そこで、動画販売や講座PRに欠かせないのが印象に残る良いサムネイル。サムネイルは視聴者が最初に目にする動画コンテンツの顔とも言えるものであり、講座の第一印象を左右します。
そのため、魅力的で興味を引くサムネイルを作ることが、動画販売や講座PRの成功につながるカギとなるのです。
この記事では、サムネイルの重要性と効果的な作り方、作成時の注意点について詳しく解説していきます。
サムネイルとは
サムネイルとは、動画の内容やテーマを一目で把握できるようにするための静止画のことです。サムネイルの多くは動画内の印象に残る場面をスクリーンショットで保存し、画像を編集して作成します。YouTubeなどの動画サイトやWebページ、講座販売プラットフォームでは、トップページなどで動画が再生される前にこの画像が表示されます。サムネイルは視聴者の目を引き、動画をクリックして視聴してもらうよう工夫されています。
つまり、良いサムネイルは顧客である視聴者にとって興味深く魅力的な内容を示し、最後まで動画を見てもらうための重要な役割を果たします。
視聴者が惹かれるサムネイル作成のコツ
一目で動画の内容が伝わるわかりやすさ
サムネイルは、一目でどのような人を対象にし、どのような内容なのかがわかると、動画を見てほしいターゲットに届きやすくなります。ヨガや英会話などのレッスン系であれば、講師のプロフィール写真を使うよりもレッスン風景のスクリーンショットを用いれば何のレッスンかわかりやすいですし、料理やお菓子作りであれば、作っている過程ではなく美味しそうな完成形の写真を使うことでどんな料理が出来上がるのかイメージがわき興味を持ってもらえます。
また、初心者向けの内容であれば若葉マークのイラストを入れるだけで直感的に「初心者向けだな」ということが伝わります。
宅建やインテリアコーディネーター、キャリアコンサルタントの資格取得に関する動画であれば、どのような資格が取得できるか明記し、初心者向け、中級者向け、上級者向けなどレベル感がわかるようにしましょう。
最後まで見たいと思える「内容チラ見せ」
わかりやすいサムネイルは必須ですが、動画の重要な部分全てを書いてしまうと視聴者は「全てわかった」と興味を失ってしまいます。内容はあくまでチラ見せであり、「オチ」まで書かないことが重要です。例えば料理動画であれば「美味しい卵焼き コツはマヨネーズを入れること!」とサムネイルに書いてしまうと、「卵焼きを作るときはマヨネーズを入れると良いのね」とわかってしまうため「卵焼き マヨネーズ」で検索して他のコンテンツや動画に視聴者が流れてしまいます。
「美味しい卵焼きに欠かせない意外な隠し味!」など、最後まで見ないとコツがわからないだろうなと推測してもらうことで、動画を最後まで見てもらえる確率が上がります。
適切な文字量
内容を盛り込もうとして情報過多の画像になると、人は混乱し興味を失います。シンプルでわかりやすくを心掛けてください。また動画の視聴者がスマートフォンで見るのかPCで見るのかによっても、適切な文字量は変わります。
主にスマートフォンで見ることが想定される場合は、画面が小さいので文字をたくさん盛り込もうとすると文字が小さくなり読みづらくなります。YouTube動画はスマートフォンで視聴する人が多いため、メインのキャッチコピーは15〜20文字程度が適切と言われているようです。
講座動画をアップロードするプラットフォームを用いたオンラインスクールであれば、PCで見る人も一定数いることが予測されます。講師側からPC視聴推奨と説明するようなら、メインのキャッチコピーの他にサブコピーなどで内容の補足をすると良いでしょう。
ただ、見せたいものの上に文字が被らないよう注意してください。例えば人の顔の上や見せたい料理や教材の上に文字が被ると、せっかく興味を引く画像を使っても台無しになってしまいます。
文字だけ、画像だけに着目せず、「どうしたら魅力的なサムネイルになるか」を考えて作りましょう。
フォントや色のインパクト
画像に入れる文字のフォントや色、背景色を工夫するだけでも目をひくサムネイルが作成できます。動画を視聴するターゲット層に合わせた配色やフォントを選んでください。背景画像が暗い色なら明るい色の文字にする、反対に背景画像が明るい色なら文字の色は暗い色を使うなど、それだけでも文字の視認性は格段に上がります。さらに、文字に白や黒の縁をつけるのも良いでしょう。
フォントは読みやすくてターゲット層に良い印象を与えるようなものが望ましいです。おしゃれなフォントでも細くて小さいと目を惹くことが難しくなりますが、目立つという理由だけで選ばずに全体の雰囲気も考慮して選ぶことをおすすめします。
サムネイルの作成方法
サムネイル作成の事前準備
サムネイルを作成する際は、まずベースとなる画像が必要です。動画内からスクリーンショットで切り取るか、無料の著作権フリーで商用可能な写真やイラストを使用しても良いですが、視聴者が興味を持ちそうな画像を用意しましょう。そして動画のアップロード先の解像度、ファイル形式、画像サイズを確認し、サムネイルを作成してください。
YouTubeで推奨されている解像度、ファイル形式、画像サイズは
- 解像度:1280×720ピクセル(最小幅:640ピクセル)
- 画像ファイル形式:JPG、PNGなど
- 画像サイズ:動画の場合は2MB未満
参照:YouTube で動画のサムネイルを追加する
YouTubeに限らずスマートフォンやPCで撮影する動画は縦横比16:9になることが一般的ですので、サムネイルもその比率で作成することをおすすめします。
ただしインスタグラムの投稿動画はアスペクト比1:1(1080×1080ピクセル)の正方形か、縦長の投稿動画は9:16(1080×1920ピクセル)の長方形が推奨されています。
アップロードするSNSなど媒体の推奨サイズを確認し、それに合わせた大きさで画面を切り取り、リサイズする必要があります。
デザインツールを使った画像制作
画像を用意したら、デザインツールなどを使って画像を編集します。デザインツールとは、
- Illustrator(イラストレーター)
- Photoshop(フォトショップ)
- Canva(キャンバ)
Illustratorはイラストを描いたり細やかなレイアウト設定や文字設定ができるツールで、最近では生成AIを用いたイラストも作成可能です。有料のツールですが、7日間の無料期間があります。
Photoshopは主に写真の編集に向いており、画像の色や質感を補正することが可能です。Illustratorと同じように7日間の無料期間がついている有料のツールです。
IllustratorもPhotoshopも、自由度が高い画像の作成が可能ですが、初心者が一から画像作成するには少しハードルが高いツールです。
Canvaは、豊富なテンプレートが揃っているデザインツールで、有料プランと無料プランとがあります。無料プランでは使えるテンプレートや画像編集の機能が限られますが、無料でも十分利用できます。詳しくはツールを紹介する項を参考にしてください。
サムネイルの作成手順
サムネイルの作成手順を簡単に説明すると、以下のようになります。1)画像をデザインツールにアップロードする
2)必要があればいらない部分を切り取る
3)動画の内容をわかりやすく伝えられるような言葉を画像に挿入
4)大きさや色、フォントを整える
5)アップロードしたい媒体に合わせたファイル形式で保存
自分と同様のジャンルの動画を投稿している人や、同業の講師がどのようなサムネイルで動画を投稿しているのか、参考に見てみると良いでしょう。
特にYouTubeの再生回数が多い動画は、興味を持ってもらえるようサムネイルをかなり計算して作り込んでいる人が多いので参考になります。
サムネイル作成時の注意点
時間表示などで文字が隠れる場所がないか確認する
YouTubeのサムネイルは右下にタイムインジケーター(動画の時間を表すもの)が表示されます。その部分に文字が被ると読みにくくなるので、画面の右下にはなるべく文字がかからないよう注意しましょう。また、YouTube動画を別の媒体に埋め込むと、左下などに「見る▷YouTube」のようなYouTubeに飛ぶためのボタンが表示されることがあるので、動画を埋め込む媒体によっても変わります。
動画配信サイトによっては、サムネイルの上部に動画タイトルが表示されることもあるので、動画配信する媒体によって文字が隠れてしまう部分がないか確認して画像編集してください。
画像が鮮明でない場合は加工する
動画をスクリーンショットで保存し画像を切り取ったり、使いたい画像をダウンロードすると、画質が落ちて鮮明にならない場合があります。画像が鮮明でないと魅力的に感じられないことが多いので、Fotorのような画像編集サイトなどを使って鮮明な画像に 加工することをおすすめします。
画像に入れる文字はタイトルとは別のものにすると情報が増える
YouTubeや多くの動画配信サイトでは、動画タイトルとサムネイルが一緒に表示されます。そこで動画タイトルと同じことを画像に入れてしまうと、伝えられる情報量が減ってしまいます。動画タイトルとは違う言葉で、簡潔に動画の内容を魅力的に伝えられるような言葉を考えて、画像に入れましょう。
サムネイル作成のコツ、事前準備から注意点までを踏まえて画像編集するには、使いやすいデザインツールの利用をおすすめします。以下、無料で使えるデザインツールと画像編集サイトをご紹介します!(価格や機能は全て2024年2月現在のものです。)
無料でも使えるデザインツールCanva
Canvaの特徴
Canvaは無料で使えるオンラインデザインツールです。スマートフォン用のアプリもあり、PCでもスマートフォンでも自由に画像編集可能で、同じアカウントでログインすれば複数のデバイスで作業できます。アカウントは、メールアドレスでアカウント作成するか、Apple ID、Microsoft、Clever、Googleアカウントもしくはfacebookアカウントでもログイン可能です。
Canvaは写真や動画、グラフィックなどの素材が1億点以上(無料プランの場合は写真やグラフィックが300万点以上)、テンプレートは60万点以上と非常に豊富で、デザインのスキルや知識がなくても誰でも簡単に画像編集できます。
- 写真編集
- 動画編集
- ロゴの作成
- プレゼンテーションスライドの作成
- WEBサイトの作成
- PDFの編集
- 生成AIを使った画像作成
- アニメーションやQRコードの作成 など
操作のほどんどはドラック&ドロップの直感的な作業で、オンラインで共同作業も可能です。
ダウンロード形式はJPG、PNG、PDF、MP4形式の動画、GIFから選べます。
無料版と有料版の違い
有料版のCanva Pro(個人向け)は30日間の無料トライアルがついており、月払いで月額1,500円、年払いで12,000円と年払いの方がお得です。有料版と無料版の大きな違いは、利用できるテンプレートや写真の数が違うことと、
- ワンクリックで背景削除
- 容量(ストレージが無料版では5GB、有料版では1TB)
- デザインの透過保存
- サイズの変更
- InstagramなどSNSへの予約投稿 など
無料版でも十分利用できるツールなので、まずは利用してみて不足があるようならアップグレードを検討すると良いでしょう。
有料プランには、個人向けの他に法人向けのCanva for Teamsがあります。
画像編集サイトFotor
Fotorの特徴
Fotorは、世界で5億人以上(2024年2月現在HPより)のユーザーを誇り、190カ国で利用されている無料で使える画像編集サイトです。オンラインで写真を簡単に加工・編集することができます。海外ツールですが日本語対応しており、使える機能は、
- テンプレートを利用したデザインの作成
- フィルターやエフェクトを使った写真の補正
- コラージュの作成
- AIフォト消しゴムで写真から削除したいものや背景を削除
- 生成AIを使った画像作成 など
直感的な操作で作業できるので使いやすく、不鮮明な画像も一瞬で鮮明な画像になります。
メールアドレスでアカウント作成するか、facebook、Google、Appleのアカウントでログイン可能です。
無料版と有料版の違い
Fotorは無料でも利用できますが、有料版のFotor Proでは- 広告の非表示
- 画像効果の追加
- テンプレートの追加
- 容量(無料版は500M、有料版のProは2G)
- 作成した画像のダウンロード時の透かし無し など
Fotor Proの利用料金は月払いで月額999円、年払いで約4,400円と年払いの方が62%お得です。
有料プランは、Fotor Pro+という追加の商用特権でより多くの高品質な著作権画像を利用できるプランがあり、月払いで月額2,199円、年払いで9,999円です。
まとめ
動画コンテンツの作成では、動画編集に目がいきがちですが、サムネイルの作成も動画の販売や集客において大きな要素の1つです。どんなに魅力的な動画の要約や説明文を載せたとしても、サムネイルの最初の印象で動画をクリックするか、購入したくなるかが大きく変わります。
ぜひこの記事を参考に、視聴者の関心を惹きつけるような魅力あるサムネイルを制作し、講座運営や動画販売を成功へと導いてください。
◆『動画 販売』に関連する記事
- 動画講座の販売に!有料・無料の動画配信システムを徹底比較|おすすめのプラットフォームもご紹介
- LMSは動画教材の販売に向いている?選ぶポイントとおすすめ9選 | 国内・海外LMSを徹底比較
- 講座・動画販売で成功し続けるには?人気講師になるコツを詳しく解説!
- 動画販売や講座PR・集客に必須!サムネイルの重要性と興味を引くサムネイル画像の作り方
- オンライン教材は簡単に作成できる?制作から公開・販売までの方法をご紹介!
- オンライン講座を始めよう|コエテコカレッジで講師登録してみた
- 動画コンテンツ作成の基礎知識|効率的にオンライン動画を利用しよう
- オンライン講座を開講するならどこ?|ストアカ・ココナラ・Teachable・KAJABIとコエテコカレッジを⽐較してみた
- 動画レッスンの作成は難しい?準備と手順・ポイントを詳しくご紹介!
- 簡単な動画編集をやってみよう①|Macで使える無料動画編集アプリの操作方法
- 簡単な動画編集をやってみよう②|Windowsで使える無料動画編集アプリの操作方法
- オンライン講座を盛り上げよう|スムーズで満足度の高い講座を開催するには
- Blender使い方入門|無料で動画・3Dアニメーションを作ろう!
- eラーニングの特徴・トレンドやメリット・デメリットを解説! | eラーニング講座を販売するシステム選びのポイントとは?