生成AIで課題を行う高校生〜高校生と生成AIのリアルな関係〜
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では、高校生は実際にどんな時に、どのように生成AIを使用しているのでしょうか?
今回の記事では、AIの利用状況と、実際にどのように使っているのか、現役高校生のリアルな声を紹介します。さらに、高校生や保護者に知ってもらいたい、生成AIのリスクについても解説します。
現役高校生「生成AIを何に使っているの?」
高校生が生成AIをよく使うのは「文章作成」

- レポート系でよく使う。ざっくり書いて、あとは添削して文章を直してもらう。
- 現国の長文読解で50文字に要約みたいな問題が不得意で、AIにやってもらった。
不得意だからこそ、地道に解いて勉強して力をつけるんでしょーが!母さん、トホホです
- 宿題の英作文を添削してもらった。
- 作文の課題。「温暖化について」みたいな大テーマが出たら、温暖化の問題をバーっとAIに出してもらう。そこからひとつ良さそうなのを選んで、書きたいことを思いつくまま書いて、それをAIに整え直してもらう。
この辺りはどうやら定番のようで、共通しているのは「とりあえず、ざっくり書いて、あとはAIに投げて直してもらう」使い方です。さらに定番中の定番がこちら「読書感想文」です。高校でも読書感想文は実はけっこうありますね。
しかし小学生の頃よりも、「めんどくさ〜!」という人も多く、「生成AIは救世主♪」なんぞと言う子もいて、やれやれ……です。
- 本の要約を作ってもらった。
- とりあえず、ざーっと本は読んで、ざーっと感想を書いて、指定の文字数にして、先生に言われた「はじめ・なか・おわり(序論・本論・結論)」のフォーマットにして書き直して、と生成AIにお願いした。
- 今は読書感想文をAIに書いてもらうプロンプト* もいっぱい出ているからコピペしてやってみた。読書感想文はAIでやると先生にバレやすいとは聞いていたので、できた感想文をもとに書き直した。かなり書き直したけど、イチから感想文を書くよりはずっとラク!

こんなツワモノもおりました。
- 読書感想文は先生もAI使っているに違いないって目を光らせているから、出来上がったものにちょこちょこと手を加えている。わざと自分がよくやるミスというか、変な書き方の文章を混ぜたりしている。
うううむ……。生成AIチェッカーは知ってるかな?AIが書いているみたいだぞ、とチェックするツールもたくさんあるんですよ。先生も使っているかもね!
高校生と生成AI「なるほどね」な活用方法とは

- 部活の練習メニューを考えてもらった。それをたたき台にして、みんなで練習内容を決めて、決めたやつをLINEで流す文章まで作ってもらった。
- 修学旅行のグループ行動時のプランをAIに提案してもらった。自分の提案ということにしてみんなのLINEに流す文章も作成してもらった。それから、反応をまとめて、もう一度AIで、「こういうことをしたい」「◯◯もやってみたい」という希望をいれたプランを作り直してもらった。学校に提出する企画書もAIに頼んだ。
学生はAIを宿題に使っているのだと決めつけていたけど、いろいろと活用しているんですねぇ!
部活の練習メニューや旅行プランを考えてもらうだけでなく、それを知らせる文章までAIで作成する。徹底してますな。
- 登場人物やあらすじを出して、AIに15分でおさまる台本を文化祭のときに作ってもらった。
- 現代社会の授業でディベートをする時に使った。こういう立場でこういう話をするつもりだが、相手からどのような質問や反論がくるか、想定される質問をAIで出した。その質問に対する答えも出してもらって、準備した。準備時間が短縮できて、ディベートもけっこう、うまくいった。
- 予備校や学校の先生の話も参考にしたが、志望校を決めるのに、ChatGPTにも聞いた。
えええええ、志望校は自分で決めようよ……
- 大学受験の志望動機についてAIで作成してるヤツ、けっこういる。それってヤバいとは聞いていたけど、とりあえずAIで作ってもらったのを参考にはした。
- 部活で頑張ったこととか、文化祭での役割とかを書いて、それをもとに生成AIを使って自己PRを書いた。AIは3種類使って、それを組み合わせて書き直し、自分が書いたことにして親に見てもらった。親はAIなんて使ったことないはずだけど、「なんか、ここ文章が変じゃない?」って指摘してきて、やっぱ、AIの文章は違和感があるのかもとは思った。
ちなみに大学の公式サイト、きちんと見ましょうね。志望動機をAIで書くのを禁止しているところが多いですよ!
もはやググらないらしい

- 前はGoogleとかの検索機能を使っていたけど、上から順番に記事にあたっていくと、知りたいことになかなか当たらなくて面倒くさい。GoogleでもAIによる概要が出てくるけど、自分は大学生の兄に「Perplexity(対話型検索AI)がいいよ」と聞いて、今はそれで検索している。
- 動画検索エンジンかSNSで調べることが多いけど、学校の宿題とか勉強のことは、ググっていた。今はほとんどAIに聞く。
そして、もはやAIは相談相手らしい……

- 暇つぶしにAIに悩み事をぶつけたら、意外とまともな答えが返ってきて、そのまま1時間くらい、AIとやりとりしてしまった。
- 誕生日プレゼントの候補を聞いてみたら、AIが教えてくれた。最初は「自分でも思いつくやつばかり」って思ったけど、相手の子の趣味とか嫌いなものとかも書いていくと、だんだんちゃんとしたプレゼント候補を出してくれた。
- 彼女に謝るLINEの文章を考えてもらった。
こ、こら!彼女に謝るのは、自分で心をこめて書きなさいッ!!!
高校生の生成AI利用率は?
狭い範囲とはいえ、高校生の生成AIの使いようを聞きながら、どんどん微妙な気持ちになってしまいました。確かに、ChatGPTにしても、他の生成AIにしても、いわゆるプロンプト(生成AIへの指示や質問)の知識がなくても、けっこう使えてしまいます。とはいえ、息子の周りや後輩クンたちが、たまたま生成AIを使っているだけかもしれないので、データを探してみました。下記は、東京都が行った中学生・高校生を対象にした調査結果です。

引用:令和6年度第2回SNSを活用したアンケート結果/東京都子供政策連携室
ChatGPT等の文章生成・会話AIの高校生における利用率は約46%、一方でAIについて知らない・使用していないも約34%います。高校生男子だけで見ると、生成AI利用率は半数を越えていますね。
では、生成AIで何を行っているのでしょうか?

生成AIを学校の勉強に使っている、調べ物や情報収集のためというのはわかりやすいのですが、興味深いのは、恋愛や人間関係の相談を「生成AI」にしていることです。
中学生の女子が、生成AIに「彼がわたしのことを好きな確率」とか「友だちとうまくいってないけど、どうやって仲直りしたらいいの?」みたいに聞いているのでしょうか。

女子中学生は生成AIに恋愛相談!?
いち保護者、いち母親である立場からすると、なんとも複雑な気持ちです。人と人とのつながりにおける不安や悩みって、結局、「人」によって解決していくものじゃないの?と思ってしまうのですが……。
それに、個人情報を生成AIに安易に書き込むことへのリスクは知っているのでしょうか?もちろん、適切に使用していればいいのですが、中学生にそれだけの知識があるのかは非常に不安なところです。
同じ調査ですが、生成AIに関するリスクについて、以下のような結果が出ています。

こうして見ると、「内容の真偽を確認する」「最後は自分で考え手を動かす」「著作権の侵害」「個人情報の流出」とAIの使い方をおおむね理解しているように受け取れます。
しかし、一方で別の調査では、生成AIを利用する高校生の5割が、どのような行為が不正行為に当たるかを判断できないと回答しているとしています。同調査では次のような結果も出ています。
▼生成AIに個人情報(氏名・生年月日・住所・学校名等)を入力したことがあるか?

引用:学生の教員を対象とした生成AIの教育利用状況と意識に関する全国調査/仙台大学AI教育研究チーム
上記は「生成AIに個人情報(氏名・生年月日・住所・学校名等)を入力したことがあるか?」という質問の回答です。半数以上が「いいえ」としていますが、「はい」と「よくわからない」を足すと約45%、これはちょっと危険な状況とも言えそうです。
生成AIが書いた内容が正しいかを確かめるファクトチェックのやり方についても、知っているのは高校生で約32%、大学生でも40%です。
これが、高校生の生成AIに関する現在の状況なのです。
最低限知っておきたい生成AIのリスク
生成AIは、すでに多くの学生に浸透しつつあります。でも、親も子も、生成AIについて正しい知識や使いこなす基礎的なスキルも身につけておらず、AIリテラシーが高いとは言えないですね……。複雑な生成AIについて多くを解説はできませんが、ここからは、高校生や保護者世代も最低限知っておきたいことを解説していきます。
生成AIと重要なワード2つ「オプトアウト」「ハルシネーション」とは?

- オプトアウト
- ハルシネーション
オプトアウトとは
オプトアウトとは、AIの学習に使われるデータから、自分の情報を除外する権利のことです。AIはさまざまなデータを蓄積し、学習して回答をしています。オプトアウトの設定をすることで、自分が入力したデータを「AIが学ばない・学習用データとして提供はしない」ことが可能です。うっかり、個人情報などを入力しても、それがデータとして残らないメリットがあります。一方で、AIは学習用データがなければ進歩しません。AIの精度が上がらなくなるデメリットもあります。
ちなみに、オプトアウトを設定しても、一定の期間は入力した情報は残るため、「うっかり」でも個人情報などを入力すると、それらが漏洩する可能性は否定できないことも覚えておきましょう!
ハルシネーションとは
ハルシネーションとは、AIが、存在しない事実や情報を生成してしまう現象です。学習用データとしているものが、必ずしも正しいとは限りません。AIが正しく学習できずに、不正確な予測や間違った情報をまるで本当のことのように出力してくることもあるわけです。「AIの言っていることがすべて正しいわけではない」と言われていますし、多くの人が「AIも間違える」と知っています。それでも、使ううちに、ついついAIの返答を鵜呑みにしてしまう、なんてこともあります。社会人にもなれば、多くの経験や積み重ねた知識から「おかしいぞ」と気づくかもしれませんが、中学生や高校生はより注意が必要だと言えるでしょう。
生成AIとディープフェイクの問題
ディープフェイクはAIを悪用し、著名人の動画や音声を合成し、あたかも本人が話しているように作成し、それらを悪用するような事例です。高校生にとっては「あ〜、投資詐欺みたいやつ?」と自分たちのフィールドには関係ないと捉えている向きが多いようです。しかし、詐欺行為や不正認証などにも使われていること、偽情報や偽広告は身近にあって、自分たちもまんまとだまされている可能性があることなどを念頭に置いて、注意深くありたいものです。
高校生が生成AIを使う前に
そもそも生成AIの利用規約を読んでる?
確かに面倒くさいのですが、使う以上はそれぞれの生成AIにおける利用規約をとにかく一度は読んでおきましょう。そして公式ガイドを一読しておくのも大切です。ファクトチェックしてる?
ファクトチェックは、AIが生成した情報が事実と一致しているかを確認するプロセスです。AIは、常に正確な情報を生成できるとは限らないので、ファクトチェックは重要なポイントです。生成AIで何をするか、成果物によってファクトチェックの方法も変わりますが、とにかくまずは「これは正しいのかな」と自分で考えること。ファクトチェックは、言葉どおり「ファクト(事実)」かどうかの確認なので、事実とおぼしき内容はまず正しい情報かどうかを、確認しましょう。
ここではファクトチェックの詳細な方法については触れませんが、いろいろな方法が提案されているので、ぜひ調べて試してみてください。
学校の決まりを守ろう!
高校にせよ、大学にせよ、生成AIの利用について最近では何らかの指針や規則を設けているところが増えています。しかし、教育現場における生成AIの見解はさまざまで、高校では現状、各教科の先生によって考え方が違ったり、共通のルールは策定されていなかったりすることの方が多いようです。いずれにしても、通っている学校、志望している大学の生成AI使用に関する注意事項等はかならずチェックしましょう。
広がるIT格差は学生の将来にも関係する

高校生といっても、いろいろな子がいます。
コエテコで取材をしているなかで、幼児期からロボットやプログラミング教室に通い、ITスキルの土台を築いて、AIの仕組みにもすんなりと入っていく中高生を見てきました。
中学時代からプログラミングやAIに興味を持ち、独学で学び、こうしたITスキルや知識が抜きん出ている子もいます。彼ら・彼女らは大学でもITの領域を極めていき、学生時代から起業したり、大手企業のインターンとして、さらに高いレベルに進んでいきます。
AIをいじっている高校生の間に、少しずつ「IT格差」が生じているようにも思えます。
すべての仕事がAIに取って代わることはないでしょうが、将来にわたって「やりたいことをやれる」範囲が狭まってしまう可能性は現実として迫っています。たとえ文系に進んでも、ITスキルを持つことはこれからの時代には必須となるはずです。
英語が話せることが今ではさほど珍しくなくなってきたように、今後はITスキルの基礎を習得していることも当たり前になってくるでしょう。
生成AIをいじって興味を持ったなら、そこから自分のスキルとして学ぶことも考えてみるといいのではないでしょうか。
生成AIはツール?それとも友だち?〜高校生と生成AIのリアルな関係〜
AI生成の話を高校生に聞いているとき、『AIにやってもらった』『AIが考えてくれた』といった表現がよく出てきました。最初は聞き流していたのですが、頻繁に出てくることから、次第に何か引っかかる感覚を持ちました。ある子は「AIがやってくれるから」と当たり前のように、さらっと口にしたのです。生成AIを、共に課題に取り組む仲間のような存在、作業を分担するパートナーのように捉えている意識があるのでしょうか。
たとえば、「レポートのまとめをAIにやってもらった」という発言は、AIが単なるツールとしてではなく、自分と協力して作業を行った存在として認識されている感じを受けます。道具に対しては『道具を使って』や『道具で』といった表現が一般的です。たとえば、「計算を計算機にやってもらった」とは言わないですよね? 「計算機で計算した」「計算機を使って計算した」と言うのが自然です。
発言の途中でしばしば「やってくれた」「やってもらった」と、より個人的で親近感のある表現を用いていたことを考えると、生成AIと高校生の親密度が感じられてしまうのです。
これは、AIが急速に発展し、わたしたちの生活に深く浸透していることを反映しているのかもしれません。高校生にとって、AIは遠い存在ではなく、身近な学習や創作のツールとして、そして時には相談相手のような存在になっているのかもしれません。
AIは1年ごと、いいえ、半年でどんどんと様変わりしていきます。教育トピックでは今後も、生成AIと学生たちの関係を追っていきます。
2024年1月21日、生成AIの仕組みを体験し親子でCM作りに挑戦する「AIクリエイティブ親子体験会」が開催されました。体験会は中高生向けデジタル教材を中心に次世代人材の育成を手掛ける「ライフイズテック株式会社」と「コエテコ byGMO」による共同開催。驚くほど進化している生成AIの世界をリアルに体験できるワークショップの様子を、たくさんの写真と共にご紹介します。
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大好評の子ども向けプログラミング教室・ProgLab(プログラボ)がこの春、中高生のためのAI開発講座「AIラボ」をスタート!この記事では東京・水道橋で行われた体験会のようすを交え、「そもそも、AIとは?」などなどについて、分かりやすくお届けします。
2024/11/06 11:43
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今回は、高校でAIをどのように使っていたのかを息子に聞き、さらに『後輩クンたちはAIをどんな風に使っているのかを聞いてきて』と頼みました。
かなり範囲は狭いのですが、それでも具体的な話を聞くことができましたので、まずはそちらからお話しますね。