特に女性や、30歳前後で異業種への挑戦となると、一歩を踏み出す勇気がいりますよね。
今回は、理化学機器メーカーの営業・製造から、30歳・未経験でエンジニアに転職したIさん(女性)にお話を伺いました。
独学の挫折からプログラミングスクールへ、転職支援を活用して5社の応募から2社の内定を得るまで、異業種の経験を武器に変えた挑戦のリアルに迫ります。
あわせて、メーカーからの転職先にはどんな選択肢があるのか、異業種から未経験でIT職へ移った5人の実データとともに整理しました。
「異業種からの転職は遅れではなく、むしろ武器になる」と語るIさんの言葉には、次の一歩のヒントが詰まっています。
メーカーから未経験でエンジニアを目指すあなたを、そっと後押しする体験談です。
- 1. メーカーからの転職先は?「難しい」と言われる理由
- 2. 異業種から未経験でIT職に転職した5人の実データ
- 3. メーカー営業・製造から、女性が未経験でエンジニアを目指したきっかけ
- 4. メーカーからの転職の不安|30歳・女性が未経験エンジニアを決めるまで
- 5. 30歳・女性が未経験からエンジニアを目指すときに知っておきたいこと
- 6. 独学挫折からプログラミングスクールへ|選び方と転職支援の活用
- 7. メーカーから未経験でエンジニアに転職した結果|年収・働き方のリアル
- 8. メーカーから未経験でエンジニアに転職する5ステップ
- 9. メーカーなど異業種から未経験でエンジニアを目指す人へ
- 10. メーカーから転職際によくある質問
メーカーからの転職先は?「難しい」と言われる理由

メーカーからの転職先は大きく4つに分かれますが、業界や職種を同時に変える場合は難易度が高まる傾向にあります。
メーカーからの主な転職先は4つの方向に分かれる
| 転職先の方向 | 特徴と活かせる経験 |
|---|---|
| 同業・異業界の別メーカー | 職種は変えずに働く環境だけを変えるため、即戦力として評価されやすい |
| 商社や販売代理店 | メーカーで培った製品知識や業界の商習慣をそのまま活かせる |
| IT・SaaS業界 | 技術営業やカスタマーサクセスのほか、未経験からエンジニアを目指す人も多い |
| コンサル・技術系専門職 | 特定の分野で深い専門性を持っている場合、その知見を活かしてキャリアアップを図れる |
分かれ目になるのは「業界」と「職種」のどちらを変えるかです。
職種を変えずに業界だけを移る、あるいは業界を変えずに職種だけを移る場合は、片方の経験がそのまま説明材料になります。
業界と職種を同時に変えると、説明材料が一度に両方なくなります。
この記事で取材したIさんが選んだのは、まさにその同時に変えるルートでした。
理化学機器メーカーの営業・製造から、IT業界のエンジニアへ。
そのぶん、事前に約12ヶ月かけて学ぶという前提条件がついています。
「メーカーからの転職は難しい」と言われる3つの理由
| 難しいと言われる理由 | 選考で不利になりやすい背景 |
|---|---|
| 業務の分業化 | 大きなメーカーほど組織が細分化されており、個人の担当業務範囲が狭くなりがちで成果をアピールしにくい |
| 個人の成果が見えにくい | 売上が製品の魅力や長年の取引関係に支えられており、「自分の実力か、会社の看板か」を切り分けにくい |
| 待遇面でのギャップ | 住宅補助などの福利厚生が手厚く、転職先で額面が同じでも手当が減ることで実質的な生活水準が下がるケースが多い |
たとえばIさんの場合、営業と製造の両方を担当していました。
研究機関へ機器を提案する仕事と、実験用の試薬をつくる仕事です。
担当範囲が狭いという1つ目の弱点は、そもそも当てはまりません。
重いのは3つ目の待遇面です。
Iさんは前職に夜勤があったこともあり、転職直後の年収が約100万円下がりました。
それでもフレックスタイム制とリモートワークが手に入り、長期的な働きやすさは大きく向上したと語っています。
何を失って何を得るのかを、内定が出る前に決めておくことが現実的な備えになります。
メーカー営業が「やめとけ」と言われる背景
| 「やめとけ」と言われる要因 | 現場で抱えやすい悩み |
|---|---|
| 決定権がないことによる板挟み | 顧客の要望と製造現場の都合の間で、常に調整に追われる |
| ルート営業中心によるスキル停滞 | 新しい提案をする機会が少なく、スキルが伸びている実感を持ちにくい |
| 転勤や移動の身体的負担 | 全国転勤や工場往復の負担が大きく、疲労が蓄積しやすい |
| 会社の業績が景気に左右される | 業界全体の景気動向に給与が左右されやすく、将来への不安を感じる |
注意したいのは、これらが「メーカー営業で身につくものが何もない」という意味ではない点です。
挙がっているのは環境への不満であって、スキルの評価ではありません。
Iさんは取材のなかで、営業で身につけた要望を聞き出す力が、開発でお客様や社内のヒアリングをする場面にそのまま生きていると話しています。
製造職で身についた細部まで慎重に確認する癖についても、エラーの少ないコードを書くことに直結していると振り返っていました。
「やめとけ」を職場環境の話として受け取り、身につけたものは別枠で棚卸しする。
この切り分けが、次の一歩を決めやすくしてくれます。
異業種から未経験でIT職に転職した5人の実データ

コエテコキャリア編集部では、Iさんのほかにも、IT以外の仕事から未経験でIT業界へ移った方に取材を重ねてきました。
5人の数字を1つの表に並べたところ、どの職種を選ぶかで転職活動の形がはっきり分かれることが見えてきました。
| 転職した人 | 前職 → 転職後の職種 | 学び方・学習期間 | 応募社数・内定数 | 転職直後の年収 |
|---|---|---|---|---|
| Iさん(本記事) | 30歳・理化学機器メーカーの営業/製造 → バックエンドエンジニア | 独学に挫折後スクールへ。学習に約12ヶ月 | 5社応募・面接4社・内定2社 | 約100万円ダウン |
| Gさん | 新卒2年目・電力会社 → エンジニア | 働きながら週25時間ほどを4ヶ月 | 5〜6社応募・内定3〜4社 | 額面はほぼ変わらず。手当を含めると実質約50万円ダウン |
| Jさん | 物流・倉庫管理 → Webデザイナー | 退職して6ヶ月間、毎日7時間 | 2社応募(書類2社通過)・内定1社 | 前職と同程度 |
| Eさん | 歯科受付事務 → カスタマーサクセス | 職種未経験のまま応募 | 約50社応募・内定4社 | アップ |
| Aさん | 教育業界の営業 → Webディレクター | 職種未経験のまま応募(活動期間は約3ヶ月) | 書類50社程度・面接5社前後・内定2社 | アップ |
出典:電力会社から転職して未経験エンジニアへ!「辞めたい」を行動に変えた体験談/物流・倉庫管理の仕事から転職!未経験Webデザイナーをポートフォリオで叶えた体験談/カスタマーサクセスへの転職は未経験でも可能?取材5人の実データと歯科受付事務の体験談/営業に向いてない・辞めたいは甘え?特徴と転職先の選び方を体験談つきで解説
年収が下がったのは「学んで技術職に移った3人」だけ
5人を「学習してから技術職に移った人」と「前職の対人経験をそのまま持ち込んだ人」で分けると、年収の動きが正反対になりました。エンジニアやWebデザイナーになったIさん・Gさん・Jさんは、3人とも転職直後の年収が下がるか、前職と同程度にとどまっています。
一方、カスタマーサクセスのEさんとWebディレクターのAさんは、2人とも年収が上がりました。
コードを書く職種は、実務経験のなさがそのまま提示年収に反映されやすいのに対し、対人スキルが中心の職種では前職の経験が値付けの根拠として通用しやすい、ということだと考えられます。
未経験でエンジニアを目指すなら、転職直後に年収が下がる前提で家計を組んでおくほうが安全です。
応募社数は8倍違うのに、内定数はほとんど変わらない
もうひとつ差が出たのが応募社数です。技術職に移った3人の応募は2社・5社・5〜6社で、合計しても12〜13社にとどまります。
対して対人職に移った2人は、それぞれ約50社に応募していました。
ところが、そこから得た内定の数はほとんど変わりません。
技術職の3人が合計6〜7社、対人職の2人が合計6社です。
学習に時間をかけて成果物で示すか、応募数を増やして母数で当てるか——かけた時間の行き先が違うだけで、たどり着く内定の数は近い場所に落ち着いていました。
ポートフォリオや制作物という「見せられるもの」を先に用意できる職種ほど、1社あたりの通過率が上がるためだと考えられます。
前職の対人経験は、5人全員が評価されている
職種が分かれても共通していたのが、前職での対人経験が選考で効いていた点です。Iさんは営業でのヒアリング経験が要望の聞き取りに、製造で身についた確認の丁寧さがコードの品質につながっていると話しています。
Aさんも、営業の「気持ち」や大変さを知っていることが、他部署と連携するうえで武器になったと振り返っています。
メーカーでの仕事を「専門外だから関係ない」と切り捨てず、開発や制作の現場でどう使えるかに置き換える作業が、5人に共通した準備でした。
なお、ここで挙げた5人はコエテコキャリア編集部が個別に取材した事例であり、統計調査の結果ではありません。
傾向をつかむ材料として読んでいただければと思います。
メーカー営業・製造から、女性が未経験でエンジニアを目指したきっかけ

理化学機器メーカーで、営業と製造を担当していました。
理化学機器とは、大学や企業の研究所などで、実験や研究に使われる機器のことです。
営業では、そうした研究機関に対して機器を提案・販売し、製造では、実験に使う「試薬」(研究用の薬品)を作っていました。
いわば、モノづくりとお客様対応の両方を経験してきた形です。
「理化学機器メーカーでの営業・製造」という異業種から、エンジニアを目指したきっかけを教えてください。
一番の理由は、「自分自身の技術で、新しいサービスや価値を作り出せる点」に大きな魅力を感じたからです。
前職では形ある試薬を製造していましたが、無形のITサービスを生み出す世界へ挑戦したいと思うようになりました。
全くの異業種からの挑戦ですが、前職の経験がエンジニアの仕事に生かされていると感じる瞬間はありますか?
大いにあります。
製造職で培った「細部まで慎重に確認する癖」は、エラーの少ない信頼性の高いコードを書く上で直結しています。
また、開発にあたってお客様や社内の要望をヒアリングする際には、営業職でのコミュニケーション経験がそのまま生きていますね。
メーカーからの転職の不安|30歳・女性が未経験エンジニアを決めるまで

転職活動時は30歳だったとのことですが、未経験からの挑戦に不安はありませんでしたか?
周りのエンジニア志望者と比べて年齢が高めだったので、「本当に転職できるのか」という不安は常にありました。
だからこそ、確実なスキルを身につけ、企業にしっかりアピールできる武器を作る必要があると強く感じていました。
スキルを身につける上で、「独学」か「スクール」かで迷われましたか?

最初はUdemyなどを活用して独学で進めようとしました。
しかし、何が正解か分からず迷走してしまい、結果的に挫折してしまったんです。
そこで、必要な知識を効率よく体系的に学べるプログラミングスクールへの入学を決意しました。
(※当時の費用は約44万円・9ヶ月コースを受講)
30歳・女性が未経験からエンジニアを目指すときに知っておきたいこと

「異業種からのチャレンジは不安」と感じることもあるかもしれませんが、事前にポイントを押さえておくことで転職活動を有利に進められます。
30代の転職では、支援サービスの受け止め方も20代とは変わります。
コエテコが323件の口コミを年代別に分析したところ、総合満足度は20代が最も高く、30代を底とするU字型になりました(下図)。

未経験からエンジニアになるルートは大きく3つ
| 学習ルート | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
| 独学 | 費用を最小限に抑えられ、自分のペースで自由に学習できる | 何を学ぶべきかの判断が難しく、エラー時に質問できず挫折しやすい |
| プログラミングスクール | 現役エンジニアに質問でき、体系的に学べる。転職支援も受けやすい | まとまった費用がかかる。転職保証に年齢などの条件がある場合も |
| 社内異動・非エンジニア職からの転職 | 収入を維持しながら業界知識を身につけられる | 実際に開発職に就くまでに時間がかかる |
ご自身のライフスタイルや貯蓄状況に合わせて、最適なルートを選んでみてください。
30歳前後の未経験者に企業が求めているもの
30歳前後の未経験者に対して、企業は現在の技術力そのものよりも「自走力」や「これまでの経験の活かし方」を重視して評価します。20代前半のポテンシャル採用とは評価軸が大きく異なるため、企業側の視点を理解しておくことが重要です。
企業がとくに見ているのは、「今後も主体的に学び続けられるか」という点です。
IT業界は技術の移り変わりが激しいため、自らキャッチアップしていく姿勢が欠かせません。
学習プロセスや苦労した点などを面接で伝えることで、継続的な学習意欲をアピールできます。
また、前職の経験を開発現場でどう活かせるかも重要な評価ポイントになります。
たとえば、メーカーからの転職であれば、顧客折衝の経験やプロジェクト進行のノウハウなどが強みです。
これまでの社会人経験をしっかりと自己分析し、どう貢献できるかを言語化できるかが採用の分かれ目になりやすいでしょう。
さらに、「なぜ30歳で未経験からエンジニアを目指すのか」という動機も必ず問われます。
憧れだけでなく、キャリアプランとしてなぜITエンジニアが最適な転職先なのかを、自分の言葉で論理的に説明できるように準備しておきたいですね。
女性がエンジニアとして働き続けるうえで確認したい条件
女性が未経験からエンジニアへの転職を考える際、長く働き続けられる環境かどうかを見極めることが非常に重要です。エンジニアは成果物やスキルで評価されやすく、リモートワークやフレックスタイム制を導入する企業が比較的多い職種です。
IT業界全体で見ると、女性エンジニアの比率はまだ高いとはいえません。
しかし、パソコンとネットワーク環境があれば仕事が完結しやすいため、柔軟な働き方を実現しやすいという大きなメリットがあります。
ライフステージの変化に合わせてキャリアを継続しやすい職種だといえるでしょう。
注意点として、働き方の制度やその運用実態は、企業ごとに大きく異なります。
求人票に「リモートワーク可」と記載されていても、実際には週の大半が出社であったり、一部の部署しか利用していなかったりするケースがあります。
入社後のギャップを防ぐためにも、実際の運用状況を確かめることが大切です。
将来のライフイベントを見据えるなら、面接やカジュアル面談の場で以下の項目を確認しておくと安心です。
- 産休・育休の取得実績
- 時短勤務制度の有無と利用状況
- リモートワークの運用実態(利用率や出社頻度)
- チーム内に同じ働き方をしている人がいるか
独学挫折からプログラミングスクールへ|選び方と転職支援の活用

数あるスクールの中から、どのように受講先を選びましたか?
ネットの記事で候補を絞り、実際に複数のスクールの無料面談に足を運んで比較しました。
特に重視したのは「卒業生の希望業界への就職率」と「転職サポートの手厚さ」です。
30歳未経験という年齢的な不安もあったため、面接対策などをしっかり伴走してくれるスクールを選びました。
また、転職保証制度には年齢などの対象外条件がある場合もあるので、事前の確認をおすすめします。
実際の転職サポート(キャリアアドバイザー)はどのように活用されましたか?
受講中の悩み相談から、ポートフォリオへの助言、経歴の棚卸し、職務経歴書の添削、模擬面接までフル活用しました。
特に、異業界への転職サポート経験が豊富なプロから、客観的なフィードバックをもらえたのは大きかったです。
模擬面接で自分の回答の足りない点を指摘してもらったことで、本番の面接に自信を持って臨めました。
サポートを活用する一方で、ご自身で工夫されたことはありますか?
スクールに頼りきりになるのではなく、カリキュラム外の自己学習も継続しました。
また、転職に関する書籍を何冊も読み込み、「自分はなぜエンジニアになりたいのか」という転職の軸を深く言語化するように努めました。
メーカーから未経験でエンジニアに転職した結果|年収・働き方のリアル

学習開始から内定までの期間と、転職活動の実績を教えてください。
学習に約12ヶ月、転職活動に約2ヶ月かけました。
応募は5社に絞り、4社と面接して、最終的に2社から内定をいただきました。
現在はどのような業務を担当されていますか?
また、エンジニアになってみてギャップはありましたか?
現在は自社開発企業で、Ruby on Railsを用いた教育系SaaSのバックエンド開発を担当しています。
自分の手でサービスを作り、課題を直接解決できる楽しさは想像通りでした。
一方で、「正解のない課題」に直面することが多く、数年経った今でも学び続けなければならない大変さは想像以上でしたね。
転職によって、年収や働き方はどのように変化しましたか?

前職は夜勤があったこともあり、年収は100万円ほど下がりました。
しかし、以前はなかったフレックスタイム制やリモートワークが導入されており、長期的な働きやすさは圧倒的に向上しました。
働き方は企業によって大きく異なるため、事前に自分の希望とマッチしているか確認することが大切だと思います。
メーカーから未経験でエンジニアに転職する5ステップ

情報収集を終えた段階から、そのまま行動に移せる5つの手順に分けて整理しました。
伴走してくれる相手を重視した判断は、データとも一致します。
コエテコがITエンジニア67人に行った調査では、分野別満足度のうち「アドバイザーの対応」が最も高く、総合満足度との相関も最も強く出ました(下図)。

ステップ1:なぜエンジニアなのかを言語化する
転職活動を始めるにあたり、まずは「なぜエンジニアになりたいのか」を深く言語化することが大切です。現職の待遇や働き方への不満だけを理由にすると、面接で質問を深掘りされた際に説明が続きません。
前職の業務の中で、どの場面に手応えを感じ、どの場面に違和感があったかを具体的に書き出してみてください。
そのうえで、それらの経験がエンジニアの仕事のどこにつながるのかまで落とし込むことが重要です。
この言語化の作業は、転職活動の途中で何度も戻って見直す軸となります。
とくに30代から未経験でエンジニアを目指す場合、この深い自己分析が面接での強い説得力につながるでしょう。
ステップ2:在職のまま学ぶか、退職して専念するかを決める
学習を進める環境として、在職のまま続けるか、退職して専念するかを早い段階で決断します。在職のまま学ぶ最大のメリットは、毎月の収入が途切れないことです。
経済的な不安がないため精神的な余裕が生まれ、自分が納得できる企業だけに絞って応募しやすくなります。
一方、退職して学習に専念する場合は、1日あたりの学習時間を大幅に増やせるのが大きな魅力です。
しかし、収入が止まるぶん貯蓄を切り崩すことになり、焦りから短期決戦になりやすい傾向があります。
どちらの選択肢が正解というわけではなく、現在の貯蓄額と確保できる学習時間から現実的な方法を選ぶことが大切です。
ステップ3:学習方法を選び、作るものを決める
プログラミングの学習方法を選ぶときは、学習を終えた後にどのようなエンジニアになりたいかから逆算します。目標とする姿が明確になれば、学ぶべき言語や必要な技術が自然と絞り込めるからです。
また、転職活動で企業に提出するポートフォリオ(自身のスキルを証明するための作品集)を作成する際も、意識すべきポイントがあります。
実は、アプリケーションの規模の大きさよりも、「なぜその機能を作ったのか」を自分の言葉で説明できるかどうかが重要になるのです。
未経験からエンジニアを目指す女性にとっても、ユーザー目線で機能を考え、論理的に説明できる力は現場で高く評価されます。
ステップ4:前職の経験を開発の言葉に翻訳する
| メーカー時代の経験 | 開発現場での活かし方(翻訳例) |
|---|---|
| 製造や品質管理での丁寧な確認作業 | システムのテスト工程や、不具合の少ないコードを書く姿勢 |
| 顧客の潜在的な要望を聞き出した営業経験 | システム開発における要件定義やヒアリングのスキル |
| 製造部門と顧客の板挟みでの納期調整 | 開発チームと事業側の意見をまとめる調整力 |
| 複雑な製品仕様を非専門家に説明した経験 | 専門的な技術内容をわかりやすく伝えるコミュニケーション力 |
メーカーで積み上げてきた経験は、置き換え方さえ分かればIT業界でも強力な武器になります。
「メーカー営業はやめとけ」と言われるようなタフな環境で培った対人力は、IT業界でも重宝されます。
ご自身の経験をひとつずつ振り返り、IT業界でどう活かせるか考えてみてください。
ステップ5:応募の進め方を決めてから活動を始める
実際の転職活動を始める前に、1ヶ月あたりの応募数をあらかじめ決めておくことが重要です。早く内定が欲しいからと手当たり次第に応募すると、1社あたりの企業研究や面接対策が薄くなってしまうからです。
質の高い準備をするためにも、自分のペースで対応できる応募数を設定してください。
活動を進める中で書類選考が通らない場合は、原因を冷静に分析します。
自身のスキルに対して応募先の選び方に無理があるのか、それとも職務経歴書などの書類の書き方に問題があるのかを切り分けることで、効果的な改善策を打つことができるでしょう。
メーカーなど異業種から未経験でエンジニアを目指す人へ

同じくエンジニア転職の体験談として、受託開発から自社開発へ転職した話や元営業が自社開発エンジニアになった話も参考になります。
最後に、営業や製造など「異業種からエンジニアを目指す人」へメッセージをお願いします。
「迷っている時間がもったいないので、まずは小さくても行動を始めてほしい」ということです。
私自身、もっと早く動けばよかったと思っています。
そして何より伝えたいのは、前職で頑張った経験は決して無駄にならず、転職活動でも実務でも必ず「独自の武器」になるということです。
異業種からの挑戦はハンデではなく強みだと信じて、一歩を踏み出してみてください。
メーカーから転職際によくある質問

Q. メーカーからの転職先にはどんな選択肢がありますか?
メーカーからの主な転職先としては、以下の4つの方向性が挙げられます。- 別のメーカー(同業・異業種)
- 商社や販売代理店
- IT・SaaS(クラウド経由で提供されるソフトウェアサービス)業界
- エンジニアなどの技術系専門職
例えば、営業職のままIT業界へ移る場合と、未経験からエンジニアを目指す場合では、求められる準備が異なります。
これまでの経験をどう活かすか、キャリアの棚卸しを丁寧に行うことが成功の鍵です。
Q. メーカーからの転職は本当に難しいのでしょうか?
メーカーからの転職が難しいと言われるのには、主に3つの理由があります。- 組織の分業化が進んでおり、個人の担当範囲が狭く見えやすい
- 商品力が強いため、個人の成果と切り分けてアピールしにくい
- 福利厚生が手厚く、転職によって実質的な待遇が下がりやすい
自分の実績を具体的に言語化し、待遇面での妥協点や優先順位を明確にしておくことが転職活動において大切です。
Q. 30歳・未経験からエンジニアに転職するのは遅いですか?
30歳で未経験からエンジニアへの転職を目指す場合、年齢そのものよりも学習を継続できるかが問われます。20代前半のポテンシャル採用とは異なり、社会人経験をどう活かせるかが評価軸になります。
前職での課題解決の経験などを、開発現場で活かせるスキルとして自分の言葉で説明できるかが重要です。
継続的な学習意欲の高さと論理的な思考力をしっかりとアピールできれば、30代からのキャリアチェンジも十分に可能です。
Q. 女性が未経験からエンジニアになるのは難しいですか?
この記事で取材したIさんは、30歳・女性・異業種という3つの条件を同時に抱えた状態から、5社の応募で2社の内定を得ています。性別そのものより、学習方法の選び方と働く環境の見極めのほうが結果を左右したというのが実感です。
Iさんが受けたスクールを選ぶときに重視したのは、卒業生が希望業界へ就職できているかと、転職サポートがどこまで伴走してくれるかの2点でした。
年齢への不安があったぶん、面接対策まで付き合ってくれるかを条件にしています。
働く環境については、産休・育休の取得実績、時短勤務の利用状況、リモートワークが実際にどれくらい使われているかを面接で聞いておくと、入社後のギャップを減らせます。
Q. メーカー営業の経験はエンジニア転職で評価されますか?
メーカー営業で培ったスキルは、エンジニアへの転職において高く評価される傾向があります。例えば、顧客の要望を的確に聞き出す力は、システム開発の要件定義やヒアリング業務に直結します。
また、製造部門などとの社内調整の経験は、開発チームと事業側の橋渡し役として重宝されます。
さらに、非専門家に対して自社の製品をわかりやすく説明してきた経験は、複雑な技術内容を周囲に伝える力としてそのまま活かすことができるでしょう。
Q. 独学とプログラミングスクールはどちらを選ぶべきですか?
費用だけで決めると判断を誤りやすい部分です。Iさんも最初はUdemyなどを使って独学から入りましたが、何が正解か分からないまま迷走して挫折しています。
切り替え先のスクールは約44万円・9ヶ月のコースでした。
独学が向くのは、学ぶ順番を自分で組み立てられる人です。
詰まったときに聞ける相手がいない状態が続くと、費用を抑えたぶんの時間を失うことになります。
スクールを選ぶ場合は、転職保証制度に年齢などの対象条件が付いていないかを受講前に確認しておいてください。
条件から外れていることに後から気づくと、選んだ理由そのものが崩れてしまいます。
まず、エンジニアになる前はどんなお仕事をされていたのですか?