【講師向け】オンラインビジネスは会員サイト・スクール構築から|おすすめツールを比較・解説!
こうしたオンライン講座ビジネスの拡大に伴い、会員サイトやオンラインスクールの運営は多くの講師にとって魅力的な選択肢となっています。そこで、会員サイトやオンラインスクールを構築する際は何らかのサービスを利用する必要があります。
筆者自身もビジネススクールでの会員サイト作成・運用や、自身の講座のためにいくつかのプラットフォームを利用してきましたが、会員サイトの運用、講座開催、顧客サポートまでスムーズに行うためには、適切なツールやプラットフォームを選択することが成功の鍵であるということを実感しています。
本記事では、会員サイトとは何か、会員サイトを構築するメリット・デメリット、会員サイトの作り方からおすすめの使うべきツールまで、詳しく解説していきます。
会員サイトとは
会員サイトとは、特定のコンテンツやサービスを提供するWebサイトであり、利用者(ユーザー)は会員登録(ユーザー登録)することでページの閲覧やサービスを受けることができます。会員サイトの公開形態は、
- クローズド:登録しないとアクセスできない
- セミクローズド:誰でも一部の情報にはアクセス可能、詳しい情報や価格・サービス内容等は会員登録しないと閲覧・購入できない
一般的には専門知識やスキル・ノウハウの提供、教育コンテンツ、コミュニティ、オンラインスクールなど、有料コンテンツを提供する場として利用されます。
利用する際は、サブスクリプション型で月額料金を支払うものや、会員登録時やコンテンツの購入時に代金を支払うことでサイトの特典やコンテンツにアクセスができるようになっています。
会員サイトは、オンライン講座ビジネスの収益モデルの一つとしても広く利用されています。
会員サイトを構築するメリット・デメリット
会員サイトを構築するメリット
会員サイトを構築するメリットは、以下のようなものが挙げられます。- 収益の安定化
- 顧客のファン化
- 顧客層の拡大
また、会員登録しないと閲覧やコンテンツ利用できない特別感があり、会員サイト内でサービス提供側とユーザーがコミュニケーションをとることで1つのコミュニティとしても運用できるため、ファン化しやすくなります。
さらに、ユーザーの興味を引く情報やコンテンツを提供し続けることで会員登録の動機づけになり、新規顧客の拡大がしやすくなります。
会員サイトを構築するデメリット
一方で、会員サイトを構築するデメリットは、以下のようなものが挙げられます。- 構築や運営の手間がかかる
- ツールを利用する場合はコストがかかる
そこで会員サイトの作成や運用に使えるツールを利用すると、月額基本料などのコストがかかります。中には無料プランのあるツールもありますが、無料プランでは機能が制限されていることもあるので、欲しい機能を使うなら有料版へのアップグレードが必要になる場合があります。
会員サイトの作成方法
会員サイトの作成方法の大まかな流れを簡単に説明すると、以下の通りになります。1)目的の明確化
まずは会員サイトを作る目的を明確化します。例えば、継続的な講座やレッスンのための会員サイトであれば月額課金制のサブスクリプションで提供できるように構築すると良いでしょう。
資格取得のためにいくつかの講座をセットにして提供するのであれば、最初に全講座の受講費用を支払ってもらってからコンテンツを自由に使ってもらえるような形で構築するなど、目的によって会員サイトの作り方が変わってきます。
2)プラットフォームの選択
目的が明確化したら、利用するプラットフォームを選択します。会員サイトが作成できるプラットフォームは国内・海外で多くのサービスが展開しており、それぞれ使える機能が大きく違います。
目的に合わせて自分に必要な機能をピックアップして、使いたい機能が搭載されているプラットフォームを選んでください。
会員サイトの構築に必要な機能として、
- 決済機能
- 宣伝用のWebページの作成
- 受講者への連絡
- 受講者の進捗確認、管理機能
- 公開範囲を限定する機能(コンテンツの閲覧、視聴の制限)
- 会員登録する機能
- ログイン/ログアウト機能
- マイページ機能
- AIによる講座作成や販売のサポート
- 割引やクーポン発行機能
- アンケート機能
プラットフォームによっては決済機能はついているけどサブスクリプションに対応していない、海外のプラットフォームは多機能で良いが日本語対応していないなどのデメリットもあるため、目的に合わせた機能が使えるか、操作性が良いかどうかも必ず確認してください。
3)会員サイトのデザイン・カスタマイズ
会員サイトの作成時にデザインを選んでカスタマイズできるプラットフォームもあります。例えば、自身でナビゲーションの設定やページのレイアウトを随時、調整することで、ユーザーが簡単にコンテンツにアクセスできるように変更することも可能です。デザインによりユーザーの使い勝手か変わるので、雰囲気の良いデザインも大切ですが使い勝手も重視してカスタマイズすることをおすすめします。
4)コンテンツのアップロード
動画、オーディオコンテンツ、PDF資料など会員サイトで提供するコンテンツやサービスを会員サイト内にアップロードします。小テストを入れたり段階的に動画講座を視聴できるよう公開日や公開期限を設定したりするなど、利用者が飽きずに効率よく学べるような工夫をすると良いでしょう。
また、会員向けの入会特典、継続すると受け取れる特別講座などのプレミアムコンテンツがあると新規会員の登録時のPRポイントになります。
サブスクリプション型の会員サイトの場合は、最初から全てのコンテンツをアップロードする必要はありません。必要に応じて徐々にコンテンツを増やしていけば良いので、会員サイトを運営しながらでもコンテンツ作成は可能です。
5)支払い方法の設定
利用者が会員サイトにスムーズに支払いできるよう、支払い方法を設定します。プラットフォームによってクレジットカード対応の可否、連結できる外部サービス(PayPal、Stripeなど)が違います。複数の支払い方法が設定できるようなら、利用者の利便性を考えて複数設定するのも良いでしょう。
また、一括購入してもらうのかサブスクリプション型の課金サービスにするのかも決めて、価格の設定も行います。
6)集客用のWebページの作成
会員サイトで提供するコンテンツの情報を集約したWebページがあると、集客する際に便利です。WordPress等でホームページやランディングページを作成するのも良いですが、スキルと知識が必要ですし、外部委託するとコストがかかります。プラットフォームによっては、簡単にWebページやランディングページを作成できる機能が搭載されているものもあり、追加コストをかけずに作成できて便利です。
SNSを使って集客するのもおすすめですが、SNSにWebページのリンクを貼って投稿するのも良いでしょう。
7)テストと改善
サイトを完成させたら、動作テストを行い、ユーザーがスムーズに会員登録やコンテンツの閲覧ができるか確認します。必要に応じて改善を加えていきます。実際に会員サイトを運営してみてわかることも多数あります。利用者からの声を聞きながらより良いものにブラッシュアップしていきましょう。
利用するプラットフォームによっては、どの手順で会員サイトを作成すると効率的かガイドがついているサービスもあります。その場合は上記のような流れではなくガイドに従って作成してみてください。
以下の項では、会員サイトの構築におすすめのツールをご紹介します。
1)メルマガ配信スタンドの会員サイト機能を使う
MyASP(マイスピー)

『MyASP(マイスピー)』は、株式会社ツールラボが運営するメルマガ配信スタンドと呼ばれるメールマガジンの配信に特化したサービスがベースですが、LINE配信、SNS配信、登録フォーム、商品販売、自社アフィリエイト、会員サイトの運営などが可能な多機能システムです。
メルマガに関する機能は特に充実しており、高い到達率とクリック分析、シナリオ分岐、読者の属性(見込み客、購入者、リピーター等)をセグメントして相手に合わせた情報を発信できるセグメント配信などがあります。
無料プランはなく、有料プランのみ(価格は2024年2月現在)で以下の通りです。
- ビギナープラン:初期費用0円、月払い月額3,300円
- パーソナルプラン:初期費用0円、月払い初回60日13,200円、3カ月目以降6,600円
- スタンダードプラン:初期費用0円、月払い月額11,000円
- マッハプラン:初期費用 110,000円、月払い月額33,000円
会員サイト機能とLINE配信の連携、SNS配信はスタンダードプラン以上で利用可能です。
MyASP(マイスピー)の会員サイト機能
MyASPではメルマガ購読者か有料会員に登録した人だけがログインし、視聴や閲覧できる会員サイトが作成できます。 会員サイトがメールマガジンのシナリオに付随しているため、シナリオを作成すると会員サイトが作成できるようになります。ユーザーは、シナリオに登録すると会員サイトのログインURLとパスワードがメールで送られる仕組みになっています。有料の会員サイトの場合は、シナリオ登録時に支払いが発生します。ユーザーの支払い方法は、一括での支払いと月毎課金の両方が設定可能です。
会員サイトのデザインは5種類のテーマから選ぶことができ、HTMLを書き換えることで自由に変更できます。
1つのシナリオに対して会員サイトの作成は1つのみになりますが、シナリオを複数作成すれば複数の会員サイトを作成できます。
ステップサイト機能(登録後1日後、2日後・・・と、記事を順番に自動で公開する機能)や記事公開時の通知メールの設定、限定公開記事、記事を見た人のラベル付けも可能です。
2)オールインワンプラットフォームを使う
UTAGE(ウタゲ)

『UTAGE(ウタゲ)』とは、株式会社Fountainが運営するオールインワンプラットフォームで、Webページの作成、メール配信、LINE配信、会員サイトの作成、決済、顧客管理などの機能を使い、集客の仕組み化が可能なシステムです。
集客の仕組み化とは、集客により見込み顧客が興味を持ち、購入し、サービス提供して満足してもらい、リピートするまでの流れを循環させる仕組みを構築することです。
主な機能は、
- 現役マーケターが作成したテンプレートを使った集客用のWebページや販売用ページの作成
- 一斉メール、ステップメール、リマインドメールの配信による販売や購入の顧客フォロー
- メール配信と同様にLINE配信も一斉配信、ステップLINE、リマインド配信が可能
- クレジットカード決済との連携
- 商品購入後にワンクリックで追加商品の購入(アップセル)も可能
- 会員サイトの作成
- 動画のアップロード、配信
- AIによる文章作成のアシスト機能
14日間の無料お試し期間はありますが、月額21,670円(初期費用は0円)の有料プランのみです。
UTAGE(ウタゲ)の会員サイト機能
UTAGEの会員サイト機能を使うと、購入者だけが閲覧できる有料の会員サイトの作成が簡単にできます。決済機能と連動しており、決済後に自動でアカウントが発行され、購入者にメールで案内されます。UTAGEでは、複数の会員サイトを作成することができます。また、会員サイトの中にコースを作成できます。
公式サイト等には明記されていないようですが、UTAGEを利用したユーザーの声から学習の進捗状況を確認できる機能もあるようです。
3)講座作成に特化したオールインワンプラットフォームを使う
コエテコカレッジ

登録費・月額費用無料で始められるだけではなく、有料/無料、 単発/連続、 オープン/限定など講座作成時に自身の講座形式に合わせた設定ができます。手数料は無料講座であれば0円、有料講座でも他のプラットフォームに比べると低コストです。
Zoomによるオンラインでの講座開催以外にも、講座動画(動画レッスン)も販売できるため、多角的に講座ビジネスに取り組めるシステムです。
動画講座は有料講座、無料講座の両方が設定できます。単発講座、連続講座、サブスクリプション形式の講座(2024年2月以降全てのプランで利用可能)、オープン(公開)講座、限定講座(クローズドで会員サイトのような使い方も可能)など、多様な講座開催形式に対応しています。
主な機能は以下の通りです。
- 動画の公開日時や公開期限の設定が可能
- 月毎の決済管理(サービス内で完結するオンライン決済機能)
- 割引制度・クーポン機能
- アンケート機能
- 対象講座受講者全員へ連絡できるグループ機能を利用してコミュニティを作ることが可能
- 受講者への個別連絡も可能
- 出席期限、講座の時間やURL連絡など受講者への自動連絡メールの設定
- LINE連携(LINEから通知を送る機能)
- 受講の進捗が確認・管理できる受講者管理
- レビュー機能
- 講座パック機能(作成済みの講座をパックにして販売:2024年2月より全てのプランで利用可能)
- AI販売アシスト機能(AIがどんな講座が作れるか分析し、販売までのスケジュールを立てる機能)
- AIによる動画自動文字起こしや動画内容の要約機能(プランによって回数の制限あり)
- コンビニ決済・銀行振込などの支払い方法の選択が可能
- 課題機能や問題集作成機能
- 複数管理者
公式URL | |
---|---|
集客機能 | なし |
登録費用 | なし |
月額利用料 |
|
手数料 |
|
運営会社 |
GMOメディア株式会社 |
コエテコカレッジの機能を使って会員サイトやオンラインスクールを作成
コエテコカレッジは、会員サイト作成に特化したサービスではないため、講師の作成するスクールや会員サイトに直接ログインするような形式ではなく、コエテコカレッジに登録し、ログインして講座を受講するシステムになっています。ただし、講座を限定公開して特定の人だけに公開する機能があり、複数の講座をパッケージにして一括購入もしくはサブスクリプションでの購入が可能なので、会員サイトのような利用方法も可能です。ユーザーは、自分が購入した講座をマイページで確認できます。
Webページの作成も直感的な操作で簡単に作成でき、無料プランでは公開できるWebページが1ページまでと制限はありますが、無料で使える機能も多いため低コストで会員サイトの運営を始めたい方にはおすすめです。
今まで講座パック機能はプロプランのみの利用に限定されていましたが、2024年2月から無料プランでも利用できるようになりました。
コエテコカレッジを使った事例
コエテコカレッジを利用した事例として、2つご紹介します。NHK学園オンライン教室

詳しくはこちら:NHK学園オンライン教室
TeamSABOTEN気象予報士スクール

資格取得の小手先のテクニックではなく、気象現象の本質を学び、気象の本当の楽しさや奥深さを知って気象の世界への興味がより一層広がるような、数多くの動画講座の販売や、ライブ講座が行われています。
詳しくはこちら:TeamSABOTEN気象予報士スクール
まとめ
会員サイトを作成できるプラットフォームは、月額利用料が比較的高額なサービスが多いようです。決済機能やWebページの作成、メルマガ配信など、それぞれのツールをバラバラに使うより、1つに集約されたプラットフォームを利用することで一括管理でき、利用料もそれぞれで支払うことを考えると多機能な分コストがかかるのも頷けます。
ただ、コエテコカレッジのように低コストで始められるツールもあるので、この記事を参考にどのような会員サイトを構築し運営したいかを考え、適切なプラットフォームを選択してください。
WRITERこの記事を書いた人
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