動画配信・販売の増加に伴い、現在では無料・有料の動画配信サービス・動画販売サイトが数多く展開されています。使うツールによって配信する動画の公開範囲の選択やセキュリティ面、付加機能などが異なるため、どのようなツールを使うべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は動画配信システムについて、どのようなシステムか、メリット・デメリット、選び方からおすすめのサービスまで、徹底解説します!
動画を公開・販売する際に注意すべきこと
動画がより身近なものになってきたからこそ、動画を公開・販売する際は個人情報の保護や著作権、セキュリティ、コンテンツの信頼性、動画購入時の支払いシステムの安全性について、配慮する必要があります。また、顧客サポートとコミュニケーションについても、視聴者からの問い合わせには適切な対応が求められます。お客さまとの良好なコミュニケーションを目指し、問題が発生した場合には迅速に対処しましょう。
動画配信システムとは
動画配信システムとは、インターネットを通じて動画コンテンツを配信し、視聴者がオンデマンドでアクセスできるようにするシステムです。動画配信システムを利用すると、動画の公開・販売を安全かつ効率的に行うことができます。機能としては、動画のアップロード・再生、動画の管理、視聴者の視聴履歴の追跡等が可能です。
動画配信システムの配信方法は、以下の3つがあります。
- ダウンロード配信
- ストリーミング配信
- プログレッシブ・ダウンロード配信
ストリーミング配信は、動画データを細かく分け、受信しながら再生できます。視聴者がWeb上の動画ファイルにアクセスして視聴するオンデマンド型と、リアルタイムで配信するライブ型があります。データがPCやスマートフォンに残らないため、ストレージ容量を気にしなくても良いですが、インターネットに接続していないと動画を視聴することができません。
プログレッシブ・ダウンロード配信とは、データをダウンロードしながら再生できる配信方法で、一時ファイルとしてPCやスマートフォンにデータを保存しながら動画視聴できます。ダウンロードした部分までならオフラインでも視聴可能ですが、データはPCやスマートフォンに残ります。
動画データは利用者がデータをダウンロードするとコピーされる可能性もあるので、配信方法も重要です。ストリーミング配信はコピーされにくい点がメリットの1つです。
また、動画の配信だけでなく動画編集や顧客の管理まで可能なプラットフォームもあります。
動画配信システムのメリット・デメリット
【メリット①】動画コンテンツの作成から配信まで一括管理可能
動画配信システムは、動画編集機能により動画コンテンツの作成から配信まで一括管理可能なサービスがあります。利用するサービスによってどのような機能があるか異なるので、次の項の選ぶポイントを意識してチェックしてみましょう。【メリット②】細やかな配信設定が可能
動画配信システムでは、動画を公開したい人を選びたいときに動画の公開範囲を限定することが可能です。これにより、誰でも動画視聴できるのではなく動画の購入者のみ視聴できるようになります。動画にパスワードをかけて限定公開する機能や、メールアドレス等を登録して登録した人のみ視聴できるようにする方法などがあります。
また、動画は「いつでも見られる」と思っているとすぐに視聴せず忘れてしまう、という方も多いのではないでしょうか。そこで動画に視聴期限を設けて視聴率を上げる工夫ができるサービスや、公開日時を設定できるサービスもあります。
【メリット③】視聴者のデータを分析可能
動画配信システムを利用すると、独自機能やマーケティングツールとの連携によって視聴者がどのような動画をどれくらいの時間視聴しているかなどの情報を収集することが可能です。これにより、どのコンテンツが人気であるか、視聴者が最も興味を持つトピックやジャンルが何かなどを把握することができます。
また、視聴者がコンテンツ内でどの部分で離脱してしまったかや視聴完了率を把握し、コンテンツの改善点を見つけてより良いコンテンツを提供することが可能になります。
動画講座の場合は、学習の進捗状況を受講生毎に把握できる受講者管理機能がついているプラットフォームもあります。
【メリット④】セキュリティ対策されている
動画配信システムは、視聴者の個人情報や動画コンテンツ自体を適切に保護するためのセキュリティ対策を実施しています。データの暗号化、アクセス制御、ユーザー認証、データバックアップ、サーバの監視・メンテナンスなど高度なセキュリティ対策をしているサービスが多いですが、有料・無料のプランによって異なる場合もありますので利用を検討する際はセキュリティ面も必ずチェックしてください。
【デメリット①】費用がかかる
無料で使える動画配信サービスもありますが、動画の公開範囲の設定が難しかったり、機能が制限されていたりして、動画講座の配信や販売を継続的に行うなら有料版にアップグレードする必要がある場合も多いでしょう。機能追加や広告削除のために月額基本料がかかるサービスもあるので、コストをかけるならどのような機能が必要で、その機能をどのくらいの頻度で使用するかなど、自分が使いたい機能・サービスをよく考えて使うツールを選ぶことをおすすめします。
【デメリット②】販売に関しては全ての作業が一括管理できない場合も
動画配信システムは、動画配信には問題がなくてもシステムによっては決済機能がない、受講者への連絡機能がないなど、動画販売に関する全ての作業を一括管理できない場合があります。動画を配信するだけでなく販売することも目的とするなら、オンライン講座プラットフォームのようなオールインワンで動画販売ができるようなツールを使うことをおすすめします。
動画配信システムの選び方・ポイント
自分が利用したい機能が備わっているか
例えば無料で動画を配信したいだけなら決済機能は要りませんが、動画販売を行いたいなら決済機能は必須です。他に、高画質・高音質の動画配信、分析機能や顧客への対応、レビュー機能、割引機能、チャプターの自動作成など、利用するサービスにより使える機能が大きく異なります。どのような目的で利用するかによって必要な機能が変わりますので、まずは利用目的を明確にし、必要な機能を書き出してみると良いでしょう。
安全に利用できるサービスか
冒頭でも述べたように、セキュリティ面のチェックは非常に重要です。2段階認証でアカウントの保護をしているかどうかや動画のパスワード保護、アクセス制限などの機能をチェックしてみると良いでしょう。セキュリティに関しては、ホームページをチェックしてグローバル・スタンダード基準とされる第三者認証基準のISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の国際規格を取得しているなどの情報が書かれていると安心ですね。
使いやすさ・操作性
サービスの使いやすさや操作性は、導入にあたって非常に重要な要素です。直感的に操作できるかどうかなど、サービス利用者の声で書かれている場合もあるので、口コミがあるかどうかも確認すると良いでしょう。サポートの有無
どのようなサービスでも、利用していてここがわからない、この機能が利用できないなどのトラブルはつきものです。充実したヘルプページがある、メールやチャットで質問できるなど、サポートの有無もチェックしてください。付加機能や外部連携
独自サービスで実装されていない機能でも、外部連携して利用できるものもあります。例えば分析機能を持たないサービスでもGoogleアナリティクスと連携できれば分析が可能になります。また、LINE連携で顧客にLINEで連絡できるなど、外部のサービスとの連携もチェックしてみてください。
無料・有料で使える動画配信システム比較3選
無料で使える動画配信サイト「YouTube」
『YouTube』は、18歳以上の月間利用者数が7,000万人を超える国内最大の動画配信サービスです。(参照:日本経済新聞より)YouTubeはストリーミング配信のほか、有料プランに加入すると動画のダウンロードも可能です。決済機能がないため動画販売には向いていませんし、YouTubeは商用利用に制限があるため注意が必要です。
しかし、サムネイルやタイトルなどを工夫すれば動画の再生回数とチャンネル登録者数を伸ばすことが可能で、動画再生時に表示される広告の広告収入が入りますので、再生回数が増えれば収益化も可能です。
効果的なサムネイルの作り方はこちらの記事を参考にしてください。
関連記:動画販売や講座PR・集客に必須!サムネイルの重要性と興味を引くサムネイル画像の作り方
また、動画の公開方法として
- 公開(全ての人に公開)
- 限定公開(動画リンクを共有した人にだけ公開)
- 非公開(gmail アドレスを登録した人にのみ公開)
- URLを知っていれば他の人も見ることができる
- 視聴する人の再生リストのプライバシー設定が「公開」になっていると、他のユーザーが再生リストから閲覧できてしまう
また、パスワードをかけて公開する、公開期限を設けるなどの機能はないため、公開したい人を限定したい場合はYouTubeはおすすめできません。
有料プランが充実している動画配信サービス「Vimeo」
出典:Vimeo『Vimeo』は、2024年2月現在で2億8,700万人のクリエイター、起業家、企業が利用するアメリカ発のストリーミング配信サービスです。4K、8K、HDR、ドルビービジョンで高画質・高音質の動画をストリーミング配信できるため、一般のユーザーも増えていますがプロのクリエイターや企業の動画配信に向いています。
動画編集、画面録画、動画の共有と埋め込みが簡単にでき、基本的な視聴分析も可能です。無料プランと有料プランがあり、無料プランは以下の機能が利用できません。
- 動画にパスワードをかける
- 動画のアクセス制限を設ける
- 高度な分析
- アップロードできる動画は3件まで
有料プランは(2024年2月現在の価格)、
- Starter:月払い・月額2,000円(年払いは40%オフ)
- Standard:月払い・月額4,833円(年払いは40%オフ)
- Advanced:月払い・月額9,167円(年払いは40%オフ)
以前は、VimeoのProアカウント(有料)でVimeoオンデマンドを利用して動画を販売でき、手数料10%を差し引いた90%を利益として、「レンタル&販売」または「サブスクリプション」設定が可能でした。
料金プランやアカウント名称、サービスの見直しによりVimeoオンデマンドは新規利用ができなくなり、現在ではVimeo OTTに移行したようです。Vimeo OTTはオンラインでコンテンツを提供するあらゆるストリーミングサービス「OTTプラットフォーム」を簡単に立ち上げることが可能です。
詳しくはこちらを参照してください。
動画配信にも使えるオンライン講座プラットフォーム「コエテコカレッジ」
『コエテコカレッジ』は、動画配信だけでなくオンライン講座の開催・連絡・決済などオンライン講座運営に関する業務をトータル的に支援する講座販売プラットフォームです。講座販売プラットフォームとしては、Teachable(ティーチャブル)、Thinkific(シンキフィック)、KAJABI(カジャビ)といった海外のプラットフォームは多機能なサービスが多く、最近では日本国内でも利用者数を伸ばしています。しかし一方で日本語対応していないなどのデメリットがあるサービスがほとんどです。
その点、コエテコカレッジは国内向けのサービスのため、英語を日本語に変換する必要もありません。直感的な操作で簡単に講座の作成が可能です。
スマートフォン1つで講座を開設できるだけではなく、講座開設にあたって必要になる登録費が無料で、月額費用が無料のフリープランもあるため気軽に導入でき、決済手数料がリーズナブルなのも魅力の1つです。
決済機能があるので動画のアップロード、販売・顧客へのサポートや管理まで一括で行うことができ、他にもリアルタイムで行うライブ配信講座の開催も可能で、多角的に講座ビジネスに取り組めるでしょう。
動画講座はストリーミング配信で有料講座、無料講座の両方が設定できます。単発講座、連続講座、サブスクリプション形式の講座(2024年1月現在はプロプラン以上、今後拡充予定)、オープン(公開)講座、限定講座(クローズドで会員サイトのような使い方も可能)など、多様な講座開催形式に対応しています。
主な機能は以下の通りです。
- 動画の公開日時や公開期限の設定が可能
- 月毎の決済管理(サービス内で完結するオンライン決済機能)
- 割引制度・クーポン機能
- アンケート機能
- 対象講座受講者全員へ連絡できるグループ機能を利用してコミュニティを作ることが可能
- 受講者への個別連絡も可能
- 出席期限、講座の時間やURL連絡など受講者への自動連絡メールの設定
- LINE連携(LINEから通知を送る機能)
- 受講の進捗が確認・管理できる受講者管理
- レビュー機能
- 講座パック機能(作成済みの講座をパックにして販売:2024年1月現在はプロプラン以上、今後他プランでも拡充予定)
この他にも、AIを使った独自の機能として以下のような機能もあり、講座運営の効率化が図れます。
- AI販売アシスト機能(AIがどんな講座が作れるか分析し、販売までのスケジュールを立てる機能)
- AIによる動画自動文字起こしや動画内容の要約機能(プランによって回数の制限あり)
有料プランでは、
- コンビニ決済・銀行振込などの支払い方法の選択が可能
- 課題機能や問題集作成機能
- 複数管理者
また随時アップグレードも行われており、公式の発表によると月額課金型のスクールも作成できるよう、現在更なる性能向上に取り組んでいるそうです。
自分に合った動画販売や講座形式を選択し、機能を上手に活用することで、大きな収益につなげることもできるでしょう。
公式URL | |
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集客機能 | なし |
登録費用 | なし |
月額利用料 |
|
手数料 |
|
運営会社 |
GMOメディア株式会社 |
まとめ
動画配信や動画コンテンツを販売する人が増え、動画配信システムや動画配信プラットフォームが増えてきました。ヨガや英会話などのレッスン系動画講座や宅建やキャリアコンサルタントなどの資格取得に関するオンラインスクールなど、オンラインでのライブ講座を開催している講師の方にとっても、身近なサービスになってきているのではないでしょうか。オンライン講座ビジネスを構築するなら、動画配信だけでなく販売やサポートまで一括管理できるオンライン講座プラットフォームがおすすめです。
この記事が、動画配信や講座運営するためのツールを選ぶ参考になれば幸いです。
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