東京オリンピックが開催されることは有名ですが、実は『教育』も大きく変わるんです。子どもを持つ親としては、教育が変わるって気になりますよね?
では、どのように教育が変わるのでしょうか。ポイントを見ていきましょう!
『学習指導要領』が変わる
『学習指導要領』とは、日本教育の大まかな指導目標です。学習指導要領があることで、全国のどの地域にいても同じレベルの教育を受けることができ、時間割はこれを基準に組まれているので、学習指導要領が変わると、教科書や授業の内容が変わります。
なので、高校の学習や大学入試が変わっていくということにまでつながる、教育全体への大きな影響になるのです。
学習指導要領は、10年ごとに見直されてきているということをご存知でしょうか。
今回、小・中・高校で全面的に見直され、2020年から順次実施されていく予定となり、最近話題の『プログラミング教育』や、5~6年生で教科になる『英語』、『アクティブラーニング』が対象になっています。
また、改訂される学習指導要領の中には、『思考力・判断力・表現力を育むことを重視する』とあります。自分たちの頃にはなかった教科が新たに実施されることで、不安を覚えている親御さんもきっと多くいらっしゃいますよね。
しかし、新学習指導要領のポイントをおさえることで、どんな授業が行われるのかな…と予想できるかと思います。「自分たちの受けた授業とはずいぶん違うな。子どもに聞かれてもわからないかも。」と案じる前に、教育がどのように変わっていくのか知っておきましょう。
『新学習指導要領』はここがポイント!
1. アクティブラーニングの導入
アクティブラーニングとは、『主体的・対話的で深い学び』と示されています。これだけでは、実際の授業がどうなるのか、子どもにしてあげられることは何か悩んでしまいますよね。
まず、アクティブラーニングという教科ではなく、授業方法ということを知っておきましょう。
では実際どんな授業なのかというと、今までは正解があり、その正解を先生が知識として一方的に教えるという授業でした。
しかしこれからは、正解までの問題の解き方を班ごとに話し合ったり、個々に意見を出し合ったり、というような対話を取り入れた授業が行われます。
この授業方法だと、正解が一つではありませんよね。
「1班の説明がわかりやすい!」や「○○さんの解き方は答えを早くだせる!」など、友達から学び、お互いを認め合っていくことができます。
2. プログラミング教育の実施
ご存じの方も多いかと思いますが、小学校でプログラミングが必修化されます。「子どもたちがいきなりプログラミングなんてできるの?」と思われるかもしれませんが、プログラミング言語や技術を学ぶのではなく、『プログラミング的思考』を学びます。
AI(人工知能)の発達により、これからの社会は大きく変わっていくでしょう。また、情報化のすすむ社会に子どもたちは対応し、生きていかなければなりません。
そのためには、物事には手順があり、問題を解決するにはどう手順を踏むのか、論理的に考えていく力を身につける必要があり、実際にコンピューターを触りながら、体験するような授業が予想されます。
現代の社会を考えると、子どもにはぜひ見につけて欲しい力ですよね。
『覚えること』から『どう使うか』を問われる教育に
学習指導要領が改訂されることで、子どもたちの教育は大きく変化していきます。これまでは、知識を詰め込み、『いかに覚えるか』に重点が置かれた教育でした。しかし、これからは『覚えたことをどのように使うか』に重点が置かれます。
記憶力重視の授業スタイルではなくなり、いかにして解決するか、知識をどう使うかを問われるようになっていきます。例えば、引き算でも『□-5=2』や『□-□=5』など、答えを書くのではなく、答えから式の数字を考えるという問題も多く出されています。
単に引き算ができるだけではなく、引き算の本質をきちんと理解していることが求められていくのです。
大学入試も変わる!
教育改革により、センター試験に変わって『大学入学共通テスト』が実施されることになります。どのような変更点があるのでしょうか。
変更点 1
国語と数学で、全問マークシート方式に加えて、一部記述式を採用するようになります。記述形式導入にともなって、試験時間が延長される想定がされています。変更点 2
英語は、『聞く』『読む』『話す』『書く』の4技能を評価するように変わります。評価できる民間のテストを国が認定し、高校3年生の4月~12月の間の2度までの試験結果を各大学に提出します。大学入学共通テストの実施に関しては、まだまだ決まっていないことも多く、不安に思う親御さんも多いと思います。
しかし、『思考力・判断力・表現力』を重視した問題にも、基礎知識は必要です。今までの勉強が無駄になることはないので、コツコツと頑張ることが大事ですね。
『問いを立てる』力も重要に
『いかに覚えるか』、『覚えたことをどのように使うか』も重要ですが、今後はそれ以上に『どのような問いを立てるか』という力も重要になってくるでしょう。高校までの教育では、基本的には解くべき問題は決まっています。ところが、大学に進学したり社会に出たりすると、「そもそもどういう問題を解いたら良いのか?」と自分で考える必要があります。まだ誰も考えていない問いを立てたり、解くことでインパクトのある問いを立てたりすることが重要になってきます。
そういった力をつけるためには、『いかに覚えるか』、『覚えたことをどのように使うか』を高校生までのうちにしっかりと身につけておく必要があります。知識がなければ、問いを立てることができませんし、覚えたことを使う技術がなければ、せっかく良い問いを立てたとしても解決することができません。新しい指導要領に沿って、しっかり勉強しておきたいですね。
まとめ
2020年より教育改革が行われ、授業や入試に変化をもたらします。授業が変わると家庭での学習も変わってくると思います。親御さんたちにとっては教えにくくなったということもあるかと思いますが、お子さんがどんな勉強をしているのかをぜひ知るようにしてみてください。
「ママならこういう方法で解くかな」などと一緒に考え、コミュニケーションを楽しんでみると良いと思いますよ。親として今できることは、子どもが「もっと学びたい」と思ってくれるような環境づくりなのではないでしょうか。