通信教育に変更する
というわけで、実際に中身を見ていきましょう。
子どもの習い事を節約「回数や習い事の種類を減らす」
習い事の費用を抑える・節約をするのに最も効果的なのは習い事の数を厳選することです。
とはいえ、子どもに「やめなさい」というのは心苦しい……という方は、まずは「回数」を変えられるか検討してみましょう。
たとえば水泳なら、「週2回なら8,000円かかるけれど、週1回なら6,000円」なんて料金パターンのこともあります。回数を減らすのは比較的やりやすい改善策なので、可能な習い事ならココから手をつけるのがおすすめです。
が、実際には「週1回」と定められている習い事がほとんどで……。習い事を辞めさせるのは親として心苦しいところです。
「いずれ塾に通わせると考えると厳しい」
「収入は増えないし、下の子も入学したら習い事はやらせてあげたい、どうすれば?」
そんな場合は、複数ある習い事を整理して、どこかの区切りで辞めるよう計画をたてるのが良い方法です。
たとえば、
- スイミングは25メートルクロールで泳げるようになったらやめる
- 計算や漢字だけを学ぶ教室は小3になったら終わりにする
- 3つ以上の習い事があるなら「来年の○月(学年が切り替わる時がベスト)にふたつ」に絞る
子どもが中学・高校と進めば教育費も増えていきます。今すぐやめるのではなく、将来を考えて「いつやめるべきか」を早めに決めておき子どもとも話し合っておきましょう。
弟や妹がいるご家庭なら、上の子の習い事の区切りにあわせて、下の子の教室をスタートさせるように計画をたてておけば、家計に大きく響かずにすみます。
また、習い事によっては「なんとなく」続けてしまっているものがあるかもしれません。
一度、しっかり習い事の費用を書き出し、子どもの気持ちを確認しながらライフプランならぬ「習い事プラン」を作成して、無駄な時間やお金を使っていないかを確かめておくのは大切なことです。
子どもの習い事を節約「親の交際費はバカにならない出費」
習い事を通じた親同士のお付き合いも実はバカにならない出費がかさむことがあります。これは教育費というより「交際費」ですね。
付添いや送迎が必要な年齢だと、クラスが一緒になれば顔見知りになり、お茶でも飲みましょうということもあります。毎回のようにお茶をするとなると、交際費もけっこうな金額にのぼります。
コロナをきっかけに大勢での集まりはなくなったものの、感染対策が落ち着いてきた最近では、小グループ・短時間ながら「打ち上げが復活した」なんていう声も増えてきました。
それが楽しい交流であればいいのですが、義務的なお付き合いであれば無理をするのはやめておきましょう。あるいは出費を抑えたいのであれば、親同士や習い事関連で保護者参加の集まりは必要なものだけにして、その後の食事や飲み会は上手に断るのが節約のポイントです。
子どもの習い事を節約「月謝以外の雑費を抑える」
習い事をするためについてくる「さまざまな雑費」を削るのも節約方法のひとつ。
たとえば高学年になると、終わったあと「何か飲みたい、食べたい」と言われて毎回200円渡すといったことはありませんか?ちょっと面倒でも、水筒をもたせればすむことです。お腹がすくようなら行く前におにぎりを食べさせるとか、小袋のお菓子をもたせる方法もあるでしょう。
高学年になったら、自分で水筒を洗い、麦茶やお水を入れて持っていくことを教えましょう!中学生ならともかく、小学生から「買い食い」を当たり前にすると、実はなかなかの出費になります。
習い事によっては、用具やユニフォームの買い替えや楽器や道具の購入があります。ネットで中古を探したり、無料のものを探してみましょう。また、リサイクルショップも上手に利用しましょう。
日頃から「お下がりがあったらお願い!」と頼むのも手ですね。
子どもの習い事を節約「ワークショップの活用」
自治体や大学など教育機関によるワークショップ、博物館やスポーツチームが子供向けに開催する体験会も多くあります。
今の習い事に満足できなかったり、子ども同士の話題から「わたしもやってみたい」と言い出したら、まずは体験会やワークショップに参加してみましょう。
いろいろなワークショップに参加しながら子どもの特性を判断し、向き不向きを見極めることもできます。自治体のワークショップなどは夏休みは4回コースなど充実した内容も多く見受けられます。居住地の情報誌や公報、地域のホームページなどをチェックしてみるといいかもしれません。
たとえば諸事情で習い事をあきらめさせた場合でも、こうしたワークショップをこまめに探して参加させてあげることで「興味があることに触れてみる」機会は作れます。
子どもの習い事を節約「卒業生や親による団体/学校を利用した習い事」に変える
地域や学校にもよりますが、以下のような習い事は全体的に金額が低いことが多いです。
①保護者や卒業生の親による団体
スポーツ系に多いようですが、各小学校やエリアによって親が活動を支え、卒業生や地域のボランティアがコーチなどを務めている団体があります。
こうした団体の習い事は、費用が月額2,000円~3,000円といった低い設定になっています。団体の活動にどれだけ親が関与するのかは、それぞれ違いますが、親の協力は必須です。指導者は好意で子どもたちへの指導を行ってくれていることを理解した上で利用すれば、金額は大きく抑えられるでしょう。
スポ少(スポーツ少年団:地域運営によるスポーツ教室)や非営利団体による「習い事」は、いろいろと面倒な部分はあるかもしれません。しかし、考え方によります。
要するに「お金をかけてお任せする」か、「お金はあまりかけない分は保護者も指導や運営に参加して協力するか」です。どちらが良い悪いではなく、価値観と家計のバランスですから、保護者としてはよく考えたいところですね。
②学校で開催している習い事
学校の会議室や図書室を利用し、自治体やNPO団体等と連携した習い事もかなり月謝は低く抑えられています。どこにでもあるわけではありませんが、学校からのお便りや4月などに配られる会員募集のお知らせ・ポスター等を見逃さないようにしましょう。
子どもの習い事を節約「通信教育やオンライン学習と比較検討する」
最近ではいろいろな習い事が自宅でも学べるようになりました。通信教育やオンライン学習はものによっては通学する対面の習い事より費用が抑えられるケースが多くあります。
「プログラミングスクールは高い」という声も耳にしますが、実際にはどうでしょうか。
コエテコの記事では、プログラミングの習い事について「費用の目安」を次のように掲載しています。
子ども向けプログラミング教室の料金形態は?入会金・教材費・月謝の相場まとめ
小学校での必修化に向けて注目を集めるプログラミング教室。でも、気になるのが費用面ですよね。プログラミング教室の入会金・教材費・授業料(月謝)相場をまとめました。予算がキビシイ......場合におすすめの低価格スクールも紹介しています。
この記事をcoeteco.jp で読む >では、オンラインのプログラミング教室はどうでしょうか?一例としてD-SCHOOLオンラインの月謝を見てみましょう。
D-SCHOOL | 4,980円/月 |
対面教室とは確かに違う面はありますが、内容が薄いことはありません。
D-SCHOOLの場合、自分で学びたい動画をみながらチャレンジし、ライブ配信や他の子と交流でもできるイベントも多く開催されています。
オンライン受講の特徴は「本人に意欲があるかどうか」が重要なポイント。親が適切な声がけをし、子どものモチベーションを保つ努力は必要です。でも「ひとつの習い事に月々1万以上出すのはちょっと……」という方にとって、オンライン受講はハードルが低いのがメリットです。
いずれにしても、通信教育やオンライン受講は対面授業よりは、費用が安く抑えられている教室がほとんどなので、検討してみる価値はありますね。
下記記事では安いオンライン家庭教師の選び方なども解説しておりますので、参考にしてみてください。
オンライン家庭教師おすすめ12選【2024年最新版】安いのか解説
この記事ではおすすめの料金が安いオンライン家庭教師について、料金や授業形式、機器のレンタル、サポート体制などを分かりやすく一覧で比較しています。オンライン家庭教師の料金相場やメリット・デメリット、オンライン学習塾との違いなど、おすすめのオンライン家庭教師がすべてわかります。
この記事をcoeteco.jp で読む >習い事「お礼・付け届け・盆暮れのご挨拶」はできる範囲で
最近はだいぶ少なくなったようですが、個人レッスンや昔ながらの習い事では、お中元やお歳暮をお届けするとか、発表会後にはお礼を渡すといった「慣例」があるところも。本当に感謝の気持ちからお礼をしたくなるときもあるでしょうが、ただ慣例だからと苦しい家計から無理をする必要はあるのでしょうか?
地域色や長年の習慣もあるので難しいところですが、行うようであれば「できる範囲で」気持ちばかりの品でも充分だと思います。
ところで、こうした習慣が当たり前で暗黙の了解が通る習い事もあります。芸術系や一流の先生につくなど、一般的な習慣とは少し違う世界が広がる習い事もあることも、付け加えておきます。
小学生の習い事にかける費用はいくら?
少し古いのですが、文部科学省による「子どもの学習費調査の結果について」(2019年)では、学校外活動費が掲載されています。毎月かかる習い事の平均費用
公立小学校 | 214,451円 約18,000円/月 |
公立中学校 | 306,491円 約25,000円/月 |
学校外活動費とは、塾や習い事に支払った費用のことです。小学校で18,000円、高学年になると増える塾の費用によって底上げされていると考慮しても、おおむね12,000円〜15,000円が習い事の平均とみてもよさそうです。
しかし、家計はそれぞれの家庭によって違います。子どもの数や祖父母の援助などにもよるでしょう。
『先輩ママ・パパ教えて』習い事で無駄と感じたのは?どう節約した?
やめてみれば「必要ない」親の交流会で出費が減った
長女のチアリーディングは、親同士やコーチらとの「おつきあい」が大変だった。何かと飲み会があり、その都度、私はお酒は飲まないが飲み放題食べ放題で3,000円程度の会費がかかった。イベントへの参加も年に数回はあり、その後は親子参加の打ち上げで、参加費が5,000円程度。
多い時は月に1度あったコーチを囲む会はもとより、感染症で打ち上げなどの宴会がすべて中止になって、「こういうお金がかからなければすごい節約になる」とますます実感した。年に1回程度の交流会ならいいけど、基本的に必要なし!(Nさん)
習い事送迎ついでの「散財」を意識してやめたら節約になった
娘のバレエ教室は大きなショッピングモールにあって夕飯の買い物などできて便利は便利だったのですが、1時間の余裕があると思うとついつい子供服だの雑貨だのいらないものまで買ってしまっていた。習い事と関係ないけど、結果として無駄遣いしてたなと思う。下の子のときはスーパーの買い出し以外は、図書館で時間を過ごしたり、自分も運動と思って周囲を散歩したりとなるべく余計なお店は見ないようにしたら、結構、節約になった(Kさん)
合宿はお金がかかる!そろそろ卒業させたいのが本音
長男はサッカーチームに入会しています。毎年、夏に三泊四日の合宿があるのですが、宿泊費が3食込で6万くらい、プラスしてコーチ以外に大学生の子をアルバイトで頼みますし、安全のため、看護師も同行します。安心してお任せできるものの、つまりは10万近い出費に……。というのが、感染症によって中止になって、「うわ、合宿ないとお金が浮くなぁ」と改めて出費の大きさを実感しました。
さらに下の娘はネイティブの先生もいる英会話教室に行っていますが、こちらも夏に一泊二日「オールイングリッシュキャンプ」みたいなプチトリップがある。カヌー乗ったり、仮装パーティーあったりと非常に内容は面白く、娘は大喜びでしたし、「いい体験かな」とは思いましたが、これはこれで3万以上かかるんですよ。
私は派遣で働いていますが、しばらく次の仕事がなく家計が大ピンチだったので、子どもにとってはちょっとかわいそうですが(中止になって助かった)というのが本音。来年からは復活するようなのですが、夫のボーナスも減ることはあっても増えることはない今、こうしたイベントが盛んな習い事はそろそろ卒業させたいというのが正直な気持ちです(Mさん)
華やかな発表会がなくても感動は一緒!教室選びで出費は減らせる
ピアノが大好きで小さい頃から学んでいますが、最初に入った教室は年2回の発表会があり、その都度、大きなホールを借りて親の動員もすごかったし、祖父母やお友達を呼ぶのも当たり前(お友達から花束をもらう子がすごく多い)。女の子たちは毎回新しいドレスでヘアメイクさんもついて大騒ぎでした。さらに先生のリサイタルがあり、そちらのチケットも購入しなくてはならず、月謝以外にかかる費用にウンザリ。
そこで、小学校入学時にいろいろと調べて年配の方が行っている個人の小さな教室に変えました。発表会はありませんが、年に1回、先生のお宅で同年代の子たち数人が1曲ずつ、親の前で披露してくれます。これは無料で「お子さまの成長を見ていただきたいための会ですから、華美な服装などさせないでください」と先生からお達しもあり、保護者も普段着で、みんなの演奏を聞いて拍手喝采で和やかに終わります。
華やかな発表会が楽しみという方もいるでしょうが、こうした教室を選ぶのも節約はもちろんですが、「価値観が似た人」とも出会えるので、派手なことは苦手という親にとってもいいのではないでしょうか(Tさん)
本当に必要な教育費とは何か
習い事を始めて、半年程度で挫折してしまうこと。これが習い事で一番もったいないパターンです。本人が気に入って長く通えて何かしらが身につくこと・良い体験ができ本人の糧になることが習い事の目的なので、それが達成できなければ「無駄」になり、達成できれば結果として「お金を節約できた」とも考えられます。あるお母さんが「習い事は子どもの将来のためだから、親が我慢してでもやらせたい」と言っていました。もうひとりのお母さんは「生活は身の丈にあったものにすることで、子どもの金銭感覚も正しく育つと思う。うちはハッキリと習い事をいくつもさせられる余裕はないと伝え、習い事は基本として1つ、プラス塾のみ、と言ってある」とも。
考え方はさまざまですが、少なくとも各家庭で「わが家の習い事に関する方針」を、予算も含めてしっかり決めておきましょう。
習い事によっては親同士の交流が派手なところもあるみたい。無理して合わせても、お金はもとより、ストレスがたまるいっぽうです。親同士のお付き合いはほどほどに……