女性プログラマーは増えているのでしょうか?どれくらい実際に活躍しているのでしょうか?女性プログラマー進出について、またプログラマー・エンジニア業界は女性にとって働きやすい環境なのかをリサーチし、まとめました。
女性エンジニアの割合は全体の約20%

2021年の調査になりますが、平均すると女性の割合はITエンジニア総数の20%です。約300社が対象でしかも大手が中心なので、女性進出がすすんでいる環境と考えられます。
単純計算をすると100人のプログラマー・エンジニアがいれば、そのうち20人が女性ということになります。数字だけ見ると、やはり圧倒的に男性が多く、女性プログラマーは少ない印象ですね。
女性エンジニアの割合はこれからさらに増えると考えられる

女性プログラマーがどれだけ増えているか、転職のデータで見てみましょう。リクルートキャリアによる女性の転職者数ですが、青いのは全職種、赤いのはエンジニア職の転職者数の伸び率です。女性プログラマー・エンジニア転職は2009年と比較すると4倍以上伸びており、また他の職種平均よりも高い伸び率となっています。
最近では、社会人女性や結婚した女性がスキルアップや収入アップ、将来性を考え、新たにプログラミングを学び、キャリアチェンジするケースも増えています。
今なお、確かにエンジニア数で見れば男性が多いのは事実ですが、IT人材不足と言われる中、貴重な人材候補である女性の進出は歓迎され、多くの女性プログラマーが今後はもっと活躍の場を広げていくはずです。
女性エンジニア・プログラマーが少ない理由
これまで、なかなか女性プログラマーが増えなかった理由は次の2つが大きく影響していると言われています。- IT、特にエンジニアは男性社会というイメージ
- 男性は論理的思考、女性は感情的という考え
IT業界やエンジニアには男性のイメージが強い
「IT業界で活躍しているのは男性が多い」というイメージを持っている人もいるでしょう。実際には、女性が活躍できる場が広がりつつありますが、女性が在籍していない現場も珍しくありません。これには、労働時間の長さやITスキルを磨き続ける必要がある点などが背景として挙げられます。女性の場合は、結婚や出産などのライフスタイルの変化に伴い、長時間労働を強いられることが難しくなるケースが多くあります。
女性には論理的な思考力が足りずエンジニアに向かないと考えられることがある
「女性は感情的思考で男性は論理的思考」という俗説は、さまざまな企業で根強く残っているケースも少なくありません。しかし、合理的に物事を考え、トラブルに冷静に対処できる女性もいます。論理的思考力が優れた女性は、男性社会と言われるIT現場のなかでもスキルを発揮し活躍しています。論理的に仕事に対処することで周囲から認められ、働きやすくなることもあるでしょう。
プログラマーやエンジニアをめざす女性が増えている理由
前述したような「男性の職場」といったイメージが薄れ、IT業界に限らず男女差による職種の選択が減りつつあります。そして、改めてプログラマーやエンジニアという仕事を考えると、実はIT業界は女性にとっても働きやすい職場なんですね。下記はIT人材白書から引用していますが、「女性とって働きやすい」は、ほぼあてはまるも含めると60%と過半数を超えています。
女性プログラマーが増えている理由
① 女性活躍に理解ある企業が多い
② 時短・フレックス・リモートなどさまざまな働き方ができる
③ 技術職のため復職しやすい
④ スキルアップや成果によって高い年収が得られる
⑤ 学ぶチャンスが増えている
女性活躍に理解ある企業が多い

いわゆるIT企業は、ダイバーシティを推進しているところが多く、さまざまなバックグラウンドを持つ人が、それぞれの事情にあわせて働いています。
女性が、というよりも、たとえば介護をしている男性に対するサポート、共働き家庭であれば保育園送迎のために男性社員が早めに仕事をあがる、ボランティア活動のための休暇を認める、副業を推奨する、といったようにひとりひとりの働き方を尊重する考えが浸透しているIT企業が多い特徴があります。
「結婚したら働きづらい」「育休制度はあるが、実際にはあまり取得している人はいないし、申請もしづらい」会社が現実にある以上、男性女性問わず「働きやすさ」を掲げているIT業界で働きたいと考える女性が多いのでしょう。
時短・フレックス・リモートなど働き方を選べる
たとえば子どもが小さいうちは週1日の出社で残りはリモートワークができる、夫の転勤についていってもテレワークで働き続けることができるといった柔軟な対応をしてもらえる会社が多いのも、女性プログラマーが増えている理由のひとつです。女性は特に結婚・出産などライフステージが大きく変化することもあるわけですが、状況に応じて働き方を選べるのは大きな魅力ですね。

スムーズビズの調べでは、令和4年6月時点のテレワーク導入企業の割合は、約40~50%となっています。新型コロナウイルスが流行する以前の令和2年3月では24.0%だったため、緊急事態宣言期間以降にテレワークの導入は約2倍に増加していることがわかります。
技術職のため復職しやすい
プログラミングはスキルを持つ専門職ですから、たとえば育児で3年ほど現場を離れていてもスキルがあれば復職しやすい面があります。また、IT人材不足の中で「週3日」「10時から15時まで」といったように比較的、自由に勤務時間を選べることで、育児期間中や介護をしている中でも復職を検討しやすい点もポイントです。スキルアップで高い年収をめざせる

残念ながら一部の職種をのぞいて、どうしても男女で賃金差があるのが現実です。エンジニアやプログラマーでも、確かに男女で賃金の差はあります。しかし、そうはいってもスキルが第一、成果が大切なエンジニア職では女性で高い年収を得ている人もいます。
そもそも、販売職や事務職に比べて、専門職であるために年収自体が高いこともあって、キャリアアップや独立を目標にしてプログラマーやエンジニアをめざす女性が増えているのでしょう。
前述のグラフでも「IT業界は将来性がある」とした女性は75%弱、これから伸びていく業界なら長く良い条件で働ける可能性が高くつまりは生涯賃金も高くなるといった考え方もできますね。
学ぶチャンスが増えている
大学で情報システムや電子工学といった理工学部で学び、エンジニアやプログラマーになる女性も年々増えています。それだけでなく、工学部以外でも、経営学科や造形学部などでITスキルを学べる大学も多くなりました。ちなみに大妻女子大や京都女子大など、女子大でも情報システムの学科があります。さらにオンラインで学べたり、夜や週末をつかって短期間でプログラミングスキルを身に付けられる大人向けのプログラミングスクールもあります。
女性が学びやすい環境が整い、女性プログラマーやエンジニアが増えているのではないでしょうか。
コロナ禍で収入やキャリアに不安を持つ女性が増えたため
コロナ禍のなかで、倒産や廃業に追い込まれた企業や個人事業主がいることを耳にしたことがある人もいるでしょう。不安定な状況下で、収入やキャリアに不安を持つ女性が増加しています。同じ企業で長く働き続けることは安定にもつながりますが、「他の企業でも通用するスキルが身に付いているのか?」と疑問に感じる場合も。収入やキャリアに不安を抱えた場合は、転職活動や資格取得のための勉強などに踏み出したいですね。
女性エンジニアの転職・採用活動が活発になっている
コロナ禍以降、女性エンジニアの転職・採用活動が活発になっている傾向があります。これには、多くの企業が導入したリモートワークの導入が背景にあります。実際の転職求人倍率や求人数などをみていきましょう。転職求人倍率が2年前比で111.6倍

女の転職type調べでは、2020年に転職求人倍率が大きく低下したことがわかりますが、2021年には右肩上がりに数値が回復しています。2019年と比較すると、エンジニア系の転職求人倍率は111.6%まで上昇していることが特徴です。
背景として、ワクチン接種率が増加したことや徐々に見通しが立てやすくなったことなどが挙げられます。人材を求める企業では、女性やエンジニア未経験者を積極的に採用しているケースも。さらに、「リモートワーク可」の求人が増加したことで、女性求職者が転職しやすくなっていることが現状です。
求人数が2年前比で約2.4倍

エンジニアの求人数は右肩上がりに増えており、2019年と比較すると2021年12月時点では約2.4倍まで増加しています。この時点で、エンジニア職種への応募人数を求人数が上回っており、多くの企業で「エンジニア不足」であることがわかります。
そのため、エンジニア転職を迷っている女性にとって、転職活動しやすい状況だと言えます。
女性がエンジニアとして働くメリット・デメリット
女性がエンジニアとして働くメリット | 女性がエンジニアとして働くデメリット |
・一生もののスキルが身に付けられる ・スキルがあれば誰でも活躍できる ・仕事内容に男女差がない ・再就職しやすい ・ドライな職場で仕事に集中しやすい ・給料が高い ・リモートワークが可能 ・自分の成長を実感しやすくやりがいを感じられる |
・長時間労働を強いられるケースが多い ・常に新しい技術を学び続ける必要がある ・産休や育児休業制度がない会社が多い ・職場に男性が多く、理解を得ることが難しい場合がある ・管理職になることが難しい |
女性エンジニアが多く抱える悩みやあるあるとは
女性特有の体調の悩みや男性に囲まれた職場で働くストレスなど、女性エンジニアには悩みが尽きないもの。ここでは、女性エンジニアに多い悩みや思わず頷いてしまう「あるある」を紹介します。女性エンジニア自体が少なく仲間を見つけることが難しい
IT業界では女性が少なく、孤独感を抱える人も少なくないようです。同性なら相談しやすい女性特有の体調やメンタル面の不調なども、男性に囲まれた職場では抱え込むしかないケースも。そのような職場では、「居場所がない」と居づらさを感じることもあるでしょう。仕事の小さなストレスやプライベートの相談をしたくても仲間が見つからず、息を抜けない日々でメンタル面に不調を来たす場合もあります。そのようなときには、女性エンジニアのためのコミュニティーに参加するなど、悩みを打ち明けられる場所を作っておきたいですね。
日々の学習や残業などで仕事とプライベートの両立が難しくつらい
常に新しい技術が開発・研究されているIT業界では、日々のスキルアップが欠かせません。長時間労働の後に勉強をすることで、プライベートな時間を確保できない場合もあるでしょう。企業によっては、残業や休日出勤を求められるケースもあります。出産や子育てなどのライフスタイルの変化によって、女性は長時間仕事と向き合うことが難しい場面が多くなります。その結果、ワーク・ライフ・バランスを崩してしまうことも。
IT企業のなかには、ワーク・ライフ・バランスが充実できるよう、時間外労働の削減やライフステージの変化に応じやすい環境作りに取り組んでいる企業もあります。転職する際には、マタニティ休暇や子育て支援などが手厚い企業を選ぶようにしたいですね。
参考:「仕事と生活の調和」推進サイト
女性・未経験からでもプログラマーはめざせる
未経験からでもプログラマーはめざせます。未経験でもプログラマーやエンジニアを採用する会社も多くあります。しかし、なんの知識もない人では困ります。「わたしもプログラマーやエンジニアをめざしたい!」と思ったら、まずはスキルを身に付けましょう。まったくパソコンの知識がなくても、未経験者でも、スキルを学べばプログラマーへの道は拓けます。
女性向け・未経験者もOKのプログラミングスクール
コエテコが厳選した大人向けプログラミングスクール紹介します。DMM WEBCAMPエンジニア転職

- 累計3,000回改善されたカリキュラムで未経験者でも理解しやすい
- MacでもWindowsでも受講可能
- 最短3ヵ月間で転職に必要なスキルを身に付けられる
女性に人気のコース
短期集中コース3ヵ月間で、プロのITエンジニアを目指せるスキルを習得できるコースです。転職保証制度の対象となっているコースだから、転職に不安がある人が受講している傾向があります。
専門技術コース
最大56万円の給付金制度の対象となっているコースです。AIなどの最新技術が学べるほか、開発工数などのスケジューリングやチーム間でのコミュニケーションなども学習できます。
就業両立コース
最長1年間のサポートが受けられるコースです。マンツーマンで全面サポートしてもらえるため、プログラミング初心者も安心して受講できます。
Ms.Engineer

- ライブ授業形式・クラス制でモチベーションを保てる
- 「スターター」プログラムは5万円で受講可能
- チームでのプロジェクト開発を複数回経験できる
女性に人気のコース
スターター5週間でJavaScriptやHTML、CSSなどのプログラミング基礎を学べるプログラム。平日の夜や土曜日に受講するため、本業と同時進行で進められるのも嬉しいポイント。スターター卒業後3ヵ月以内であればトライアウトを受けることができ、通過率は約8割となっています。
ブートキャンプ
エンジニア業界で即戦力として働くスキルを3ヵ月で習得。実践的なフルスタック技術やヒューマンスキルを磨くのはもちろん、大手IT企業の研修も受けられるので自分の実力を把握することもできます。短期間でエンジニア転職を目指したい人向けの内容です。
テックアカデミー

- オンライン完結でスキマ時間に稼げるスキルを学べる
- 短期集中でも学べる「はじめての副業コース」もあり
- 現役エンジニアとマンツーマンのコーチを受けられる
女性に人気のコース
Webデザイン+WordPressコースサイト制作におけるひととおりのスキルを学べます。デザインの基本も学び、CMSで多くの企業が利用しているWordPressの使い方を学び、クラウドソーシングでも発注が多い案件に結びつくスキルが身につきます。
テックキャンプ

- 担当メンター(講師)がカリキュラムの進み具合を確認&コーチング
- 転職保証制度あり
- オンラインで受講することができ、社会人の方も安心
女性に人気のコース
デザイナー転職コース(現在は受付停止中)プログラミングを理解しスキルのある実践的なWebデザイナーとして即戦力をめざすコースです。企画からデザインまですべてのフローを学び、フロントエンド開発(HTML/CSSやJavaScriptなど)のスキルも身につきます。転職保証つきのコースなので、本格的にプログラマー転職をめざす女性に向いていますよ。
プログラミング教養コース
副業できるようにプログラミングスキルを身につけることを目指すコースです。副業案件の中でもニーズの高いWebサイト制作を学習するため、稼げるスキルが身につけるようになります。副業案件の獲得方法を学べることに加え、未経験の方にあわせた完全オリジナルカリキュラムもありますので、無料カウンセリングで聞いてみると良いですね。
エンジニア転職コース(コエテコおすすめ!)
最大70%OFFの給付金制度を使用できます。エンジニア界の巨匠“まつもとゆきひろ氏”が開発したカリキュラムのもと、転職活動に役立つオリジナルアプリを開発していきます。専属ライフコーチとキャリアアドバイザーが一人ひとりにつくため、オンラインでも挫折しない環境が整っているといえるでしょう。フルタイム学習or仕事をしながらの学習かを選ぶことができます。
コードキャンプ

- オンライン完結
- 初心者向けコースも充実
- 現役エンジニアとキャリアについて相談できるキャリアTalk
女性に人気のコース
アプリマスターコース(現在は受付停止中)プログラミング未経験者向けに、最終的に自作のアプリ開発ができるようなカリキュラムになっています。地図アプリやSNSアプリを実際に制作しながら、オリジナルアプリ開発へとステップアップ。人気のアプリ開発エンジニアをめざせます。
女性エンジニアの実情や悩みまとめ
女性エンジニアは男性エンジニアと比較すると少ない傾向がありますが、女性エンジニアが働きやすい環境作りが進められている企業も多くあります。今後、女性エンジニアとして転職する場合は、転職市場の実情や悩みを抑えたうえで、転職活動を始めましょう。現場で活かせる確かなスキルを身に付けたいなら、プログラミングスクールに通って短期間で効率的に学習したいですね。仕事や職場環境に悩むことがあった際には、女性エンジニア向けのイベントやコミュニティなどにも積極的に参加することをおすすめします。