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MVPは小学6年生!ヒューマンアカデミーロボプロ全国大会レポート(2018年)

2018年10月27日(土)、千葉工業大学東京スカイツリータウンキャンパスにてヒューマンアカデミー ロボプロ全国大会(第2回)が開催されました。

初開催の昨年に続き、ハイレベルなロボットが次々と登場した本大会。予想外の展開が連続し、終わりまで目が離せないイベントとなりました。



ロボプロ全国大会とは?


大会には「ライントレース部門」「テーマパフォーマンス部門」の2部門があります。

「ライントレース部門」とは、フィールドに示されたラインをセンサーで感知して走り、タイムを競う部門。ラインから外れたり、フィールドから落ちたりすると失格となります。

「テーマパフォーマンス部門」は、テーマに応じてユニークなロボットを製作する部門。ロボットのプレゼンテーションも評価の対象となります。今年度のテーマは「スポーツ」で、野球やバスケ、円盤投げをテーマとしたロボットが出場しました。

いずれの部門も、出場者は予選を勝ち抜いてきた実力者達。

小学生から高校生までの子ども達が、優勝(ライントレース部門)・最優秀賞(テーマパフォーマンス部門)を目指して競います。そして、両部門からもっとも優れた選手にはMVP賞が与えられます。

審査員にはfuRoのスペシャリストが勢揃い


審査委員長は千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター所長であり、ヒューマンアカデミー ロボティクスプロフェッサーコース監修・アドバイザーでもある古田 貴之先生

同じくfuRoの研究員の方々、ヒューマンアカデミーロボット教室の本部長などが審査員を務めました。


会場には前回のMVPである教室OBの鳥山 樹さんも参加し、現役生達と交流を深めました。

ライントレース部門・1回戦


イベント前半、ライントレース部門が開始しました。フィールドにはラインが引かれており、ロボットはセンサーでラインを感知して走ります。

ラインには急なカーブやクランクがあり、コースから外れると失格になります。

コースはイベント当日公開なので、選手たちは会場に入って初めてフィールドを確認することになります。

コントローラーでの操作は禁止なので、選手ができる操作は「スタートのスイッチを押す」だけ。うまくいかなかった場合、午後にある決勝戦までに調整することになります。

プログラミングスキル・ロボットの設計力だけでなく、現場での対応力も試される競技と言えるでしょう。


愛知・国府教室 高校1年生 伊藤 空(いとう・くう)さん


最初の選手は、前回の優勝者でもある愛知・国府教室 高校1年生の伊藤 空(いとう・くう)さん。


ロボット製作では「電池交換をしやすくし、カラーセンサーを最前部の低い位置につけました。左右の振れ幅を小さくするため調整しました」とのことですが、1回戦の結果は残念ながらコースアウト。

「if文(条件分岐)の中に余計なものをたくさん入れてしまっていたので、消して調整したい」と悔しさを滲ませました。


審査員からは「確実に決勝までは調整してくるだろうと期待しています」と激励のメッセージ。参加者にも分かりやすいよう技術的なコメントが飛びます。


「ロボットを見てみると、後輪がななめについているよね。これはどういう工夫かな?」

「前回のコースで走った時に、スピードを出し過ぎても勝てないなと思ったので。旋回性能を上げて、安定性を上げました」

「彼の言ってくれたとおり、後輪を斜めにつけると、スピードは若干遅くなるけれども旋回性能が上がるんですね。『今回は確実にとっていく』という姿勢が伺えますね」

分かりやすい解説に、会場からも「うんうん」と声が聞こえます。ロボット製作は試行錯誤の連続。選手たちの工夫を聞くことで、観戦にも熱が入ってきます。


大阪・狭山池前教室 中学1年生 宇津 凌(うづ・りょう)さん


審査員:「ライントレース競技って線をなぞっているだけに見えるかもしれないけど、コースが(紙や布などで出来ているため)波打っていたり照明の具合で変わったりするんです。結構難しいんですよ」


「(宇津さんのロボットは)結構速かったですよね。ロボットの大会っていうのは、予選でうまく走れなくても決戦で走れたらいいので、攻めたんじゃないかなと。僕自身も競技に出るとき、次があると思うと無茶をすることがあります」

愛知・国府教室 中学1年生 小林 優斗(こばやし・ゆうと)さん


審査員:「(小林くんのロボットは)重心位置がいいところにあるなと。旋回しやすい、操作性の良い機体ですね。ロボットの場合、電池が一番重たくなる、重心になるんですが、そうしたことはとくに教室では教えていない話なので、試行錯誤の中で学び取って作ったんじゃないかなと思います」


愛知・国府教室 中学1年生 白川 真大(しらかわ・まさひろ)さん


「完走おめでとうございます。とても安定していて、何回も試してみたんだろうなと思いました。去年の優勝タイムは確か10秒1くらいで、2位が17秒くらいだったと思うので、(白川さんの優勝には)かなり期待できるのではないかと思います」

「白川さんは今年の3月から教室に通い始めたんですよね。素晴らしい!」

白川さんは、選手の中でもとくに活発に交流を楽しんでいた


東京・東陽町教室 中学2年生 中 良介(なか・りょうすけ)さん


「緑のクランクがしっかり認識できたのが勝利のポイントですよね。そこでしっかりと減速したので、プログラムもしっかり書けてるんじゃないかなと。中さんのロボットはセンサーが前にあり、モーターが後ろにある形をしていて、一般的に制御するのが難しいんです。リスクは高い設計ですが、工夫が効いています。」

東京・東陽町教室 中学2年生 中島 智畝(なかじま・ちうね)さん


「非常に安定していましたね。小回りが利くロボットにしたということですが、本当にその通りで、旋回するときも速かった。速く回ると普通は行き過ぎちゃうもので、タイムロスやコースアウトをしがちですが、彼のマシンは素早く旋回しながらしっかり走れていて、非常によく工夫して作られているなあと感じました。」


愛知・国府教室 小学6年生 藤原 光琉(ふじわら・ひかる)さん


「『見た目をかっこよくした』というコメントをしていましたけれども、カラーLEDで文字を書いたりとか、走行とはあまり関係ない部分も工夫しているのが良いなと思いました。かつ、走行でもきっちり走れているのが素晴らしい。」

藤原さんのロボットは、ステージから落下した際に先端部分が破損。思わぬトラブルだったが、落ち着いた様子で対処していた。

東京・江戸川大杉教室 中学3年生 神成 隆之介(かみしげ・りゅうのすけ)さん


「(※アクシデントでモーターの線が切れてしまったことについて)今回、ロボットが壊れちゃったんですよね。ロボットコンテストでも、ほとんど切れかけの電池と間違えて持ってきちゃって、へなへなっとなってしまうトラブルがよく起こります。午後に向けてしっかり調整してほしいですね。」

ライントレース部門・決勝戦


午後に行われる決勝戦では、1回戦の結果を参考に対戦表が作成されました。
(※コースアウトしたロボットについては、走行できた距離を測定)

予想外のトラブルや逆転など、手に汗握る展開が続きましたが……見事、優勝を手にしたのは東陽町教室の中 良介さん緊張が一気に解けたようで、少し脱力した様子でコメントをしていらっしゃいました。


審査員の先生もおっしゃっていたように、思わぬ展開がロボット大会の醍醐味。とても大会らしい、見応えのある競技でした。

fuRoによるロボットデモンストレーション


ライントレース部門決勝戦までの間には、fuRoによるロボットデモンストレーションが行われました。


未来ロボット技術研究センター(fuRo)はロボット技術の全てを高いレベルで研究開発する機関で、人工知能や自動操縦の技術を手がけます。

今回、研究員である西村先生により紹介されたロボットは、福島第一原発の事故で数々のミッションを達成したロボット。前に2つ、後ろに2つ、ボディに2つのクローラー(キャタピラ)がついており、操縦はゲームのコントローラーで行うそうです。

「この4本足モードは、お子さんに人気なんですよ(笑)」とのこと。


通常のロボットには難しい、傾いた姿勢もこの通り!


高度なロボットの登場に、選手達もしばし競技を忘れて楽しんでいました。




ロボプロOB・鳥山 樹さんによるデモンストレーション


同じく、ロボプロOB・鳥山 樹さんによるロボットデモンストレーションも行われました。鳥山さんのロボットは、なんとプラスチックの外装からすべて自作したとのこと。コロンとした可愛い形が特長です。



あまりの完成度に、審査員も子どものような表情で「すごい!」を連呼。選手達も、身近な先輩と交流を深めました。

「何これ!?よくこんなに丸く削ったね」「いやぁ......」と盛り上がる審査員席


観覧席の子ども達が操縦体験。ロボットに興味深々!


先輩と交流する選手

テーマパフォーマンス部門


さて、ライントレース部門に続き、テーマパフォーマンス部門がスタートです。

「スポーツ」というテーマに沿ってロボットを製作し、プレゼンを行います。プレゼンの内容も審査対象となるため、選手達は分かりやすいスライドを作って臨んでいました。

東京・南野教室 中学1年生 大西 航(おおにし・こう)さん「バイク型ロボット」


古田先生コメント
「正面を見ると、一輪に見えて二輪なんですね。それぞれにモーターがついている。しかも後輪にもモーターがついている。この形でまっすぐ走るっていうのは、意外と難しいんだよな。いろいろなところが絶妙に調整されていますね。君もタフだけど、ロボットもタフだな」

東京・中野教室 中学3年生 川奈部 和音(かわなべ・かずね)さん「ミスターエンドレスダーツ 」


古田先生コメント
「彼は平気な顔してやっているけれども、中学生が工業用ロボットを動かしているってことです。あんな風に関節がいくつもあると制御が大変なんです。ロボットの手先を器用に動かすには、数学の知識が必要です。しかもあの速さで動かすとなると、プログラミングの技術も必要。見た目は派手ではないかも知れないけど、彼はすごいことをやっているんですよ。」

岐阜・西可児教室 小学6年生 熊谷 拓海(くまがい・たくみ)さん 円盤投げロボット「6624(ムロフシ)」


古田先生コメント
「君、小学6年生?マジか!(会場笑い)彼は2つのすごいことをやりました。初めから位置をプログラミングしてると、絶対にその動きができるけど、最初に置く位置がズレたりするとまっすぐ飛ばない。でも彼はカラーセンサーを使って、色に応じた動きをするようにプログラミングしているのでまっすぐ飛ぶんです」

「それから、距離を測って……と簡単に言ったけど、これも地道に地道に計測して計算して……という作業が必要。いいもの見せてもらいました。大学生レベルだ、製品化できるぞ!」


東京・中野教室 中学2年生 野口 幸聖(のぐち・こうせい)さん「ベースボールロボ 」


古田先生コメント
打撃って一瞬の動きだから、高精度のセンサーで見なければいけない。結構これ、打撃するのが大変だったよね?いかに打撃したときにスリップせず、ねらいの動きをしてくれるか調整するのがポイントだったと思います」

東京・日野豊田教室 中学1年生 藤澤 駿太(ふじさわ・しゅんた)さん「シュート君」


古田先生コメント
「まず、そのバスケットゴールが完成度高いんだが(笑)。ライントレースは照明の加減で色が変わるから、教室でできてもここではできない、ということが起こりうる。細かい調整が必要なんですね。」

「ディフェンス役の小道具の大きさを調整して、超音波センサーに反応してしまわないようにしていますね。小道具・大道具賞、演出賞もあげたい。相当調整してきましたね。パフォーマンス的に魅せてくれる作品でした」

東京・南大沢教室 高校1年生 三樹 拓弥(みき・たくや)さん「フィギュアスケート」


古田先生コメント
「二つのロボットを合体させているけれど、脳みそは1個。しかもモーターがぎょうさんついているから、普通は、すごい勢いで動いてしまって安定しない」


「脳みそ1個で動かすために、かなり高度なプログラミングの域に入っちゃったんだよね。2個あったらもっと簡単だったと思います。かなりプログラミングを頑張った作品だと思います」

各選手、個性的な作品が並びましたが、最優秀賞を獲得したのは岐阜・西可児教室 小学6年生の熊谷 拓海さん熊谷さんは総合MVPも獲得卓越した技術力と根気、アイディアが評価された形となりました。おめでとうございます!


全体を通して


ロボプロ全国大会は今年で第2回目ですが、選手のレベルが全体的に上がり、小中高校生とは思えないほどのロボットばかりでした。

審査員の先生からもコメントがあった通り、照明の具合やフィールドの状態、選手自身の緊張なども結果に影響してしまうのがロボットの大会。

予想外のアクシデントもありましたが、どの選手も清々しい表情で閉会を迎えました。


来年度はどのようなロボットに出会えるのでしょうか。ヒューマンアカデミーの生徒達の今後に期待が高まるイベントでした!

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