アクチュアリーとは?仕事内容やなり方は?講座の選び方も解説

アクチュアリーとは?仕事内容やなり方は?講座の選び方も解説
アクチュアリーは、確率や統計等の手法を使って、データから将来のリスク等を分析・評価する数理業務のプロです。生命保険や損害保険、年金、リスクマネジメントなど幅広い分野で活躍しています。

正会員のアクチュアリーになるには専門的な知識や技術が必要であり、資格に合格するまで平均約8年間かかっているというデータも出ています。企業でアクチュアリー業務をこなしながら勉強する方も多いですが、空いた時間に独学で合格を目指すのは大変ですよね。そこでおすすめなのが、アクチュアリーの講座受講です。

この記事では、アクチュアリーについて業務や資格試験の難易度・合格率などを詳しく解説するとともに、アクチュアリー講座の選び方のポイントをご紹介します。

アクチュアリーとは?

アクチュアリーは、数理知識・手法を使って様々なデータや社会情勢からリスクの評価・分析や計算等を行い、主に保険や年金に関わる問題解決や商品開発を行う職業です。

アクチュアリーの業務は資格がなくてもできますが、日本において「アクチュアリー」は日本アクチュアリー会の正会員のことを意味します。なお、日本アクチュアリー会の会員には3段階あり、それぞれの概要・会員数は以下のようになっています。


概要 会員数(2021年3月度)
研究会員 第1次試験で1科目以上合格 2,144名
準会員 第1次試験(5科目すべて)に合格 1,297名
正会員 ・第1次試験(5科目すべて)に合格
・第2次試験(1コース2科目)に合格
・プロフェッショナリズム研修受講
1,931名
参考:日本アクチュアリー会概要

正会員になるには、同会が実施する年1回のアクチュアリー試験に合格し、プロフェッショナリズム研修の受講をしなければいけません。従来は紙による試験でしたが、2022年度からはCBT(Computer Based Testing)試験で、パソコンによる試験となることが決定しています。

高年収な職業

アクチュアリーの平均年収を調べてみましたが、アクチュアリーのみの平均年収を出しているデータは見つけられませんでした。しかし、高年収な職業であることは事実です。

例えば有名転職エージェントの「マイナビ金融AGENT」では、以下のように書かれています。
日本企業で正会員として勤務する場合なら1000万円を超えることが多く、正会員でない場合でも700万円程度と高い水準にあります。

引用:マイナビ金融AGENT「金融業界の職種図鑑 アクチュアリー
外資系だと更に数百万円以上年収が上がることも珍しくありません。
なお、転職サイトの「DODA」によると、2021年の正社員の全体平均年収は403万円なので、正会員のアクチュアリーは十分高い年収といえるでしょう。

アクチュアリーは高度かつ専門的な数理的知識を活用する職業であり、需要も高いです。一方で高難易度な試験であるために人数は少なく、市場価値も高くなっています。高年収を希望する方は、アクチュアリーの資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

就職先

以前は生命保険会社や損害保険会社、信託銀行が多かったですが、最近では官公庁やコンサルティング会社、監査法人など、民間企業・公的機関問わず、様々な分野で活躍しています。

例えば生命保険会社では、健全な会社運営ができるように、様々なデータから適正な保険料・掛け金の算出や、将来の保険金支払いにかかる費用の評価などを行っています。保険会社において、アクチュアリーは欠かせない職業であることがわかりますね
また、その他の分野においても中心的・重要な役割を担っている場合が多く、高い需要があります。

試験の難易度・合格率

これまで紹介しているように、正会員のアクチュアリーになるためには、専門的な知識が必要であり、試験の難易度はかなり高いです。

受験資格も定められており、大学(短期大学含む)卒業が条件です。(その他大学3年生以上や高等専門学校卒業者など、試験委員会が資格試験受験に必要な基礎的学力を有すると判断した方も受験可能)
その上で、第1次試験、第2次試験に合格し、プロフェッショナリズム研修の受講をすると、アクチュアリーの正会員となることができます。

第1次試験(基礎科目) 第2次試験(専門科目)
・数学
・生保数理
・損保数理
・年金数理
・会計・経済・投資理論
どれか1科目に合格で研究会員。5科目すべてに合格で準会員となります。
正会員になるには、第2次試験に合格する必要があります。
・生保コース(生保1・生保2)
・損保コース(損保1・損保2)
・年金コース(年金1・年金2)
第1次試験を合格した上で、いずれかのコースで2科目に合格する必要があります。
※どちらも1度にすべての科目に合格する必要はなく、1年に1科目ずつ受験することも可能。

過去の合格率は、第1次試験で15〜20%前後。第2次試験で10〜20%前後となっており、狭き門であることがわかります。
なお過去のデータによると、第1次試験の5科目すべてに合格し、準会員になるまでに平均約5年。すべての試験に合格し、正会員になるまでに平均約8年かかっています。

アクチュアリーの講座を選ぶポイント

正会員のアクチュアリーになるには、高難易度の資格試験に合格する必要があります。また試験では実務に必要な専門的知識・問題解決能力の有無も問われるため、仕事をしながら取得を目指す人も多い傾向にあります。

しかし仕事をしていると時間をとりにくく、試験内容も広く難しいので、挫折してしまうこともあるでしょう。そこでおすすめなのが、講座の受講です。講座を活用することで、効率的に必要な知識を習得でき、合格を目指せます

ここからは、アクチュアリーの講座を選ぶポイントについて紹介していきます。

カリキュラム・教材

アクチュアリー正会員になるには、1次試験で基礎科目5科目、2次試験で1コース2科目に合格する必要がありますが、講座によって受講できる科目が違うため、注意が必要です。
各講座のホームページには、受講内容やカリキュラムを確認できるページが準備されているので、受験予定の科目が学べるかを確認しましょう。

講座によっては無料でカリキュラムや教材の一部を体験できるところもあります。体験を上手に活用しながら、試験に必要な内容を網羅的に学べるか、また理解しやすい教材・講義になっているかをチェックしましょう。

サポート体制

これまで紹介しているように、アクチュアリーになるには確率・統計など数学・数理的な専門知識が必要です。その分学習内容も難解であるため、サポート体制が整っているかどうかは重要なポイントです。

講座を受講しても、理解が難しい部分も出てくるでしょう。そのときに質問・解決できれば、しっかりと学習の理解を深めていくことができます。

講座によって、質問方法や返答までの期間は違います。講座を選ぶ時は、質問できるかどうか。またどのような方法で質問できるのかを必ずチェックしておきましょう。

講座の信頼度

アクチュアリーの講座は、信頼できる講座を選びましょう。1次試験の基礎科目に合格するには、1科目あたり200時間かかると言われています。信頼できる講座でなければモチベーションも続きにくくなってしまい、せっかく受講しても無駄になってしまうかもしれません。

信頼度は、講座や企業・学校の歴史、サポート体制、講師の経歴、合格者の人数などを確認して判断するのがおすすめです。

まとめ

アクチュアリーは取得までに平均8年間かかるほどの高難易度の資格です。それだけに正会員のアクチュアリーになることができれば、需要が高く、高待遇・高年収も期待できます。

アクチュアリーになるには、数理的な専門知識が必要であり、独学であれば理解が難しい部分もあるでしょう。スムーズに学習を進めるためには、アクチュアリーの講座を活用するのがおすすめです。ただし、開講している科目やサポート体制は講座によって違うため、注意が必要です。いくつかの講座を比較してみて、ご自分に合った講座を選びましょう。

WRITERこの記事を書いた人

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