オンライン講座を始めるのに何が必要?|必要なもの・あると便利なアイテムをご紹介

オンライン講座を始めるのに何が必要?|必要なもの・あると便利なアイテムをご紹介
コロナ禍からの非対面サービスの需要増大に伴い、どのような業種もオンライン化が急速に進みました。中でも、オンライン講座はPCやスマートフォン・タブレット端末があれば気軽に始めることができ、ピアノや英会話、ヨガなど体験型の講座もオンライン開催する講師が増えています。今や資格取得から趣味の講座まで、多様な講座が開催されるようになりました。

では講座を始めるにあたり、どのような準備が必要なのでしょうか。今回はオンライン講座に必要な環境・必要なものや、あると便利なアプリ・プラットフォームなどをまとめてみました。

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オンライン講座に必要な環境

講師も受講者も、オンライン講座ではインターネットに繋がる環境が必要です。ZoomやGoogle Meet等のオンラインミーティングサービスを利用したライブ配信型の講座の場合、インターネット環境が悪いと途中で切れてしまったり音声が途切れてしまったりして、スムーズな講座開催ができません。

大人数で講座を開催する、画面共有する、講座を開催しながらインターネットを使って他の調べ物をするなど、講座の内容や状況によって推奨される通信速度は多少変わりますが、例えばZoomの場合は10〜30Mbps程度の通信速度があると良いとされています。

自宅以外で講座を開催する講師の方は、スピードテスト等で開催場所のWi-Fiの状況を調べておきましょう。

オンラインミーティングサービスは無料・有料どちらを選ぶか

無料で利用できるオンラインミーティングサービス

オンライン講座では、必ずオンラインミーティングサービスを使います。無料で利用できるサービスは、有料にアップグレードすると機能が拡張します。
主なものは以下の4つです。
  • Zoom
  • Skype Meet Now
  • Microsoft Teams
  • Google Meet
それぞれ特徴があり、どのオンラインミーティングサービスも無料で試せます。無料版では使える機能と使えない機能がある(有料版にアップグレードすることで使えるようになる)ので、開催できる人数や時間、録画できるかどうかなど機能を比較して選びましょう。

詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事:無料で始められるオンラインコミュニケーションツール人気4選徹底比較

有料版にアップグレードする際は支払い方法を検討

無料版では機能が制限されていたり、時間や人数の制約があることも。1対1の講座なら無料版で十分な場合もありますが、無料版では不十分な場合は有料版に切り替える必要があります。そこで気をつけたいのが支払い方法です。

Zoomの有料版は、月払いよりも年払いの方がお得です。2023年12月現在の価格で、以下の価格です。
  • 月払い:$ 15.99
  • 年払い:$ 149.99(21%オフ)
1年以上継続して利用する予定の講師の方は、年払いにすることを検討してみましょう。現在月払いで支払っている方でも年払いに切り替えることが可能です。

また、Zoomはドル支払い、日本円支払いの両方可能です。ドル支払いにする場合は、為替レートの変動に伴い利用料金が変わります。円安の場合は日本円で支払ったほうがお得になることがあるので、支払い方法を選ぶ際は為替レートも考慮に入れてください。

日本円での支払いは2023年12月現在の価格で、以下の通りです。
  • 月払い:2,125円
  • 年払い:20,100円(21%オフ)
ただし、ドル支払い・日本円支払いの切り替えは1回のみです。よく検討してから支払い方法を決めてください。

有料講座を販売するなら決済システムは必須

有料講座を販売する際は、受講料の受領のためのオンライン決済システムが必要です。銀行振込ではメールで口座の案内をする作業だけになりますが、カード決済も利用できると受講者の負担が減り、申し込みやすく、未払いトラブルが起こりにくくなります。

PayPalは無料でアカウントを作成でき、初期費用や月額利用料無料で簡単なオンライン決済が可能です。受講者側の支払いは、デビット・クレジットカード・銀行口座から支払いできます。

ただ、決済手数料が1件あたり2.9%+40円かかります(2023年12月現在の価格)ので、銀行振込とPayPal決済では講師の受取金額が変わります。講座費用の設定に手数料を上乗せして受講者に請求するかどうか検討すると良いでしょう。

Stripeも無料でアカウント作成でき、多機能なオンライン決済システムです。決済手数料は1件あたり3.6%(2023年12月現在の価格)です。

必ずしも必要ではないがあると便利なアイテム

オンライン講座において、見やすさ・聞きやすさは非常に重要です。講座の満足度にかかわってくるところなので、受講者が視聴しやすい環境を整えて講座を開催したり、動画を作成しましょう。

必ずしも必要ではありませんが、あると受講者の見やすさ・聞きやすさが上がるアイテムをご紹介します。(※以下、価格は全て2023年12月現在の価格です。)

パソコンに外付けできるWebカメラ

基本的にはPCやスマートフォン・タブレット端末のカメラを使えばオンライン講座の開催は可能です。
ただ、綺麗な画面で見せたい、視野角を広げたい、カメラ位置を変えたい場合は、Webカメラがあると便利です。

解像度が高いと綺麗な画質になりますし、広い視野角のカメラを選べば広範囲を見せることができます。クリップでパソコンに固定できるものや三脚が付いているものもあるので、講座の内容に合わせて選び、受講生が見やすいようにしてあげましょう。

人気のWebカメラは、性能により数千円で買えるものから20,000円台のものまであります。マイク内蔵や手振れ補正機能など、求める性能が高くなると値段も上がります。

広角レンズ

スマートフォンについているカメラに広角レンズを付けると、視野角が広がり画面に映る範囲が広がります。2,000〜3,000円ほどで買えるものが多いので、ヨガや料理などもっと広い範囲で見せたい、会場全体を見せたいなど必要に応じて購入しましょう。

パソコン用の広角レンズもありますが、パソコンの場合は視野角の広いWebカメラもあるので、広角レンズを買う前にWebカメラの導入を検討することをおすすめします。

マイク付きのワイヤレスイヤホン・ヘッドセット

調理中や、スクリーンの前での講義など、雑音が入ったり、パソコンやカメラと距離がある場合は、受講者には講師の説明が聞こえにくくなることがあります。マイク付きのワイヤレスイヤホンやヘッドセットがあれば、動きながらでも講義が可能です。

またパソコンやスマートフォンのマイクを通して聞くよりも、マイクの性能が良いワイヤレスイヤホンやヘッドセットを使った方が聞き取りやすくなることも。

値段は、ワイヤレスイヤホンは数千円から5,000円以下で買えるものも多く、ヘッドセットは5,000円以下のものもありますが5,000〜10,000円で買えるものが多いようです。性能が高くなると価格も上がりますが、音楽を聴くためではなく講座で使用するだけなら音質などの性能にはそこまでこだわらなくても良いでしょう。

ピンマイク

講師がピンマイクを付けると、受講者には音声がクリアに聞こえます。これは前述のイヤホンマイクやマイク付きヘッドセットがあれば良いように思いますが、ピンマイクはマイクが向いている方向の音をよく拾うので、雑音が入りにくいという特徴があります。

数千円で買えるものから数万円のものまであります。

三脚、スマートフォンやタブレットのスタンド・ホルダー

カメラやタブレット、スマートフォンを固定するのに便利です。三脚は100円均一で買える小さなものから脚の長さを変えられる大きなものまであり、受講者が見やすい画像が撮影できるようにカメラの配置を考えて選びましょう。スマートフォンやタブレットのスタンド・ホルダーも同様です。

照明

オンライン講座では講師の画面が暗く表情に影ができているとあまり良い印象を与えません。リングライトなどを使って顔映りを良くすると、印象も明るくなります。

リングライトは顔全体に光が当たり、コンパクトで使いやすいものが多いです。卓上のリングライトには三脚とスマートフォンを固定するホルダーが付いているものもあります。パソコンやスマートフォンにクリップで付けられるものもあるので、講座で使うIT機器を考慮して選ぶと良いでしょう。

リングライトは2,000〜5,000円ほどで買えるものが多いです。付属品でリモコンが付いているものもあります。

プロジェクターとスクリーン、またはホワイトボード

立ったまま講義したい場合は、スクリーンとプロジェクターを使って資料や映像などを表示し、それをパソコンやカメラで写して講義することも可能です。リアルで開催する講座に近い状態を受講生に見せることができます。

スクリーンやプロジェクターはそれぞれ1万円以上するものが多いですが、使用する講座が限られていてたまにしか使わないようでしたら会議室をレンタルすると無料で借りられることもあります。

スクリーンの代わりにホワイトボードを使って書いて見せたり、プロジェクターからホワイトボードに資料を表示できますが、ホワイトボードは光ると受講者が見にくくなるという欠点があります。

ちなみにZoomには「ホワイトボード」という機能がありますが、これは「ホワイトボード」を画面共有して手書きで線を書いたりテキストを入力したりする機能です。講師だけでなく受講者側も操作できます。

番外編:外付けの大型ディスプレイ

これは、講師が受講者を見やすくする工夫です。大人数の講座になると、受講者一人ひとりの顔が小さく表示されるので表情などがわかりにくくなります。ノートパソコンは画面が大きくないので、表情を捉えることが難しいでしょう。さらに画面共有すると受講者の表示人数が減り、一部の人しか画面に表示されません。

Zoomにはデュアルモニタディスプレイ機能があり、ノートパソコンに外付けできる大型ディスプレイを使うと、画面共有はメインのパソコンで、受講者の様子はディスプレイで確認することができます。チャット画面をディスプレイのほうに表示させることも可能です。

ディスプレイは1万円台で買えるものもたくさんありますが、3〜5万円ほどするもの、もっと高額なものも多いです。

ダウンロードしておくと便利なアプリ

オンライン講座に必ず必要なアプリはありませんが、ダウンロードしておくと便利なアプリはあります。

Zoomなどのオンラインコミュニケーションサービスはアプリがなくてもブラウザで動作するサービスがほとんどですが、専用アプリをダウンロードしておくと、いくつかのメリットがあります。

講師が発行したミーティングのURLを受講者がブラウザで開けばミーティングに参加できますが、何かトラブルがあってミーティングに参加できない場合は、ブラウザからではなくアプリにミーティングIDを入れて参加するなど別の方法を試すことができます。

録画を共有するには、大容量ファイルを送信するためのアプリ等もありますが、アプリがなくても共有できます。録画の共有については次の項で詳しく説明します。

講座を録画して共有するには

動画のデータをそのままメールで送ると容量が大きいので、圧縮して送る必要があります。圧縮・解凍の作業が面倒な場合は、YouTubeや無料の大容量ファイル転送サービス、アプリなどを使うと良いでしょう。

YouTube

YouTubeにアップロードして限定公開にすると、動画のURLを知っている人のみが閲覧できます。不特定多数ではなく見る人を限定したい場合は、簡単な作業でできますしURLを送るだけなので便利です。

ただし以下の2点は注意が必要です。
  • URLを知っていれば他の人も見ることができる
  • 再生リストのプライバシー設定が「公開」になっていると、他のユーザーが閲覧できてしまう
限定公開する場合は、リンクを他の人に送らないこと、再生リストの公開設定の変更をアナウンスしてください。
再生リストの公開設定の変更はこちらをご確認ください。

非公開は、ユーザーを指定して動画の閲覧を許可する方法です。講師が動画をアップロードする際に共有したい相手のGmailアドレスを入れて招待します。招待された人は自分のGoogleアカウントにログインする必要があるので、Googleアカウントがない受講者にはアカウント作成を依頼する必要があります。

大容量データ転送サービス

ギガファイル便、データ便、おくりん坊などの無料で大容量データを転送できるサービスは、動画データを転送するのに向いていますが保存期限があるサービスがほとんどです。

パスワードを知っている人のみダウンロードできるような設定も可能なので、パスワード設定できるサービスを選びましょう。ダウンロードされたかどうかの通知機能がついているサービスもあります。

アプリやGoogle Chromeの拡張機能を使う

Send Anywhere Email Add-onは大容量のデータをOutlookやGmailのメールに添付して送ることができるアプリです。送信側はPCやスマホ・タブレット端末でアプリをダウンロードするとメールに大容量ファイルの添付が可能になります。

転送ファイルのサイズが10GBでダウンロード可能期間に制限がある無料プランと、より高速で容量も大きく、ダウンロード可能期間に制限のない有料プランがあります。
受信側は、スマホなどモバイル端末での受診時にアプリのダウンロードが必要な場合がありますので注意が必要です。

もしくは、Send Anywhere For GmailをGoogle Chromeに追加することで大容量ファイルをGmailに添付して送信することが可能です。

録画や資料を共有するときの注意点

講座の録画や資料を受講者に共有・提供する際は、注意があります。講座の内容をWeb上に公開されてしまうと、講座への集客に影響が出ます。
  • 無断でSNSなどに公開しないこと
  • 動画や資料は自分の復習のみに使用すること
この2点を守ってもらうよう、ルール化しておきましょう。申し込み時のフォームに書いておき同意の上申し込んでもらう、講座の最初に伝えるなど事前にアナウンスすることを決めておくとスムーズです。

講師

受講者

パソコン・タブレット端末・スマートフォン

インターネット環境

オンラインミーティングサービス

◎(無料版・有料版あり)

オンラインミーティングサービスの専用アプリ

◯(あると使い勝手は良い)

◯(あると使い勝手は良い)

決済システム

△(有料講座を開催するなら)

ファイル転送アプリやGoogle Chromeの拡張機能

△(動画の共有に必要であれば)

△(動画の共有に必要であれば)

Googleアカウント

△(YouTubeを利用する場合必要)

△(YouTube非公開にするなら必要)

オンライン講座プラットフォーム

◯(あると使い勝手は良い)

◯(講師が導入することで受講者にとってのメリットもあり)

* オンライン講座で必要なもの、推奨アプリなど

オンライン講座開催に必要な機能が揃ったプラットフォーム

オンライン講座を開催するにあたり、準備すべきことを今まで説明してきましたが、これらの作業は非常に大変で、肝心の講義のクオリティを上げることに力を注げない可能性があります。

そこで、最近よく利用されているのは、
  • 決済機能
  • 動画のアップロード
  • 資料のアップロード
  • 販売用のWebページの作成
  • Zoomと連携してURLをメールで送る
  • メールの自動返信
  • LINEで受講者に通知
  • 割引機能やクーポン発行ができる
など、必要な機能が揃ったオンライン講座プラットフォームです。講師は事務的な作業負担が軽減され講義のクオリティをあげることに注力できますし、受講者側も決済が安全でスムーズにできる動画や資料が一括で管理されていて受講しやすいなどのメリットがあります。

また、AIを使った販売アシスト機能がついている高機能なプラットフォームもあります。

オンライン講座プラットフォームは講師にとって多くのメリットがある反面、どれを選ぶかによって使える機能が大きく違い、無料講座が開催できない、1対複数の講座が開催できないなどデメリットもあるため、機能をよく比べて選びましょう。

日本国内のサービスでは、以下のようなものがあります。
  • 完全無料で始められる高機能なコエテコカレッジ
  • 対面かオンライン開催の講座開催に特化したストアカ
  • コンテンツ販売に特化したココナラ
海外のサービスでは、以下のようなものがあります。
  • 直感的な作業で簡単に講座作成できるTeachable
  • 多様なオンラインビジネスに対応可能なKAJABI
  • 日本語対応しているLearnWorlds
海外のサービスは高機能でも日本語対応していないサービスが多いため、講師側と受講者側のメリット・デメリットをよく考えて選びましょう。

詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:LMSは動画教材の販売に向いている?選ぶポイントとおすすめ10選 | 国内・海外LMSを徹底比較

まとめ

オンライン講座は内容が決まると、パソコンやタブレット端末、スマートフォンがあればすぐに始められます。オンラインコミュニケーションツールを選んだら、基本的な操作としてはミーティングを予定してURLのリンクを受講者に送るだけです。(※有料講座の場合は決済が必要)

講座の内容の視聴しやすさや、決済方法の安全性・動画や資料が一括管理できて見やすいなど、受講者が安心して受講できるシステムも考えましょう。

初期投資が多いから良いというわけではないですが、必要に応じてアイテムを揃え受講者が受講しやすい講座を目指してください。

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