またオンライン講座の需要の高まりを受け、国内・海外問わずオンラインスクールを構築・提供するためのプラットフォームも数多く展開されるようになりました。しかし「どのサービスを利用すべきか分からない…。」という講師・クリエイターの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、海外で展開されている『Teachable』『Thinkific』と国内で展開されている『コエテコカレッジ』それぞれのオンライン講座プラットフォームの機能・料金などを比較してみました!
オンライン講座プラットフォームとは
オンライン講座プラットフォームとは、オンライン講座の構築や運営に必要な機能を搭載したシステムもしくはサービスのことです。学習管理システム(※ LMS:Learning Management System)とも呼ばれ、パソコン・タブレット・スマートフォンなどのIT端末とインターネットを活用して学ぶ『eラーニング』を提供する場として活用もでき、オンラインでのライブ講座の開講も可能です。
オンライン講座プラットフォームには、受講者管理や予約・メール配信機能などオンライン講座を運営するにあたって必要になる多様な機能が搭載されています。
例えば、決済機能やLINEと連携した受講生への連絡、メール配信、動画のアップロードなど、それぞれ別々のサービスを個別に契約して管理し、運用することも可能ですが、オンライン講座プラットフォームは多様な機能を一元管理でき、ワンストップでオンライン講座を運営できるのが大きな魅力です。
ただし、利用するサービスによって使える機能が違うため、事前に自分にどんな機能が必要なのか検討し、比較してサービスを選ぶ必要があります。
冒頭でもご紹介した通り、オンライン講座プラットフォームは、日本国内はもちろん海外でも多くのサービスが展開されています。
海外のプラットフォームは、マーケティングツールなど多くの外部ツールとの連携がしやすく、コミュニティ機能や修了証の発行など多機能で講座運営に必要な機能が盛り込まれています。ただし、日本語対応していないなどのデメリットもあります。
オンライン講座の場合、オンライン上だけで講座の提供を完結できるため、国内外問わず世界中に自分の講座を広めることが可能です。オンライン講座開設に向けてプラットフォームを探す際は、国内サービスのみならず海外サービスも含め比較・検討してみることをおすすめします。
オンライン講座開設・必要な機能とは
オンライン講座プラットフォームには、オンライン講座運営に必要な機能が一通り備わっていますが、どのサービスを利用するかによって以下の点が違います。- 無料プランや有料プランなど複数のプランがある
- 取引手数料(決済手数料)がかかる
- プランによって備わっている機能や公開数が変わる
- 海外のプラットフォームは日本語対応していないサービスもある
オンライン講座プラットフォームを選ぶ際は、上記を踏まえた上で自身の講座運営に必要な機能が搭載されているか確認しておくことが大切です。
オンライン講座運営に向けて必要になる機能は、次の通りです。
受講者管理 | 受講者の出欠連絡・スケジュール管理や進捗、購入商品・登録メルマガなど、煩雑な受講者管理を一括で管理できる機能 |
動画販売 | リアルタイムなオンライン講座開催以外にも事前に録画しておいた動画講座の販売ができる機能 |
決済管理 | クレジット決済、銀行振込決済などに対応した機能 プラットフォームの運営費だけではなく、収益管理できるものもある |
メール・LINE配信 | プラットフォームに登録している受講者・受講希望者に向けてメールやLINEでの講座案内やメールマガジンなどを配信する機能 |
ランディングページ(販売ページ)作成 | 商品の販売やメールアマガジン登録に必要な販売促進ページを作成できる機能 オリジナルテンプレートを用意しているプラットフォームもある |
クーポン発行・割引設定 | 自身の講座の割引設定・クーポンの発券機能 |
アンケート機能 | 講座の理解度・満足度を上げるための講座受講生に向けたアンケート集計機能 項目のカスタマイズや集計結果をCSVダウンロードできるプラットフォームもある |
日本語対応・サポート | 日本語変換機能や問い合わせサポート機能 |
初めてオンライン講座を開設する場合、次の機能が備わっているプラットフォームがおすすめです。
- 受講者管理
- 決済管理
- アンケート機能
- 日本語対応のサポート
日本語対応のサポートは、国内のサービスなら当たり前ですが、海外のサービスは日本語対応していないものもあるので要注意です。
また、ある程度オンライン講座の運営方法ノウハウを習得できている人は、次の機能が搭載されているプラットフォームか、アップグレードで利用可能になるならプラン変更を検討しましょう。
- 動画販売
- メール・LINE配信
- ランディングページ(販売ページ)作成
- クーポン発行・割引設定
これらの機能を自由に活用することで、より充実したサービスや情報の提供が叶うようになるでしょう。他のオンライン講座との差別化もでき、オリジナル性の高い講座の運用ができるようになります。
他に、資格取得のためのオンラインスクール(宅建、インテリアコーディネーター、キャリアコンサルタント、気象予報士、ヨガ・ピラティスインストラクターの養成など)として利用したい方は、レベルに合わせたきめ細かい講座作成が可能かどうかや、修了証・ディプロマの発行、おうちヨガレッスン・英会話などリアルタイムでのオンライン講座を開催される方はzoom連携など、自分の講座にあると良い機能を確認してください。
最近ではサブスクリプション形式の講座を販売される講師の方も増えているので、サブスク機能が利用できるかなど、どのような販売方法が可能かも確認しておくのをおすすめします。
Teachable・Thinkific・コエテコカレッジのサービス概要
海外・国内で展開されているプラットフォームを3つご紹介します。Teachable(ティーチャブル)、Thinkific(シンキフィック)は海外で利用されているオンラインビジネスのためのオールインワンプラットフォームですが、日本でも利用する人が増えてきました。コエテコカレッジは国内のサービスですが、TeachableやThinkificに引けを取らない多様な機能を持つプラットフォームです。
Teachable(ティーチャブル)のサービス概要
Teachableはアメリカ発祥のeラーニングシステムを構築できるサービスです。
海外サービスの中では日本での知名度も高く、日本人がレクチャーする講座開設方法や運用方法が記載された記事や使い方についてのノウハウ動画などもたくさん公開されています。
ただし、Teachableは日本語対応しておらず、サポート言語は2024年1月現在で英語のみです。Google Chromeの拡張機能を利用して日本語表記にすることは可能ですが、サポートも英語でメールを送るか英語のチャット形式ですので、初めてオンライン講座プラットフォームを利用する講師・クリエイターの方など、そもそものプラットフォーム運用経験がない人は使い慣れるまで時間がかかるかもしれません。
しかしTeachableは世界中のオンライン講座プラットフォームの中でも随一の老舗サービスです。世界中の講師からはもちろん、受講者からも厚い信頼を得ており安定性は抜群です。
主な機能は、
- 動画だけでなく画像やオーディオデータ、PDF、テキストデータ等の多様な教材コンテンツを利用した講座を直感的な操作で簡単に構築
- 動画やPDFなどコンテンツのみでも販売が可能
- リアルタイムのコーチング(オンライン講座)開催
- 単発講座・サブスクリプション形式の講座の両方販売可能
- AIを使ったアシスト機能(オンラインスクールのコース作成時)
- PayPal、Stripeと連携したオンライン決済
- テンプレートを利用したWebページが簡単に作成可能
- 複数のマーケティングツール(MailChimpやConvertKit等のメルマガ配信サービスやGoogle Analytics等)と連携可能
- キャンペーン機能、修了証発行機能
- 独自ドメインの取得
Teachableを利用して日本語で講座作成する方法は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:Teachableで日本語でオンライン講座を作成する方法 | 日本語完全対応のプラットフォームも紹介!
Thinkific(シンキフィック)のサービス概要
まだまだ日本での知名度は低く、日本語化機能がないためTeachableと同様にGoogleChromeの拡張機能で日本語表示にするなど工夫が必要ですが、動画講座やWebセミナーを簡単に作成し、収益化できます。
主な機能は、
- オンラインスクールや会員制サイトの作成
- コミュニティの構築
- サブスクリプション形式のサービス提供(有料プランのみ)
- マーケティング機能
- 独自ドメインの取得
- アフィリエイト機能
- クーポン発行・割引機能
- クイズや課題作成の機能
- 修了証明書の発行
Thinkificは無料プランには使用期限がなく、取引手数料もないのが大きな特徴です。無料(Free)プランは1つしか開講コースを作成できない制限がありますが、まずは試しに使ってみたい、低コストで小規模から始めたいという方におすすめです。
Thinkificを含めた海外・国内のLMS(Learning Management System)としても使えるプラットフォームを比較検討した記事も参考にしてください。
関連記事:LMSは動画教材の販売に向いている?選ぶポイントとおすすめ9選 | 国内・海外LMSを徹底比較
コエテコカレッジのサービス概要
コエテコカレッジはGMOメディア株式会社が運営する社会人のためのオンラインスクールを中心に取り扱うオンライン講座プラットフォームです。社会人にとって有用性の高い実務的な知識・技術を学ぶ場を提供しており、資格取得に向けた講座や、クリエイターなど資格取得者に向けたスキルアップ講座が数多く開講されています。最近では講師登録者も増え、多様なジャンルの講座が開催されるようになりました。
講師活動のはじめ方やコンテンツを作るコツなど、運用に向けたサポートを受けられるため、初めてオンライン講座プラットフォームを使う人でも、安心してサービスを利用できます。
有料講座、無料講座の両方が設定でき、単発講座、連続講座、サブスクリプション形式の講座(2024年1月現在はプロプラン以上、今後拡充予定)、オープン(公開)講座、限定講座(クローズドで会員サイトのような使い方も可能)など、多様な講座開催形式に対応しています。
主な機能は、
- 月毎の決済管理(サービス内で完結するオンライン決済機能)
- 割引制度・クーポン機能
- アンケート機能
- 対象講座受講者全員へ連絡できるグループ機能を利用してコミュニティを作ることが可能
- 受講者への個別連絡も可能
- 出席期限、講座の時間やURL連絡など受講者への自動連絡メールの設定
- LINE連携(LINEから通知を送る機能)
- 受講の進捗が確認・管理できる受講者管理
- レビュー機能
- 講座パック機能(作成済みの講座をパックにして販売:2024年1月現在はプロプラン以上、今後他プランでも拡充予定)
- AI販売アシスト機能(AIがどんな講座が作れるか分析し、販売までのスケジュールを立てる機能)
- AIによる動画自動文字起こしや動画内容の要約機能(プランによって回数の制限あり)
有料プランでは、
- コンビニ決済・銀行振込などの支払い方法の選択が可能
- 課題機能や問題集作成機能
- 複数管理者
詳しくはこちらをご確認ください。
Teachable・コエテコカレッジ 料金比較
続けてTeachable・コエテコカレッジの料金を比較してみたいと思います。Teachableの料金
Teachableの各プランの料金は次の表の通りです。(※価格・プランの詳細は2024年1月現在のもの)表に記載の月額必要もしくは取引手数料とは別に、一律で国際カード手数料(※)3.9%+30¢がかかります。(PayPalを利用する場合は国際販売の手数料として4.99% + 49¢)
Teachableでは年払いと月払いが選択でき、年払いの場合ひと月あたりの使用料が割安となります。月額が割安になるほど取引手数料が高くなるため、販売講座の価格帯や本数に応じて適切なプラン選択をしましょう。
(※)アメリカ国以外の国で支払いを行った場合のクレジットカード・デビットカードの手数料
プラン | 月額料金 | 取引手数料 |
Freeプラン | 0$ | $1(約100円)+10% |
Basicプラン | 39$ | 5% |
Proプラン | 119$ | 0% |
Pro+プラン |
199$ | 0% |
Businessプラン | 499$ | 0% |
Thinkificの料金
Thinkificの料金プランは、以下の表の通りです。(※価格・プランの詳細は2024年1月現在のもの)Teachableと同様に年払いと月払いが選択でき、年払いにすると月払いにした場合の25%割引になります。
プラン |
月額料金 (年払いの月額計算) |
取引手数料 |
---|---|---|
Free |
0$ |
0% |
Basic |
36$ |
0% |
Start | 74$ |
0% |
Grow |
149$ |
0% |
コエテコカレッジの料金
コエテコカレッジには、次の3種のプランが用意されています。無料プランの場合は、利用にかかる費用は取引手数料(8%)だけ。無料講座のみの場合は、一切の⼿数料がかからないため完全無料で利⽤できます。(※価格・プランの詳細は2024年1月現在のもの)
プラン | 月額料金 | 取引手数料 |
シンプルフリー | 0円 | 8.0% |
ベーシック | 990円 | 8.0% |
プロ | 9,900円 | 3.5% |
Teachable・コエテコカレッジ 機能比較
Teachable・Thinkific・コエテコカレッジの無料プランの機能を比較してみました。コエテコカレッジ | Teachable |
Thinkific |
|
公開できるコース |
有料講座:無制限 無料講座:3つ |
各タイプ1つずつ |
1つ |
サポート機能 | 日本語対応 AIチャットボット |
メールのみ(日本語対応なし) |
メール(30日間) チャットボット(日本語対応なし) |
クーポン機能 | ◎ | × | × |
登録者へのメール一斉送信 | ◎ | × | △ (コミュニティ スペースの作成は可能) |
アフィリエイトプログラム機能 | × | × |
× |
他機能との連動 | LINE通知連携可 | × | × |
集客機能 | × | × | × |
サブスクリプションサービス |
× (2024年1月現在 プロプランのみ 今後拡張予定) |
コースの支払い形式で サブスク選択可 |
× Startプラン以上 |
コエテコカレッジの強みは何と言っても日本国内で展開されているサービスだけあり、導入敷居が低い点。無料プランでも、動画のアップロードが無制限に行えます。無料講座(無料動画含む)は3つまでと制限がありますが、海外のプラットフォームは公開できるコースに制限があります。
また、海外のプラットフォームは日本語対応しておらず、問い合わせも英語のメールか英語のチャットで問い合わせするしかありません。コエテコカレッジはAIチャットボットでストレスなく問い合わせが可能です。
さらに、コエテコカレッジは無料プランでも上記の機能の他に受講者の一括管理・決算管理・割引設定・クーポン発行・特別ページ作成(無料プランは1Pまで)などオンライン講座の運営に必要な機能が揃っているため、簡単にオンライン講座を開設できます。
しかし、海外のプラットフォームも機能性やユーザビリティはユーザーの声からも高い満足感があることが伺えます。また世界中の受講候補者に講座情報を発信できる点も強みの1つです。
さらに海外のサービスはユーザーインターフェース開発にも非常に力を入れており、日本語で表示ができれば講座提供・受講者両サイドの使い勝手を極めたプラットフォームと言えるでしょう。導入の敷居は高いかもしれませんが一度使い方を覚えると、自身のオンライン講座ビジネスを加速させることも可能です。
まとめ
オンライン講座ビジネスは今や世界中で展開され、講師も受講者も年々増えビジネスとして定着しました。世界各国でオンライン講座用のプラットフォームが展開されており、実に様々な講座が運営されています。オンライン講座運営も、いわゆるWebセミナー形式の講座だけでなくeラーニングや動画コンテンツの販売、サブスクリプションなど多様化し、運営に必要な機能・ツールが一元集約されたプラットフォームの導入が不可欠です。
様々なサービスを比較・検討し、自身のオンラインビジネスにピッタリのオンライン講座プラットフォームを見つけてくださいね。
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