高校受験の内申点にモヤモヤしたら?保護者が知っておきたい成績との向き合い方
高校受験における内申点の扱いや付け方には、都道府県や学校、先生の方針による違いもあり、保護者からは見えにくい部分があります。私自身、2年前に高校受験を経験した長男、そして今年受験生となる次男の内申点を見て、何度も複雑な気持ちを抱えてきました。
この記事では、高校受験における内申点の扱いと、保護者としての向き合い方について解説します。結果だけを見て子どもを判断するのではなく、内申の仕組みを理解しながら、家庭でできる関わり方を考えていきましょう。
内申点に「理不尽さ」を感じる保護者は少なくない

少し前に、神奈川県内の内申格差に関するネット記事が話題になりました。記事では、湘南ゼミナールが示したデータをもとに、神奈川県は1都3県のなかでも内申点を取りづらく、県内の市によっても差があることが紹介されています。
私自身、2年前に長男が神奈川県の公立高校を受験し、今年も次男が受験する予定の保護者として思うところがあり、この記事をXで引用してコメントしました。すると、思っていた以上に反応があり、内申点に対する保護者の関心の高さをあらためて感じました。
いまだに納得できていないのが、長男の体育の成績です。長男は5教科の成績は比較的安定していた一方で、実技教科、とりわけ体育の評価には苦労していました。本人は極めて真面目に授業を受けているものの、実技で大きく点を伸ばせるタイプではなかったのです。
本人としても「これではいけない」と思ったらしく、ペーパーテストで挽回しようと努力し、保健・体育のテストでは90点以上の高得点をキープしていました。それでも成績は思うように上がらず、どれだけ頑張ってみても成績は「3」。中学1年から3年間、何をしても変わりませんでした。
そんな我が子を見続けていた保護者としては、
実技教科の評価は技能だけでなく、授業への取り組みや意欲、提出物など、さまざまな観点から総合的に判断されるものだということは重々理解しています。それでも、もともと苦手な子であっても、「努力によってある程度評価につながる仕組み」はあってほしいと感じます。運動神経が悪いのは、もうどうしようもないのでね…。
内申点は、高校受験に関わる大切な数字であると同時に、子どもにとっては「どう頑張れば次につながるのか」を考えるための指針でもあります。だからこそ保護者は、内申点の数字だけに振り回されるのではなく、まずは制度の仕組みを知り、冷静に向き合っていくことが大切ではないでしょうか。
内申や出席日数はどう扱われる?文科省の指針

近年、内申や調査書における出席日数の扱いについても、見直しの動きがあります。
文部科学省が令和7年6月27日に出した通知では、高等学校入学者選抜における調査書の取り扱いについて、主に以下のような考え方が示されています。
- 入学者選抜で調査書を活用する際は、感染症などの影響によって特定の志願者が不利益を受けないよう、記載内容に配慮する
- 大学入学者選抜の調査書では、出席停止・忌引等の日数や、それらが推測できる授業日数は記載しない取り扱いとなっており、高校入試でも各実施者が参考にする
- 出席等に関する日数欄を設ける場合は、その記載内容によって不利益が生じないよう配慮し、欠席理由の記載欄や本人が申告できる機会を設けることが望ましい
- 病気や事故など、本人に責任のない理由による欠席は、合理的な理由なく不利に扱わないようにする
- 学習評価や活動記録などの記載が少ない場合も、不利益とならないよう配慮する
- 公立高校の調査書記載事項は「真に必要な事項に精選」することとされており、今後も必要に応じて見直す
- 私立高校についても、公立高校の趣旨を踏まえ、改善に努める
実際の入試制度や調査書の扱いは自治体によって異なりますが、国の方針としてこのような考え方が示されていることは、保護者として知っておきたいポイントです。
そもそも内申点って高校受験でどれくらい重要?

内申点にモヤモヤする気持ちはあっても、高校受験において内申点が重要な資料であることは間違いありません。特に公立高校入試では、当日の学力検査だけでなく、中学校での成績を示す調査書も合否判定に使われます。
たとえば神奈川県の公立高校入試では、共通の検査として「学力検査の結果」と「調査書(評定・評価)」が使われ、この2つの取扱い比率は学校・学科ごとに設定されています。内申は中学2年の3学期から中学3年生の成績が対象となり、5教科と実技4教科の評定を独自の計算式に当てはめて算出する仕組みです。
内申と学力検査の比率は高校によって異なり、内申を重視する学校もあれば、当日の学力検査をより重視する学校もあります。実際、長男は内申が思うように取れなかったため、学力検査の比重が高い「3:7」の高校を第一志望にしていました。
参考:神奈川県公立高等学校入学者選抜について|神奈川県
内申点の扱いは、自治体によっても異なります。たとえば東京都の都立高校一般選抜では、中学3年生の成績が対象となり、5教科に加えて実技4教科の評定を2倍して内申点を算出します。学力検査点、調査書、英語スピーキングテストの結果をもとに選抜され、全日制課程の場合、原則として学力検査と調査書の割合は7:3です。
参考:東京都立高等学校入学者選抜実施要綱(令和8年度)|東京都教育委員会
また埼玉県の公立高校入試では、中学1年生から中学3年生までの成績が内申の対象になります。9教科5段階の評定をもとに内申点を算出し、学力検査と内申の割合は各高校によって個別に設定されています。
参考:埼玉県公立高等学校入学者選抜(令和8年度)|埼玉県
このように、内申点の扱いは都道府県や高校によって大きく異なります。内申点が高校受験に影響することは確かですが、内申だけですべてが決まるわけではないということも理解しておきましょう。
保護者は子どもの内申とどう向き合うべき?

内申点は高校受験に関わる大切な数字ですが、保護者の受け止め方によっては、子どもを必要以上に追い詰めてしまうこともあります。ここでは、保護者が子どもの内申と向き合ううえで意識したいポイントを紹介します。
内申だけで子どもの価値を判断しない
高校受験において内申点は重要な指標の一つですが、内申点だけで子どもの努力や能力、人としての価値まで決まるわけではありません。通知表の数字だけを見て「もっと頑張れたんじゃないの?」などと否定的に受け止めてしまうと、子どもが自信を失ってしまう可能性があります。そもそも内申点の内訳は、保護者からは見えにくい部分も多いものです。また、その背景には教科の得意・不得意、評価基準との相性、学校生活のなかでの見えにくい努力など、さまざまな要素があります。
だからこそ、まずは「成績は大事。でも、あなた自身の価値とは別」と伝え、子どもが安心して次に向かえる土台を作ることが大切です。
「なぜこの評価なのか」を子どもと一緒に分解する
内申点に納得できないときは、感情的に受け止めるだけでなく、「なぜこの評価になったのか」を子どもと一緒に分解してみることが大切です。定期テストの点数、提出物の期限や内容、授業中の取り組み、観点別評価、副教科の実技やレポートなど、評価につながる要素は複数あります。たとえばテストの点数は取れていても、提出物の内容が不十分だったり、授業中の発言や取り組みが評価に反映されにくかったりするケースもあるでしょう。どこを改善すれば成績につながるのかが分かれば、次の行動も見えやすくなります。
必要に応じて学校や塾に相談し、評価のポイントを確認するのもひとつの方法です。内申を責める材料ではなく、次の対策を考える手がかりとして捉えていきましょう。
内申に振り回されすぎない志望校選びも大切
内申点に不安がある場合でも、「この内申では無理」と早い段階で決めつける必要はありません。公立高校入試では、学校ごとに内申点と学力検査の比率が異なります。内申を重視する高校もあれば、当日の学力検査の比重が高い高校もあるため、志望校の選び方によって戦い方は変わります。また、私立高校の併願基準や推薦入試では内申が重要になるケースもありますが、一般入試やオープン入試など、別の選択肢が用意されている場合もあります。
内申だけを見て可能性を狭めるのではなく、学校ごとの選考基準や入試方式を早めに確認し、子どもに合った受験戦略を整えましょう。
当日点で挽回できる道も一緒に探す
内申点が思うように取れない場合でも、当日の学力検査で挽回できる可能性はあります。特に学力検査の比重が高い高校では、定期テストや模試の結果をもとに、入試本番でどれくらい得点できるかを冷静に見ていくことが重要です。もちろん内申点を軽視してよいわけではありません。しかし、内申は頑張ったからといって上げられるものでもないため、子ども自身が「頑張っても意味がない」と感じてしまうことがあります。実際、我が家の長男も「もう学校の成績は捨てた!学力検査で挽回するからいい!」と開き直っていましたし……。
大切なのは、今の内申を出発点として、どこで点数を伸ばせるのかを前向きに考えることです。苦手科目の底上げや得意科目の強化、過去問演習など、当日点につながる対策を積み重ねることで、受験の可能性は広げられます。
内申対策に悩んだら、塾などの第三者に相談するのもアリ

内申対策に悩んだときは、家庭だけで抱え込まず、塾などの第三者に相談するのも一つの方法です。地域の受験情報に詳しい塾であれば、学校ごとの傾向や志望校選びについても相談しやすいでしょう。
我が家の次男は塾に通っていますが、塾から「内申の上げ方」に関するガイドブックをもらっていました。定期テスト対策だけでなく、提出物の出し方、授業中の取り組み方、先生への質問の仕方など、内申につながる具体的なポイントがまとめられていて、とても参考になります。
また、学校の先生に「どうすれば評価を上げられるか」を直接聞いてみるのもおすすめです。評価基準が見えにくいからこそ、分からないまま悩むより、確認できる部分は早めに確認してみるとよいでしょう。
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まとめ|内申の制度を理解し、子どもを守りながら戦略を立てよう

高校受験において、内申点は合否に関わる大切な要素の一つですが、内申点の扱いは都道府県や学校によって異なり、評価の内訳も保護者からは見えにくい部分があります。そのため、思うような成績が取れず、モヤモヤした気持ちを抱える家庭も少なくないでしょう。
しかし保護者が意識したいのは、内申点だけで子どもの努力や価値を判断しないことです。結果だけを見て責めるのではなく、「なぜこの評価になったのか」「次に何を意識すればよいのか」を親子で整理していく姿勢が求められます。
また、内申に不安があったとしても、志望校の選考基準を確認し、当日点で挽回できる道や子どもに合った受験戦略を探すことも重要です。
家庭だけで内申の悩みを抱え込まず、必要に応じて学校や塾にも相談しながら、子どもが前向きに受験へ向かえる環境を整えていきましょう。
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