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プログラミング教育において、日本は欧米やアジア諸国から遅れをとっています。海外では、どういった国でどのようにプログラミング教育が行われているのでしょうか?
今回は、テクノロジー企業が目覚ましい成長を遂げており、AIの人材育成に注力している中国のプログラミング教育事情をご紹介します。
中国について
中国は、東アジアに位置しており、広大な草原、砂漠、山、湖、川を擁する国です。首都は北京市、人口は日本の約11倍の13.86億人、面積は日本の約25倍の9,597,000 km²の日本よりはるかに大きな国です。教育において中国はSTEM教育に注力しています。STEM教育とは科学、技術、工学、数学の教育分野を総称したもので、子どものうちからITに触れて自主的に、課題を解決する力を養う教育です。中国ではSTEMの学士号を取得した学生が世界一の470万人を誇り、今後も増加傾向にあるとのことです。(2030年には20%増加する予測)
中国のプログラミング教育の歴史
1984年にコンピュータが学校教育へ導入されました。2000年に初等教育における情報技術教育が本格的に始まりました。小中学校では「情報技術」科目を小学校3年生から設置しました。
2011年に教育ICT化の発展に向けて10ヵ年計画を発表しました。教育ICT化のために、年間教育予算を投入していますが、この予算は年々増加しています。
2014年にはアリババのある浙江省の教育庁が大学入試科目にいち早く情報技術を採用しました。
2016年には教育ICT化に関する5ヵ年計画を発表し、無線LANの普及などを推進しました。リモート授業を強化し、教育格差の改善に努め、STEM教育を推進しています。
2017年に小学校の「情報教育」の開始を1年生に引き下げることを規定しました。また、AI教育プロジェクトを推進しており、小中高校でAI教育に関する授業科目を設置して、プログラミング教育を更に推進しています。
中国のプログラミング教育
中国は国をあげて、教育における国際的な競争力を向上させるため、STEM教育を推進および強化をしています。AIの人材不足が課題として挙げられ、イノベーションを起こせる人材を育成する狙いがあります。親のテクノロジー教育に対する熱量が高く、子どもにかける教育資金を惜しみません。人口が多い中国において、受験での成功が将来のキャリアに繋がり、競争社会に勝ち抜くためです。2014年の調査で、中国主要4都市で課外学習をしている児童が70%を超えている結果も出ています。地域にもよりますが、政府主導で課外学習において補助金がでるところもあります。
中国では日本より、タブレットを使用した学習に抵抗がありません。それは、タブレット教材が普及される10年以上前から電子辞書、デジタル端末を使った教育に馴染みがあるからです。
中国のプログラミング教育のねらい
プログラミング教育の目的として、日本では論理的思考能力の育成を重視しているのに対して、中国ではSTEM教育によって次世代のAIを扱える人材の育成を重視しています。これは、中国はITの人材不足が課題であることと、未来のAI時代を見据えているためです。一部地域では、先進的なプログラミング教育の取り組みを行っており、山東省では2017年より小学校でPythonを用いたプログラミング教育の導入を決定しています。
学習内容
中国のプログラミング教育において使用されている教材は、ロボットカー、LEGOに近い製品のScratchやオンラインプログラミング学習のKittenなどです。Kittenは、省によって利用されている割合は異なりますが、中国の子どものプログラミング学習者のうちの半数近い320万人に利用されています。Kittenのようなオンライン教育のユーザー数は年々増加しています。
現状の課題
中国のプログラミング教育における課題として2つ挙げられます。1つ目は、世界各国共通の課題ではありますが、教師のITスキル不足です。教師向けのICT活用に関して中国政府が消極的なこともあり、改善すべき点です。
2つ目は、小学生から高校生の間に、プログラミングを学習する機会が1%程度に留まっていることです。これは、国内の貧富の差と都市と地方の教育格差が要因だと考えられています。
この解決策として、オンラインプログラミング学習が普及されています。オンラインプログラミング学習の特徴は、教師がいなくても、機械学習を活かした自動対話システムでいつでもどこでも質問することが可能なことです。これにより、子どもたちは場所や時間に縛られることなく、自由に自律的な学習が可能となるのです。
中国のプログラミング教育の効果
中国のテクノロジー企業は目覚ましい成長を遂げています。世界トップ100のうち中国のベンチャー企業が15社ランクインしており、AI、モバイルの領域で世界をけん引する企業もあります。このような環境下で育つことにより、中国の子どもたちは、将来プログラマーになり、AIやIoTなどの技術の活用に貢献したいと回答しています。
まとめ
中国のプログラミング教育事情を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?中国のプログラミング教育の特徴を挙げると、多くの国はプログラミング思考の育成を目的にしているのに対して、中国はSTEM教育の推進により、AIの人材の育成に注力しています。中国は、オンライン学習が普及しており、自律的な学習が可能であることに加えて、親は教育への投資を惜しみません。
このような中国政府の取り組み、親の教育への姿勢には見習うべきポイントもたくさんあるでしょうね。