「小学校の英語が必修化したので、子どもの英語力を伸ばしたい」「子どもには、世界を舞台に活躍してほしい」という親の願いを背景に、手軽に始められるオンライン英会話の習い事が注目されています。オンライン英会話は、パソコンやタブレット端末1台でレッスンを受けることができ、教室への送り迎えが不要なことが大きなメリットです。この記事では、小学生向けのオンライン英会話サービスの料金や特徴、選ぶ際のポイントを解説します。
小学生向けオンライン英会話とは?
小学生向けオンライン英会話とは、絵本やゲームなど、子ども向けの教材をレッスンに取り入れた英語教育のことを指します。特徴をそれぞれ紹介していきます。送迎不要・低価格で英会話ができる
子どもに英会話教室に通わせたい場合、親にとって特に大きな負担となるのが「送迎」と「授業費」です。共働きの家庭も増え、レッスンの時間帯に送り迎えをすることが難しいケースもあると思います。特に地方在住の場合、「家の近所に塾や教室がない」「交通の便が悪い」などの理由で、教室までの送迎が往復1~2時間かかってしまうことも。オンライン英会話は送迎不要なため、手軽に英語学習ができるメリットがあります。
また、オンライン英会話の場合、教室を持たない分、価格が抑えられているのが特徴です。一般的に、教室学習で週1回のレッスンを受ける場合は月額5000円から1万円程度です。一方、オンライン英会話は毎日1回レッスンを受けても月額5000~7000円程度です。
サービスによっては、家族単位の料金設定で申し込めることができます。アカウントを家族と一緒に共有することで、レッスン回数を親やきょうだいで分け合うことができ、一人ずつに料金が発生する教室学習と比べて授業費を抑えることが可能です。
英語必修化で注目が集まる
2020年度から始まった小学校の「英語必須化」の影響を受けて、保護者の間で英語学習への関心が高まっています。英語必修化の主な狙いは、グローバル化に対応した教育環境づくりにあります。小学生のうちから英語によるコミュニケーション能力を伸ばし、中学校の英語学習にスムーズにつなげることを目指しています。英語が必修化されたことで、子どもが授業についていけるか心配な保護者が、英語に親しんでもらうためのきっかけづくりとしてオンライン英会話を子どもに薦めるケースがあります。
英検・受験の対策にも役立つ
子どもの中には、英検や中学受験の対策を目的にオンライン英会話を始めるケースもあります。2019年度の小学生以下の英検志願者数(英検IBAと英検ジュニア含む)は約40万9000人。2015年度の志願者数は約35万7000人でしたが、2018年度には約41万5000人まで伸び、小学生にとっても身近な試験となっています。
英検3級からは2次試験(面接)が導入されます。小学生のうちに3級以上を取得したい場合は、2次試験対策に特化したレッスンがあるオンライン英会話サービスを活用するのもよいでしょう。
小学生向けオンライン英会話の選び方・ポイント
ここからはオンライン英会話サービスの選び方のポイントを解説します。より効果的で、お得に利用するために押さえておくべきポイントをみていきましょう。1アカウントを家族と一緒に使えるか
たとえば子ども向けオンライン英会話サービス「リップルキッズパーク」や「クラウティ」では、ひとつのアカウントをきょうだいや親と共有しながら、サービスを利用することができます。きょうだいで1人ずつアカウントを取得し、個々に料金を支払うよりも、ひとつのアカウントを共用する方が費用を抑えられる可能性があります。特に子どもが英語学習に乗り気ではない場合、最初のうちは「親も一緒に勉強すること」も大切です。子どもにだけ学習を強いていると、子どもは「強制されている」と思い、学ぶ意欲が低下することも。子どもが楽しみながら学習できる環境を整えるためにも、家族と一緒に受講できるオンライン英会話サービスを検討してみるのも良いでしょう。
子どもが興味を持つトピックが教材に含まれているか
絵本の読み聞かせや間違い探し、フラッシュカードを使ったレッスンなど、子どもが親しみやすいレッスン内容になっているのかを確認することも重要です。レッスン内容を重視してオンライン英会話を選ぶ場合、「子どもの性格」との相性を考えることが大事です。他の子どもと一緒に楽しんで学習する子どもの場合は、グループレッスン形式の英会話を検討するのもよいでしょう。また、自分の興味のあることを深掘りする子どもには、マンツーマンレッスンを選んでみることをおすすめします。
教材の充実性を事前に確認することも同様に大切です。実績が多い英会話教材を使って学習したいのか。発音と文字を結びつけて英語を学ぶ「フォニックス」や、講師の質問に英語で答える「カランメソッド」などの学習法を導入している英会話サービスを選びたいのか。子どもにあった基準を設けましょう。
日本人講師も在籍しているか
多くの場合、子どもにとってオンライン英会話は「初めて外国人と英語で話す機会」になります。聞いたこともない言語を話す講師とコミュニケーションをとるのを嫌がったり、緊張して泣いたりする子もいるかもしれません。なかなかレッスンが進まないということもありえます。こうした場合、子どもが英会話に慣れるまでは日本語を話せる講師とのレッスンを検討するのもよいでしょう。日本語でのレッスン対応が可能か、事前に確認しておきましょう。
ハイレベルなレッスンもあるか
中学受験やインターナショナルスクールへの進学を検討している場合には、ハイレベルなレッスンの受講を検討してみてください。社会人向けのコースがあるオンライン英会話を選んで、徐々にレッスンのレベルを上げていきましょう。
小学生向けオンライン英会話おすすめ6選
これまで解説してきた基準に沿って、代表的な子ども向けオンライン英会話サービス6つを紹介します。下記の表については、各サービスのサイトで確認できる内容をもとに作成しました。最新情報は各サイトを確認してください。サービス名 | 月額料金 | アカウント共有 |
クラウティ | 4500円 (1日1回) |
可 |
ネイティブキャンプ | 6480円 (制限なし) |
ファミリープラン加入で可 |
GLOBAL CROWN for Group | 4980円 (週1回) |
不可 |
産経オンライン英会話Plus | 4620円 (月10回) |
可 |
hanaso kids(ハナソキッズ) | 3080円 (週1回) |
不可 |
リップルキッズパーク | 2838円 (週1回) |
可 |
ネイティブキャンプ
24時間365日受講できるオンライン英会話サービスです。レッスンは独自システムを使用。「週に1回まで」「1日1回まで」とレッスン回数が決まっているオンライン英会話が多い中、無制限にレッスンを受講できるのが大きな特徴です。
オリジナル教材と出版社向け教材を用意。英語の質問に英語で応答する徹底反復型の学習法「カランメソッド」やフォニックスにも対応しています。TOEIC®L&R TEST対策や英検の2次試験の面接対策などにも力を入れています。家族でアカウントを共用する場合は、「ファミリープラン」(月額1980円)に別途加入する必要があり、2親等まで利用できます。
月額料金:6480円 制限なし・プレミアムプラン
アカウントの共用:ファミリープラン加入で2親等まで可
講師:多国籍の講師、日本人
クラウティ
クラウティは1つのアカウントで家族最大6人まで利用できるお得な学習プランが特徴の、オンライン英会話です。幼児~小学生向けは、絵本の読み聞かせや簡単な間違い探しなど。教材は学研が制作しています。
1つのアカウントで家族最大6人まで利用できます。幼児~小学生向けは、絵本の読み聞かせや簡単な間違い探しなど。教材は学研が制作しています。レッスンは独自システムで受講。また、授業費の支払いもひとつのアカウントで完結できるため、支払いがシンプルです。講師はフィリピン人で、厳しい採用基準を突破した講師のみ採用しています。
月額料金:4500円(税抜き) 1日1回・プラン30
アカウントの共用:1家族6人まで
講師:フィリピン人
GLOBAL CROWN for Group(グローバル・クラウン・フォー・ グループ)
GLOBAL CROWN for Groupは、6~12歳を対象としたオンライン英会話。オンライン英会話としてはめずらしく、3〜5人のグループレッスン型。他の子どもと触れ合えるのがメリットで、英語力に加え、社交性や競争心を伸ばすことができます。6~12歳を対象としたオンライン英会話。オンライン英会話としてはめずらしく、3〜5人のグループレッスン型。他の子どもと触れ合えるのがメリットで、英語力に加え、社交性や競争心を伸ばすことができます。
レッスンは毎週決まった曜日・時間に開かれます。日時が固定されているため、子どもにとって学習を習慣化しやすい仕組みといえるでしょう。ただし、2020年10月時点では受講可能な曜日は火曜日から金曜日に限られているため要注意。レッスンの対応端末は、iPadとiPhone。Androidは未対応のため、Androidユーザーの方は端末の購入、もしくはレンタルを検討する必要があります。
月額料金:4980円(税込み)週1回
アカウントの共用:不可
講師:日英バイリンガル
産経オンライン英会話Plus
産経オンライン英会話Plusのプランは大きく分けて「チケット制」と「コイン制」の2種類。「チケット制」は、希望のレッスン回数分のチケットをまとめて購入し有効期限内に消化するプラン。「コイン制」は、家族と一つのプランを分け合ってコインを消化するプランです。1レッスン25分。フィリピン人講師、日本人講師、英語圏ネイティブ講師、キッズ専用の講師がいて、講師ごとに1レッスン当たりのコイン数が異なります。月内で使い切れなかったコインは翌月に繰り越しできます。
また、1人の受講料で、親子、夫婦、きょうだい最大6人までコインのシェアが可能。たとえば父親が週2回ビジネス英語、母親が英会話、小学生の子がキッズレッスン、中学生のきょうだいが英検対策など、家族の状況に合わせて多様な組み合わせで受講することができます。
月額料金:■チケット受講 11880円~(週1回、12回分~)■コイン受講 4620円/200コイン~(キッズレッスンには90コイン/1回が必要です)
アカウントの共用:不可
講師:多国籍の講師
hanaso kids(ハナソキッズ)
hanaso kids(ハナソキッズ)の魅力は、価格の安さ。週1回1コマ(25分)なら月3080円。回数はニーズに応じてさまざまなプランがあり、週1~2回、または月4、8、12、16回に設定できます。ハナソキッズの講師陣は全てフィリピン人。有名大学の現役学生や卒業生が中心で、子ども向けの対応が得意な人材がそろっています。講師たちは全員、あらかじめ初歩的な日本語や子ども向けレッスンの研修を受けているので、意味がわからないときは、片言の日本語で助け舟を出してくれます。
講師を選ぶ時は、画面上でプロフィールを見たり、生徒からの5段階評価を確認することもできます。レッスン時間枠は8:00~24:55まで自由に設定OK。時間は1コマ25分。講師を選んでスケジュール表を開き、空いているコマから予約します。
月額料金:月額 3080円(週1回レッスン)~9240円(月16回レッスン)
アカウントの共用:不可
講師:国籍の記載なし
リップルキッズパーク
3~18歳までを対象とした子ども専門オンライン英会話。レッスンはZoom(ズーム)とスカイプで行います。ひとつのアカウントを家族でシェアすることも可能。歌やゲームなどを活用した「子ども特化型」ならではの楽しさを重視したカリキュラムが特徴です。英検対策にも対応しています。月額料金:2,838円(週1回)
アカウントの共用:可
講師:フィリピン人
子ども向けオンライン英会話のよくある質問・Q&A
子ども向けオンライン英会話の選び方や必要な機材などについて、よくある質問をまとめました。教室学習とオンライン学習、子どもに向いているのはどっち?
教室学習・オンライン学習にはそれぞれメリットがあります。それらを踏まえた上で「自分の子どもの性格」に合った学習スタイルを探してみることが大切です。教室学習の場合、他の子どもたちと一緒に運動やゲームをしながら英語を学ぶといった経験ができるのがメリットです。「聞く」「話す」だけでなく、全身を使いながら学べるため、運動好きの子どもにおすすめです。
一方、オンライン学習は講師とのマンツーマン学習で学ぶことが多いです。個々のレベルにあったオーダーメイドに近いレッスンになるので、子どもの興味・関心に寄り添った内容となります。自分の興味のあることをどんどん深く勉強したいというタイプの子どもに向いた学習の形式です。また、家ですぐに受講できる点もメリット。「教室に行くまでの移動で疲れてしまう」といったことがなく、子どもにとっても学習が続けやすいです。
オンライン英会話を始める前に事前学習は必要?
オンライン英会話を始める前の学習については、子どもが望む場合はするべきですが、必ずしも必要ではありません。まずは各サービスの無料体験レッスンを受講し、子どものレベルにあったレッスンを探してみることをおすすめします。オンライン英会話を始める時に必要な機材は何?
大きく分けると、3つの機材が必要です。- パソコン・スマホ・タブレットなど通信端末
- スカイプ・ズーム・専用アプリなどビデオ通話アプリ
- ヘッドセット・WEBカメラ
ヘッドホンとマイクがセットになった「ヘッドセット」と、WEBカメラも必要になってくる場合があります。近年では多くのパソコンにマイクとWEBカメラが搭載されています。しかし、古いパソコンを利用している場合はいずれも非搭載で、通話ができないことがあります。また、マイクの性能が低いと、音声トラブルが生じることもあります。各オンライン英会話の無料体験レッスンで、自身のパソコン環境も併せて確かめ、必要に応じて機材を買い足すことを検討しましょう。
よりハイレベルな英会話を習わせたいときは何をすべき?
外国人講師とスムーズに会話ができるレベルに達したら、「国籍ごとの訛り」を聞き取ることができるように、リスニング力を高めていくことをおすすめします。世界各国の講師がそろうオンライン英会話サービスもあります。アメリカ人講師とセルビア人講師とフィリピン人講師でイントネーションが異なり、こうした国籍ごとの訛りに慣れて聞き取れるようになっていくことも実用レベルでは大切です。よって様々な国籍の講師と話す経験を積んでいきましょう。そして、さらにレベルを高めたい場合は短期留学やインターナショナルスクールへの進学も検討すると良いでしょう。