プログラミング教育がわかる、プログラミング・ロボット教室がみつかる

本格派ロボットプログラミング教室「エジソンアカデミー」と「自考力キッズ」。未来を生き抜く力を養うカリキュラムとは?

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「エジソンアカデミー」本校のみなさん。見学したクラスの生徒は全員男児だったが、他のクラスには女児も在籍している

全国700以上の教室を展開する、ロボットプログラミング教室「エジソンアカデミー」。教材とカリキュラムの開発を手がける株式会社アーテックは、大阪府八尾市に本社を置く、学校教材・教育玩具メーカーです。

アーテックは保育園、幼稚園から大学、専門学校にいたるまで多くの教育機関へオリジナル開発教材や知育商品の販売を行っており、また日本国内だけでなく世界60ヶ国以上でも販売されています。2018年1月からは、小学3年生以下を対象としたプログラミング教室「自考力キッズ」も開講しました。

今回はカリキュラムの開発者である濱田さんに、メーカー自らが教室を展開することになった背景や教材の特長、そしてカリキュラムに込めた想いについてお話を伺いました。「エジソンアカデミー」本校で行われている授業の様子とともにお伝えします。



教材メーカーがロボットプログラミング教室を始めた理由

カリキュラムの開発担当者である、アーテックの濱田大地氏(企画室 教育コンテンツチーム主任)

私たちは学校教材・教育玩具メーカーとして、60年近くの歴史をもつ企業です。日本国内もちろん、世界60ヶ国以上でサイエンストイや知育玩具などの販売を行っています。現在、教材として使用されている「ArtecRobo(アーテックロボ)」は2012年から開発を始め、教室展開に先駆けて一般販売を行っていました。

「ArtecRobo」は自由自在に組み立て可能なブロックと、簡単なマウス操作だけでプログラミングができるソフトウェアを用いることで、子どもが楽しみながらロボットとプログラミングを学べます。教材としての性能には、自信がありました。

ところが、当時は学校や塾などで子どもたちがプログラミングを学べる場所がほとんどなく、せっかく教材を購入しても家庭でお父さんやお母さんがロボットとプログラミングを教えるのは難しい…。そのような状況もあり、なかなか浸透しなかったのです。

この経験によって子どもたちが学習できる教室、そして指導者を育成する必要性を強く感じたことが、「エジソンアカデミー」を立ち上げにつながりました。

ソフトとハードの両方を学べる「エジソンアカデミー」


テーマや用語などの確認とポイントの解説が行われて授業がスタート。生徒はロボットの完成形を理解してから制作を開始する

Q. 「エジソンアカデミー」の特長について教えてください

「エジソンアカデミー」の特長は、ソフトウェアとハードウェアの両方を学べることです。ロボットの組み立てに利用するブロックは「ArtecBlock」というオリジナル教材。一般的なブロックとは異なる独自の形状をしているため、タテ・ヨコ・ナナメのあらゆる方向に差し込むことが可能で、さまざまな形のロボットを簡単に組み上げることができます。ソフトウェアは全世界の教育機関で採択されている「Scratch(スクラッチ)」をベースに開発した専用ソフトウェアを使用。子どもたちは遊び感覚でプログラミングを学びます。

またプログラミングだけではなく、2種類のモーターと5つのセンサーの使い方を学ぶことで、それらが使われている身近な電気製品やロボットの仕組みまで理解できるようになっています。

2年間+エキスパートコース。最長3年4カ月のカリキュラム


レベルごとに3つのテーマが用意され、3カ月ごとにレベルアップする。取材当日はレベル8のテーマ2を実施。基礎を学んだあとはレベルアップミッションが用意されており、完成後には発表を行う

Q. 「エジソンアカデミー」のカリキュラムについて教えてください

教材の特長を最大限活かすために、カリキュラムは段階を追って着実にステップアップできるよう設計しました。1ヶ月に2回の授業を通して、1つのテーマを学習します。1回目は基礎知識の学習。2回目は学んだ知識を応用して、自分で考えてプログラミングを行います。

1つのレベルに対して3つのテーマがあり、3ヶ月ごとにレベルアップしていくカリキュラムです。例えば、レベル1では「光や音のセンサーの基礎」を学習。LEDや電子ブザー、タッチセンサーなどを用いて、「信号機」「イルミネーション」「電子楽器」の各テーマに取り組みます。もともとの授業期間は2年間でしたが、卒業生向けにエキスパートコースを開発し、現在は最長で3年4ヶ月のカリキュラムとなっています。

生徒の自主的な学びを大切にしたいという思いから、テキストはとても丁寧な解説を心がけ、子どもが一人でも読み進めて学習できるように構成しています。本校では講師は生徒の学習を補助する役割を担っていただいていますが、各教室の方針によって指導方法には多少の違いがあると思います。

メーカーならではの強みを活かした学習環境

コース2年目にもなると、生徒が一人でロボットを完成させることも珍しくない。ロボットプログラミング大会ではその実力を発揮し、高い成績を収めている

Q. 他の教室との違いがあれば、お聞かせください

私たちは教材の開発メーカーのため、ハード面・ソフト面を問わず現場の声をすぐに教材へ反映することが可能です。教材に合わせて学ぶのではなく、教材を子どもに合わせてより学びやすいものへと進化させられるのは、他のロボットプログラミング教室とは大きく異なる、私たちならではの強みです。

また2017年には、大学や小・中学校の先生と共に実行委員会を組織し、「ArtecRobo」ユーザーの為の大会「Universal Robotics Challenge(URC)」を立ち上げました。日頃の成果を発揮する場としてはもちろん、競技に参加することでさらに大きく成長できる機会にもなっています。第1回は東京と大阪の2会場でしたが、2018年は規模を拡大し、全国8会場で実施予定です。「ArtecRobo」のユーザーや「エジソンアカデミー」のカリキュラムはすでに世界22ヶ国で利用されているため、将来的には世界大会の開催を目指しています。

今後はAIIoTなどを取り入れた中高生向けのコースなど、工学の世界に興味をもった子どもたちがさらなる学びを追求できるカリキュラムの開発を予定しており、次なるステップへ向けた準備も進めています。

講師の声から生まれた、低学年向け教室「自考力キッズ」


「自考力キッズ」に通う生徒たち。本校の授業は先生と生徒だけで行うスタイルで、保護者は別室で待機している

Q. 続いて、「自考力キッズ」を開講した背景についてお聞かせください


「自考力キッズ」は、パズル×ロボット×プログラミングを学ぶことができる、小学校3年生以下の児童向けの教室です。「自考力キッズ」が生まれたのは、「エジソンアカデミー」を運営する教室から寄せられた声がきっかけでした。体験教室には低学年のお子さんが訪れることも多いのですが、「エジソンアカデミー」のカリキュラムは1・2年生が取り組むには少し難易度が高いため、せっかく興味を持っていても受け入れが難しいというものでした。

そこで、新たな教材やカリキュラムを検討することになりましたが、当社にはもともと、前述の「ArtecBlock」を用いたコンピューターを使わないロボット教材や児童向けの学習パズルがあり、「ArtecRobo」用のさらに簡単にプログラミングができるソフトウェアもありました。その2つを組み合わせて教材を作り、2年間の独自カリキュラムを開発したのです。2017年9月から本校で授業を開始し、一般開講は2018年1月からスタートしています。

パズル遊びからプログラミングまでできる、「自考力キッズ」のカリキュラム


取材当日はパズル作成の日。まずは1人でテキストと同じ図形を作成していく。早く終わった児童が自発的にお手伝いをする様子が見受けられた


Q. カリキュラムについて教えてください

「自考力キッズ」では、パズル作成⇒ロボット作成⇒パズル作成⇒プログラミングの順で、1回60分の授業を月に4回行います。

パズルは頭の中で図形をイメージできるようになるためのトレーニングで、ロボットを作るときに役立ちます。毎週違う内容で飽きないように工夫し、手を使って作業する時間を多めに確保。ロボット作成とプログラミングの回では、テーマに沿って作品を作ることに加え、自分のアイデアを盛り込む課題を取り入れています。

Q. どのような特長がありますか?

「自考力キッズ」でも「ArtecBlock」が大きな役割を担います。実は一般のブロックはタテに積み上げることしかできず、パズルはできません。そのためお子さんによってはパズル教室とロボット教室を別々に通うケースもあります。それが「ArtecBlock」なら6面すべてに繋ぐことができるため、平面でも立体でも自由に形を作ることができるんです。

「自考キッズ」ではひとつの教材でパズルとロボット、そしてプログラミングまで学ぶことができ、さらに「エジソンアカデミー」でも使い続けられる点は、他にはない大きな特長だと考えています。

カリキュラム開発へのこだわり1:プログラミング学習だけを目的としない


取材当日のテーマは、スキャン機能を付けたアームロボットの作成。操作部、アーム部、ガイド部、台、可動部の5つを組み合わせてロボットを完成させ、プログラミングを行っていく

Q. カリキュラム開発におけるポイントを教えてください

「エジソンアカデミー」のカリキュラム開発にあたっては、2つのことを大切に考えました。まず1つ目は、プログラミングだけの学習で終わりにしないこと。私たちの生活の中にある電気製品などは、プログラミングだけで動いているのではなく、機械部品やセンサーなどが組み合わさることによって成り立っています。どれも大切な技術であり、プログラミングと同じく社会を支えるものです。そのことを自然と学べるよう、カリキュラムではモーターやセンサーなどで物を動かすことや動きを調べることを何度も繰り返します。

大人になると技術的な仕組みに拒否感を持つ方が少なからずいらっしゃいますが、そう感じる前に子どものうちから慣れ親しんもらいたいと思っています。

カリキュラム開発へのこだわり2:学ぶ意味に自ら気づく

エジソンアカデミー・レベル8ー1「かみつき番犬ゲーム」レベルアップミッションの生徒作品。同じテーマでも、生徒によって仕上がりはさまざま。組み立て自在な「ArtecBlock」なら、自由な発想でロボットを作ることができる

Q. 2つ目に大切にされたこととは何でしょうか?

2つ目は、理科や算数・数学を学ぶ意味に気づけるカリキュラムにすることです。これは私自身の経験から、もっともこだわった部分ともいえます。私は大学で工学の道に進み、そこで初めて製品を作る技術に触れました。その時になってようやく、数学や物理を学ぶ理由が理解できたんです。高校までは理由も知らずに、ただ一生懸命に勉強していただけでした。

この先、お子さんから「なんで数学や理科を学ぶの?」という質問があれば、どれだけの方が「受験のため」「大人になって役立つから」という以外の答えを示してあげられるでしょうか? 私は子どもたちがロボットを作りながら学ぶ意味に気づくことで、「作りたいものがあるから、学ぶ」というスタイルが確立することを望んでいます。そのためカリキュラムには理科や算数・数学を応用する場面を多く設定しました。もちろん、学校で学ぶ範囲の応用なので、小学生でも十分に取り組める内容です。

本校に通う生徒の中には、「将来はアーテックで教材を開発したい」というお子さんもいて、夢や目標に近づくために学ぼうとする姿に開発者としての喜びを感じています。

今の子どもたちに必要なのは「未来を生き抜く力」

アドバイスを受けながら、プログラミングを微調整する生徒。自分で考えて答えを見つけられるよう、講師はヒントを与えながらサポートするQ. 教室に通うことで、生徒さんにはどのような変化が見られますか?

現在は全国700以上の教室で約3,200名(※2018年2月取材時点)の生徒さんが「エジソンアカデミー」で学習しており、一般開講したばかりの「自考力キッズ」でもすでに150名が受講しています。本校に通う生徒の保護者の方からよくお聞きするのは、「諦めずに試行錯誤し、自分で原因を考えて追求する姿勢がみられるようになった」というお子さんの変化です。

そう遠くない未来に、人が行っている仕事の多くがAIやロボットに置き換わるといわれる中、今の子どもたちには「AI・ロボットを使いこなす力」や「AI・ロボットにはできない仕事をする力」が必要不可欠です。「エジソンアカデミー」「自考力キッズ」で養われるのは、人間にしかできない新しい何かを生みだす力、つまり未来を生き抜く力だと考えています。

子どもの持つ力や知的好奇心を伸ばすには最適な教室


法人営業部次長・梶原さん(写真左)とカリキュラム開発者の濱田さん

Q. 最後に、保護者のみなさんへメッセージをお願いします

モノを作ったり、動かしたりすることが好きなお子さんにはとてもオススメです。カリキュラムの中ではモーターやセンサーを利用したゲームを作る機会も多いため、ゲームが好きなお子さんにもぴったりだと思います。本来であればロボット工学は高度な専門分野ですが、ここでは小学生が楽しんで理解できるようカスタマイズしているため、プログラミングやロボット工学の素地を遊びの中で自然と養うことができますよ。

私たちの教材は公立・私立小学校の教材にも導入され始めていますが、実際に小学校で学べる内容はどうしても限定的な範囲になってしまいます。基礎と応用を学んで子どもの力をしっかりと伸ばしたいとお考えであれば、一度実際の授業を体験してお子さんの反応を確かめてみるのはいかがでしょうか。今すぐではなくても、学校でプログラミングに触れてからお子さんに知的好奇心が芽生えた場合はぜひ通学していただき、伸ばしてあげてほしいと思います。

編集部コメント


見学した教室は、「エジソンアカデミー」コース2年目の11ヶ月目。すでに十分な知識と経験を得た生徒さんだけあって、先生の解説を聞いたあとは黙々と取り組んでいました。テキスト、ロボット、プログラミングの画面を交互に見ながら、ロボット制作に没頭する姿が印象的でした。隣の教室で学ぶ「自考力キッズ」の生徒さんからは、「お兄さんやお姉さんたちのように、格好いいロボットを作りたい」という声。すぐ近くに目標を見つけられる環境であることも分かりました。

プログラミング教育というと、プログラミング技術や論理的思考などのスキルに着目しがちですが、アーテックの優れた教材とカリキュラムは「なぜ、学ぶのか」という気づきを与えるところまで考えられています。これは教育現場の現状を深く理解する、老舗教材メーカーならではの発想ではないでしょうか。今年からはロボット大会「URC」の規模も拡大するなど、今後も注目したい教室です。


<エジソンアカデミー/自考力キッズ 本校>
大阪府八尾市北亀井町3-2-21 株式会社アーテック内5F
https://edisonacademy.wixsite.com/robot

TEL:072-928-6554(平日10:00~17:00)/090-8652-4333(左記時間以外)
MAIL:academy@keepon-web.com

※体験教室は、お近くの教室へお申し込みください
▼エジソンアカデミー
http://edisonacademy.artec-kk.co.jp/robot/


▼自考力キッズ
http://www.artec-kk.co.jp/school/jkids/


(取材・文・撮影/samusillee・コエテコ編集部、編集/コエテコ編集部)

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この記事を書いた人


コエテコ編集部

2020年から始まる小学校での「プログラミング教育の必修化」に向けて、小学生を対象としたプログラミング教室、ロボットプログラミング教室の市場はどんどん拡大しています。社会・教育・産業構造が大きく変革していく中で、未来の日本を担う子どもたちはグローバル化・情報化社会を生き抜く力を身につけなければなりません。 コエテコ編集部では、習い事やプログラミング教育に関わるテーマをわかりやすく、面白く伝える記事を作成し、皆さんにお届けしていきます。

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