「完全独学で2年」17歳のグラフィックデザイナーが、デザインをビジネスにするまで

「完全独学で2年」17歳のグラフィックデザイナーが、デザインをビジネスにするまで
グラフィックデザイナー」と聞いて、どんな仕事を思い浮かべるでしょうか? パソコンでイラストを描く人? ポスターをつくる人? ホームページの画像をデザインする人…?

グラフィックデザイナーは2021年「人気職業ランキング」にもランクインしていますが、具体的にどんなことをするのか、どうやったらなれるのかは知らない人がほとんどです。

17歳のコンドウハルキさんは、グラフィックデザイナー(デザイナー)としてバーの看板やSNSプロフィールを手がける“高校生クリエイター”で、なんと平均月収は約50万円にも及ぶそう。近々デザインスクールも開講予定だそうで、若くして活動の場を広げています。

コンドウさんはなぜグラフィックデザインに興味をもち、どのようにして現在のレベルにたどり着いたのでしょうか? 母親の英恵(はなえ)さんとのエピソードも交え、赤裸々に語ってもらいました。

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N高に通いながらグラフィックデザイナーとしても活躍

コンドウさんは、「学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校」に在学中の高校2年生。N高は、株式会社ドワンゴの夏野代表やスタジオジブリの鈴木代表が理事をつとめる新しい高校で、授業は基本的にオンラインです。コンドウさんは、1日の多くを大好きなデザインの仕事に充てられています。

(過去にコエテコが株式会社ドワンゴ代表 夏野氏に行ったインタビュー記事。N中等部の入学セレモニーの様子も)

株式会社ドワンゴ代表取締役社長 夏野剛 | 「日本史よりプログラミング」の真意とは

プログラミング教育の必修化を前にスクールの数が増えてきたものの、学習効果がわかりにくいと感じる保護者も多いのでは。今回は株式会社ドワンゴ代表取締役社長・夏野剛氏にインタビューし、ドワンゴのプログラミングスクール『Nepps』のビジョンを語っていただきました。

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現在は、大学での講演資料やSNSのプロフィール、サムネイルやフォトコラージュを中心に手がけるコンドウさん。直近では、六本木の会員制シーシャバー「FIXER」の看板とメニューデザインも担当しました。

引用元:高校生クリエイター コンドウハルキ


グラフィックデザイナーは「Webデザイナー」と混同しがちですが、WebデザイナーがおもにWebサイトの構成やデザインを担うのに対し、Photoshop(フォトショップ)Illustrator(イラストレーター)といったデザインソフトで紙媒体のデザインも行います。

「ひとくちにデザイナーと言ってもさまざまで、たとえば建築デザイナーなら建物の設計、ファッションデザイナーなら服のデザインを考えますよね。ぼくは名刺や広告バナー、ロゴなども担当しているので、グラフィックデザイナー(デザイナー)です」

「デザインの本質はビジュアルを形づくることではなく、目的に向かって試行錯誤を重ねること」だと話すコンドウさんは、そのヒアリング力を評価されることが多いといいます。

中1でグラフィックデザインに触れ、中2で本気になる

幼少期から絵を描くことや工作が好きだったコンドウさん。もちろんYouTubeも大好きで、小学生時代は人気YouTuberの『はじめしゃちょー』に憧れていたそうです。

最初の転機は中学1年生の夏休み。コンドウさんは、留学カウンセラーとして働く母・英恵さんが企画した「セブ島ITジュニアキャンプ 」に参加し、フィリピン人の講師からPhotoshopとIllustrator、プログラミングの基礎を教わります。

2週間のキャンプでデザインとITの楽しさに触れたコンドウさんは、帰国してからもPhotoshopとIllustratorを勉強。一方で、一人きりではわからないことも多く、次第にデザインソフトからは遠ざかりました。

ところが1年後の中学2年生の夏、あるYouTube動画に出会ったことで、コンドウさんの創作意欲が花開きます。「クリエイティブ系Youtuberの『パパさん』の動画を観た瞬間、『これすげぇ』って、純粋に創作意欲がわいたんです」


「小さな子どもが積み木を積み上げるときのように、純粋に『やってみたい』という気持ちで、再びPhotoshopとIllustratorの勉強を始めました。たとえばSNS上では、クリエイターさんの作品がいろいろな理論や想いとともにシェアされて絶賛されていることも多いですが、ぼくの場合はそんなに難しいものではなく、単純な創作意欲です」

完全に独学でグラフィックデザインを習得。2年間の試行錯誤

パパさんの動画が「ぼくの原点」だと話すコンドウさんは、徐々にスキルを磨き、このようなフォトコラージュや……

引用元:高校生クリエイター コンドウハルキ


大学での講演資料にまで、仕事の幅を広げていきます。

引用元:高校生クリエイター コンドウハルキ


「2年かかりました。というのも、ぼくは完全に独学だったんです。YouTubeを観たり本を読んだり、Webサイトを調べたりして、『わかんねー』と思いながら考えて…を繰り返していたので。もし今ぼくが小学生の子どもたちに教えるとなれば、半年もかからずに習得させてあげられる自信はあります(笑)」

コンドウさんが読んで参考にしてきた本は、筒井美希さんの『なるほどデザイン〈目で見て楽しむ新しいデザインの本。〉』や前田高志さんの『勝てるデザイン』。

一方、はじめから難しいデザインソフトに手を出すと挫折しやすいので、子どもの場合はとくに、iPadの簡易版PhotoshopやIllustrator、スマートフォンの画像加工アプリでデザインに触れるのもおすすめだそうです。

1000円→5万円に単価アップ、転換点はある人の言葉

このように語るコンドウさんですが、デザインで収入を得るまでには、かなり試行錯誤したといいます。

「最初はスキルシェアサービスの『ココナラ』で、画像加工を1,000円で販売していたのですが、ほとんど依頼が来ず。ひたすら自分で営業していました。そんなある日、Twitterヘッダーを売り込んでみたら、こんなご指摘をいただいて。いわく、『価値の魅せ方、間違ってるんじゃない?』と。どういうことか分からず、真意をお伺いすると、、『Twitterのヘッダーを依頼する人は、Twitterのヘッダーが欲しいわけじゃない』と言われたんです」

引用元:高校生クリエイター コンドウハルキ


「それを聞いても、ぼくの中で謎は深まるばかり。しばらく考えてもやっぱりわからず、もう一度、どういうことなのか伺ったんです。すると『Twitterのヘッダーを依頼する人は、べつにヘッダーが欲しいわけではなくて、その奥に“Twitterを伸ばしたい”という需要がある。そこを解決するような提案ができれば、単価をもっと高く設定できるし、仕事も増えるんじゃないの?』と。それまでのぼくは、ビジュアルの良さばかりをアピールしていたのですが、依頼者側からすると、いくら見た目が良くとも、結果につながらなければ意味がないんですよね」

この出来事を機に、単価を2万円に上げたというコンドウさん。

「当時のフォロワーは1,500人ほどで、今(8,100人)よりも少なかったのですが、Twitterを伸ばすためのアドバイスをメインで提供して、ヘッダーというビジュアルはあくまでも付加価値にしたんです。この方向転換は、今でも『デザインの本質はビジュアルを作ることじゃない』というぼくの信念につながっています」

現在は、「Twitterヘッダー+Twitterアイコン+Twitterプロフィール文の作成」で5万円。現在も依頼は増え続け、一人では手が回らないため、チームで作業を分担することもあるそうです。

グラフィックデザインは知識。独学で良いものを見てセンスを磨く

さて、コンドウさんのようにグラフィックデザインを仕事にするには、やはりそれなりのセンスが必要なのでしょうか。返ってきたのは、意外な答えでした。

デザインに必要なスキルって、『改善する力』と『改善点を見つける力』の2つだけだとぼくは思うんです。しかも、このうち『改善する力』は、センスではなく知識の問題。じつは、デザインってある程度“型”が決まっているんです。たとえば『4大原則』といわれる一定の基準を満たせば、ある程度良いデザインになる。そういう意味では、センスの有無に関係なく、誰でも身につけられるスキルだと思います。

一方で、2つ目の『改善点を見つける力』については、確かにセンスの力も大きいです。でも、生まれもった才能がなければ通用しないのかと言われれば、そんなことはない。だれもが磨こうと思えば磨けるスキルです」

では、センスを磨くには?コンドウさんの答えは、「とにかく良いデザインを見ること」。たとえば、大企業のロゴと自分のデザインを見比べてみたり、Pinterest(ピンタレスト。気に入った画像をブックマークできるSNS)で好きなジャンルのデザインを探してみたり。

「自分が良いと思ったデザインと比べて、見劣りしないかを考えるんです。良いデザインには『良い理由』が絶対に隠されているので、それに目を凝らして、自分のどこが良くないのかを見つける力を磨くのが大事だと思います」

写真提供:コンドウハルキさん

「みんな違って当たり前」フィリピン生活がくれたもの

失敗しては考え、また立ち上がることを繰り返してきたコンドウさん。精神的に強くなれたのは、過去の留学経験の影響もあると言います。というのも、コンドウさんは小学1年生から4年生まで、母親の英恵さんの仕事の関係でフィリピンに住んでいたのです。

フィリピンでは「みんな違ってあたり前」が普通で、たとえば、銀行の窓口で女性の恰好をした男性が受付をしている…といった光景も日常的。日本のように「人になにか言われるのが怖いから、やらない」といった風潮はなく、そこで得た価値観が今に生きているといいます。また、英恵さんの教育についても、「『なにかつくりたい』と思ったときにすぐにつくれる環境や、『つくりたい』気持ちを否定しない姿勢。ぼくの家には、そういうところがあった」と教えてくれました。

英恵さんは、これまでの子育てについてこう話します。

「私自身、子どもの『生きる力』を鍛えることと、得意分野を徹底的に伸ばすことは意識してきましたね。そのために親ができることは、『環境づくり』しかないと思っていて。子どもの興味・関心がありそうな分野には目を光らせておいて、先手先手で、すぐに取り組める環境だけは用意していました。

あとは、息子がなにかに挑戦しようとして勇気が足りずに躊躇(ちゅうちょ)していたら、『一緒にやってみようよ!』『ママと対決しよう!』と声をかけて、一緒に挑戦してきました」

これまで英検や空手、動画編集など、さまざまな親子対決をしたと笑う英恵さん。じつは、前述の「セブ島ITジュニアキャンプ」では、コンドウさんが興味をもったらすぐに始められるようMacBookAirを買っておいたのだそうです。

あくまでもサポート役に徹し、ここぞというときには明るく手を差し伸べる。コンドウさんが力を伸ばせたのは、英恵さんのこうした姿勢も大きいのだと、改めて実感しました。

目指すフィールドをずらすだけで、世界は変わる

これからグラフィックデザイナーを志す人が、目指すべきフィールドはどこなのか。最後にコンドウさんが、貴重な意見を語ってくれました。

「ビジュアルをつくる技術は、美大や芸大卒の方に敵うわけはないんです。ただそういう方達って職人気質なところがあって、造形としてはものすごく良いものをつくれたとしても、ビジネスにおける『目的』に向かっていないことも多くて。そこのポジションががら空きだと、ぼくは思っています」

座右の銘は、「行動すれば、人生ヌルゲー」。少年らしいやんちゃさと、17歳とは思えない鋭い思考力を兼ね備えたコンドウさんの未来の活躍が、今から楽しみです。

コンドウハルキ | 高校生クリエイター:Twitter(@halukik_0520
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