この記事では「そもそもマーケティング・ビジネス実務検定とは何か」といった概要をはじめ、難易度や合格率等の気になる情報まで徹底解説していきます。
そもそも「マーケティング・ビジネス実務検定」とは?何に役立つ資格?
「マーケティング・ビジネス実務検定」は、国際実務マーケティング協会が主催する「特定の業種・業界にとらわれない共通のマーケティング知識の習得」を目的とした民間資格です。2005年1月に創設され、20年近くにわたって多くのユーザーに活用されています。難易度別にC級・B級・A級の3コースが用意されており、各級で求められるレベルは以下の通り。
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C級
マーケターとして定型業務をこなすために必要なマーケティング知識がある(オペレーション基礎レベル) -
B級
マーケティング業務の運営ができる(オペレーション応用レベル) -
A級
マーケティングの戦略立案、意思決定ができる(マネジメントレベル)
試験範囲については各級でそこまで大きく違わないものの、上位級になるほどより踏み込んだ応用的な知識が求められます。A+B、B+Cと併願することもできますが、これからマーケティング業務に携わっていきたいと考えているのであればC級から挑戦していくといいでしょう。マーケティングの概念やコンセプト、その他具体的な手法・戦略について基礎から体系的に学ぶことができるため、マーケ職への就職・転職に少なからず役立つはずです。
参考:Webマーケティング資格
マーケティング・ビジネス実務検定は難しい?難易度・合格率を解説
続いて、マーケティング・ビジネス実務検定の難易度について見ていきましょう。各級「マーケティング知識」「マーケティング事例」の2科目がありますが、出題形式および合格基準点は以下の通り。A級 | B級 | C級 | |
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出題形式・制限時間(知識) | 【出題形式】 ・正誤式:10題(計20点) ・接続式※A群B群:10題(計20点) ・穴埋式:20題(計60点) ・短文記述式:5題(計50点) 【制限時間】1時間30分 |
【出題形式】 ・正誤式:10題(40点) ・選択式:15題(60点) ・語群選択式:15題(60点) ・四答択一式:10題(40点) 【制限時間】1時間45分 |
【出題形式】 ・正誤式:10題(30点) ・選択式:15題(45点) ・語群選択式:10題(30点) ・三答択一式:15題(45点) 【制限時間】1時間30分 |
出題形式・制限時間(事例) | 【出題形式】 ・正誤式:5題(計10点) ・穴埋式:20題(計60点) ・マーケティング戦略:ケーススタディ(計110点) 【制限時間】1時間40分 |
【出題形式】 ・正誤式:10題(40点) ・選択式:5題(20点) ・四答択一式:5題(20点) ・語群選択式:5題(20点) 【制限時間】1時間 |
【出題形式】 ・語群選択式:10題(20点) ・三答択一式:10題(20点) ・三答択一式:2題(10点) 【制限時間】45分 |
合格基準点 | 2科目合計点(300点)の各回、試験委員長が定める点 | 2科目合計点(300点)の70%(210点)を基準として、 試験委員長が定める点 |
2科目合計点(200点)の80%(160点)を基準として、 試験委員長が定める点 |
一番初級のC級は、合格点こそ全体の8割程度と高めなものの、他級と比べて出題範囲が狭く、内容も基礎レベルであり難易度は低め。B級からは範囲が広くなり応用知識も問われるようになるため、しっかり対策しても難しさを感じるかもしれません。特にA級は記述問題やケーススタディといったより実践的な内容も範囲に含まれており、マーケティングに関する深い理解が必要不可欠です。
なお、合格率や合格者数といったデータは非公開となっています。割合から難易度を判断することはできないため、受験前に把握しておきたい方は取得者の口コミを参照する等の対策が必要になりそうです。
「マーケティング・ビジネス実務検定は意味ない」と言われる理由
マーケティング系資格の先駆けである本検定ですが、巷では「マーケティング・ビジネス実務検定は意味ない」といった辛辣な意見が聞かれることもあります。需要の高いマーケ知識を体系的に学べるというメリットもある一方で、どんな点が悪評に繋がっているのか、詳しく見ていきましょう。- 難易度が低めなためアピールしづらい
- 民間資格であり知名度が低い
- マーケティング業界は学歴や実績が重要
難易度が低めなためアピールしづらい
先述の通りマーケティング・ビジネス実務検定には3つの難易度がありますが、入門となるC級は基礎の基礎レベル。具体的な合格率はわからないものの、年4回受験チャンスがあることもあり難易度は低めです。そのため、C級やB級程度ではアピール材料として満足に機能しない場合も。未経験歓迎のマーケ担当ならまだしも、即戦力を求めているような企業には本検定レベルの知識では門前払いされかねないことから「意味ない」と言われていると考えられます。
民間資格であり知名度が低い
マーケティング・ビジネス実務検定は、民間の事業者が独自に認定する「民間資格」であることも、評判があまり良くない理由の一つです。国の法律に基づいて証明される国家資格と比べると、社会からの信頼性はもちろん知名度といった面でも劣ってしまいます。就・転職の面接にて、面接官が本検定を初めて知るなんて事態も起こり得るでしょう。業界に関係のある資格取得に向けて勉強してきた努力は認められるかもしれませんが、資格のネームバリューという面ではあまり期待できない可能性もあります。
マーケティング業界は学歴や実績が重要
マーケターは企業の業績に直接影響を及ぼすこともある重要な職種。そのため、資格云々よりも「これまでどんなことを学んできたのか」「実際にマーケティング業務に携わった経験はあるのか」といった学歴・実績面が非常に重要になります。マーケティング関係の資格を多数所持している人よりも、マーケターとして企業の売上に貢献してきた実績のある人の方が、優先して採用されやすい世界です。「資格を取るくらいなら実務経験を積んだ方がいい」と考える人が多いことも、マーケティング・ビジネス実務検定に批判的な意見が多くなっている原因と言えそうです。
まとめ
当記事では、マーケティング業界への参入を目指して資格取得を考えている人に向けて、マーケティング・ビジネス実務検定の概要やその難易度、さらには「意味ない」と言われている主な理由についてまで、詳細に解説してきました。マーケティング関係の資格の中でもとりわけ運営歴が長く、知名度も高めな「マーケティング・ビジネス実務検定」。C・B・Aと3つの難易度が用意されていることもあり、基礎を身につけたい初心者マーケターから、ステップアップしていきたい現役マーケターまで、幅広く活用できる資格と言えるでしょう。
世間では「意味ない」との声もありますが、取得する価値が全くないわけでは決してありません。就職や転職に直接的に影響を及ぼすことは少ないかもしれませんが、マーケターになるために何をすべきか、どんなスキルが必要か等、さまざまな学び・気付きを与えてくれるでしょう。