今回の教育トピックでは、今年やりたいこと・始めたいことの調査結果から、まずはコロナ禍を振り返ってみました。さらに各家庭での「アフターコロナのお楽しみ計画」や「やりたいこと」を取材、また春から子どもに始めさせたい習い事についても触れています。
テーマは「これまで と これから」。この先に少しでも楽しい明るい期待を抱けるように、ある家族が行った小さなアイデアも紹介します。
2021年みんなは何したい?何を始めたい?
まずはみんなが今年やりたいことや始めたいと思っていることから見ていきましょう。上記は博報堂が昨年2020年に行った調査結果です。オレンジ色が2021年「お金をかけたいこと」です。コロナ禍でお金をかけたくても出来なかった旅行や外食、レジャー、イベント、洋服などにまじって、2位の貯金から、老後の暮らし準備や投資など、お金そのものにまつわることも増えていますね。
【2021年 今年お金をかけたいことトップ3】
1位 | 旅行 |
2位 | 貯金 |
3位 | 外食 |
この資料では「2021年に始めたいこと」ランキングもありました。
【2021年 今年始めたいことトップ3】
1位 | 運動・筋トレ |
2位 | 貯蓄 |
3位 | 副業 |
今年お金をかけたいこと、始めたいことのトップ3を中心に、もう少し深掘りしていきましょう。
何したい?旅行や外食がしたい!
「何がしたいかわからない」「したいこと、やりたいこと、楽しいと思うことが見つからない」新型コロナウイルスが世界中に広まる前にはけっこう多かった声です。しかし、ステイホームに自粛と制限にしばられる日々が続く中で、当たり前にできていたことができなくなり、できていた時の楽しみが実はとても大きかったのだと改めて気づいた人も増えました。旅行や外食といった気分転換ができなくなったことは、大きいですね。今年こそ、旅行に行きたい、外食を楽しみたいと思うのも当然の結果でしょう。その中で少し意外だったのが、2位に入ってきた「貯金」です。
コロナ禍で「支出・貯金」への意識が高まっている
電通が行った日米の貯金に関する意識調査の結果です。コロナ禍によって支出に慎重になり、貯金への意識が高まっていることがわかります。貯蓄額も実際に増えているんですね。ただし、これは昨年の給付金によるものと旅行やレジャー、外食の自粛で支出が減ったことも影響しています。
「今年お金をかけたいこと」だけでなく「今年始めてみたいこと」でも貯蓄が2位にランクインしています。
これまで貯蓄に関心のなかった人も、貯金をしようと思っているわけです。どれだけ順調に見えている職業に就いていても「いつなんどき、給料が激減したり職を失うことがある」危機感を肌で感じ、貯蓄の重要性を実感した人も多いのではないでしょうか。
加えて始めたいことの3位が副業です。
在宅勤務が増え副業がしやすくなったこと、あるいは副業のためにスキルアップする時間ができたこともあり、本業とは別の仕事にチャレンジしようと思っている人が増えています。これもまた、収入アップや、本業がうまくいかなくなった時のための保険として、つまりはお金にも関連することですね。
今年始めたいこと1位は健康と体力維持
今年始めたいことの1位は運動と筋トレです。在宅勤務などで家で過ごす時間が増え、体重が増えた!と嘆いている人はいませんか? まさに私がそうですよ……。そして体力の低下を感じている人も多いでしょう。そりゃそうです、外出や通勤が減れば、単純に歩く量だけでも激減し、体を動かすことが減れば、知らずと体力が落ちていきます。人生最大の体重上げ幅に、もはや体重計にさえ、のらなくなりましたよ(涙)
そのためにはバランスの良い食事はもちろんですが、やはり運動も大事です。ウォーキングやジョギング関連のグッズも売れているようですが、手軽に始められる運動、また密にならずにできる運動が人気を集めていますね。
体力低下の自覚と共に、健康に対する意識も高まりました。今年始めたいこと、というよりも「やらなければならないこと」のひとつとして、体力・健康維持を強く感じているのでしょう。
そして○○が売れている!
運動や健康への関心度が高まるなかで、実は意外なものが売れているんですよ。こちらは2020年に売れたものランキングです。健康や運動に関連して注目したいのが、プロテイン粉末が売上を伸ばしたことです。
マスクや食品関係が売れたのはわかりますが、プロテインがトップ10入りしているとは! プロテインといえばボディビルダーやスポーツ選手が飲むものといったイメージが強かったわけですが、今は美容や体力増強のひとつとして誰でも気軽に飲むようになりました。
そういえば、コンビニなどでもプロテイン入り飲料やヨーグルトなどが売れていますね。
春から子どもに始めさせたい習い事は?
さて、では子どもにフォーカスしてみましょう。春といえば習い事をスタートするのにベストな時期です。そこで、保護者にとって関心の強い「習い事」についての調査結果を見てみましょう。2021年子どもに何の習い事をさせたいかのアンケート結果です。この調査では昨年2020年に話題になった子どもの習い事は、英語・英会話スクールとプログラミング教室がトップ2になっています。また、2021年に子どもに何の習い事をさせたい(させる予定)かでも、同じく英語・英会話とプログラミングが群を抜いて多くなっています。
これは英語とプログラミングが小学校から必修化になったことが影響していそうですね。GIGAスクール構想の実現が進み、子ども達が端末を利用した学習をスタートすることから、プログラミングへの関心度が非常に高くなっています。また、英語は以前から人気のある習い事のひとつでしたが、小学校での授業が本格化することやグローバル人材が当たり前になる将来に向けて英会話ができるのは必須という考えがあるのでしょう。
習い事は「興味をもっていること」なら、子どもにとっての新しい楽しみにもなることです。
子どもは友だちから聞いたり、テレビやネットで見たりして「やってみたい」と口にします。興味を示したことなら、体験会などを利用して、とにかく一度やらせてみてもいいかもしれません。習い事は合う・合わないもありますし、また子どもがやりたいこと全てを習わせられるわけでもありません。時間の都合もあるでしょう。
「わが家は習い事はひとり二つまで」「週に2日が限度」など、できる範囲を先に示した上で、子どもと話し合って、実際に体験させて感想を聞いてから最終的に決めましょう。習い事は子どもの生活に変化を与えますし、新しいことにチャレンジするのはワクワクする経験でもあります。でも嫌いなことを押し付けると嫌な思い出にもなりかねません。習い事を選ぶのは意外と難しいことです。
親が子どもに「やらせたい習い事」があるなら、無理強いするよりも「面白そう」と子どもが感じられるように勧めてあげたいところです。今度○○を始めるんだ!と子どもが友だちに言いたくなるような、楽しい期待感のある習い事があればベストですね。
コロナ後「何をしたい?何を始める?」みんなの意見
やはり旅行です。中学生になると部活も忙しく子どもも乗り気がしないとかで、家族旅行が盛り上がるのは小学生までだよ、と先輩ママから聞いて、なるべくたくさんお出かけしようと思っていました。
それがコロナ禍で子どもの貴重な1年はずっとステイホーム。コロナが収束したら、最近、息子が興味を持っているお城めぐりに行くつもり。今はお城の本を何冊も購入しお城めぐりツアープランを親子で練っています。
USJや富士急ハイランドとかレジャー施設に行く。ジェットコースターに乗って子どもと存分に大声で叫びたいです。絶対に行く!
娘の好きなアイドルのコンサートに一緒に行きたい。前に一度付添いでイヤイヤながらついていったが、久しぶりにライブで音楽を聴いたら感激してしまい自分もファンになってしまった。
動画では見ているけど、生の音、生の歌を子どもには全身で味わって感動してほしい。
自粛期間中、近くでやっていた公営の釣り堀に親子で行ったら思った以上にハマってしまった。今は道具を揃えて釣り番組見て勉強中。旅行がOKになったら、親子で船に乗り、大海原で釣りをしたい。
まずは外食。うちでは「今日は外食したつもり」で、かかるはずだったお金の一部を貯金箱に入れています。パパからも強制的に1,000円徴収。たぶん、けっこう貯まってると思うんですよね、開けるのが楽しみです。
それで高級焼き肉行こうか、子ども達の大好きな中華をゴージャスに食べるか、夫はステーキがいいとか、みんなでワイワイ言いながら計画中です。
長女がタブレットで「おいしい 高級 中華」で検索して店を探している真剣度の高さに思わず笑ってしまいました。さすが長女、しっかりしてます!
一番上の子の高校受験、いろいろコロナ禍で大変でした。そして受験に入学準備と想像以上にお金もかかった。
今年から教育費の積立額を増やします。だけど夫の職場は昇給もなく、ボーナスも30%減。現実的なことですみませんが、2021年は収入を増やし貯蓄を増やすために働き始めます!
ダイエットと体力アップのためにヨガか大人向けのバレエレッスンに通いたい。家事や子育て、家計のために働くこと以外に、自分のための時間、自分の体をメンテナンスする時間を作るのが今年、私がやりたいことです。
楽しいことの見つけ方「家族アンケートを実施」
電話で取材中に、面白い話を聞きました。小学校2年生と5年生の子がいる家庭です。
コロナがおさまり外出や外食がOKになったら“やりたいこと”を3つ書くアンケートをパパママも含めて全員が実施。その結果を発表し、さらにみんなで話し合いながら「コロナ後にすぐやる!トップ3」を決めて、子ども達がポスターを作り、トイレに貼りだしたそうです。
結果は以下の通りです。
1位:Bリーグ観戦
お子さんは二人ともミニバスケを習っていて、夢中になっているのだとか。プロのバスケ観戦で思いっきり応援したいそうです。
2位:観戦後に高級ホテルのおいしいバイキングでお腹いっぱい食べる
ビュッフェバイキングを希望した子ども達の意見に、ママが「高級ホテルの」をプラスしました♪
どうせ食べるなら、ホテルでゴージャスなバイキング!ママ、グッドジョブです!
海に行きたいお子さんたち、ことごとく提案を蹴られたパパが「絶対に温泉とマッサージは外せない!」と主張し続けたので、海辺の温泉に行く計画が採用されました。
興味がわいたので却下された「パパの提案」を聞いてみると、親子でジョギング(パパは休日ランナーさんです)し練習を重ねて家族で東京マラソンに出場する、と、富士山の登山だそうです。これについては子ども達に「別にパパひとりでチャレンジすればいいじゃん」と言われ、速攻、却下されたようです。とほほ顔のお父さん、目に浮かびます。
お母さんはといえば、トイレのポスター見るたびに「楽しい計画を実行するには財源が必要……」と思うそうです。「だから今年の1月から、毎月5,000円ずつ積立してるのよ」と言っていましたが、家計を預かる人は現実も見ていますね!
思い出はプライスレスとはいえ、実際には何をするにもお金が必要なことがほとんどです。そう考えると「2021年始めたいこと」に貯金がランクインしてくるのも納得です。
あなたのオウチではどんな計画ができあがるでしょう。次のお休みの日にでも家族でアンケート調査してみませんか?
みんな自粛疲れしているからこそ「やりたいこと計画」を!
2021年、新型コロナウイルスは収束を迎えるのでしょうか。安心して過ごせるまでまだまだ時間がかかるかもしれません。ワクチンや予防対策でおさまったとしても、感染症や災害といった不安は絶えずあります。また危機意識を忘れずにいることも大切です。と同時に、それでも私たちは楽しく過ごそうとする気持ちを持っていたいですね。
特に子育てでは親の不安は鏡のように子どもに反射されるもの。家庭の中でどんよりとした重い空気が床を這うように広がっていけば、家族から笑顔が消え、時にはギスギスとした言葉遣いにもなり、つまらないケンカばかりが増えてしまいます。
先の見えないトンネルの中で、抜け出した先にある小さな楽しみを思い描いて、子どもに「きっともっといいことがある」と期待や希望を持たせてあげたいですね。その一歩として、家にいながらにして楽しい計画をたててみませんか。
コロナ禍で収入と支出、貯蓄と、お金のことを改めて考えるようになったってことですね。