親として、わが子にやらせたい習い事もある。子どもがやりたいと言い出すこともある。週に2回を越えてくると「多すぎかな」と迷い、一方で「普通だよね」と思い、周りの子たちはどうなんだろうと気になることも。
今回の教育トピックでは、習い事の「頻度」にフォーカス。習い事の掛け持ちはどうなのか、多すぎるとよくないのか、ママ・パパの体験談も交えて、小学生の習い事はいくつがベストなのか探っていきましょう!
子どもの習い事の数・回数を判断するポイント
子どもの習い事の数・回数を判断するポイントはたった2つ!- 子どもの負担になっていないか?
- 家計の負担になっていないか?
「子どもが嫌がっていないか、疲れた様子や乗り気のない表情など見せていないか」と気を配ることが大切です。もともと体力がない子や低学年の場合には、たとえ楽しそうにしていても、「終わると夕方から寝てしまう」ようなら、負担がかかっているとも言えます。
もうひとつは、家計への負担です。習い事にはお金がかかります。現実的な問題として、家庭で出せる範囲はある程度決めておき、それ以上にならないように習い事の数を調整する必要があります。
上記が基本的な「習い事の回数を決める判断ポイント」です。では、次に小学生の習い事「平均的な」数を見てみましょう。
参考:習い事ランキング
小学生の習い事はいくつ?週に何回?
小学生の習い事「平均数」は1〜3つです。
こちらは、12歳以下の子どもを対象にしたアンケート結果です。
習い事は「1つから3つ」が約75%となっています。もっとも多いのが「習い事は2つ」ですね。もうひとつデータを見てみましょう。
小学生を対象とすると、6〜12歳になりますが、やはり習い事は1つ〜2つが多いですね。高学年になると1つが半数近くになりますが、これは「塾」をひとつと数えるケースが多そうです。高学年の塾は週に2回以上も多くなるので、1つに絞る傾向があるのかもしれません。
データを見る限りでは、「習い事は1〜3つ程度」が平均的です。
習い事の回数が多いデメリット
習い事の数・回数が多いデメリット4つ
① 学校の宿題がおろそかになる/家庭学習の時間が減る
② 自由にすごせる時間がなく子どものストレスがたまる
③ できる子は睡眠時間を削り、できない子は挫折しがちでマイナス面がある
④ 結局親の負担も増えるために、親子で疲弊してしまう
① 学校の宿題がおろそかになる/家庭学習の時間が減る
習い事じたいは1時間だったとしても、準備・通学・帰宅と考えると、なんだかんだと2時間はとられます。加えて、子どもは夕飯を食べお風呂に入り、さらに学校の宿題もあるでしょう。疲れたり眠くなったりした子どもはどうしても勉強への集中力が欠けてしまいがち……。体力や年齢、習い事の種類にもよるでしょうが、子どもの本分は「小学校の学業」であると考えれば、習い事が多すぎる弊害はないとは言えません。
② 自由にすごせる時間がなく子どものストレスがたまる
上記で述べた通り、時間に追われることによって、子どもが「だら〜ん」とする時間が減ってしまいます。習い事が多いと、自由な時間がなくなります。(本当はゲームしたいのに)(みんなと遊びに行けたのに)と、習い事のせいで好きなことができない=ストレスに感じる可能性は否定できません。
③ できる子は睡眠時間を削り、できない子は挫折しがちでマイナス面がある
習い事が多くても、やりきる体力や気力を持つ子はいます。一見、パワフルで努力家に見えますが、全員が全員そうではなく、中には親の期待に応えようと無理をするケースもないわけではありません。頑張りすぎてしまう子は睡眠時間を削ったり、本当は遊びたい気持ちを押し殺して耐えてしまいます。
いくつも習い事をしているものの、結局、どれも中途半端に終わる可能性もあります。
納得した上で習い事を辞めるならともかく、休みがちになり結果的に挫折となると「頑張った」達成感を覚えることなく、ちょっぴり残念な結果となりそうです。
④ 結局「親の負担も増える」ために親子で疲弊してしまう
習い事の数が多いというのは、親の負担が多くなるのが一般的。まず家計に負担がかかります。他で節約したり親が我慢をしたり、お金の負担は長期に渡るほど重くのしかかってきます。
習い事によっては親の出番もあるでしょう。送迎する必要もあるでしょう。兄弟姉妹がいればなおさら、親の負担が増え「やれやれ、疲れた」と親子でため息が漏れるようなら、習い事の数・頻度を見直すタイミングかもしれません。
習い事をたくさんすることのメリット
では、逆に習い事をたくさんやらせるメリットはあるのでしょうか?
習い事をたくさんすることのメリット
① 子どものさまざまな才能を伸ばすチャンスがある
② 好きなことや楽しいことであれば負担にならず逆に自信がつく
③ 時間の管理ができるようになる
① 子どものさまざまな才能を伸ばすチャンスがある
子どもは自分に眠っている才能を知りません。親もなかなか気づかないものですが、さまざまな習い事を通じて、本当に好きなことや夢中になれるものを見つけられる可能性はぐんと高くなります。指導に長けたプロフェッショナルから学ぶことで、眠っている力を伸ばすこともできるでしょう。やってみたら「面白くて」「どんどん意欲的に学んで」良い結果を生むこともありますね。
何事もやってみないとわからないのも事実。
機会を与えられるのは親ですから、いくつもの習い事を試してみるのも一概に悪いとは断定できません。
② 好きなことや楽しいことであれば負担にならず逆に自信がつく
子どもに限らず、好きなことなら誰でも無理なく楽しく続けられるものです。興味があることであれば子どもは習い事を負担と感じず、それどころか通う日を楽しみにするでしょう。好きこそものの上手なれと言いますが、褒められ、結果や成果が出ることで子どもは大きな自信を得られます。
③ 時間の管理ができるようになる
習い事、学校の宿題、家庭学習、自分の時間、1日24時間をうまく使いこなせるようになる子もいます。親のアドバイスや導きも必要ですが、いろいろなことをやっているけど、たっぷり睡眠もとり、時には友だちと遊び、ゲームをやって、家の手伝いをちゃんとする子も実際にいます。
上手な時間管理は大人になってから「身につけておくと助かるスキル」のひとつ。
習い事をたくさんするにあたっても、うまく効率的に時間配分できるようになれば、負担が減り、なおかつ学ぶものも多いので、必ずしも「たくさん習い事をさせるのはよくない」とも言えないわけです。
小学生の習い事はいくつがいいの?週2回/週5回以上/掛け持ちあり!それぞれの親の意見
- 子どもの習い事は週2回
- 子どもの習い事は週5回以上
- 子どもの習い事「1日で2つかけもちもあり」
小学生の習い事は「週2回がちょうどいい」と答えた親の意見とは
親がやらせたいもの+子どもがやりたいもの=2つ
習い事は週1~2回くらいでちょうどいいと思います。うちでは「子どもがやりたいこと・親がやらせたいこと」で1つずつ、兄弟に選ばせました。小1からふたりとも「そろばん」(親がやらせたいこと)に通い、もう1つを長男はバスケットボール、次男はロボット・プログラミングを選びました。ふたりいれば習い事は4つになり、家計の負担としてもこれが限度というのもありますね。
もちろんオリンピック選手をめざすとか、難関校から東大めざすとか、びっちりやらなくてはならないケースもあるだろうけど、それは特別なケースでは?(Mさん)
子どもの体力を考えて習い事の数や頻度を判断すべき
娘が習っていたピアノは土曜の午後。ただし、ほぼ毎日、自宅で30分は練習しないとならなかったし、発表会前になると練習時間も増える。小3で学童を卒業したあとは他に習い事を入れるつもりだったが、帰宅しおやつを食べて宿題をやってピアノ練習を終わらせると、それなりの時間になる。
私が仕事から帰宅すると娘がソファで寝ていることもよくあった。
塾に行かせるつもりだったが、受験するわけでもないので体力がつく高学年からにするつもり。習い事の頻度は子どもの体力がかなり影響すると思う(Uさん)
小学校生活や友達関係を優先したいから習い事は週1〜2回
高学年になり中学受験をするなら塾に週3回も普通でしょうが、それ以外の習い事を詰め込むのはどうかなと思う。
子どもにとって大事なのは何より小学校での時間。そして放課後は友だちと遊んだり学校の宿題をしたりして、ご飯食べてお風呂入ってゆっくり寝る。ということを最優先するならば、習い事の数は週1~2回が適切なのかなと感じる。
いろいろやりたいことがあるなら、夏休みや冬休みにワークショップや体験会に参加させるので充分(Sさん)
習い事は「週5回以上でもいいと思う!」親の意見とは
週1でも子どもが嫌がるなら習い事は負担になる
うちの娘は月曜にバレエ、火曜に英会話、水曜にスイミング、木曜にバレエ(週2回コース)、金曜はオンラインですが家庭教師をつけています。ですから平日はすべて習い事です。すごいわねと半分嫌味っぽく言われることもあります。でも、幼稚園から始めたバレエは上級者コースになり本人の意思で続けていますし、英会話もネイティブの先生とのレッスンを楽しみにしています。嫌がる様子はないですし、家庭教師以外は基本的に子どもがやりたいと言ったことなので、頻度の問題ではないと思います。
それよりたとえ週1回でも、子どもが嫌がっているのに無理やり習い事に行かせるほうがよくないのでは?(Tさん)
本人の気持ちが大事で子どもがやりたいなら数は関係ない
単純に「週何回まで」とは言えない。長男はサッカーをやっていたが、日曜は試合と練習、平日の夕方に小学校校庭で水・金と1時間半の練習があった。数えるとサッカーだけで週3回以上、小4の時点では英会話とスイミングに通っていたこともあり、まったく習い事がないのは木曜のみという状態だった。でも長男にとってはサッカーが大好きでやりたいことだったから、練習も楽しみで負担になっていたとは思わない。
要するに習い事は「本人のやりたいという気持ち」を尊重した結果、週○回となるわけで、多い少ないは子どもにとって負担になっているかどうかで判断するしかない(Yさん)
言われた通り習い事をやれる子どももいるから「本音」を聞くのが大事
長女は小5の時点で、絵画教室、スイミング、暗記/計算教室、ピアノ、体操教室、子供向け料理教室(隔週土曜)とガッツリ習い事で埋まっていた。しかし下の子の習い事も増えてきて、毎月の月謝に耐えられなくなった。
長女は生真面目なタイプで始めると「やめたい」とは言い出さず、どれも忍耐強く続けていた。それだけに「習い事は2つにしよう」と親の方から言い出すのにはかなり抵抗感があったが、率直に話したら「どうしても続けたいのは絵画教室だけ、あとは辞める」とあっさり選択。
次女はすぐに「嫌」とか「つまんない」と言うが、長女は表情にも言葉にも出さないし、できてしまうタイプだったが、「やったほうがいいのだろうと思って続けてただけ」と言われた。
子どもの性格によっては、本心がわかりづらいときもある。いくつでも習い事ができちゃう子もいるので、「できているから大丈夫」と思わず、子どもの本音を聞き出す姿勢は常に持っていたほうがいい(Rさん)
民間学童に習い事も丸投げ!子どもも親もラクでいい
民間学童に入れていますが、そこで学習タイムを終えた後はオプションで習い事を選べます。本人がやりたがった「工作・美術クラス」と「サイエンスクラス」、さらに「体操クラス」と3コースをとっています。さらに土曜日午後は近所のスイミングに通っているので、数でいえば、週4日の習い事になりますね。でも学童内で移動するだけなので、無駄な時間を過ごすこともなく、とても効率的。民間学童のメリットだと思います。
とはいえ習い事オプションもいれて毎月10万近くのお金が出ていきまが……(Eさん)
「掛け持ち」1日2つの習い事もさせた!
掛け持ちはみんなが言うほど大変ではない
そろばん(週3回ある)とダンスが水曜日に掛け持ちです。ダンスは4時からなので下校して、おやつ食べて宿題を半分くらいはできる余裕があります。ダンススクールは少し遠いので、私が車で送迎し、お迎え時にそろばんの道具を渡して、そのままそろばん教室へ。そろばん教室は3時から8時までの間なら、どの時間帯に行ってもいいので、そこをあまり気にしなくていいので掛け持ちが可能という面はあるかもです。
そろばんは小1から続けていて、ダンスは本人がどうしてもやりたいと言うので選んだため、掛け持ちの日があっても特に嫌がることもありません。送迎など親の手間がかかることは多いと思うけど、掛け持ちでも「普通にできる」ケースもあります(Fさん)
学童があるので週末に習い事を掛け持ち中
小3の息子は日曜の朝にテニスを90分。送迎はパパが担当で、10時すぎには戻ってきて、そこからけっこうのんびりしていますよ。お昼を食べさせたら14時から英語です。
日曜日にふたつも習い事を掛け持ちはかわいそうみたいに義母に言われますが、平日は学童があり習い事に行けないので必然的に週末に掛け持ちになってしまう。
でもお友達とは土曜日の午後に遊ぶ約束もするし、学校がない土曜には家族で出かけることもよくあるし、学童でも遊んでいるし、格別、大変だとは思いません(Nさん)
下校時刻が遅くなる高学年には掛け持ちは大変かも
小2の娘は水曜日に空手と英会話を掛け持ちしています。水曜は学校の下校が早く、私は9時5時でほぼフルタイムに近いパートですが、水曜を休みにし、この日に習い事を集中させました。学校へ迎えに行き、まず英会話に連れていきます。空手は17時からで、18時半に終わります。
水曜以外は学童に入れていますが、本人は水曜を苦にするどころか逆に楽しみにしています。ただし、学童を卒業し、下校時刻も遅くなる高学年になったら「掛け持ち」は厳しいとは思います。
上の息子は小5で塾が週3日で空手をしばらく掛け持ちで続けていましたが、朝起きれないほど疲れ切ってしまうので、結局、空手はやめました。状況によると思います(Aさん)
無理なく楽しく「習い事」を続けるために
「うちは、子どもがやりたいと言ったら、とりあえず全部やらせる。それで3ヶ月で辞めたとしてもいいと思ってる。やってみなくちゃ、本当に夢中になれるかどうかはわからないんだから」というママの意見が印象に残っています。
わたしは「習い事は始めたら頑張って続けるもの」という意識が強い方ですが、このママの意見にも一理あるなと思いました。
一般的には、小学生の習い事は週1~3回くらいが多いようですね。でも、実際に毎日習い事が入っている子もいるし、まったくしていない子もいます。塾と他の習い事は別モノと考える家庭もあります。
ひとつ共通しているのは「子どもが楽しく通えて、負担になっていないのであれば」週3日でも5日でも、掛け持ちでもいいのではないかということ。習い事に対する子どもの本当の気持ちを親が汲み取れるかどうかですね。
親子のコミュニケーションがしっかりしていれば、自然と「習い事の数」も決まっていくのではないでしょうか。
で、結局、習い事が多いのはダメなの?週何回くらいがいいの?