DXとは | 社会変革を迫るデジタルテクノロジー・関連資格は?
この記事ではDXとは何かという概要と、DXに取り組む際に役に立つ資格や検定試験を紹介します。
DXとは
DXとは、デジタルトランスフォーメーション/Digital Transformationを指した言葉です。Transformationには「x」は含まれていないのに、なぜDXと略すのでしょうか。その理由は「trans」にあります。英語では「trans」は交差する意味があり、「cross」とほぼ同じ意味の言葉です。「cross」には十字に交差するニュアンスがあり、略す時には「x」を用います。そのため、「Transformation」を「T」ではなく、「X」と略して、DXになります。
DXとは、ICTをただ活用するだけにとどまらず、デジタルテクノロジーを駆使して、経営・事業など企業活動全般や私たちのふだんの生活を変革することを意味します。DXは業務に使うシステムをアップデートするだけでなく全ての工程を見直して生産性を上げるような大きな変化をもたらします。私たちの生活に関わる具体例を以下に紹介します。
物流・配送
AIによってルートを最適化し、倉庫への入出庫管理の効率化のために、配送伝票情報をデジタル化するヨガ教室
集客のためのウェブサイトの作成、受講申し込み受付、受講料の決済、レッスンのオンライン配信、受講後のアンケート集計、全てをスマホで実施する行政
道路が傷んでいる、公園の遊具が壊れているというような地域の問題な情報を専用アプリで送信すると、即座に専門部署に報告された結果、解決までの時間が今までよりも短縮化される医療
遠隔地から専門医によるオンライン診療を受けて、日常の健康管理はアプリで行う農業
降水データや気象予測など各種の気象情報を活用し、ドローンや画像認識を活用した農薬散布をおこない、スマホで水田の管理システムやロボットトラクターを操作する*このようなロボット技術やICTを活用して超省力・高品質生産を目指す「スマート農業」を農林水産省も推進しています。
ロボット、AI、IoT等の先端技術を活用したスマート農業技術の研究開発、社会実装に向けた取組等をご紹介します。 資料 スマート農業をめぐる情勢(R6.2月版)(PDF : 4,675KB) 【分割版1】(PDF : 2,178KB) 【分割版2】(PDF : 2,245KB) 【分割版3】(PDF : 2,059KB) 【分割版4】(PDF : 2,366KB) 【分割版5】(PDF : 2,490KB) 【分割版6】(PDF : 2,030KB) 【分割版7】(PDF : 2,294KB) 【分割版8】(PDF : 2,398KB) 【分割版9】(PDF : 2,190KB) 【分割版10】(PDF : 1,964KB) 動画 スマート農業の展開について(平成31年2月更新) スマート農業動画は こちら Try for Tomorrow、JOIN!スマ農LIFE、REAL VOICE、技術Topics!などの動画をまとめて掲載 スマート農業の社会実装を図るため、先端技術を実際の生産現場に導入して2年間にわたって技術実証を行うとともに、技術の導入による経営への効果を明らかにする事業です。 「スマート農業実証プロジェクト」の詳細はこちら 資料 実証地区の取組内容等を紹介するパンフレットは こちら スマート農業技術について、その技術概要や導入効果を紹介しています。 [外部リンク:農研機構] スマート農業技術に関するご質問・ご相談はこちらをご覧ください。 [外部リンク:農研機構] ドローンや自動走行農機などの先端技術を活用した作業代行やシェアリング・リースなどの次世代型の農業支援サービスの育成・普及を図る取組をご紹介します。 「次世代型農業支援サービス」の詳細はこちら 資料(事業者向け) 農業用ドローンの普及拡大に向けて、普及計画を策定し、官民協議会を設立しました。 詳細はこちら 資料 技術ごとの概要や導入のメリット、価格帯の目安、各社製品等 「農業新技術 製品・サービス集」はこちら 研究機関や民間企業等から提案があった技術 「スマート農業技術カタログ」はこちら 熟練農業者の「匠の技」を継承し、学べる!学習システム等 開発・導入された学習システム等の詳細はこちら お問合せ先 大臣官房政策課技術政策室 担当者:技術調整班代表:03-3502-8111(内線3094)ダイヤルイン:03-3502-5524 農産局技術普及課 担当者:新技術担当代表:03-3502-8111(内線4799)ダイヤルイン:03-6744-2218 PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。 Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/ >
なぜDXが必要なのか
DXの必要性が注目された一つは、2018年に経済産業省が発表した「DX レポート」です。このレポートの副題「ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開」にもある「2025年の崖」は、DXとともに話題を集めました。「2025年の崖」とは、2025年までにDXを達成できなければ崖を下るような危機が起こると警告するものです。「DX レポート」によると、DXを成し遂げることができなかったら、2025年以降に最大で現在の約3倍にあたる年間12兆円の経済損失が生じるとされています。
日本でDXを進める際に阻害となるものの一つに、老朽化、肥大化、複雑化したブラックボックスのような既存の基幹システム「レガシーシステム」が挙げられます。「DXレポート」では、「2025年までの間に、複雑化・ブラックボックス化した既存システムについて、廃棄や塩漬けにするもの等を仕分けしながら、必要なものについて刷新しつつ、DXを実現することにより、2030年実質GDP130兆円超の押上げを実現」するという、DXシナリオの実現を目指しています。その実現のために、官民連携して環境整備と課題解決に取り組むとまとめられています。
「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」も含めた、産業界におけるデジタルトランスフォーメーションの推進については、こちらで紹介されています。
経済産業省では、産業界のDX推進に向けて、「デジタルガバナンス・コード」に沿った様々な施策を展開しています。 DXの推進に向けて企業や経営者が実施すべき事項を取りまとめた文書。情報処理促進法に基づく形で2020年11月に策定し、2022年9月に改訂(現在は「デジタルガバナンス・コード2.0」)。 DX銘柄 *本ページ全般について(DXレポートを除く) 商務情報政策局 情報技術利用促進課 電話:03-3501-1511(内線 3971~5) *DXレポートについて 商務情報政策局 情報産業課 電話:03-3501-1511(内線 3981~7)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/dx.html >
リスキリングの詳細はこちらで紹介しています。
「リスキリング」をご存知ですか?リスキリングとは簡潔にいうと「職業能力の再開発・再教育」のことです。大きく変化し続ける現代社会の中で働き続けるためには必須なものとして、リスキリングは世界各地で行われています。この記事では、リスキリングの概要
https://college.coeteco.jp/blog/archives/6326/ >
DXを学ぶには
「DX」と銘打った資格、検定試験
デジタル トランスフォーメーション検定
デジタル トランスフォーメーション検定は、DXを推進しようとする企業や担当者、プロデューサーとDX実現に向けて議論やアドバイスをできる人材養成のための「DX推進アドバイザー認定試験」と、マネージャーやオフィサーとして活躍できる人材、あるいはサポートできる人材の養成のための「DXオフィサー認定試験」の2つの試験から構成されています。申し込み者は無料動画講座を視聴することができます。併願割引キャンペーンなどもありますので、公式サイトを確認してください。
DX推進認定試験
受験方法 | 全国11か所の公開会場、またはオンライン |
受験料 | 11,000円(学生割引、会員価格あり) |
合格点 | 7割以上の正答 |
受験方法 | 全国10か所の公開会場、またはオンライン |
受験料 | 19,800円(学生割引、会員価格あり) |
合格点 | 7割以上の正答 |
DXオフィサー認定試験のトップページです。
https://www.joho-gakushu.or.jp/dx/dxo/ >
+DX認定試験
技術者だけでなく、マネジメント層やIT関係以外の業種の人が社内でDX推進する上で欠かせない知識を持つことを証明する資格として、+DX認定試験が2021年12月から実施されます。公式サイトでは、模擬試験を無料で受験することができます。受験方法 | CBT方式(通年、自宅受験可能) |
受験料 | (未発表) |
合格点 | 8割以上の正答 |
このサイトは初めてDXに着手する企業様に、IoT検定制度委員会がDX推進人材にふさわしいスキルを図る認定試験『DX推進最初の認定資格「+DX認定」』のご案内サイトです。
http://www.iotcert.org/plusdx/ >
DXをいつでもどこでも無料で学べる講座
経済産業省は、誰でも無料でデジタルスキルを学べるオンライン講座「巣ごもりDXステップ講座情報ナビ」を開設しました。 新しい知識やスキルを習得したいが何をどのように学んだらよいか分からない方向けに、41事業者による102講座が公開されています(10月28日時点)。https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/sugomori/ >
年末年始どうしようかな?と思ってデータサイエンス系の教材を探してたらお宝発見。 AI(機械学習/深層学習)・データ分析・Python・AWS・Zoom利活用・セキュリティ・・・これだけ揃って全部無料。やるな、経産省!
◆巣ごもりDXステップ講座情報ナビ
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/sugomori/index.html
にゃんこそば🌤データ可視化@ShinagawaJP(https://twitter.com/ShinagawaJP/status/1343714568137109504?s=20)
DXを推進する知識や技能を証明する資格、検定試験
ITパスポート
DXだけでなくITの経験や実務経験がなくてゼロから学びたいなら、まずは全ての社会人が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験であるITパスポートへの挑戦をお勧めします。受験方法 |
CBT試験 全国47都道府県の会場で通年実施 |
受験料 | 5,700円 (2022年4月から7,500円に改定) |
合格点 | 総合評価点600点以上、 かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上 |
今回の地震で被災した新潟県、富山県、石川県、福井県にお住まいの方に対し、振替受験の手続のご案内をしています。 4県にお住まいで、振替受験の手続を行われる方については、下記の受験サポートセンターに、2024年3月31日までにご連絡ください。 (ご連絡の締切については、延長する場合があります) なお、今般の地震に係る救済措置においては、罹災証明書、被災証明書等の証明書の提出は不要となりました。
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html >
ITパスポートの詳細は、こちらで紹介しています。
企業のコンプライアンスを守り、社員のITリテラシーを高めるため、新入社員・中堅社員研修の一環としてITパスポートの取得を奨励する企業が増えています。新卒大学生の就活や既卒者の転職活動でも、ITパスポートを取得して履歴書のアクセントにしようと考えるケースも増えているようです。基本情報処理技術者など数あるIT系の資格・試験のなかでITパスポートの位置づけとメリットはどこにあるのか?ここではITパ...
https://college.coeteco.jp/blog/archives/21/ >
ITコーディネータ
ITコーディネータは経済産業省の推進資格であり、公式サイトでは「真に経営に役立つIT利活用に向け、経営者の立場に立った助言・支援を行い、IT経営を実現する人材」を指すと紹介されています。経済産業省が2018年12月に発表し「DXレポート2(中間とりまとめ)」の中で、政府が中小企業のデジタル化推施策の一つとして、ITコーディネータの普及を展開してきたと記載され、話題を集めました。受験方法 |
CBT試験 年3回の試験期間内に、全国約300か所の会場から選択して受験 |
受験料 | 19,800円 資格の更新には、更新手続料(22,000円/年)が必要 |
合格点 | 非公表 |
Tコーディネータ試験は、ケース研修の受講修了と合わせて、ITコーディネータ資格取得の条件となるもので、年間3回(各期間1か月程度)実施しています
https://itc-shikaku.itc.or.jp/exam/ >
情報処理技術者試験
ITエンジニアを対象に12種類に分類された国家試験である情報処理技術者試験は、DXへの対応にも有効です。特にDXとの関わりが深いものには、データベースと情報システム、ITの専門家であるデータベーススペシャリスト試験、経営とITを結びつける戦略の専門家であるITストラテジスト試験、システム開発プロジェクトを実行・管理するプロジェクトマネージャ試験が挙げられます。情報処理推進機構(IPA)の「試験区分一覧」に関する情報です。
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/seido_gaiyo.html >
DX推進の波が来ている近年、必要とされているのがITエンジニアです。ITエンジニアを目指す上で取得しておくべき資格が、「ITエンジニア登竜門」とも言われる「基本情報技術者」。基本情報技術者は実践的なITに関する知識・スキルが証明できるので、IT業界への就職・転職を目指す人にも役立ちます。ここでは、基本情報技術者試験の概要や試験の詳細、勉強法などを紹介します。
https://college.coeteco.jp/blog/archives/2517/ >
AWS認定資格
Amazonが提供するAWS、Amazon Web Servicesはクラウドサービスの中でも人気があるサービスです。AWSを使いこなすスキルを証明するAWS認定資格も、役に立つ資格ランキングでは常に上位を占めています。AWS認定資格は「基礎」「アソシエイト(中級)」「プロフェッショナル(上級)」と、ジャンルごとの専門知識が求められる「専門資格認定」に分かれていて、11の資格があります。AWSのウェブサイトでは、受験勉強に役立つWebセミナーや、デジタルトレーニングが用意されていますので、興味がある方はまずは試してみましょう。
ロールベースおよび専門知識認定から選択し、業界で広く認知された認定によってクラウドの専門知識を検証します。AWS 認定を詳しく見る
https://aws.amazon.com/jp/certification/ >
Amazon.co.jp: この1冊で合格! AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト テキスト&問題集 eBook : アクセンチュア株式会社: 本
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VFFX6V1?tag=career-coeteco-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1 >
Python
プログラミング言語であるPythonは、人工知能、機械学習、ビッグデータ、ネットワークインフラ(自動運用等)で中心的に使用されています(一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会・ウェブサイトより)。他の言語に比べて分かりやすく学びやすい点が特徴の一つで、近年注目を集めています。文法基礎を問う「Python 3 エンジニア認定基礎試験」と、Pythonを使ったデータ分析の基礎や方法を問う「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」が、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会により実施されています。また、Pythonの設計について記述されたイディオム集であるPythonZenと、標準のコーディング規約としてPEP 8で定義されているものから出題する「PythonZen & PEP 8 検定試験」の無償提供も予定しています。
Python 3 エンジニア認定基礎試験
Python 3 エンジニア認定データ分析試験
Pythonの学習の目安と習熟度チェックに試験・資格はいかがですか?
https://www.pythonic-exam.com/ >

次世代に通用する人材となるためにDXを学ぼう
DXは、企業活動、医療、農業など産業全般、家事の方法などの日常生活、社会全般に大きな変革をもたらしています。DXは私たちの働き方にも影響を与え、新たに発生する職種がある一方で、これから消える職業も出てくるでしょう。DXで業務改善の必要性を迫られると感じると重荷になりますが、DXによって働きやすくなる面もあります。効率的に業務を進めるために、より自分らしく働くために、DXを学んでみませんか。
WRITERこの記事を書いた人
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