しかし、これらの資格の違いについて知らない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、G検定・E資格やその他AI関連の資格の違いについて紹介します。どの資格を受験しようか迷われている人は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。資格の違いがわかり、自分に合った資格が何か分かるようになるでしょう。
G検定とは?
G検定とは正式名称を「ジェネラリスト検定」と呼び、一般社団法人日本ディープラーニング協会(以下、JDLA)が実施する、AIおよびディープラーニングの活用リテラシーを評価する検定試験です。この検定試験は、ディープラーニングを活用するジェネラリスト人材向けの資格となっています。近年、AIやディープラーニングの技術の発展は目覚ましく、われわれの日常生活の中でも身近なものとなってきました。ビジネスシーンにおいても、これらの技術の積極的な活用が必要不可欠なものとなっています。
そのため、AIのビジネス活用方法について学びたい、DX人材としてさらなるキャリアアップを目指したいビジネスパーソンにとって、G検定は注目されている資格のひとつになっています。
この検定の概要は、以下のとおりです。
- 受験資格:制限なし
- 実施概要:試験時間120分、知識問題(多肢選択式・200問程度)、オンライン実施(自宅受験)
- 出題範囲:シラバスより出題 (引用:G検定とは‐一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】)
- 受験費用:一般 13,200円(税込)、学生 5,500円(税込)※2023年現在:各種割引制度あり
- 試験日程:年間5回程度開催
関連記事:G検定とはどんな資格試験?難易度や取得するメリットについても解説!
G検定とE資格の違い
G検定の類似資格として、「E資格」という資格があります。つぎに、G検定とE資格の違いについて、紹介します。E資格とは?
E資格とは、G検定同様にJDLAが実施する検定試験です。E資格は、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を保有していることを認定する資格です。また、G検定とは異なりエンジニア向けの資格であり、ディープラーニングの実装能力を評価する資格となっています。
E資格の試験概要は、下記のとおりです。
- 受験資格:JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していること(JDLA認定プログラムとは、JDLAが認定推奨している、ディープラーニングを実装できる人材を育成するための講座を指します)
- 実施概要:試験時間120分、知識問題(多肢選択式・100問程度)、各地の指定試験会場にて受験
- 出題範囲:JDLA認定プログラム修了レベルの出題(応用数学・深層学習・機械学習・開発運用環境など)・詳細はシラバス参照(引用:E資格とは‐一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】)
- 受験費用:一般 33,000円(税込)、学生 22,000円(税込)、会員 27,500円(税込)
- 試験日程:年間2回程度開催
G検定とE資格の比較
つぎに、G検定とE資格の違いについて、詳しく紹介します。- 受験対象者の違い
- G検定:ディープラーニングを活用する人材(ジェネラリスト)が対象
- E資格:ディープラーニングを実装する人材(エンジニア)が対象
- 受験資格の違い
- G検定:受験資格は特になし
- E資格:JDLA認定プログラム修了者(過去2年以内)のみ対象
- 受験場所の違い
- G検定:自宅受験が可能
- E資格:指定の試験会場で受験
G検定と同種のAI関連の資格
つぎに、G検定と同種(E資格は除く)の資格について、紹介します。G検定同様にAIやディープラーニング関連の資格としては、以下の4つがあります。おおよそ難易度が易しいものから紹介します。JDLA Generative AI Test
JDLA Generative AI Test とは、JDLAが実施している生成AIに関する基礎知識・活用を行うためのスキル・知識を評価する資格です。生成AIとは、AIが人間と会話しているような自然な文章・クオリティの高い画像・音声などを生成する技術のことです。この試験は、テスト的に2023年に初めて実施されたものですが、今後継続して行われる可能性があると言われています。受験資格は特になく、20問程度の択一式・多肢選択式の出題方法となっています。受験費用は、2,200円(税込)です。
AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals
AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentalsとは、Microsoft社が提供しているクラウドサービスである、Microsoft AzureにおけるAIに関する資格です。機械学習とAIの概念及び関連するMicrosoft Azureの基礎知識を評価する資格となっています。受験対象者としては、技術的背景と非技術的背景の両方を兼ね備えた人材を対象としています。そのため、前述のG検定に合格した人がつぎに目指す資格として、ふさわしいとも言われています。受験費用は、12,500円(税金の取扱いについては要確認)です。
AWS Certified Machine Learning-Specialty
AWS Certified Machine Learning - Specialtyとは、Amazonが認定するAIに関する資格です。具体的には、AWS(Amazonが提供しているクラウドコンピューティングサービス)における機械学習モデルの構築・チューニングなどのスキルを評価する資格です。この資格の受験対象は、AWSクラウドでの機械学習・深層学習の開発設計実行における、最低2年の実務経験が推奨されています。試験形式は、複数選択と複数応答の2つの問題形式を組み合わせて出題されます。問題数は65題となっています。受験費用は、30,000円(税金の取扱いについては要確認)です。
Professional Data Engineer
Professional Data Engineerとは、GoogleクラウドにおけるAIに関する資格です。具体的には機械学習モデルの運用などの知識が問われます。この資格の受験対象としては、業界経験が3年以上(Googleクラウドを使用したソリューションの設計・管理の経験1年以上を含む)となっています。試験形式は50~60問程度の多肢選択式です。受験費用は、$200(税別)です。
まとめ
今回は、ビジネスパーソンから注目されている資格のG検定と、AI関連の資格という点で類似の資格であるE資格との違いについて紹介してきました。G検定はAIを活用する人材向けの資格であり、E資格はAIを実装するエンジニア向けの資格と、ターゲットとなる対象が異なることが最大の違いということが分かったかと思います。また、E資格以外にも、G検定とAI関連の資格という点で共通点のある資格として、IT企業が提供しているクラウド関連の資格などがあることも紹介してきました。
今後、仕事でAIやディープラーニングを活用する機会がある人は、今回の記事を参考に自分に合った資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。