FPの資格取得には、通信講座の活用がおすすめです。FP試験の合格に必要な知識を体系的に学べるため、効率的に資格取得を目指せます。
当記事では、FPの資格に関する詳しい情報や、取得の難易度、FP通信講座の選び方をご紹介します。
FP(ファイナンシャルプランナー)とは?
FP(ファイナンシャルプランナー)は、税制、資産運用、不動産、保険、年金など、金融に関する幅広い知識を持つ、お金の専門家です。FPには国家資格と民間資格があり、FP技能士が国家資格、AFP・CFPが民間資格です。
1〜3級FP技能士 | 国家資格(厚生労働大臣の指定試験機関である日本FP協会または金融財政事情研究会が試験実施) |
AFP・CFP | 民間資格(日本FP協会による資格) |
FP技能士は3段階あり、3級から2級、1級と級が上がるにつれて難易度も高くなります。他FP資格取得や一定の実務経験を積んだ上で、厚生労働大臣の指定を受けた試験機関が実施するFP技能検定に合格することで取得できます。有効期限はなく、失効することはありません。
AFP(アフィリエイテッド ファイナンシャルプランナー)・CFP(サーティファイド ファイナンシャルプランナー)は、日本FP協会による民間資格です。AFPは2級FP技能検定合格と認定研修の受講修了で取得できます。CFPは上級資格で、世界25カ国で導入されている国際資格です。CFP取得には、認定要件を満たし、資格審査試験の合格が必要です。なお、AFP・CFPどちらも2年毎の資格更新に所定の継続教育が義務付けられています。
参考:日本FP協会「FPの資格と検定の種類」
暮らしに欠かせない「お金」のスペシャリスト
日々の暮らしには、お金が欠かせません。毎日の生活から、教育、住宅購入、保険、税金、資産運用、相続等あらゆる場面でお金の収入・支出が発生します。そのお金のスペシャリストがFPです。FPはお金の専門家として、相談者の夢や希望を叶えるために、資金計画を立てるファイナンシャル・プランニングを行います。そして、ライフスタイルやライフプランに合わせて家計管理や教育資金、住宅資金等の相談を受けたり、アドバイスしたりと、計画実現に向けて様々なサポートをします。
またFP知識が役立つのは、仕事だけではありません。自分の人生でも大きく役立ちます。
お金の知識がなければ将来の見通しを立てることができず、「教育資金は準備できるだろうか」「老後は年金だけで生活できるだろうか」と様々な不安を感じてしまうでしょう。しかし知識があれば、計画的に資金を準備することができ、ライフイベントに合わせて最適な家計管理ができるようになります。他にも税金対策や資産運用など、様々な場面でFP知識が活用できます。
資格が役立つ就職先
FP資格を持っていると、銀行や証券会社、保険会社、不動産会社等の様々な職場で活躍できます。具体的には、お客さんの状況に合わせて加入中の保険を見直したり、資産運用の相談を受けたりします。FP業務は資格がなくても行えますが、資格取得によって正確な知識があることを証明できるため、お客さんからの信頼も得やすくなるでしょう。
上記の職場では、資格取得を奨励しているところも多く、取得によって資格手当がつく場合も。就職・転職希望者もFP資格の取得によって、金融業界や不動産業界への採用にもつながりやすくなるため、おすすめです。
またFP資格が役立つのは、企業だけではありません。独立や副業によって、自分の力で稼ぐこともできます。
働き方の選択肢を増やすことができる、収入アップを目指せるのもFP資格の魅力です。
試験の難易度・合格率
FPの資格は国家資格の1〜3級FP技能士、民間資格のAFP・CFPの5つに分けることができ、それぞれで受験資格や難易度、認定方法が異なります。まずはFP技能士について、詳しく見ていきましょう。
FP技能士
FP技能士は1〜3級に分かれており、3級が最も取得しやすく、2級、1級の順に合格の難易度が高くなっていきます。資格取得にはFP技能検定の学科試験・実技試験の両方に合格する必要があります。また2級以上になると一つ下、もしくは同等の級のFP資格や一定の実務経験が受験資格として必須です。
学科試験の項目は1〜3級で共通しており、以下のようになっています。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
合格率は、以下のとおりです。
FP技能検定の合格率(1級学科試験のみきんざい。その他は日本FP協会の目安。)
学科試験 | 実技試験 | |
1級 | 5〜10%前後 | 80〜90%前後 |
2級 | 40〜50%前後 | 50〜60%前後 |
3級 | 70〜80%前後 | 80〜90%前後 |
AFP・CFP
AFP・CFPは日本FP協会による民間資格です。AFPは2級FP技能検定に合格し、AFP研修の修了によって資格を取得できます。
CFPは認定要件が複数あるほか、試験の合格率も低いため、取得難易度の高い資格といえます。CFPの認定要件は以下のとおりです。
- AFP認定者
- CFP資格審査試験に合格
- CFPエントリー研修修了
- 3年以上の実務経験
しかし、1度の試験で6科目すべてに合格する必要はありません。試験ごとに1科目ずつでも、最終的に6科目に合格できればOKです。1科目あたりだと合格率は30〜40%となっているため、時間をかけると着実に合格を目指せるでしょう。
なお、AFP・CFPは2年毎に更新が必要です。継続教育として、研修参加等で単位を取得して更新しなければいけません。
FP資格の難易度
FP資格の難易度は、級や主催する機関によって異なります。ここでは、FP1~3級試験の過去の合格率を参考に、難易度を解説します。FP3級
2023年9月のFP3級の合格率は、FP協会の学科が74.78%、実技が77.67%。きんざいの学科が62.29%、実技が57.87%という結果でした。実施月によっても合格率は異なりますが、FP協会の合格率は、学科も実技も約70~90%です。対してきんざいの合格率は、学科実技ともに40~60%ほどです。学科も実技も合格しないとFP3級を取得できないため、本当の意味での合格率は「60~70%」と考えられます。
<FP協会の合格率>
実施月 | 学科合格率 | 実技合格率 |
---|---|---|
2023年9月 | 74.78% | 77.67% |
2023年5月 | 88.25% | 86.83% |
2023年1月 | 85.25% | 88.34% |
2022年9月 | 80.78% | 84.44% |
2022年5月 | 83.37% | 90.33% |
2022年1月 | 87.01% | 90.75% |
<きんざいの合格率>
実施月 | 学科合格率 | 実技合格率 |
---|---|---|
2023年9月 | 62.29% | 57.87% |
2023年5月 | 54.13% | 59.80% |
2023年1月 | 56.00% | 50.95% |
2022年9月 | 43.41% | 49.46% |
2022年5月 | 49.03% | 52.22% |
2022年1月 | 62.52% | 45.98% |
FP2級
2023年9月のFP2級の合格率は、FP協会の学科が53.54%、実技が52.02%。きんざいの学科は22.75%、実技は40.80%という結果でした。実施月によっても合格率は異なりますが、FP協会の合格率は、学科が約40~60%、実技が約50~60%です。対してきんざいの合格率は、学科が約15~30%、実技が30~45%ほどでした。以上の結果から、FP3級よりもFP2級の方が難易度が高いことがわかります。
FP3級と同じように、FP2級も学科・実技ともに合格しないと級を取得できないため、「40~50%」が実質的な合格率と考えられるのではないでしょうか。
<FP協会の合格率>
実施月 | 学科合格率 | 実技合格率 |
---|---|---|
2023年9月 | 53.54% | 52.02% |
2023年5月 | 48.82% | 58.61% |
2023年1月 | 56.12% | 59.53% |
2022年9月 | 42.16% | 56.55% |
2022年5月 | 49.20% | 62.11% |
2022年1月 | 41.51% | 56.33% |
<きんざいの合格率>
実施月 | 学科合格率 | 実技合格率 |
---|---|---|
2023年9月 | 22.75% | 40.80% |
2023年5月 | 17.51% | 39.49% |
2023年1月 | 29.07% | 35.14% |
2022年9月 | 15.75% | 38.05% |
2022年5月 | 22.11% | 32.80% |
2022年1月 | 19.50 | 45.34% |
FP1級
FP1級の試験は、学科試験を行っているのはきんざいのみです。実技試験は、FP協会ときんざいともに開催していますが、開催時期や開催される頻度が異なります。FP協会では年に1~2回実施され、きんざいでは年3回実施されています。FP2~3級と同様、学科と実技両方に合格しなければ級は取得できません。学科試験には、例年7,000人以上の受験者が挑戦しているようです。しかし、合格率が10%前後と低いため、実技試験の受験者数は自然と少なくなります。とはいえ、実技試験の合格率はFP協会で90~100%、きんざいで80~90%なので、学科試験さえクリアすれば、合格する可能性が高いでしょう。
<FP協会の実技試験の合格率>
実施月 | 合格率 |
---|---|
2023年9月 | 96.2% |
2022年9月 | 99.0% |
2021年9月 | 93.8% |
2020年9月 | 97.7% |
2019年9月 | 93.0% |
2019年1月 | 100% |
<きんざいの実技試験の合格率>
実施月 | 合格率 |
---|---|
2023年9月 | 80.10% |
2023年6月 | 84.80% |
2023年2月 | 86.07% |
2022年9月10月 | 84.59% |
2022年6月 | 85.98% |
2022年2月 | 85.88% |
<きんざいの学科試験の合格率>
実施月 | 合格率 |
---|---|
2023年9月 | 13.00% |
2023年5月 | 3.51% |
2023年1月 | 10.38% |
2022年9月 | 12.28% |
2022年5月 | 9.39% |
2022年1月 | 6.67% |
FP資格を取得するメリット
FP資格を取得するためには、税金、保険、年金などに関する幅広い知識の習得が必須です。お金の知識を身につけると、以下のメリットを得られるでしょう。- 家計管理のノウハウが得られる
- 資産運用の知識が身につく
- 周りの人の役に立てる
- 就職や転職に有利
- 独立開業を目指せる
FP資格を取得することで、仕事にも生活にもメリットがあります。まずは、生活面のメリットから解説します。FP資格を取得するために得た知識は、家計管理や資産運用にも役立つものです。FP資格取得者であれば、自分のライフプランを定期的に見直し、無駄を省いたり将来にかかる費用の見通しを立てて対策を練ったりできます。適切な家計管理を行うことで、余剰金を増やし、資産運用にまわすことも可能です。正しく資産を運用できれば、将来使えるお金を賢く増やせるでしょう。お金に関する知識があれば、親や友人の資金計画やライフプランに関する相談にのって適切なアドバイスも行えます。
仕事面の主なメリットは、就職や転職に有利なことと、独立開業が目指せることです。FP資格は、金融業界や保険業界で重宝される資格の1つであるため、就職・転職時に効果的にアピールできるでしょう。FP資格を活かして独立することも可能。FPの業務は元手がかからないため、ローリスクで開業できます。
FP(ファイナンシャルプランナー)講座を選ぶポイント
FPの資格取得を目指すなら、FPの知識を体系立てて学ぶことができる、通信講座の活用がおすすめです。わからないことを質問できたり、テキストだけでなく動画で解説を聞けたりする講座もあり、効率よく学習したい方にぴったりです。FPは人気の資格であり、通信講座を受講する方も多いです。ここからは、「どの講座を選ぶべき?」と悩む方に向けて、講座を選ぶポイントを紹介していきます。
合格実績
FP講座は、高い合格実績のある講座を選びましょう。合格実績のある講座は、それだけ受講者を合格に導く、レベルの高いカリキュラムや教材になっていると考えられます。合格に必要な内容を効率よく学べるようになっている可能性が高いため、安心して学習に取り組めるでしょう。
実績のある講座は、合格率や合格者人数を公式ページで掲載しています。中には公開していない講座もありますが、集中して学習に取り組みたい方は、実績を公開している講座を選ぶことをおすすめします。
効率的に資格取得を目指したい方は、各講座の実績をチェックしてみましょう。
教材・講義内容
教材・講義内容は講座選びに欠かせないポイントです。FPは試験内容が広く、専門用語や理解が難しい制度等が出てきます。そのため、自分に合った、わかりやすいテキストや講義になっているかを確認しましょう。
内容がわかりやすいかどうかは、各講座の体験をしてみるのがおすすめです。無料でカリキュラムの一部やテキストのサンプルを確認できるようになっているところも多くあるので、そちらから内容を見てみましょう。
また、オンライン上でテキストや動画で学べる講座を選べば、移動時間等のスキマ時間を使って学習できます。忙しい方や効率的に合格を目指したい方は、オンラインを活用して学べる講座もおすすめです。
サポート内容
講座を選ぶときは、サポートの充実度合いも確認しましょう。特に質問サポートと最新情報の提供のサポートがあるかどうかは重要です。FPの資格試験に合格するには、法律や税金、不動産、年金などの専門的な内容の学習が必要です。そのため、テキストや講義を聞いただけでは、理解ができないこともあるでしょう。そんなとき、質問できる講座であれば疑問点を解消できるので、苦手分野を作ることなく試験に臨めます。
また、FP試験を突破するには、法改正についても抑えておかなければいけません。しかし、自分で常にアンテナを立てて法改正の情報を仕入れるのは、時間もかかって大変です。法改正の情報を提供してくれる講座であれば、学習に集中して取り組めため、おすすめです。
受講費
講座を選ぶときは、受講費も検討事項の一つです。なるべく費用は抑えたいですが、安さだけで選ぶのはおすすめできません。費用が安くても、テキストがわかりにくかったり、希望するサポートを受けられなかったりすると、合格に必要な知識が身につきません。良い結果も得られないでしょう。講座は安さだけではなく、教材やサポートが自分に合っているものを選ぶのがおすすめです。
なお、講座によっては教育訓練給付制度の対象となるものもあります。費用を抑えて講座を受講したい場合は、制度が利用できるかもチェックしましょう。
FPに関するよくある質問
ここでは、FPに関するよくある質問と答えを2つご紹介します。FP(ファイナンシャルプランナー)の取得は独学で何ヵ月かかますか?
独学の場合、FP2級を取得するのに150~300時間、FP3級を取得するのに80~150時間が必要と言われています。毎日2時間勉強すると仮定した場合、2級ならば3~4ヵ月、3級ならば2~3ヵ月はかかるイメージです。しかし、もともとお金に関する知識がある人の場合は、勉強時間を短縮できるでしょう。FP関連で理解している内容や知識が多いほど、資格取得に向けて学ばなければならない内容を減らせます。FP(ファイナンシャルプランナー)の資格を取得するなら何級がおすすめですか?
FP資格で最も難易度が低いのは、3級です。しかし、必ず3級から受けなくてはいけないわけではなく、2級からも受けられます。FP2級の受験資格は3つ定められており、そのうちの1つでも満たせばいいのです。2級の受験資格は、以下の通り。- FP3級試験合格者
- AFP認定研修の受講修了者
- 2年以上のFP実務経験者
FP(ファイナンシャル・プランナー)の資格にはFP技能士、AFP、CFP®の3種類があります。FP技能士はメジャーな資格なので、知っている方も多いでしょう。しかし、AFPとCFP®についてはあまり知られておらず、FPを目指す際に初めて耳にし
https://college.coeteco.jp/blog/archives/2220/ >
FP(ファイナンシャルプランナー)の難易度・取得方法まとめ
FP資格は、お金に関する一定の知識を持っていることを証明でき、仕事にも自分の人生にも活かせる、人気資格です。国家資格と民間資格があり、また取得の難易度によって、更に5つに分けられます。3級FP技能士は受験資格もなく、合格率も高いため、比較的取得しやすいですが、それ以上の資格になると合格の難易度が高くなります。
効率良く試験合格を目指すなら、通信講座の利用がおすすめです。講座は合格実績、サポート内容、教材、費用等のポイントを見ながら決めましょう。